TOP » 学校力レポート » 西大和学園中学校・高等学校「設置から1年 西大和学園女子中等部の教育と挑戦」

西大和学園中学校・高等学校 学校力レポート 設置から1年 西大和学園女子中等部の教育と挑戦

2014年度より女子中等部が設置された西大和学園中学校・高等学校。男子の難関校であり、その教育内容の充実や進学実績の高さで注目を集めてきた学校だけに、女子中等部もその指導方針や教育内容に大きな期待が寄せられています。ココロコミュでは、今春1期生37人が中学2年生になり、2期生47人が入学した西大和学園女子中等部に、1年間を経て見えてきた状況や先生の想いを取材しました。
女子中等部 女子中等部学年部長 德田重則先生

男子とは全く別の
女子に合わせた方法で育てる

女子中等部を設置するにあたり、学校として思慮されたことは何でしょうか。
女子中等部の授業の様子。
女子中等部の授業の様子。
【徳田先生】
男子とは違った流れで教育をしていくということです。男子部で培ってきた学校としてのノウハウはありますが、それとはまったく別路線で女子に合わせた方法で女子生徒を育ててみようというところが発端でした。やはり男子は集まるとどうしても幼い感じになってしまうのですが、女子は中学1年生の段階から男子より精神年齢が少し高いように思います。
実際に女子が入学してきて、男子への刺激はありましたか。
【徳田先生】
現在、同じ学年でも男子4クラスと女子1クラスは完全に別学で分離されている状態なんですね。それは教員も同様で、僕は数学担当ですが、教えるのは女子だけなんです。 僕が男子中等部へ行くことはないので、男子の様子はわからないんです。
先生も完全に別なんですね。
【徳田先生】
女子と男子で、お互いにある程度意識させること、また教員も生徒たちと同じように意識させるためです。男子と女子でお互いに刺激し合って、高め合ってくれればと思っています。
指導内容に男女の違いはあるのですか。
【徳田先生】
やっていることはまったく同じです。授業の深度や定期考査などは同じで、教え方のプロセスだけが違うといった感じです。
教え方?
女子中等部の授業の様子。
女子中等部の授業の様子。
【徳田先生】
男子はまだ幼いところがあって、ちょっとしたことでも声をかけたり、構ってあげたりすると喜んでくれます。しかし、女子に同じことをすると、「構わないでほしい」といった反応が返ってくることが多いんです。自分というものが出てきている生徒も多く、男子と同じようなアプローチでは逆に逃げてしまうんですね。男女共学にするとそういう意味で指導の仕方に異なる部分が出てくるので、中学での最初は男女を分けてスタートすることにしました。
この1年、德田先生が実際に女子生徒を指導されてきた中で、感じられた難しさや興味深い部分はありますか。
【徳田先生】
正直まだそこまでいっていませんね。「女子はこういうアプローチを嫌がる」とか「こういう時はこうしたほうがいい」などを感じとりながら、どうにか乗り越えてきた1年でした。これまでも女子生徒は教えてきたのである程度は分かっているつもりでしたが、中学1年生の女子は反抗期も始まる時期ですから、難しい年齢なんだと改めて思いました。

中等部女子の比率が大きくなれば
女子だけの取り組みも積極的に

高校からは男女一緒になるのですか。
【德田先生】
高校生か中学3年生かまだ定かではありませんが、遅くとも高校生になるとある程度大人になってきますので男女共学でもいいだろうと思っています。
今も行事やクラブ活動は男女一緒ですか。
部活動や体育祭などの行事は男女一緒に。
部活動や体育祭などの行事は男女一緒に。
【德田先生】
そうですね。ただ、新入生が入ってきたら、だんだん中学における女子の比率が大きくなり、女子だけの取り組みもできるのではないかと思っています。2学年一緒に何かに取り組ませるなどして、一体感みたいなものを作っていければいいですね。クラブも女子だけのクラブはまだありませんが、女子が増えたら女子バスケ部や女子バレー部を作りたいという声はあって、今後女子専用のクラブが発足していくと思います。
男女一緒に行った行事は、どんな印象でしたか。
【徳田先生】
やはり女子が主導権を握っていましたね。授業は教室も完全に分かれているので、文化祭などで初めて顔を合わせる子が多かったのですが、女子の方が人数は少ないのに、それでも男子は気が付いたら仕切られているんです。男子は女子に対して少し遠慮があるのですが、女子は男子に対して全く遠慮がなく、はっきりと物を言うところがありました。今後もクラスを男女半々にすると女子の社会ができてしまうので、男子が少し多めの方がいいのかもしれません。

