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帝塚山学院中学校 「夢の果実が実る苗木を保護者と一緒に育てる」

2013年春、帝塚山学院中学校には2つの大きな変化があった。一つは「関学コース」の更なる充実。2クラスから3クラスに拡大し、120人が入学した。もう一つは、「ヴェルジェコース」の「ヴェルジェプロジェクト」だ。成績上位者を対象とした国公立・難関私立大学進学指導プログラムで、徹底したオーダーメイド教育が実践されている。「時代を創る女性づくり」という理念のもと更なる発展を遂げつつある帝塚山学院中学校の現在(いま)を瀧山恵校長に聞いた。
※2014年4月更新

「関学コース」の成り立ちについて教えて下さい。
【瀧山校長】中高大が連携して、生徒を社会に輩出していく時代が来るだろうという予測のもと、7年前に立ち上げた中高一貫のコースです。コースができた当時は連携校という形はほとんどありませんでしたので、関西ではパイオニア的存在と言えます。2013年からは1クラス増えて1学年に120人が在籍しており、関西学院大学に進学する女子の枠としては、近畿圏の附属校・連携校を合わせても最大規模の数です。
関西学院大学との連携にはどのようなものがありますか。
【瀧山校長】 原則として全員が関西学院大学に進学するコースですから、教育を含めたあらゆる面で連携しています。特徴的な取り組みに、関学の施設を使った関学合宿、関学キャリアセンター訪問、附属校・連携校が集うオールスターキャンプなどがあります。また、中学2年、高校2年時には「KGビジネスプランコンテスト」に参加します。関西学院大学の附属校・連携校だけが参加できるビジネスプランを競うというもので、日頃の調べ学習やプレゼンテーション実習の成果を発揮する場になっていることはもちろんのこと、いかに人の為に役に立つものであるか、いかに社会で必要とされるようなものであるかといった観点から考えますので、関西学院大学の建学の精神”Mastery for Service”を身を持って学ぶことができます。毎年、中高共に賞を獲得してきており、本校の中学2年生が提案したアイデアが最優秀賞を含めた三冠を達成したこともあります。
中学3年の夏には、関西学院大学のキャリアセンターの方に来ていただいて、講演をしていただきます。中学・高校時代に何をしておかなければいけないのか、生活習慣や礼儀の重要性などについて生徒と保護者にお話しいただいています。
高3の3月には関学主催の「インテンシブイングリッシュ」が実施されます。高校を卒業してから大学入学までの期間を利用して、英語が得意な生徒を対象に大学側がオールイングリッシュのハイレベル講座を行います。大学での学習がスムーズに始められる工夫があり、一般入試で普通に入学してくる生徒に比べてアドバンテージがあるのは、連携校の強みであると考えます。
「関学コース」の学部選びはどのように行われるのでしょうか。
【瀧山校長】時間をかけて、丁寧に自分に合った学部を選んでいきます。将来のキャリア設計から逆算する形でどの学部に入ればそれが達成できるかを考えていくのですが、本校ではその為の仕掛けをたくさん用意しています。その一つに、本校オリジナルの「創究講座」(※)があります。たくさんの講座の中から興味のある学部に繋がるような講座を受講し、生徒の中にある興味関心を具現化していきます。「創究講座」は毎土曜日の2時間を使った講座で、高校3年間の中で、複数の講座を受講することができるのが特徴です。

※「創造する力を育てる―創究講座について」を参照
「創究講座」は大学の学部に対応しているのでしょうか。
【瀧山校長】多様な力を身に付けてほしいという想いから実施している講座ですが、その先に大学の学部がイメージできるようにもなっています。例えば、経済学部に興味のある生徒は「現代ビジネス入門」という講座を受講できます。実際に受講してみて、経済学部よりも国際関係の学部が自分に向いていると感じたら、次は「インターナショナルスタディーズ」を受講することができるというわけです。大学に進学してから経験するのではなく、高校時代に学部・学科をイメージできる講座を経験することで、学部選択のミスマッチを防ぎます。その他にも、関西学院大に進学したOGに話を聞く機会や、直接オープンキャンパスへ行って複数の学部・学科の先生から話を聞くなど、じっくり時間をかけて将来設計をさせます。
「関学コース」では、希望した関西学院大学の学部に入学することはできるのでしょうか。
【瀧山校長】理工学部に入るためには理系の単位取得が必要になります。また、各学部には人数枠がありますが、基本的には第一志望を尊重する形で調整を行う予定です。大学に行ってからも困らない基礎学力はきっちりと身に付けさせますし、高校3年生の12月に「学習計画書」という、関西学院大学で4年間をどのように過ごすかの計画書を作成しますので、高いモチベーションで希望学部に進むことになります。学部の内容をしっかりと理解し、目的意識を持って関西学院大学に進みますので、本校から進学した生徒が優秀な成績を上げ、各学部の奨学生に選ばれるなどの報告を聞いています。

