TOP » 学校力レポート » 三田学園中学校 スペシャル対談 「受け継がれる三田学園の精神 バランスのとれた「知・徳・体」の全人教育」

受け継がれる三田学園の精神
バランスのとれた「知・徳・体」の全人教育

UPDATE:2015年11月04日
受け継がれる三田学園の精神 バランスのとれた「知・徳・体」の全人教育
1912(明治45)年の創立時から「質実剛健・親愛包容」を建学の精神に、多くの卒業生を輩出してきた三田学園中学校・高等学校。長年、受け継がれてきた三田学園という中高一貫校における教育、全人教育の成果は、同校を卒業後に貴重な人生経験を積み重ねてこられた先輩だからこそ理解ができ、その言葉にも重みが出ます。
今回は卒業生である井巻久一氏(マツダ株式会社相談役・兵庫県立大学特任教授)と、同学園の北畑理事長に対談という形式で、同校の教育や魅力を語っていただきました。
北畑隆生理事長、井巻久一氏 卒業生に共通する「質実剛健・親愛包容」
北畑理事長
私は1968年に三田学園を卒業しました。井巻さんの7つ後輩になりますね。学生時代は軟式テニス部で、高2の夏まで一生懸命クラブ活動をやっていました。当時からクラブ活動に熱心な学校だったと思いますが、今のように顧問の先生が指導するのではなく、先輩に指導していただく形でした。今でも覚えているのが、高3のキャプテンだったかっこいい先輩です。とても厳しく、その先輩に躾を学んだような記憶がありますね。恥ずかしい話をすれば高2の頃に勉強も部活も挫折をしまして、心配してくれたテニス部の顧問の先生からの「勉強を頑張ったらどうだ?」というご指導をうけ、部活で鍛えた体力や集中力を受験勉強に活かしました。そういう意味で、三田学園の文武両道の精神は、すごく役に立ったと言えるのです。井巻さんも三田学園時代のことが、その後に役立ったことがあるのではないですか。
井巻氏
ありますね。バスケットボール部でキャプテンをやっていましたから、例えばチームワークや先輩・後輩関係の築き方はどこかで効いているでしょう。加えて私は、父親の存在も大きかったです。昔は、父親が怖い存在で、話もしてくれない。その背中を見ながら、信頼とか、感謝とか、そういう気持ちが自然に身に付いたのではと思います。ただ、こういうことがこういうふうに役に立ったとか一対一で結びつくものは、それほどないんです。その代わり、積み重ねで影響を受けてきたものが、体のどこかに染み付いている気がします。
三田学園の歴史を伝える資料館にある「生徒心得綱領」
三田学園の歴史を伝える資料館にある「生徒心得綱領」
北畑理事長
僕は三田学園を卒業してからも、不思議なご縁で井巻さんにお会いしたり、他の卒業生の方にもお会いしたりするのですが、最初にお会いした時から初対面のような気がしないんですよ。三田学園の卒業生は、「質実剛健・親愛包容」(三田学園の建学の精神)の意味があまりわからなくても、ずっと言い続けただけあって、偉くなられた方でも謙虚な方が多く、校風が自然と身に付いているのかなと思わずにいられません。それは三田学園のOB会に出ても感じることで、三田学園の卒業生ならではだなと思っています。以前、マツダの工場を見学させてもらったときも、工員さんが社長のことを「井巻さん」と呼んでいることにもびっくりしました。
井巻氏
確かに会社の中では、誰ひとり僕のことを社長とは呼びませんね(笑)。
バランスのとれた「知・徳・体」教育を皆が驚く三田学園の“普通”
井巻氏
前にも話しましたが、三田学園は丘全体が学校で、ものすごく恵まれた環境ですよね。あの環境の素晴らしさは、三田学園にいる間はわかりません。離れてみたら気が付きますね。他にも、遠くから電車通学をする生徒には、電車でのマナーが身に付き、自転車通学する生徒には、雨風に負けない体力が付いていきます。そういう小さな苦労をしていろいろなことが身に付くありがたさは、この年齢になってようやくわかってきます。
緑に囲まれた広大な敷地を誇る三田学園
緑に囲まれた広大な敷地を誇る三田学園
北畑理事長
そうですよね。
井巻氏
それに、人間としてどうあるべきかと考えたときに、今は豊かになり過ぎたがために、心の豊かさが欠落しています。様々な子供たちの事件が起こりますが、それらを見るたびに、教育の原点を勘違いしているのではないかと思うのです。やはり僕は三田学園の教育理念である「知・徳・体」が絶対に大切だなと思います。
