大谷中学校・高等学校 バトントワリング部 インタビュー

2009年に創立100周年を迎えた大谷中学校・高等学校。全国大会常連校として知られるバトントワリング部も1960年代創部と歴史が古く、今年4月には約50年の歴史を超えて100名以上の卒部生が母校に集まりました。祖母や母の世代から引き継がれてきたに違いない「大谷バトントワラーの誇り」を感じさせてくれた、取材の様子をお届けします。
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6月の大会に向けて中高合同で猛練習。
6月の大会に向けて中高合同で猛練習。
6月の大会に向けて中高合同で猛練習。
大会に向けて中高合同で猛練習。
全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
6全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
6全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
後輩への指導はわかりやすく丁寧に。良いタイミングでグッドサインも忘れません。
全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
6全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
後輩への指導はわかりやすく丁寧に。良いタイミングでグッドサインも忘れません。
後輩への指導はわかりやすく丁寧に。良いタイミングでグッドサインも忘れません。
全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
6全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
長年愛用しているバトンシューズの傷やシミは、猛練習の証。
全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
6全体の動きの統一感が重要。バトンをつかむタイミングなどは、音楽に合わせます。
練習後の体育館の片隅では、部長と副部長が、本日の練習の反省と明日の練習の予定を熱心に相談していました。
INTERVIEW
合志さん(高校2年生 副部長) 武内さん(高校2年生 部長)

母も大谷のバトントワリング部員

バトントワリング部に入部したのはなぜですか。
【武内さん】
私は幼稚園の頃にバトンを始めて小学生のときに一度やめたのですが、やっぱりやりたくなって…。3歳上の姉が大谷のバトントワリング部で活躍していたので、私も大谷中学校に入学しました。姉は今、立命館大学でバトントワリングを続けています。

【合志さん】
母が大谷バトントワリング部の卒業生で、母からバトンの話を聞いたり大会に連れて行ってもらったりしているうちに、バトンの魅力に目覚めました。それで小学生からバトンを始めて、バトンをするために母の母校である大谷中学校に入学しました。
先日、長年顧問を務められていた先生の定年退職をお祝いする学内発表会があり、100名を超える卒業生が集まったと聞きました。大先輩たちの前で演技をするのは緊張しませんでしたか。
4月に行われたバトントワリング部の学内発表会。上は60代まで100名を超える卒部生が世代を超えて集結。
4月に行われたバトントワリング部の学内発表会。上は60歳代まで100名を超える卒部生が世代を超えて集結。
会場には、歴代のトロフィーや賞状もずらりと並べられました。5段階にレベル分けされています。
会場には、歴代のトロフィーや賞状もずらりと並べられました。5段階にレベル分けされています。
【合志さん】
いつもの大会と全然違う緊張感でした。学校の友達などバトンに詳しくない人の前なら緊張しませんが、このときは観客全員がバトン経験者である卒業生です。私の母や、母より年配の方も来られていて、「みんな先輩だ!」と思うとすごく緊張しました。

【武内さん】
演技が終わってから「私たちの頃よりずっとレベルが上がっていて、いい演技だった」と感想をいただけ、とても嬉しかったです。

全員が金賞を取る!そして全国大会へ!

バトントワリング部の活動内容について教えてください。
【武内さん】
12月にあるバトントワリング全国大会(団体戦)への出場が部の一番の目標です。夏から練習を始めて9月の大阪府大会、11月の関西大会と約半年かけて全国大会を目指します。

【合志さん】
個人大会も年2回、6月と1月にあります。私たちは経験者ですが、部員のほとんどが初心者なので、中学1年生はまず1月の大会に向けて個人練習を積み重ねて技術を磨いていきます。

【武内さん】
今は6月にある個人大会に向け、中高全部員が自分の出場する種目で金賞を受賞できるよう練習しています。審査基準もバトンテクニックとボディワーク(姿勢やポーズの美しさ)と表現力の項目があり、それぞれがABCで採点されるので、Aを全員がしっかり取れるようにしていきたいと思っています。特にボディワークは指導が難しいですね。

【合志さん】
ポーズを意識できるよう工夫の仕方を伝えてみたりしています。姿勢が悪かったら「背中に棒が入っていると思って練習してみて」とか、腕が曲がっていたら「ここに針があって、曲がると刺さると思って練習してみて」と言っています。

【武内さん】
部長・副部長を引き継いだばかりなので、指導面ではまだ試行錯誤の部分があります。ソロ大会で後輩たちが結果を出せるよう技を指導していかなければならないのですが、教え方が難しいですね。
団体競技ならではの難しさは、どんなところなのでしょう?
【武内さん】
全員の動きを揃えることですね。カウントを決めてもズレてきます。フォーメーションも気をつけないといけないのですが、本番と同じ環境で練習できる回数が限られているので、そこが難しかったりします。

【合志さん】
部員ごとに体型や体の動かし方が違うので、全体美を追求するには一人ひとりの動きを調整しなくてはいけなくて、それが難しいです。
2014年のバトントワ―リング全国大会で金賞を受賞した中学チームによる「アラビアンストーリー」。高校生チームは「チャルダッシュ」で銀賞を受賞。
2014年のバトントワ―リング全国大会で金賞を受賞した中学チームによる「アラビアンストーリー」。
高校生チームは「チャルダッシュ」で銀賞を受賞。

女子だから、やっぱり衣装は重要!

