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グローバル教育推進委員会主任 平山留美子先生インタビュー

UPDATE:2016年05月18日

国際的な出会いの場を校内にも根付かせる KIS流 国際理解教育の新たな取り組み

前回の英語教育レポートで紹介した取り組みを見てもわかるように、様々な国際理解教育プログラムでグローバルな感性の種を蒔く神戸国際中学校。それらを継続しながら、「普段着の国際交流」をキーワードに導入された新たな取り組みについて、同校の英語教諭でグローバル教育推進委員会主任の平山留美子先生にうかがいました。

アジア近隣諸国との交流

グローバルフォーラム
2014年からは韓国の釜山国際高等学校、2015年からはモンゴルの学生との相互交流を開始。韓国では釜山国際高等学校主催のグローバルフォーラムに高校2年生が中心となって参加し、発表と文化紹介を行う。
グローバルフォーラムでは、韓国の他に中国、ロシア、インドネシア、サハ共和国など、訪問先の学生以外と交流できることも大きな特色。現地では釜山国際高等学校の学生寮に宿泊し、食事も提供される。参加費用はほとんどかからないが、先方からの参加人数枠の制限があるため、希望者が多い場合は選抜となる。また、発展段階ではあるが、台湾やインドネシアの学生団体と1日単位の交流も行っている。
相互交流という面では欧米に比べ、行きやすいだけでなく来てもらいやすいというメリットもある。
韓国では現地での歓迎を受けることで、海外の人に受け入れられている、また大変お世話になったという実感をもって生徒達は帰ってきます。そして自分達が迎える側となった時には、お世話になったお返しをしたいという気持ちで釜山国際高等学校の生徒の受け入れ準備をしてくれました。当日、時間割の都合などで直接お世話に参加できなかった生徒は、非常に残念がっていましたね。そういった生徒は、モンゴルや台湾、インドネシアの学生を迎える際に頑張ってくれました。
直接お世話になった人に限らず、誰に対してもその気持ちで接することの大切さを、他国の学生との関わりを通して、身近に体験できたのではないかと思います。これらの交流プログラムを通じて生徒達が国際交流の在り方に気付いてくれたことを嬉しく思います。

グローバル講演会

グローバル講演会
海外の人と触れ合うプログラムの充実と共に、実際に日本人として世界に飛び立った人の体験談を聞くことで、世界で活躍するとはどういうことかという、グローバルマインドの育成を目的としている。中高全生徒を対象に、2014年より年に3回のペースで実施。

これまでの講演内容

堀木エリ子氏
講師
堀木エリ子氏
(和紙デザイナー)
演題
「新たな可能性に挑む~現代和紙の魅力~」
大島希巳江氏
講師
大島希巳江氏
(神奈川大学外国語学部教授、英語落語家)
演題
「English Rakugoで世界を笑わせ、日本文化を伝える ~グローバル社会で活躍する国際人とは~」
岡田千穂氏
講師
岡田千穂氏
(本校第7回卒業生、千葉県こども病院認定遺伝カウンセラー)
演題
「遺伝カウンセリングって何だろう?~私たちの身近な遺伝から考える~」
宮崎緑氏
講師
宮崎緑氏
(千葉商科大学教授)
演題
「地球市民を育てる」
大島希巳江氏
講師
アジラニー佳代子氏
(本校第4回卒業生、アーンスト・アンド・ヤング・トランザクション・アドバイザリー・サービス シニアコンサルタント)
演題
「国際社会で働くということ」
石原敬子氏
講師
石原敬子氏
(兵庫大学 経済情報学部教授)
演題
「経済学って何だろう?競争政策って何だろう?」
やはり大学進学を控えた高学年の生徒の方が強く刺激を受けているように見受けられます。講師の人選は学校側で行いますが、特に本校の卒業生による講演は、在校生にとって大きな意味があります。彼女たちは偉大な国際人であると同時に、自分たちの先輩という、身近に感じられる存在でもあります。彼女たちがロールモデルとなることで、生徒はリアリティを持って将来の自分の働き方を描くことが可能となるのだと思います。

