TOP » 学校力レポート » 神戸国際中学校・高等学校 これからのグローバル社会を生き抜く鍵は「普段着の国際交流」

村山美生校長が描く普段着の国際交流

UPDATE:2015年12月04日

神戸国際中学校・高等学校 これからのグローバル社会を生き抜く鍵は「普段着の国際交流」

村山美生先生

村山美生先生プロフィール

1977年より公立高校で日本史の教員として奉職。
兵庫県の教育委員会指導主事を経て、兵庫県下の公立校の教頭、校長を歴任。教員時代も含め、進学校、定時制高校、農業高校、特別支援学校、伝統校、新設校など様々な校種を経験し、2014年、神戸国際中学校高等学校の校長に就任。

生徒一人ひとりに向き合う教育ができる学校

ココロコミュ
様々な学校で教員をされてきた村山先生ですが、変わらずに大切にしていることは何ですか。
村山先生
大学時代、経営学部に在籍していた私が、経営学部卒業後に教育学部に編入し、日本史の教師を志すことになったのは、友人の何気ない一言がきっかけです。当時、私は考古学研究会というサークルで遺跡の発掘調査に関わっていたのですが、実測のために下宿に持ち帰っていた土器を見た友人の「これ、古墳時代の人の指紋が残ってるわ」という一言に衝撃を受けました。これまで研究材料、形を図面化するための「物」としてしか見ていなかった土器が、「作った人の生活」や「人間としての営み」を教えてくれる温もりのある存在に変わった瞬間でした。
村山美生先生
発端は考古学ですが、私は、その時代を生きた人の営みや温もりも伝えられる歴史の教師になりたいと思いました。管理職となってからも、一人ひとりの生徒のあたたかさを受け止め、双方向のやりとりができる教育者でありたいと思っています。
ココロコミュ
神戸国際中高の校長に着任されて2年目ですが、村山先生が思う、この学校の良さとは?
村山先生
これまで様々な校種を経験しましたが、公立学校で教員や管理職をしている中で、このような教育をやりたいと考えていたことが出来る学校だと思います。本校は現在300人弱の少人数の学校です。これは生徒を「人の集まり」としてではなく、一個人として接することが現実的に可能な数です。実際にどの生徒の顔と名前も分かりますし、声掛けも出来ます。それがこの学校の一番の良さであり、また私が理想とする教育が出来る所以だと思います。
集合写真

普段着感覚で身に付けるこれからの国際交流

ココロコミュ
具体的にはどのような教育を目指されているのでしょうか。
村山先生
1つ目は一人ひとりに人間として対応できる教育。2つ目は校名にも入っていますが「国際」教育。これからは否応なしにグローバルな社会を迎えるでしょう。昨年より、グローバルな舞台で活躍されている方々を講師に迎えて、講演会を行っています。落語や和紙という日本を代表するものを題材に世界で活躍されている方々の講演を通して、グローバル社会の生き方にはいろんな形があることを知ってほしいと思っています。3つ目は社会で活躍できる「女性」の教育。
私はこれまで公立校で男女共学しか経験してきませんでしたが、現在、女子校の良さというものを強く感じています。公立高校でも草食系といわれる男子が増え、生徒会の役員などでも女子生徒の方が目立ちますが、いざとなると変に役割分担が生まれます。簡単なところだと、体育祭、文化祭で力仕事をするのは男子、こまごました仕事は女子、という風に。女子校にはそういう概念がありません。私は様々な機会に本校の卒業生と会いますが、女性だからという線引きをせず、人間として際立った人が多いと感じます。それがいまどきの女子校の強さかもしれません。
社会で活躍できる女性の育成とグローバル教育
美術のイマージョン授業風景
社会で活躍できる女性の育成は女子校に期待されることの1つだと思います。また、国際教育では一歩抜きんでた印象がありますが、英語のスキルを上げるだけではグローバル教育といえない時代になってきている中、御校の魅力はどこにあると思いますか。
村山先生
従来のグローバル教育に加え、もっと日常から体験できることとして、チームティーチングで一部分を英語で受けるイマージョン教育を音楽と美術の授業に取り入れた他、ネイティブの人たちと昼休みを過ごす「English café」など、校内での取り組みを充実させています。また欧米だけでなくモンゴルや韓国、台湾にも交流校を設け、ある一定期間だけではなく、いつでも海外に行ける、いつでもネイティブと一緒の時間を過ごせるのが魅力だと思います。
本校に限らず、日本の学生は、英語の発音や文法も間違いがあってはいけない、と気を付けて発言しようとする傾向が強いのですが、現場では原稿通りの言葉よりも、伝達する力が重要になってきます。英会話のスキルに長けているわけでもない私が、自ら動いて交流先の学校を開拓するのは、失敗してもいいからいろんなことに挑戦し、最初は下手な英語でも身振りでもいいから自分の思いを伝える大切さを、身を持って示していると言ってもいいかもしれません。そうした「普段着の国際交流」を重ねて成長していくことで、グローバル社会を生き抜く力を身に付けていけると考えています。

外へと目を向けるためにはまず内側をしっかりと

ココロコミュ
外国語教育や国際交流が盛んな一方、精神的な部分では和の心を大切にしていますね。
村山先生
本校は聖徳太子信仰を建学の精神としているのですが、それに加えて浄土真宗本願寺派の仏教的精神を大切にしています。聖徳太子という人物は新たに仏教を取り入れたり、遣隋使を派遣したりと自国内だけでなく、東アジアという当時ではグローバルな世界の中で、日本がどうあるべきか、どのように海外と交わっていくのかという視点を持っていたように思います。
他の宗教系の学校のように宗教の授業があるわけではないのですが、生徒たちは「和」という日本的な精神を根本に据え、常に意識するよう心がけています。やはりグローバル社会の中で生きていくためには、1つの柱として自分たちのアイデンティティがないといけないと思います。
外国人と同じようになろうとしているわけではなく、あくまでも日本の代表として世界の土俵に上がる人間を育てていくということですね。
村山先生
日本の文化を守りながら相手の文化も尊重するというのが大切で、そういうことを日常的に経験できる学校でありたいと思っています。
聖徳太子像
同校では、高校3年生全員と校長先生が面談をするそうです。10分程度であっても、学年全員が校長先生と面と向かって話している学校なんて、滅多にないのではないでしょうか。今年は例年以上に国際社会での活躍に向けて、より具体的な進路を口にする生徒が多かった、と村山校長。同校の「普段着の国際交流」で得たものを、生徒たちがリアル・クローズとして着こなし、世界のランウェイへと飛び出していく日が今から楽しみですね!
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/105.php>神戸国際中学校</a>
スペシャルコンテンツ
お問い合わせ
Copyright(C) cocorocom. All Rights Reserved

PAGE TOP