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受験生のための健康法

★  過敏性腸症候群

出勤途中や通学途中の電車やバスの中で、突然腹痛が起き、トイレを探して顔面蒼白になった経験はありませんか?
最近テレビのCMでも盛んにこの病気に対する治療薬の宣伝が見られるようになり、一般的にも知られるようになりましたね。
ストレスの多い現代では、この病気に悩まされる人が年々増加し、先進国に多く、国内では成人の1~2割の人がかかっていると言われています。近年では、小・中学生にもこの病気が増加し、大人だけの現代病ではなくなってきました。
(病態)
人間の体の中で神経細胞が一番たくさんあるのが脳、ついで多いのが腸で、『第2の脳』とも呼ばれています。 脳が不安や精神的ストレスを受けると、腸も運動以上を引き起こし、下痢や便秘・腹痛やけいれんなどの症状が出るのが過敏性腸症候群です。
(特徴)
腹痛や下腹部が張る
排便で不快感が軽くなる
ストレス(就職・異動・受験など)が増大すると症状が重くなる
夜中に腹痛はない
血便はなし
体重は減らない
(症状)
主に3つの症状に分類されます。
1.便秘型
大腸がけいれんし、ぜん動運動が減り、腸内に長く便がたまってしまい、水分が過剰に吸収され、便が硬くなるのが便秘型です。 腹痛があり、便意があっても便が出にくく、ウサギの糞のような固くコロコロした便がでます。休日にリラックスしているときには、この症状が出ないのが特徴です。主に女性に多くみられます。
2.下痢型
大腸の運動が活発になりすぎ、腸の水分吸収が十分されないままに便が流れ落ちてしまい、水のような便や粘液が出る下痢型です。慢性の下痢や粘液が排泄されますが、血便になることはまずありません。また、ひどい下痢でも体重減少はみられません。食後、大腸が動き出して下痢になるので、会社や学校に行く日の朝食後によく起こります。主に男性や小児、青年期に多くみられます。
3.混合型(不安定型過敏性腸症候群)
下痢と便秘が複数日間隔で交互に表れるタイプで、最も多くみられるタイプです。 腹痛や腹部の違和感だけでなく、吐き気、嘔吐、疲労感、頭痛、発汗、動悸などの自律神経失調症の症状を伴うことが多いです。
(診断)
症状がひどい場合、医療機関を必ず受診し、器質的疾患(大腸がん、大腸ポリポーシス、大腸憩室炎、クローン病、潰瘍性大腸炎など)がないかどうかを検査し、それらがなければ過敏性大腸症候群と診断されます。 検査法としては、一般的な検便、検尿、血液検査(白血球数、炎症反応など)、腹部レントゲン検査、大腸内視鏡検査などがあり、器質的異常がないことを調べます。 心身症的な症状があれば心理テストを行うこともあります。
(治療)
1.生活指導
精神的な安定が第一です。年齢とともに自分で精神をうまくコントロールできるようになると改善します。 症状が長く続くとさらに不安になるので、必ず治ると自身を持ち、主治医と信頼関係を築いていくのも大切です。 睡眠と食事、排便のリズムを規則正しくとり、リラックスしたプラス思考で生活していきましょう。
2.食事療法
便秘型は、食物繊維を積極的にとり、水分を十分にとってください。ゴボウのように繊維の特に多いものは煮るなどして消化しやすくします。生クリームやバターなどの高脂肪食は、便秘を悪化させます。また、豆類やイモ類は消化するとガスが多く出て腹痛の原因になりやすいので注意します。 下痢型はアルコール、カフェイン類、香辛料、冷たいものは控えてください。暴飲暴食、インスタント食品を避け、規則正しい食事を心がけましょう。特に冷えた飲み物や食べ物は控えましょう。冷やすことにより胃腸が熱を産生し、けいれんを起こし、腹痛が生じます。
3.薬物療法
症状に応じて、下痢止め、便秘薬、運動機能改善薬、抗うつ薬、抗不安薬、漢方薬を使用することがあります。
4.精神療法・心理療法
自分にあったリラクゼーション法をみつけて試みることが大切です。心療内科・神経科で、自律訓練法やカウンセリング、心理療法を受け、改善することもあります。
※子どもの過敏性腸症候群は、生活習慣病ともいわれています。症状や経過は日常生活や家族状況の影響を直接的に受ける傾向にあります。食生活、排便習慣、睡眠・覚醒の乱れや親の無関心、症状に対する親の間違った態度が発症に強く関与します。親の病態理解や生活指導により、子どもの過敏性腸症候群はかなり解決されます。家庭、学校、養護教諭、医師の間の緊密な連携をし、精神的に安心させてあげ、過敏性腸症候群の症状の理解と管理をしてあげることが大切です。
西島葉子(にしじま ようこ)

平成6年近畿大学医学部卒業後、大阪市立総合医療センター、済生会富田林病院小児科を経て現在、大阪市東住吉区にて、夫(循環器)と共に、にしじま内科・小児科を開業。6男2女の計8人の子供を育てながら、妻、母親、小児科医のわらじを履きながら毎日奮闘中。

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