留学フェア

留学フェア
2014年より実施。それまでは留学希望の生徒や保護者からの個別の問い合わせに応えていたが、いくつかの留学斡旋団体と共に、期間や行先も多岐にわたる留学について説明する場を設けた。各団体の特色と留学経験者の体験談を聞くことができ、説明の後は個別ブースでさらに詳しい相談が可能となっている。
本校では1年間の留学を経験する生徒が毎年数名いて、手続きや費用面、試験を受けるのであればいつ頃から準備をすればいいのか、などといった情報をわかりやすく提供しています。昨年は中学生とその保護者の参加が多かったのですが、少し先を見据えて、計画が立てやすくなったのではないかなと思います。また、フェアをきっかけに、留学を現実的に検討する生徒もいます。
全員で行く海外研修の前に個別で留学を経験している生徒は、語学力だけでなく意志や自信といった面でも違いがあるように感じますね。

チームティーチングの強化

チームティーチングの強化
英語の授業でのチームティーチングの時間数を、2015年より中学1年はプラス3時間、中学2年はプラス2時間、中学3年はプラス1時間と全体的に増加。中学1年では週に6時間ある英語の授業のうち、4時間がネイティブスピーカーのいるチームティーチングスタイルとなった。一方でグラマーは週に2時間、日本人の英語教員がしっかりと授業を行っている。
チームティーチングの授業数が増えたことで、複数いるネイティブスピーカーと触れ合える機会が増えたことは総じてよかったです。また、低学年ほど授業数が多かったのも良かったと思います。というのも、本校では初めからネイティブスピーカーが授業にいるのが当然という状況ですから、ネイティブスピーカーとコミュニケーションをとることに何も抵抗感がないのです。結果として、生徒が授業に対して非常に能動的になりました。
美術や音楽の授業の一部に英語を取り入れたイマージョン教育も行っていますが、そういった授業と異なる点として、ネイティブスピーカーの英語教員と日本人の英語教員の会話から学ぶ部分もあると思います。

伝える力を身につけて 平山留美子先生 Teacher's Voice

生徒の力を引き出すために、チームティーチングではなるべく日本人の英語教員が助け船を出さないよう心がけています。つたなくても、生徒達だけでコミュニケーションをとるように頑張ってもらいます。それは実際に海外に行ったときの状況に近いですよね。そこでの失敗も、勉強になると思います。そういった経験を普段からさせておくことは、本校の目指す「普段着の国際交流」にも通じます。正しい文法で話そうとするあまり、結局口をつぐんでしまうのではなく、まずは下手でも身振りを交えてでもいいから自分の思いを伝える力を身につけてほしいと思います。
学内に留学生がいる機会が増えてきたという声は、アジア近隣諸国との交流開始から2年目で既に生徒からも多く聞かれていて、良い刺激になっているのを感じます。近い将来、年間を通じて、どこかの学年には必ず海外からの学生がいる状態が維持できる環境にしていきたいと考えています。
本校では、聖徳太子の示された「和」の精神を建学の精神にしています。特に宗教や伝統文化の授業などはしていませんが、生徒達は互いの違いを認めた上で自分達一人ひとりが日本人としてのアイデンティティを持ち、文化を発信することができるようになろうとしています。それは普段から国際交流の場に身を置いているからこそ芽生えた、自発的な意識なのだと思います。
今までは、どちらかというと本校の生徒を外へ出す研修が主流でした。それは継続しつつ、今後は海外の生徒を本校に受け入れる相互交流にも力を入れ、普段の学校生活の中で海外の学生と交流ができる機会を増やしていく予定です。実際に海外に行く経験はもちろん大切ですが、その前に多様な国の学生と交流を持つことが、ひいては海外へ出ていくことへの敷居を低くしてくれるのではないかと考えています。
より身近な国際交流ができるようになったということで、近年導入された新たな取り組みについてうかがった今回の取材。外国語教育に定評のある同校ですが、そういった学校ほど、語学力の向上や習得のみにあらず、日々のスクールライフの中で国際感覚を磨き、多様な文化への理解を深めることを大切にしているのだなと強く感じました。
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/105.php>神戸国際中学校</a>
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