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報徳学園中学校
吹奏楽部インタビュー

報徳学園中学校高等学校 吹奏楽部 インタビュー

やるときは真剣に、遊ぶときも真剣に 報徳学園中学校高等学校 吹奏楽部 顧問 池田純也先生 数学科教諭。同校卒業生であり、吹奏楽部の先輩でもある。平成2年から26年間にわたり、同校吹奏楽部の顧問を担当。厳しい指導の反面、演奏会では帽子をかぶってディズニーの曲を指揮するなど、部員や観客を楽しませてくれる。

視野を広く共に喜び悲しむ時間を大切に

吹奏楽部は毎日練習があるようですが、勉強が忙しい「II進コース」の生徒も頑張っていますね。
【池田先生】
今、中学2年に2人います。「途中でやめるとか、勉強が忙しい」と悩みながら、最後まで頑張る生徒が多いですね。去年の卒業生には「II進コース」が5人いましたが、全員が両立させながら希望の進路に進んでいきました。
部活と勉強面の両立はどのように配慮されているのですか。
【池田先生】
両立は基本です。ただ、吹奏楽部は練習時間が長いので、悩んだときは相談に来るようにと言っています。吹奏楽は全員が揃わないと演奏できないし、人数もぎりぎりですから、できる限りどちらも頑張れるように生徒も私もお互いに時間配分の工夫に努力はします。最終的に忙しい中でも部活をやり切れたことは大きな自信になると思っています。
そうやって部員の皆さんが頑張る中、2年連続で吹奏楽コンクールの小編成部門で金賞を受賞されています。その理由を池田先生はどういうところに感じられますか。
【池田先生】
去年は中学校から上がってきた部員や個人技に優れた生徒が多かったことも要因であったと思います。今年は全員で基礎合奏に真剣に取り組んだことが結果につながったのではないかと思っています。基礎を大切にすることは前からやっていたのですが、それがちょうど生徒の個性とマッチして力を発揮できたのでしょうね。
先ほど見せていただいた練習も基礎合奏からスタートしました。楽器をチューニングをするときに全員で発声していたことに驚きましたが。
【池田先生】
あれはソルフェージュと言います。楽器を吹くのも歌を歌うのも結局は一緒で、いい音を吹こうと思ったらギャーという声で音を出すとやかましい音になります。でも、きれいな声で音を出すといい音になるのです。だからまずはしっかりと発声して、次に音程を理解していくんです。例えばトランペットはピストンが3つしかないのにたくさんの音を鳴らせるということは、同じ指使いでいろいろな音が鳴らせるんですね。ということは、自分の頭の中でこの音という音が鳴っていないと、その音を鳴らせないんです。そのために歌や発声が大切なので、チューニングや基本練習の時には必ず歌って、自分はこう吹くんだという音程を自覚するようにしています。
普段からソルフェージュとハーモニーとエチュードが基本ともおっしゃっていました。

池田先生

池田先生

【池田先生】
ソルフェージュは歌で音程をとること、ハーモニーは周りの音を聴いて和音を作ること、エチュードは音階を中心に様々なテクニックを練習するということです。音階を理解できていればここにフラットが絶対つくということが何も考えずに出てくるので、その調の曲と思えばその指使いだとわかる。でも、それがわかっていないとその都度その都度考えないといけなくなるんです。頭と体と出てくる音が一致していないと、なかなかいい音楽にならないんですね。要はこれらをしっかりとやると基礎力が上がるということになるんです。

基礎がとても大切だということですね。26年間吹奏楽部をご指導されるうえで池田先生が大切にされていることは何でしょうか。
【池田先生】
普段の生活、そして社会に出たときに通用する人になってほしいと思いますので、礼儀は大事にしています。きちんとあいさつをして、やるときはやる、遊ぶときは遊ぶといったけじめをつける。そういうことをしっかりやりながら、その中で音楽の楽しさとかみんなで一つのものを作り上げる楽しさを感じてほしいし、そこには責任もかかってくるので、他人のことを思いやってほしいとも思っています。普段の生活で誰かが困っているときに、声をかけてあげようかなと思えると視野が広がります。そういう気持ちを持てれば、周りの音を聴いていても「こういうことをやっているな」と聴こえてくるのです。でも普段から心を閉ざしていると、やはり狭い視野になって音も聴こえません。一緒に喜んだり悲しんだりを共有しながらの時間を大切にしてほしいと思っています。

人数が少なくても男子の音は迫力ある音が鳴る
それは男子校吹奏楽部の強み

小編成ですが、人気の楽器もあり、パート分けは難しそうですね。
【池田先生】
第3希望まで希望を聞き、まずは全楽器を順番に回らせて、すべて体験してもらいます。その後に顧問2人で日を決めて、全楽器を1人ずつ演奏してもらうテストをして適性を見て、一番合っていると思う楽器をやってもらいます。1つの楽器ばかり人数が増えても困りますし、生徒の希望通りにはなかなかいかないですが、適性を見ることで結構伸びますね。前は希望通りにさせていたのですが、そうなると熱心ですが伸び悩む生徒もいたんです。
男子校の吹奏楽部は珍しいと思いますが、音楽に触れる良さは何だと思われますか。

池田先生

池田先生

【池田先生】
やはり世界が広がると思いますね。男子でもピアノをやっている生徒や、やたら音楽を聴いて耳がマニアになっている生徒がいます。そういう生徒から刺激を受けているうちに、自分も変わっていくことはよくあるんです。それにうちの吹奏楽部が今ぐらいの人数でやっていられるのは、男子校だからだと思います。共学になると部員に男子が少ないし、どうしても音楽は女子がやるものというイメージが強いみたいですね。人数が少なくてもやっぱり男子の音は太くて大きな迫力ある音が鳴るので、それは男子校ならではの強みです。同じ人数でも息をグッと大きく入れられます。

吹奏楽部はチームワークも大切だと思いますが、部員間は良い雰囲気ですか。
【池田先生】
そうですね。生徒同士仲良くやってくれていますし、本校の生徒は幼く、おっとりしている生徒も多く、もめても結構さっぱりしているので、先輩とも後輩ともやりやすい環境かもしれません。のびのびとできるので、「男子校」「報徳」のイメージを持って来られると意外な感じを受けられる方も多いようです。でも、こういう環境で先輩や後輩と交流して、自信をつけて、いろいろ発言できる人になってくれたらいいなと思いますね。
今後、目指されているところは?
【池田先生】
まずは皆で仲良く。そして勉強と部活の両方を自分の中でプランニングできて、大人になれる生徒を育てていきたいと思います。そして、喜びも悲しみも一緒に感情豊かに感じられる人になってほしいなと思っています。来年はもしかしたら部員が増えて大編成部門に出場できるかもしれません。やるからにはよい成績を残せるようにしたいですね。やるときは真剣に、遊ぶときも真剣にやっていきたいと思います。

報徳学園中学校高等学校

報徳学園中学校高等学校
報徳学園の吹奏楽部は、男子生徒のみ、かつ小編成という、これまでココロコミュが取材してきた中でも少しめずらしい吹奏楽部。しかし、その熱い演奏は男子ならではの迫力で、それを「もっと良くしよう」と厳しく指導される先生方の声に応えようとするまじめな練習を取材していると、だからこそ生まれる個性と金賞に届く音楽が完成する理由が垣間見えた。今後、部員が増え大編成になるかもしれないが、部員同士のコミュニケーションと練習を大事にした報徳学園サウンドを聴かせ続けてほしいと思った。

 

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