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「なりたい自分」を実現!
将来につながる能力を磨くキャリア発達教育

UPDATE:2015年7月24日
報徳学園中学校「「なりたい自分」を実現! 将来につながる能力を磨くキャリア発達教育」
将来を考えるキャリア教育。報徳学園中学校・高等学校では、「自分をわかること」によって、「自分がやりたいこと」が見えるという考えのもと、6年間の発達段階に合わせた独自のキャリア教育「CDE(キャリア発達教育)」を展開しています。「なりたい自分」を実現するために必要な能力を理解し、学ぶ姿勢へとつなげていってほしい。先生方の熱い思いと、その実践現場を取材しました。

報徳学園のCDE(キャリア発達教育)

1・2年 道徳的キャリア教育期
他者とのかかわりの中で、働くことの意義や社会貢献について考え、自分なりの職業観と勤労観に気づきます。社会に求められる協調性とリーダーシップを身につけます。
3・4年 創造的キャリア教育期
教科学習や体験学習を通して、世の中のさまざまな職業や経済の仕組みについて学び、「働くこと」への関心・意欲を高めます。 自らの「働く」将来観を描くことによって、はっきりとした学習の目的を見つけます。学ぶことの目的を見つけることで、目標に向かって努力する内発的な学習意欲を養います。
5・(6)年 キャリア判断期
自分の目標に必要な情報を集め、その情報を活用する能力を養います。大学での学びや、入試制度の理解など、具体的な進路選択に関する幅広い知識を手に入れる技術を学びます。これまでの学習を通して習得したキャリア観に基づいて、適正に応じた進路を主体的に決定します。

ロング・ホームルームを使って行われるCDE授業

ロング・ホームルームを使って行われるCDE授業
ロング・ホームルームを使って行われるCDE授業
ロング・ホームルームを使って行われるCDE授業
中3生の「CDE」のテーマは、ものを通して職業を想像すること。自分が好きなもの、興味あるものから、それに関連する幅広い仕事を想像して職業をイメージ。そこから将来やってみたい仕事や就きたい職業など「働くこと」について考え、具体化し、その目標を実現するために必要なものを習得していく。
ロング・ホームルームを使って行われるCDE授業
ロング・ホームルームを使って行われるCDE授業
中2生は全員が集まり、外部講師を招いて、良いプレゼンテーションとは何かについて学習。問題意識を高め、社会貢献について考える。
ロング・ホームルームを使って行われるCDE授業
ロング・ホームルームを使って行われるCDE授業
中1生は「3Sプロジェクト」についての講義を受ける。3Sというもの自体を行うことが目的ではなく、それを実践、発表することを通して社会で求められる協調性やリーダーシップの重要性を学ぶ。

Interview to Teachers

世界をリードする人材を育成 甲南「フロントランナー・コース」1期生、躍進中!
写真左から
新庄 秀臣先生[英語科担当]
小林 裕貴先生[国語科担当]

小林 健司さん[つながりデザイン事務局代表]
※外部アドバイザーとして、中高一貫校に適したキャリア教育のカリキュラム作成や授業デザインに携わる。

大学進学の先にある仕事に就くことを
意識したキャリア教育

報徳学園の「CDEキャリア発達教育」は、どういう主旨で始まったのですか。
【新庄先生】
従来の進路指導が、大学進学をゴールとした高校生中心のものになっていたことを問題視して、中学校にも進路指導部の必要性を感じたのが始まりです。中高一貫教育校における中学生の進路指導でどんな事をすべきかを考えたときに、外せないのがキャリア教育だったのです。本校は大学進学を目標としていますが、その先にある「仕事に就く」ということを、もっと強く意識してほしいという思いがありました。そういった中で、一般的なキャリア教育ではなく、本校独自の取り組みができないかということで、小林さんにもご協力いただいて、この「CDE(キャリア発達教育)」というものを作りました。
「CDE」は、どのようなことから始めるのですか。
【小林さん】
通常のキャリア教育では、職業について学ぶことからスタートしがちだと思うのですが、「CDE」では価値観や考え方を学んでもらうことから始まります。具体的には、「3Sプロジェクト」という整理・整頓・清掃への取り組みで、整理整頓していく場所を生徒たちが写真に撮り、きれいにするためのマニュアルを作成します。最初はバラバラだったお互いの価値観を、極めて具体的なレベルですりあわせていきます。どこを汚いと感じるか、どれくらいがきれいな状態か、その価値観は人それぞれですから、それをまとめ合わせて最終的には教室の中で一つのルールを作ってもらいます。

3Sプロジェクトより
3Sプロジェクトより
【新庄先生】
「3Sプロジェクト」の内容ももちろん大事なのですが、それを通して学ぶことを重要視しています。生徒たちに誤解のないようにいつも言っているのが、掃除の仕方を勉強しているのではなく、この活動を通してグループで一番いいマニュアルを作る、それぞれが自分の意見を人に聞いてもらい、また他人の意見を聞くという、リーダーシップや協調性を身につけることの大切さです。

