【松蔭中学校・高等学校 美術部】
部員のアイデアを満載して現代アート展に参戦!
合言葉は「思いっきり楽しむこと」

部員のアイデアを満載して現代アート展に参戦! 合言葉は「思いっきり楽しむこと」 松蔭中学校・高等学校 美術部 関西私学部活白書
六甲山の豊かな自然を舞台に繰り広げられる現代アートの祭展「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」。松蔭中学校・高等学校 美術部はこの展覧会で、展示した作品を使ってパフォーマンスを行うというユニークな作品を披露し、来場者の投票により決定される大賞を2年連続で受賞しました。2019年も並み居るアーティストたちに交じっての参戦が決定。他の美術部とは違い、活動のほとんどが大型の現代アート制作に費やされるという松蔭美術部の、3年目となる展覧会へのチャレンジに密着しました。

知りたい!松蔭美術部知りたい!松蔭美術部

展覧会の大作に取り組む日々

春の文化祭にはそれぞれ絵画も出品しています。ただ、その後は「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」の企画に取り掛かり、夏休みいっぱいを使って制作するのが、ここ数年の美術部のスケジュール。部員共同で巨大なアート作品を形にしていく体験は、ほかではなかなか味わえない貴重なもの。美術や芸術との関わりが大きく広がります。

大阪(左)と六甲(右)の展覧会で話題をさらった大作!

素材も道具もすべてが試行錯誤

あるアイデアを形にする時、大きさや形に見合った素材に道具、作り方のすべてが手探りです。試してみるまで、何が正解かはわかりません。その試行錯誤と工夫の連続も制作の醍醐味。先輩の背中を見ながらそれぞれのやり方を模索するうちに、初心者ばかりの新入部員もしっかりと美術部の戦力となっているのです。

発泡スチロール削りで大活躍した農作業用の熊手

長く続く“ちょうどいい関係”
が自慢

顧問の先生はもちろん、先輩・後輩の距離感が“ちょうどいい”のが美術部の魅力のひとつ。上下関係がきちんとありながら、作品のアイデア会議では言いたいことを気兼ねなく言い合える仲。夏休みの制作期間には、歴代のOGが差し入れ片手に手伝いにきてくれるなど、ずっとすてきな関係が続いています。

“粉まみれ”の作業に打ち込んだ部室に満ちる一体感!

PROFILE
  • 部員数
  • 10人[中1:1人、中2:1人、高2:8人]
  • 活動日
  • 月・水曜
  • 活 動
  • おおさかカンヴァス2016~太陽の塔を振り向かせろ~ 参加

    六甲ミーツ・アート芸術散歩2017 六甲ミーツ・アート大賞グランプリ受賞

    六甲ミーツ・アート芸術散歩2018 オーディエンス大賞受賞

    六甲ミーツ・アート芸術散歩2019 招待作家として参加
六甲ミーツ・アート芸術散歩とは?

現代アートを通じて六甲山の魅力を再発見してもらおうと2010年に始まった芸術祭。
これまでに通算300組を超えるアーティストが出展、斬新な作品と風景とのコラボレーションを展開してきました。本年は節目となる10回目の開催です。

PHOTO GALLERY

STUDENTS Comment shoin art club

松蔭美術部でしかできなかった経験は宝物です

Fさん 部長/高校2年

ずっと運動部だったのですが、高校入学を機に好きだった美術が楽しめる美術部に入部しました。実は「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」のことは聞いたこともなくて(笑)。昨年、先輩のお手伝いで初めて参加した時に、アーティストたちと一緒に、身近な六甲山で作品を発表できると知ってびっくりしました。今年のモチーフは私の大好きなソフトクリーム。運動部と変わらないくらい部活に専念することになりましたが、普通ならなかなかできない経験ができて本当に楽しいです。これまでの先輩方のように、卒業した後もお手伝いに来たいと思っています。

作品を通じたお客さんとの関わりに感動しました

Nさん 副部長/高校2年

宮崎先生の指導で作っている作品は、完成して飾って終わりではなくて、制作者である私たち自身が、その作品の一部になるところがすごいと思うんです。現地で一般のお客さんを前にパフォーマンスをしていて、「面白い」と思ってもらえただけでもうれしいんですけど、終わったあとに「楽しかった、ありがとう」って言ってもらった時の感動は忘れられないです。夏休みはほとんどこれにかかりきりになりましたが、それを思い出すと頑張れます(笑)。この部での活動をきっかけに芸大進学を決めました。デザイン系を選択しようと考えています。

 TEACHER Interview shoin art club

宮崎宏康先生(美術科/美術部顧問)

中高生の斬新なアイデアに圧倒されながら、一緒になってアート作りを楽しんでいます

― 宮崎先生が美術部の顧問になったのは4年前だとお聞きしました。「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」への参加のきっかけは何だったんでしょう。

