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帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校 将来と向き合い目標へと踏み出していくキャリア教育[職業体験]プログラム

帝塚山学院泉ヶ丘校で行われている特色ある取り組みの一つ、キャリア教育(職業体験)プログラム。キャリア教育の重要性や進路に対する同校の指導方針についてうかがった脇田校長のコンテンツに続き、今回は中3時にキャリア教育委員として活躍した現高校1・2年生の生徒たちと、第1回目を中心になって指導された飯田先生に取材しました。1年をかけて、企業や機関との事前交渉、事前学習、職業体験、職業体験発表会を行う同校独自のキャリア教育。その取り組みを通して、生徒たちはどのように成長し、将来に対する意識を変化させていったのでしょうか。

将来を考えるきっかけになる キャリア教育

現高2生の皆さんが中3のときに職業体験が始まったそうですが、
中心になられた飯田先生が目指されたのはどのようなキャリア教育でしたか。

富士ゼロックスでの下見訪問
【飯田先生】この取り組みは、高2になっても高3になっても、目標を持てない生徒が多くなってきている危機感からスタートしています。6年一貫校の強みを活かして中3の早い段階から将来について考える機会が持てれば良いのではないかと考え、その一環として職業体験を行うことにしました。そこで本校が目指したものは、生徒たちが将来就職するかもしれない職業を体験させることです。この学校も創立から30年以上が経ち、たくさんの卒業生が第一線で活躍してくれていますから、そんな先輩たちが真剣に働く現場で自分の将来を考える機会を与えたいと思い、基本は卒業生がいる企業や機関を職業体験先として探しました。
企業や機関との交渉や事前準備は、どのように進められたのですか。

朝日放送への下見訪問
【飯田先生】初年度は、やってみないとわからないところもありましたが、基本的には生徒に自主的に動いてもらいたいと思いましたので、まずは生徒からの立候補によるキャリア教育委員会を立ち上げ、企画を考えることから始めました。本来なら下見も教員だけで良いのでしょうが、生徒たちが考えたことを企業と打ち合わせすることで、より自分たちから意見を言えるのではないかと考え、分担しながら積極的に参加してもらいました。最終的には、訪問先が決まった他の生徒に下見内容を伝える役割も担ってくれて、僕らが想像する以上に力を発揮してくれましたね。
では、生徒のみなさんがキャリア教育委員をやろうと思った理由を教えてください。

卒業生による事前講演会
【赤松さん】私は人がやったことがないことをやってみたかったことと、取り組みがいがありそうだなと思ったからです。将来について、自分でしっかり考えてみる良い機会だとも思いました。

【長屋くん】僕も将来のことを深く考えたことがなかったので、キャリア教育と聞いて興味を持ちました。

【桑さん】私たちは、赤松さんや長屋さんたち先輩の発表を聞いていたので、キャリア教育というものが想像できていたんです。そこから自分も将来について考えたいなと思い、参加を決めました。

【長木くん】僕は当時、将来やりたいことが見つけられなかったんです。でも、周りの友達は少しずつ見つけていて、取り残されている感じがありました。そんなときにキャリア教育委員会の話を聞いたので、できるだけいろんな企業を回れるように入ってみようと思ったんです。
キャリア教育委員として、実際にどんな活動をしましたか。

卒業生による事前講演会
【赤松さん】私たちは初めての学年で、何をするのか全くわからない状態からのスタートでした。最初に先生方が卒業生に連絡をとって訪問先の候補をピックアップしてくださったのですが、医療系が多く、他の生徒に発表したところ「もう少し文系の企業を見てみたい」とか「ゲームの企業を見てみたい」というようないろんな意見が出てきたので、他の企業にも交渉するなど試行錯誤がありました。訪問先決定後は、私は4~5社へ下見に行き、担当の方と本番に向けた話し合いをしました。

【長屋くん】僕は裏方的な仕事を中心にやりました。いろんな会社があったので訪問先までの交通経路を調べたり、事前の資料を文章化したりデータ化したりして、裏から支える役目をさせてもらいました。大変だったことは、委員会として決まったことを発表すると、いろんな意見が飛び交うのですが、それぞれに良い部分があることです。それを整理してまとめることには苦労しました。

【桑さん】私たちの学年は2年目で先輩たちが基礎を作ってくれていたので、かなりスムーズにいったと思います。ただ、私たちの学年から新たに大阪大学のドクターヘリを見学することになり、私はその交渉を積極的に頑張りました。

具体的な目標が見えてくれば 自分がやるべきことも見えてくる

実際に職業体験の本番はどんなものだったのでしょうか。

大阪大学医学部附属病院での職業体験
【赤松さん】私の場合は、携帯電話の音声プログラムやアンドロイドなど情報通信関連の世界的な技術を研究開発していらっしゃるATR(国際電気通信基礎技術研究所)へ行きましたが、そこへの下見は担当しなかったんです。だからみんなと同じように質問を考え、新鮮な気持ちでお話を聞くことができました。普段は体験できないようなことがたくさんできて刺激になりましたし、その世界の第一人者である石黒先生という方が実際に講義をしてくださったことも印象的でした。

【長屋くん】僕もATRへ行きました。石黒先生が自分自身のアンドロイドを作って、そのアンドロイドが海外へ行き、先生は日本にいながらそのアンドロイドが声を出して説明するという実験を見せていただいて、未来の世界を見ているようですごく感動しました。ATRは僕が一番訪問したかった会社で、下見にも行ったし、本番にも行きました。職業体験に行ってからアンドロイドやATRについて見たり聞いたりすると、「僕が行ったところだ!」と誇りを感じるし、いろんな説明ができることがすごくうれしいです。


