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発見!私学力|進路指導部 奥本 恵先生インタビュー

UPDATE:2016年09月20日

帝塚山中学校 進路指導部 奥本 恵先生インタビュー「その夢は、あなたの夢ですか?」

「男女併学」という独自の教育スタイルに加え、丁寧な進路指導で国公立大学や難関私立大学への合格実績を誇る帝塚山中学校・高等学校。近年は国公立医学部医学科や京都大学の合格者数が4年連続で増加するなど快進撃が続いています。学習面での取り組みはもちろん、自主的に受験に取り組む力を生徒が身につけることが大切と同校の進路指導部長4年目を迎える奥本 恵先生は言います。生徒が自主的に受験へと立ち向かうための環境づくりについてうかがいました。
こわいのは、他人の意見を自分の夢だと思うこと

こわいのは、他人の意見を
自分の夢だと思うこと

― 帝塚山中学校・高等学校の進路指導の特徴を教えてください。
奥本先生
私が進路指導部長になった頃、以前と比べて、医学部などの面接指導で志望理由を明確に言えない生徒がいることに危機感を覚えました。ですから、まずは自分の将来を明確に考えていきましょうという姿勢がベースになっています。そのため、本校では早い段階から様々な経験をさせ、情報を与えながら選択肢の幅を広げ、真剣に進路を考える機会を多く設けています。進路説明会では、様々な入試方法を紹介していますが、“楽な入試”や“オイシイ入試”はありませんし、あったとしてもそれで得られるものはその程度のものでしかありません。受験に正面からぶつかっていくことは非常に貴重な経験です。本校の生徒にはしっかりと向き合って、受験を人生の財産にしてほしいと思っています。
― 進路について真剣に考える機会は具体的にどのようなものがありますか。
奥本先生
本校では進路選択に向けて、学力の他にも優れた人間性や、好奇心、コミュニケーション能力や傾聴力を養ってほしいと考え、高校1年時から様々な大学訪問プログラムを企画しています。
大阪大学の産業科学研究所の体験講座、京都大学でのキャンパストークツアーなどに参加。神戸大学では工学部の見学の他、ポスターセッションなど発表の機会も与えられている。
大阪大学の産業科学研究所の体験講座、京都大学でのキャンパストークツアーなどに参加。
神戸大学では工学部の見学の他、ポスターセッションなど発表の機会も与えられている。
高校1年の9月には志望校調査、高校2年になると文系・理系の選択がありますので、そこで初めて慌てることがないよう、早くから意識することが大切なのです。しかし、将来の夢が見つからないことを焦る必要はありません。こわいのは、適当に決めることや他人の意見を自分の夢だと思い込むことです。保護者、先生、先輩など周囲の大人の意見に耳を傾けることは大切ですが、最後は自分の責任のもと、納得のいく結論を出すことが重要なのです。
― 個人差はあると思いますが、多くの生徒が結論を出す時期というのはいつ頃なのでしょう?
奥本先生
高校2年の2月には大学教員による出張講義があります。約15の学部や専門分野の先生から講義を受けるのですが、それまで、学部で迷っていたり、学部は決めているけど大学で迷っていたりした生徒がこの講義の感想文で「これで気持ちが固まりました」と書いてくることは多いように思います。先生方のお話しや、質疑応答を通し、自分の本気度を再度確認するのだと思います。逆に言えば、ここで肚を決めた生徒は最後まで頑張り抜ける印象があります。
出張講義の講師は現役のドクターや各分野のスペシャリスト。それぞれの魅力だけでなく、質疑応答ではシビアでリアルな現場の声も知ることができる。
出張講義の講師は現役のドクターや各分野のスペシャリスト。
それぞれの魅力だけでなく、質疑応答ではシビアでリアルな現場の声も知ることができる。
こわいのは、他人の意見を自分の夢だと思うこと

本気で受験に取り組むなら
第一志望主義を貫くこと

― 奥本先生から生徒の皆さんに伝えたい、受験の心得は何ですか。
奥本先生
まず1つ目は「受験は3月まで!」だということです。3月まで諦めずに第一志望主義を貫いてほしいと考えています。そのためにはモチベーションを持続させることが肝心ですが、先に挙げた出張講義や大学訪問などでの経験は生徒にとって大きなモチベーションとなっているようです。
― 2つめの受験の心得は何ですか。
奥本先生
2つ目は「終わったことをいつまでも引きずるな!」です。中学3年になると高校課程の先取りと「大学受験セミナー」が始まります。以前はセミナーを7月にスタートしていましたが、運動部の生徒にとっては引退試合前の大事な時期になります。
― 御校では中学生は全員がクラブに所属していますが、引退試合とセミナーを掛け持ちするのですか。
奥本先生
進路指導部としては、第1回のセミナーからしっかり受けてほしいのが本音ですが、私も以前はバレー部の顧問でしたので、この時期は試合に専念させたいという気持ちがあります。そこで、第1回のセミナーを思い切って8月後半に変更しました。上手に切り替えができるように、時期や時間のメリハリを学校側が配慮することも大切です。
― そうやって切り替える癖をつけていくのですね。
奥本先生
普段から、勉強が出来ないのをクラブのせいにしたり、クラブが出来ないのを勉強のせいにしていては意味がないと伝えていますので、中学の3年間でかなり自律的に成長しますが、高校でもクラブを継続する生徒は、勉強時間が限られる分、短時間で集中し、失敗をした時にもミスを引きずらない精神力が鍛えられていますね。こうした強さは入試本番でも活かすことのできる財産です。センター試験を全くミスなしで全教科終われる生徒などほとんどいませんから。
こわいのは、他人の意見を自分の夢だと思うこと

好調な合格実績のわけは
生徒の自主性と柔軟なニーズ対応

― 3つ目の受験の心得は何ですか。
奥本先生
「センター試験を丁寧に受ける!」です。本校では授業の他に、模試や定期考査などのミスの傾向データを蓄積し、分析結果に基づいた対策講座を中学3年から高校3年を対象に行っています。センター試験対策もそのひとつです。
― 現在のところ、効果や手応えの実感はありますか。
奥本先生
対策講座の受講生が増えたこともあり、2015年度と2016年度のセンター試験の全国平均がほぼ横這いであったにも関わらず、本校では男女全コースで大きな伸びが見られました。なかでも特進Ⅰコースにおいては平均点が前年度に比べ100点近くアップしています。
センター試験 帝塚山平均の変遷
― 最後に奥本先生が進路指導部長として心がけていることを教えてください。
奥本先生
学習面でのフォローは得点アップのためにとても大切なことですが、自ら受験に取り組む力を生徒が身につけることが出来なければ、最後まで走り抜けるのは難しいと思います。ですから、真剣に進路に向き合える機会を常に提示し、生徒が自主的に目標を見つけるための環境づくりを試行錯誤しています。本校は大きな組織なので、各部署と調整しながらスムーズに進めるのは大変ですが、「では、来年度から…」とニーズの対応を先送りにしないことを心がけています。毎年、その年の生徒たちの動向を見ながら、すぐに動ける進路指導でありたいと思っています。
話の端々から、生徒たちに受験に正面から取り組んでほしいという熱い想いが感じられる取材となりました。どんなに優れた対策講座を用意しても、結局は生徒が自分で走り抜く意思を持つことが大切!学力面でのサポートはもちろんですが、学力がある生徒にこそ、学力以外のサポートが必要な時代なのかもしれません。
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/132.php>帝塚山中学校</a>
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