クラブ活動をしていて楽しいのはどんなときですか。
【武内さん】
やっぱり大会で結果を残せたときです。関東方面に遠征するので、ホテルで先輩たちと話ができるのが密かな楽しみです。また、大会前は日曜も1日中練習するのですが、昼休みにみんなでおしゃべりをしたり、午後の練習の前にドッジボールをしたりするのも楽しいです。

【合志さん】
団体競技の大会では3学年でチームを編成するので、学年を越えて絆が深まります。大会本番も舞台に立つまで励まし合います。みんなの絆が一番深まった状態で舞台に上がる、そのときが最高に楽しいです。
衣装はどうやって決めているのですか。
テーマ「ナイトメア(悪夢)」に合わせた黒の衣装
テーマ「ナイトメア(悪夢)」に合わせた黒の衣装
【武内さん】
団体戦の衣装はコーチがデザインを決めてくださるので、あとはお母さんたちに頑張って作ってもらっています。去年の衣装はワンピースみたいなデザインで結構気に入っています。

【合志さん】
衣装は重要です。衣装が決まるとテンションが上がります。毎年4月に新入生歓迎イベントとしての春の発表会があるのですが、そこでの振り付けや衣装は自分たちで考えます。今年は「ナイトメア(悪夢)」というテーマだったので、カッコイイ悪役をイメージして全身黒で衣装をコーディネートしました。
クラブ活動を通じて、自分が成長したと思うことがあれば教えてください。
【武内さん】
挨拶や礼儀、後輩がしっかり動くといった集団の中での人間関係を学ぶことができたのがよかったです。また、自分とは考えの違ういろんな意見を聞いて、一番いい方法はどれだろうと解決法を探すことができるようになりました。部活では中高一緒に活動するので、中学の後輩たちまでまとめるのは大変ですが、みんなで舞台に立って結果を出せると嬉しくなります。
バトントワリング部は、たくさん練習して、大変なこともあるけれど、楽しめることがたくさんあって大きな達成感を感じられる部活です。ぜひ入部してください。

【合志さん】
メンタルが強くなったと思います。小学生の頃は注意されると拗ねたり諦めたりすることが多かったのですが、「怒られたのだから注意しないと」と考えるように意識が変わりました。中学生を指導するためには、自分の視野も広げていかなくてはいけないなと感じています。 バトントワリング部は、普段の学校生活では味わえない達成感を感じられる部活です。私たちと一緒にバトントワリングで青春を味わいましょう!
INTERVIEW
顧問:北田広明先生
相川先生が、指導面で心がけられていることは何でしょうか。
【相川先生】
生徒たちには二言目には「頭を使いなさい」と言っています。また「自分に厳しくありなさい」「大谷生として、バトントワラーとして、プライドと誇りを持ちなさい」ということを機会あるたびに伝えています。どの学年もリーダーになる学年で急成長しますが、指示を出す側になると、これまでの自分の反省点が見えてくるんですね。それが学業面にも反映されていると感じています。
学業との両立についてはどのように指導を?
【相川先生】
「チームに迷惑をかけないよう勉強しなさい」とハッパをかけると生徒たちは頑張ります。大会前は土日も練習があるので学業との両立は大変だと思いますが、部員の中には学年トップクラスの成績の子もいますし、医師薬理系をめざす医進コースの生徒も在籍しています。
武内さんの姉も当クラブで部長をつとめていたのですが、目標を定めてからは俄然勉強するようになり、席次をあげて立命館大学に進学しました。ぜひ妹にも頑張ってほしいと思います。
学内発表会に100名を超える卒業生が集まったことといい、卒業生との強い繋がりを感じますね。
【相川先生】
例年夏休み期間中に、大阪大谷大学の施設を利用し3泊4日の強化合宿を行っています。このとき、大学生になっている卒業生に案内状を出して指導に来てもらっているんですよ。卒業生たちも心得たもので、差し入れを持って手伝いに来てくれます。また、現在3名いるコーチの全員が大谷の卒業生で、うち2名は卒部生でもあります。
とはいえ、メインコーチはジュニア時代に海外の大会にまで出られた方で、ご自身がバトントワリングの教室も主催されているので、「本気で取り組まなければコーチを退任されてしまう」と生徒たちも緊張感を持って指導を受けています。
生徒の成長を感じられるのはどんなときですか。
【相川先生】
大会に向け練習が厳しくなると、学業との両立は大変になってきますが、その厳しい時期を乗り越えると肝が座るというか、人間的に成長するのを感じます。9月の大阪府大会から11月の関西大会にかけて、練習も一番煮詰まる時期なのですが、この時期を乗り越えると、生徒たちが大人になったなと感じる瞬間があります。大谷バトントワリング部には乗り越えた者にしか見えない宝物があります。そういうクラブなんだと思っています。

大谷中学校・高等学校

大谷中学校・高等学校
先輩が後輩一人ひとりと向き合い、真剣な表情で指導する姿や表情からは、「大会で金賞をとる!」という大きな目標への意気込みと決意が感じられました。チーム全員が一丸となって同じ目標意識を持つ、その結果こそが金賞受賞という大きな結果に結びつくのでしょう。ぜひ、オープンスクールや文化祭で彼女たちの気迫を生で感じ、彼女たちに続こうと思う方は入部してほしいです。