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相互効果を発揮する英語教育と国際理解教育

UPDATE:2016年08月05日

大阪学芸高等学校附属中学校「世界の考え、日本の立ち位置を教えたうえでの英語力を。育てたいのは人間力と国際人!」英語科 ヴィクトリア・キャンベル先生。

2016年春に開校した大阪学芸高等学校附属中学校。同校では、英語教育と国際理解教育に注力しています。
「Reading」「Writing」[「Listening」「Speaking」の4技能を、様々な角度から鍛える英語教育。週2時間の総合的な学習の時間を活用して、多様な価値観や多文化との共生を学ぶ国際理解教育。それぞれの相互効果を発揮しながら、国際社会で活躍できる人を育てていくのが同校の目指す教育です。今回は、「英語教育」「国際理解教育」において中心的な役割を担う、ヴィクトリア・キャンベル先生に、その指導への思いをうかがいました。

PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より

PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より
PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より
PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より
PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より
PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より
PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より
PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より
PHOTO GALLERY キャンベル先生の英語授業より

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大阪学芸高等学校附属中学校の1期生は76人。英語の授業ではクラス単位授業のほか、1クラス38人を19名ずつに分け、キャンベル先生よるSpeakingやListeningを中心とした授業と、日本人教員による文法を中心とした授業を行い、バランスよく4技能を習得していく。
キャンベル先生の授業は、日本語を使わずにテンポよく会話や質問をはさみこんで進んでいく授業。少人数だけに、1回の時間の授業で先生と英語で会話する機会が生徒全員にあり、主体的に授業に参加しながら意欲的に英語に取り組む様子が印象的だった。キャンベル先生は日本語も堪能であり、生徒の不安や間違いやすいことを汲み取ってくれることも、生徒たちが安心して英語に取り組める一因のようだ。
ヴィクトリア・キャンベル先生
Victoria Campbell
ニュージーランドに生まれ、日本で学校生活を送り、インターナショナルスクールを経て、
中学卒業後ニュージーランドの高校と大学へ進学し、日本人留学生のサポートに従事。
日本に帰国後は、塾講師に。教員歴は約14年になる。
ユーラシア大陸の横断や、インターナショナルコーディネーターとしても活躍するなど
豊富な経歴で、2016年4月から同校の英語教育と国際理解教育で手腕を発揮している。
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英語の特化した力を持つ生徒と基本から始めた生徒を、
互いに成長させていく

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ココロコミュ
今年から新設された大阪学芸高等学校附属中学校ですが、「英語教育」についてはどのような指導をされているのですか。
キャンベル先生
本校には「英語資格入試」や「帰国子女入試」で入学してきた生徒がいます。ただ、小6で英検2級を取得している生徒、英検準1級を勉強している生徒、インターナショナルスクールに行っていて英語は話せるけれどグラマー(文法)は弱い生徒など、英語で入ってくるといっても特化した能力にはそれぞれ違いがあります。それを活かしながら、中学で英語をスタートさせた周囲の生徒も強化していきたいと考え、「Reading」「Writing」「Speaking」「Listening」の4技能で分けて指導しています。例えば、インターナショナルスクール出身の生徒は英語での話は上手ですから、そこに授業中も自分の意見をよく話す生徒を一緒にすると、「Speaking」レベルが上がります。お互いにおぎない、強化させています。
ココロコミュ
中学から英語をスタートさせた生徒たちは、英語の特化した能力を持った生徒から、刺激を受けて成長していくわけですか。
キャンベル先生
そうですね。私は、週6時間、つまり300時間会話をして、学校で毎日必ず英語に触れる機会が100%ありますから、宿題を出すことはめったにないです。それだけに英語に不安がある生徒たちは、「先生、どうしよう? 僕は英語がよくわからないんだけど」と、自分で焦りを感じて相談してきます。そこで私は「どうすればいいと思う?」とだけ聞きます。答えをあげないでいると、生徒自身が「こうしてみる」となり、「それを1週間試してみて合わなければ、また相談に来ていいよ」と言うと、まずは自分で頑張ります。そうして焦っていた生徒が能力を伸ばしていくと、今度は特化した英語の能力がある生徒が刺激を受け、さらにやる気を出します。ここでもお互いで強化し合うんです。
キャンベル先生の英語授業の様子
ココロコミュ
キャンベル先生ならではの強化法ですね。
キャンベル先生
他にも、本校では、4技能で評価します。そのためにプレゼンテーションは必ずさせています。6月に台湾の中学生が来校したのですが、その1か月前に日本の国や自分たちの学校を紹介するというプロジェクトを渡して、グループごとに台湾の中学生に向けて英語でプレゼンテーションをやってもらいました。
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英語ができるからこそ、
自分の考えるアイデアで社会貢献する人に