早期から明確な将来ビジョンがある女子
そのニーズに応え、叶えたい

西大和学園の特色であるSSHやSGHの教育、リーダー教育や国際教育は、女子にどのように活かせそうですか。
高等部の女子生徒のSSHでの学びや発表。
高等部の女子生徒のSSHでの学びや発表。
【德田先生】
将来は海外に出て活躍したい、社会に貢献したいと言って、英語に興味を示している女子生徒はすごく多いんです。その中で男子にはないものが生まれてくるのではないかと思っています。SGHやSSHでプレゼンの機会もたくさんありますし、そういうこともやってみたいという女子生徒は多いです。男子の場合は医学部や東大に行きたいといった漠然とした将来像を持っているくらいで、明確なビジョンを口にするのは高校生くらいになってからでした。女子は中学1年生でもすでに明確なビジョンを持っている子が多いように思います。その生徒たちのニーズにどう応え、どう叶えていくかというところが、今後の新しい可能性として出てきた感じですね。中学1年生という年齢から自分の将来を見据えた上で学校生活を送っていけると、本人にとって有益なものになると思います。
今後、具体的には女子のどういう特性を伸ばしていきたいと考えられますか。
【徳田先生】
やはり英語です。英語と国語を中心とした語学系を伸ばせることが、一番のメリットだと思います。これまでも留学などの海外経験を積むプログラムはありましたが、人数の少ない女子は、男子と違ったオリジナルのプログラムが組めると思っています。留学や国際教育の他にも、キャリア教育や卒業研究なども女子に対応した独自のものを作っていきたいですね。
理系に進みたい女子も多くなりそうですが。
【徳田先生】
女子は理系希望でも数学や理科が苦手という生徒が多いので、今はその基礎を男子とは違った角度から授業展開しています。数学に対する興味も男女で違うんです。男子はパズル系など感覚で解くものが好きですが、女子は論理的な細かい積み上げを好む傾向が見られます。
別学にすることで男女の特性を活かして伸ばせますね。
【徳田先生】
ある程度基礎が出来上がったところで男女一緒にするので、それぞれの持つ力を見て、お互い自分にないところを知って、刺激を受けられたらいいのかなと思います。また、基礎を固めるにしても男女それぞれ持っているベースが違いますから、男女でやらせるべきことや指導も変わってきます。
これまで西大和学園は高校から女子の入学生がいましたが、高校に女子生徒がいたことで何かメリットはありましたか。
Vコースならではの結束力を見せる演劇コンクールや文化祭
高等部の女子の先輩が
中等部の女子生徒と話をする座談会。
いろいろ質問もできます。
【徳田先生】
中高一緒になるクラブなどで、高校生が中学1年生の面倒をよく見てくれたことが一番のメリットでした。妹のような感覚で学校のことをいろいろ教えてくれたり、一緒に帰ったりしてくれたんです。本校の体育祭は中学から高校まで縦割で行っていますが、その練習でも高校の女子が間に入ってくれました。また、新入生を集めて話をした時も、各学年から希望者が来てくれて、学校の説明や不安なことがないかなど、女子目線で話をしたり、聞いてくれたりしたので、保護者の方にも安心してもらえました。
1期生で自分たちしか女子がいないとなると不安ですが、上級生がいれば安心できますね。
Vコースならではの結束力を見せる演劇コンクールや文化祭
1期生の入学式より。
【徳田先生】
1700人の中に女子が37人しかいないと思うと、不安だったかもしれませんね。また、高校生くらいになると男子とも対等に話をしていますが、中学1年生の女子はまだまだ男子を敵対視する気持ちが強いんです。そこで高校生が男子と仲良く話をしたり、ダンスを踊ったりする姿を見ているうちに、不思議に思いながらも考えがマイルドになって、変わっていくのではないかと思います。友達としての男子との付き合い方も、高校の女子を見て良い刺激を受けてほしいですね。その意味でも、学校としては男子校の中に女子部ができたという感覚はないんです。1期生や保護者は不安を持っていた方も多かったかもしれませんが、1期生がいることで今後は変わってくるのではないかと思っています。
では最後に女子中等部に注目している受験生や保護者へメッセージをお願いします。
【徳田先生】
これから、女子もいる新しい西大和学園を作っていきたいと思っています。いろんな目標や将来の夢を叶えるのはもちろん、その中で新しい西大和学園を一緒に作っていこうと思ってもらえる子がいたら、ぜひチャレンジしてください。本校は自分というものをはっきりアピールできる子や、自分の考えを主張できる子、人前で活動するのが好きな子が多いので、そういう生徒さんならうまくやっていけると思います。今までは男子のイメージが強かったかもしれませんが、これからは女子の色もどんどん出していきたいと思っています。
2015年4月30日 更新
西大和学園の女子中等部では、徹底した男女別学の体制で、女子ならではの学力を引き出し、有効に伸ばすための指導を1年目にして早くも実践し、手応えを感じられているようです。今後、女子生徒と男子生徒がお互いを刺激しながら能力を高め合っていくことも期待されます。1期生がどのように成長し、女子中等部もどのように変化していくのか。西大和学園の挑戦を見守りたいと思います。
西大和学園中学校・高等学校 ホームページ
西大和学園中学校・高等学校 ホームページ
http://www.nishiyamato.ed.jp/ny/
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/137.php>西大和学園中学校</a>
スペシャルコンテンツ
お問い合わせ
Copyright(C) cocorocom. All Rights Reserved

PAGE TOP