「ヴェルジェコースのヴェルジェとはどのような意味ですか」
【瀧山校長】「ヴェルジェ」とはフランス語で果樹園の意味です。私たちがお預かりする11歳・12歳の子どもというのは、樹木に例えると苗木のようなものです。ご両親には太陽となって、日々、温かく照らしてあげてほしい。教員は水となり養分となって彼女達の成長を支え、それぞれの夢という果実を実らせ次世代に繋げてほしい――。そのような気持ちがこのコース名に込められています。
「ヴェジェコース」には色々な選択肢があるのですね。
【瀧山校長】果樹園というメタファーは「ヴェルジェコース」の多様性も表現しています。中学校の間はどのような進路にでも進めるように、学力という幹を育てていきます。高校からは文系・理系・音楽・芸術に分かれていきます。関学コースに進む枠もあります。色々な枝が将来の夢に向けて伸びていくイメージです。
多様である利点について教えてください。
【瀧山校長】「ヴェルジェコース」には色々な能力を秘めた生徒が在籍しています。芸術面でトップを目指す生徒もいれば、勉強でトップを目指す生徒もいます。またその他の分野で目標に向かっている生徒もたくさんいます。それらの生徒が隣あって座っていますので、それぞれが刺激されて、能力が引き出されて伸びていくという効果があります。
数年前のことですが、大阪大学と宝塚音楽学校に進学した生徒たちがいました。2人は同級生でした。卒業の日、互いを認め合ってる姿を見て、私はこれこそが本校の「多様性」の結実であると深い感動を覚えました。
「ヴェルジェコース」には、将来のイメージを固めた子ども達が入学して来るのでしょうか。
【瀧山校長】入学前から将来のイメージを強く持っている生徒もいますが、ほとんどの生徒は入学してから自分の可能性を見つけていきます。ですので、本校ではそれぞれの可能性を引き出す仕掛けをたくさん作っています。才能と才能の化学反応を促し、選択肢が多様にあるというところが「ヴェルジェコース」の魅力と言えるかもしれません。
生徒の雰囲気はどのようなものですか。
【瀧山校長】競争して切磋琢磨というよりも、他者の才能をリスペクトしながら我が道を進んでいくという感じの生徒が多いように思います。帝塚山学院はシステムとしてそれぞれの生徒に居場所がある学校ですから、横の競争ではなくて縦の競争、つまり自分との闘いですね。
高校に進学するタイミングで、自由にコースが選べるのですか。
【瀧山校長】そうです。希望すればどのコースにも進めます。担任指導や専門の教員から適性指導はしっかりとしますが、条件があるわけではありません。美術・音楽の専攻では高校から入学する生徒に実技試験を課していますが、内部から進学する生徒はすでに中学3年間でその力を身に付けていると考えています。
「ヴェルジェコース」の学習指導について教えて下さい。
【瀧山校長】「ヴェルジェコース」には多彩な生徒がいて、中には勉強でトップを目指す生徒もいます。そのような生徒に対応して、2011年度より「ヴェルジェプロジェクト」がスタートしました。それまでは個別に対応していた先取り学習や補習をシステム化したもので、学力上位者に週3日、放課後80分の特別講義を行っています。教員は各教科2名体制で、一人は日頃の学校生活を把握している本校の教員、もう一人は大学受験のプロをお招きしています。
難関国公立大学を志望する生徒のためのプロジェクトですね。
【瀧山校長】そうです。さらに、土曜日には「パーソナルサポート」という2時間の個別授業を用意しています。得意な科目は前倒しで演習などをし、苦手な科目は理解度に合わせてフォローします。一人ひとりの学校生活に合わせて予定を組んでいきますので、オーダーメイド的な教育といえると思います。多様な生徒達を多様な教育で育てていきたいという「ヴェルジェコース」ならではの取り組みです。
勉強、音楽、美術以外の能力を持った生徒への対応を教えてください。
【瀧山校長】例えば、クラブ、生徒会活動などでリーダーシップを発揮する生徒がいます。その能力は偏差値で測れませんが、間違いなく大学でも社会でも活躍できる生徒たちです。そのような生徒たちには推薦等での大学進学の可能性があります。私学の伝統校の一つの強みとして生徒数からすると数多い推薦枠をいただいています。ただし、モチベーション・学力の足りない生徒を送り出すわけにはいきませんので、早くに推薦で大学が決まった生徒には、「大学準備パワーアップ講座」を用意しています。例えば、心理学部に進学予定の生徒には心理学ついてのレポートを書かせ、資格を持っている先生にみてもらい、基礎力を身に付けてから大学に進学してもらいます。きっちりと力をつけさせて送り出すという方針はどのような進路にも共通しています。
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/155.php>帝塚山学院中学校</a>
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