宮崎先生 せっかく顧問になったので、「なんかデカいことしようよ」と。私自身が現代アートをやっていたこともあって、“太陽の塔を振り向かせろ“をテーマとした「おおさかカンヴァス2016」はどうかと提案して、挑戦したのが最初です。六甲ミーツ・アートに企画書を出したのはその翌年のことです。「次の作品も面白そうだ」と思ってくださったのか、見事、書類選考に通ったんです。

― 2年目のチャレンジを六甲ミーツ・アートに絞ったのは、やはり地元だったからですか。

宮崎先生 実は、個人的に何度か応募したことがありまして(笑)。それはともかく、この芸術祭の一番の素晴らしさは、六甲山へピクニックや山登りに来た人たちが“たまたますごいアートを目にする”ところだと思っています。アーティストたちと同じ土俵で自分たちの作品を発表することはもちろんですが、アートとの出会いにおける、そういう純粋な体験をしてほしいという気持ちも大きかったですね。

― 最初のチャレンジから2年連続で、来場者の投票によるオーディエンス大賞(2017年の名称は「六甲ミーツ・アート大賞」)を受賞されたそうですね。

宮崎先生 はい。生徒たち自身が“面白い”と思ったことを突き詰めていった結果だと思っています。アートの素晴らしさは「年齢・経歴・国籍不問」というところ。例えば3歳児でもいいし、80歳でもいい、中学生でも高校生でも参加できる。経験だって関係ない。何の垣根もないんですね。だからこそ、作品がいろんな人に受け入れられ、楽しんでもらえたのは何よりもうれしいことです。

生徒たちの“無茶”をアート作品に昇華する楽しさ

― 今年の作品コンセプト「ハッピーソフトクリーム」はどうやって生まれたんでしょうか。

宮崎先生 まずはゴールデンウィークに生徒たちと六甲山に登って、「どこがいいかな」と池の畔へ行って、なんとなくソフトクリームを食べて、ワイワイ楽しみました。それから会議です。どんな無茶なアイデアでもいいからと、何がしたいかをどんどん出し合いました。池の畔、ソフトクリーム、溶けて、落ちて、でもそれだけじゃなくて……と。箇条書きのアイデアがつながっていったんです。

― そうして集めた言葉を具体的に形にしていくわけですね。

宮崎先生 生徒たちが考えた“こんなことをしたい!”をどうやって現実に立ち上がらせるのか。そこが美術の先生の実力の見せどころだというのはありますね(笑)。「こうしてみようか」「ああしたらどうだろう」と、5月の中頃から頭の中は制作のことでいっぱいでした。工作少年でしたから、腕が鳴ります。この40年以上の経験と美術部の力を合体させた時に生まれるものを楽しみにしていてください。

― 巨大な制作物を作るわけですが、設計図のようなものがあるのでしょうか。

宮崎先生 ありませんね。誰も作ったことのないものですから、試しながら、考えながら形にしていきます。行き当たりばったりの部分が多いんです(笑)。本当に思った通りに完成するのか不安なこともありますが、そこは私が一心に引き受けています。

偶然完成した“パフォーマンス付き”という作品スタイル

― 今年の展示現場でも、作品を使ったパフォーマンスが行われるとお聞きしました。

宮崎先生 先の「おおさかカンヴァス」では、巨大なバルーンによる福笑いを展開したんです。最初の計画はただ上げるだけでしたが、「よーいドン」で走って、止まった位置でバルーンを上げてみると、すごく面白くて。その時に、現場に来てくれた人たちを引き込んで、一緒になって作品を作り上げるという今のパフォーマンス付きのスタイルが確立しました。

― まさに垣根なしに、みんなで芸術に親しみ、楽しむわけですね。

宮崎先生 「すごい作品ができたから見て!」というのがアートの基本ですからね。私自身が一番楽しんでいるかもしれません。もはや美術部と一体化しているようなものですし(笑)。まだまだ手探りですけれど、この経験をきっかけに美大や芸大を目指した生徒もいるので、これからも一緒に作品に取り組んでいきたいですね。個人的に六甲ミーツ・アートに参加しようという生徒が現れたらうれしいのですが、そうするとライバルになってしまいますね。

― 今後の目標をお聞かせください。

宮崎先生 もちろん今年も受賞を目指しています。受賞を果たして、次年度も「六甲ミーツ・アート芸術散歩」の出展アーティストとして招待されること。日曜日を中心に部員がパフォーマンスを披露しますので、多くの人に来てもらって、一緒に楽しんでいただきたいと思っています。もちろん、さらなる次のステップも模索中です。

Information

松蔭美術部の作品を見に行こう!「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」
  • 開催期間
  • 2019年9月13日(金)~11月24日(日)
  • 松蔭中学校・高等学校の作品展示場所
  • 六甲山カンツリーハウス
  • パフォーマンス日程(予定)
  • 9/29(日)、10/6(日)・20(日)・27(日)、11/17(日)・23(土)

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でココロコミュをフォローしよう!