ATRでの職業体験
【桑さん】私は大阪大学の医学部と保健学科に行きました。ドクターヘリの見学をしたときには、実際に患者さんが運ばれてきて、本当の医療の現場を見ることができました。また、阪大では医工連携をしていて、未来の医療について研究されているのですが、介護をする人が使う洗髪ロボットを見せていただき驚きました。そういう技術が新聞やテレビで取り上げられているのを見ると、今後の展開がとても気になります。

【長木くん】僕は大和ハウスとATRに行きました。ATRでは社員に外国人の方が多く、みんなが英語で話しかけてきてくれるんです。そこでグローバル化が進んでいるんだなと思いましたし、英語の必要性を感じさせられました。僕もアンドロイドのことがすごく興味深かったのですが、今までは全然知らないことだったので、職業体験できたことは大きかったです。
こうしたキャリア教育を受けたことで、将来に対しての意識は変わりましたか。

ヤブキ和漢薬局での職業体験
【赤松さん】私の場合、漠然とした夢は決まっていたんですね。法学系に進みたいと思っていたんです。ただ法律を知るだけではダメだなと思い、キャリア教育委員会に参加したのですが、いろんな企業を見ることができて、物事に対して関心がうまれ、視野が広がり、目標がしっかりと立ちました。目標が立てば、その目標に向かって、どういうプロセスで頑張っていけばいいかが見えてきますから、今後の勉強に活かせるようになったと思っています。

【長屋くん】僕は鉄道の設計士になりたくて、工業で結びつけてATRに行ったのですが、そこでいろんな話をさせてもらい、鉄道の設計士になるためのアドバイスも少しいただきました。そこで得た将来の夢に結びつくことを自分の中に秘めて、今の勉強につなげています。そういうことを真剣に考えられるようになったのは、やはりキャリア教育を受けたからだと思います。


毎日新聞社での職業体験
【桑さん】高校生になる前の大切な時期にキャリア教育があったので、知らなかったときとは違う良い高校生活が送れているように思います。仕事をするということは、休みも少なく、学生よりかなり厳しい毎日なのだろうなと思っていたのですが、職業体験先ではみなさんが活き活きと働かれていたので、私もそうやって働けて人の役にも立てる仕事に就きたいなと強く思いました。もともとそういう仕事がしたいと思っていたのですが、阪大病院に行ってやはり医療に携わりたいなと思っています。目標がはっきりしたことで、勉強も具体的に頑張れると思います。

【長木くん】僕は将来の夢がみつけられなかったのですが、ATRに行かせてもらって、機械の設計に興味を持つようになりました。それで、そういう仕事に就くためにはどこの大学や学部に行けばいいのか、そのためにはどういう勉強をすればいいかを調べ、自分がどれだけ勉強しなければいけないかも考えるようになりました。どの方向に進めばよいかが見えたことで、勉強に対する意識は全然違っています。

人とのつながりを たくさん感じられる学校

やはり将来が具体的に見えてくると、勉強に対する意識が変わるわけですね。
【赤松さん】明確に将来が決められなくても、自分が将来何かになりたいと思ったときの選択肢が増えるように、勉強を頑張っておこうという人が増えたと思います。それはキャリア教育委員をやったうえですごくうれしかったことです。

【長木くん】職業体験以降、友達とも大学についての話が増えたと思います。それまでは遊びの話ばかりでしたが、進路の話とか、自分はどうしたいとか、先につながる話題が多くなっています。

【飯田先生】結局生徒たちが悩む一因は、どういう道があるのかを知らない、どうやって選べばいいのかわからないからだと思うんですね。そんな時期に、たくさんの方から仕事の内容や選んだ理由を聞けるというのは、自分の将来を決めていくうえでとても役立つのではないかと思います。
最後の職業体験発表会も重要ですか。
【赤松さん】企業や機関を見に行って完結するのではなく、自分たちが学んだことを次の代に伝えていく大切さや伝えることの難しさも知りました。発表も仲がいい子同士で組むわけではなかったので、その中で1つのことを成し遂げていくむずかしさや大切さを学べることも大きいです。
では、こうしたキャリア教育など、特色ある取り組みが多い帝塚山泉ヶ丘中学校高等学校の魅力を教えてください。
【赤松さん】定期的に卒業生が来てくださって学校で話を聞いたりもしますが、人のつながりがたくさんある学校で、そのつながりを感じることがたくさんあります。勉強ばかりではなく自分の将来についてしっかり考えさせてくれるような行事も多いところが、すごくいいと思います。

【長屋くん】学年でも、学年を越えて先輩・後輩でも、いろんなつながりがたくさんある学校です。そういう仲がいいところが良さだと思います。

【桑さん】自然が豊かで勉強に集中しやすい環境です。それに勉強だけでなく、人間的な部分も指導してくださるので、受験勉強はつらいと思いますが頑張ってこの学校に入学してきてくれたらうれしいです。

【長木くん】勉強だけを強制するのではなく、文武両道で頑張れと言ってくれる先生が多いし、道徳的なこともたくさん教えてくれます。生徒の気持ちを第一に考えてくれている学校だと思います。

【飯田先生】泉ヶ丘校は、卒業生が母校に遊びにきてくれることが大変多く、大学や職場での様子を話してくれます。本校では年に1回、講演会も行いますが、普段からそういう機会はたくさんあり、先輩が貴重な体験を後輩に語ってくれます。そういう流れがあるから、職業体験も成功するのかなと思います。人のつながりを大切にしながら、自分の将来をよく考え、自分を大切にしながら社会に役立ってくれるような人間を育てていきたいですね。

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