北畑理事長
確かにそうですね。「知・徳・体」のバランスを重視した全人教育。それこそが子供たちを育てます。
井巻氏
全人教育は、まさに三田学園で教えられたことですね。その意味では、校祖の小寺謙吉先生は偉かったんだなと思いますね。
校祖の小寺謙吉先生や歴代の卒業生の写真が物語る三田学園の歴史
校祖の小寺謙吉先生や歴代の卒業生の写真が物語る三田学園の歴史
北畑理事長
今、教育審議会で言われている“生きる力”とは、まさに小寺謙吉先生が100年前に言われた「知・徳・体」のバランスのとれた教育です。小寺先生は、先見の明があったのだと思います。
井巻氏
すごいことですよね。
北畑理事長
初めて、本校にいらっしゃった方から、生徒が「こんにちは」とか「おはようございます」と挨拶をしてくれて感激しましたと、お褒めの言葉をよくいただくんです。お客様に挨拶をするのは人として当然のことで、感激されるのも不思議な話ですが、それは他の学校で挨拶がされていないということでしょう。
井巻氏
世の中がそうなっているのだと思うんですよ。だから三田学園の“普通”に皆さんが驚くわけです。
北畑理事長
ぜひ、そういう三田学園の普通を訴えていきたいですね。
井巻氏
それは、三田学園のためでもありますし、これからの日本のためでもあると思います。
登録有形文化財に指定されている中学本館
登録有形文化財に指定されている中学本館
登録有形文化財に指定されている中学本館
北畑理事長
三田学園は6年間の中高一貫校ですが、この6年は人生で一番大事なときだと思うんですよ。中学受験、高校受験、大学受験と3年ごとにやっていたら、人間として伸びるチャンスがなくなってしまいます。私自身、大学の友人もたくさんいますが、三田学園時代の同級生は何も言わなくても分かり合うような仲間です。中高一貫校で、のびのびと生活をし、人間としての心構えをクラブ活動や先生の指導を受けてしっかりと育んでいく。それは一見、遠回りにも見えますが、三田学園の教育の良さではないかと思うんです。
井巻氏
6年間、同じ仲間と過ごせる時間は最高ですよ。遠回りではないかと思う人もいるでしょうが、人にはそのときそのときに、やらなくてはいけないことがあります。ただ、それが子供たちにはわからないわけで、わかっている大人、つまり先生が指導をします。そこで大事にするべきが、「自分発」。押しつけた教育ではなく、やりたがる教育。それは運動にしても、勉強にしても同じですし、企業においても「自分発」は大切です。
伸びやかな環境で学ぶ生徒たち
伸びやかな環境で学ぶ生徒たち
先生が「自分発」となって 生徒たちを「自分発」に
井巻氏
今後の三田学園としては、三田学園の良さとは何であるのか、それを皆できちんと理解し合っていってほしいですね。理事長一人が走られても、先生方がついてこなかったら意味がありません。大学もそうですが、まず大事なのは先生方です。すべては先生方への教育から始まります。先生が「自分発」となって、生徒たちを「自分発」となるようにしていってほしいですね。そういうことができる素地が三田学園にはあると思います。三田学園はまだまだ良くなります。
北畑理事長
そういっていただけると嬉しいです。「自分発」の生徒を育てるために先生方にも「自分発」になる試みをしてもらえばいいわけですね。マツダの経営がそうだったように。
井巻氏
はい。ただ、肩書きが付くと人を変えることがある。自分は肩書きではなく、人間として経営してきました。三田学園も人間として先生方に経営していってほしいと思います。誠を尽くすことから始めてほしいですね。そして、のんびりした場所柄を大事にしながらも、物事をグローバルに見る学園でもあってほしいです。
三田学園中学校・高等学校 ホームページ
三田学園中学校・高等学校 ホームページ
http://www.sandagakuen.ed.jp/
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/110.php>三田学園中学校</a>
スペシャルコンテンツ
お問い合わせ
Copyright(C) cocorocom. All Rights Reserved

PAGE TOP