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ココロコミュ
英語での国際理解教育ですね。
キャンベル先生
これは総合学習の時間にやっています。興味深かったのは、台湾の生徒と交流した後に、台湾についてもっと知りたい!調べたい!と関心を持つ生徒が出てきたことです。世界の人たちに出会った時に疑問が生まれる。その「なぜだろう?」という疑問がすごく大事です。だからその次にはタブレットを使って調べ学習をさせて、今まで知らなかった台湾をプレゼンさせました。「国際理解」では私も日本語を交え、世界を知ろう、日本の事を知ろうと話します。今の日本の子は日本のことをあまり知らず、日本の立ち位置もあまり知っていないので、そういうところをしっかりと学ばせることを重要視しています。
キャンベル先生の英語授業の様子
ココロコミュ
英語をツールの一つとして国際理解をさせる中に、生徒に身につけてほしい力や目指していることがあるわけですか。
キャンベル先生
本校では、リーダーの資質やみんなを先導する力を作りたいと思っています。10年くらい前までは、英語は就職のためというイメージが強かったのですが、今では7人に1人は英語が少しでも話せる世界になってきていて、今の生徒たちは英語競争社会で戦っていかなければなりません。その中では相手を知り、気づいて、疑問に思うことをしっかりと言葉にする。ただ英語ができるだけではなく、英語ができるからこそ自分の考えるアイデアで社会に貢献できる。そんな人になってほしいと思っています。
キャンベル先生の英語授業の様子
ココロコミュ
キャンベル先生が先生になられた理由は、様々な場面で活躍できる大人になってもらいたいと言う思いから、とのことでしたが、そこにも英語だけでなく、国際理解が大切だという思いがあるのですか。
キャンベル先生
私が大きくぶつかったのが、言葉の壁より文化の壁です。例えば、カナダ人に「アメリカ人ですか?」と聞くと、失礼にあたります。なぜなら英語には政治的背景、文化的背景、宗教的背景があるからです。だから、「Where are you from?」と聞きます。そういうことを知っていないと、本当に英語を使える世界に通用する人間にはなれません。本校では、私が一番初めに「Where are you from?」ほど一番大事な英語はないと生徒に教えますし、「国際理解」を大事にしているのはそのためです。
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国際理解が一緒になければ
英語を勉強しても意味がない。

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ココロコミュ
英語指導においては、大切にされていることはありますか。
キャンベル先生
生徒には、自分から伝えようとしないと相手には伝わらないからたくさん話なさいと言っています。テレビ番組で、お笑い芸人の出川哲朗さんが「broken」な英語でどうにか伝えていく「出川イングリッシュ」というものがありますが、生徒には、発音が良くなくても、正しい文法でなくても、伝わることが大事なんだと話しています。しゃべる時は「broken」でいいのです。
ココロコミュ
キャンベル先生は「国際理解」を含め、ツールとしての英語の生かし方を教えられているわけですね。
キャンベル先生
そうです。人間力、国際人を育てているイメージです。グローバル社会の考え、日本の感性を考えさせて、そのうえで英語というツールを持つ。そのお手伝いのようなイメージですね。
キャンベル先生の英語授業の様子
ココロコミュ
今後、キャンベル先生がやっていきたいことや目標とされることはありますか。
キャンベル先生
目標は1期生の6年後の成長した姿を見ることです。どんな人間に成長しているんだろう、と楽しみで仕方がありません。本校にはスポーツで活躍している生徒もとても多いのですが、スポーツでさらに活躍する上では英語が必要な場面もあるでしょう。日本は「英語教育」というと英語だけをプッシュしますが、そこに「国際理解教育」が一緒になれば、本当の意味での「英語教育」になると思います。本校では、この2つを軸にして『本物の英語力』をつけていきたいと思います。
開校からまだ4か月の大阪学芸高等学校附属中学校。すでに生徒たちに国際理解教育と相互効果を発揮する真に必要な英語教育が行われているように感じました。英語をどのように使えばいいのか、英語を知っているからこそできることは何か?そうしたことを、世界を知りながら学んでいく生徒たちの今後が期待されます。
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/158.php>大阪学芸高等学校附属中学校</a>
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