失敗から得ることや
気づくことを大事に

その他に特徴的な授業はどんなものがありますか。
【新庄先生】
中2の「社会問題発見ワーク」では、まずグループに分かれ、ブレインストーミング(創造性開発技法)で、世の中の問題についての意見を出し合います。それを解決する方法をプレゼンするのですが、プレゼン方法も使用するものもすべて生徒に任せます。ここで重要なのが、「一度失敗させる」ということです。一度失敗をして、もっと良いものを自分たちで作る、そしてどうやって伝えたら良いのかを考えられるようになることが大事で、自分たちが失敗したと気づくことが肝心なのです。最初のプレゼンでは、我々教員が容赦なく質問をしますが、プレゼンに対しての意見を受け、他のグループの優れたプレゼンを見て、自分たちの発表の未熟さに気づいたら、すぐに振り返りのワークシートをまとめて次に活かすようにします。教員は何かを完成させることを目的にしがちですが、「CDE」では、そこを目的にせず、失敗から得ることや失敗から気づくことを大事にしています。
具体的な職業については、いつの段階で学ぶのですか。
【小林先生】
中3の段階です。まだ職業に対しての知識が少ないので、どういう職業があるのかを徹底的に調べます。高1になると、自分が働くことにもう少し絞り込んで枠組みを作っていきます。ここでは中1・中2で身につけてきたことが土台となります。

【新庄先生】
内発的な学習意欲と外発的な学習意欲がちょうど中2・中3あたりで交差しますので、それを考えて「職業」をテーマにしています。中高一貫では中3・高1の中だるみが問題視されることが多い中、この時期にこのテーマに取り組むことに大きな意味があると思います。将来どんな仕事に就きたいのか、その仕事に必要な能力は何か、その能力を身につけるためにはどんな大学へ行かないといけないのか、その大学へ行くためには今の学力で良いのかを逆算することで、内発的な学習に取り組めるようになります。

【小林先生】
「CDE」は立ち上げから7年経ちます。中学から高校の卒業まで、私もようやく一通りのカリキュラムを担当したことになります。
生徒の成長など、手応えは感じられましたか。
職業を考える授業より
職業を考える授業より
【小林先生】
高校生になると、大学進学が迫ってきますから、中学生より具体的なテーマに取り組みます。特に高2では大学の志望理由書を書いた後、自分たちでプレゼンをし、公募推薦やAO入試のように、自分の気持ちをどう表現するかを体験させます。生徒たちは中3で職業研究をし、高1で大学のオープンキャンパスに参加していますから、高2での取り組みも、自分の将来に返ってくることだという実感を持って取り組んでいるなと感じました。

職業をしっかり考えたうえで
進路相談

「CDE」で将来やりたい仕事が具体的に出てきてやるべきことが見えてくると、先生方と進路についての面談などをするのですか。
3人の先生達
【小林先生】
僕は今、一人ひとりと面談をしていますが、職業を考えてからどういう大学にいくかの相談をします。例えば、「英語が好きだから外国語大学へ行きたい」と言う生徒がいるとしたら 将来、海外で働きたいのか、英語や英文学について学びたいのかで、外国語大学が適した進路かはどうかが変わってきます。「商社マンとして国際的に活躍したい」のであれば、「経済学部で国際留学制度があるような学校」という選択肢を提示できるんです。志望理由を掘り下げていく面談をしていると、生徒からはよく就職試験みたいだと言われますが、生徒に「僕もこういうふうにしっかりと考えてから大学に行きたいです」と言われた時は嬉しかったですね。
今後、「CDE」をどのように活かしていきたいとお考えですか。
【新庄先生】
7年が経過し、各学年で何をやれば生徒たちには効果的なのかが見えてきたので、指導案を蓄積し、ひとつの確固たるカリキュラムとして充実させているところです。生徒が「勉強って嫌なものだ」「働くのはしんどいことだ」と思っているのであれば、「自分の目標のために勉強するのは楽しいし、自分の好きなことを仕事に出来たら絶対に楽しいはずだ」と「CDE」を通して思えるようにしていきたいです。その思いを叶えることができる大学に行ける力を身に付けることを今後も変わらず目標として、生徒たちには「CDE」を楽しみにしてもらえるようにしたいですね。
中1から身近な「整理・整頓・清掃」を通してのプレゼンをするなど、発達段階に応じて適したキャリア教育を行っている報徳学園。ていねいな指導が、生徒たちの将来への積み重ねになっていることが伝わる取材でした。自分を知り、自分がやりたいことが見えることで、今どうあるべきかを考えるという独自のキャリア教育が、進路にどう影響していくかに今後注目です。
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