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学校力レポート 同志社女子中学校・高等学校 校長インタビュー

創立137年を迎えた同志社女子中学校・高等学校は、グローバルな力を養う英語教育や多様な進路に対応したコース設定など学習面での徹底指導に加え、創立者・新島襄の精神を受け継いだキリスト教主義教育や女性教育を行い、心豊かな女性を育み続けています。その個性あふれる教育の根幹にあるものは何なのか。同校が目指す女性とはどのような女性なのか。今年の4月から同志社女子中学校・高等学校校長に就任された辻村校長に話をうかがいました。

御校の教育について、新校長に就任された辻村先生のお考えを聞かせてください。
【辻村校長】自分が校長という立場になって改めて考えたときに、今の時代だからこそ女子教育が必要で、女子教育が果たす役割があるという考えに至りました。人間の作り出したものが人間の幸福や命を奪い取ってしまう結果になっているのが現代だと思うのですが、そんな時代にあっても考え方のしなやかさ、やわらかさ、それから真の強さを持っているのは女性。命を大事にするという本能的なものを持っているのも女性。つまりこういう時代にこそ、女性の力が必要とされると思ったのです。
その女性を育てる学校は、学習面での力をつけることはもちろん、バランスよく心も教育をしないといけません。本校は創立137年になり、どんな時代にあっても新島襄の建学の精神に基づいたキリスト教主義の女子教育を守り抜いてきましたが、今後も本校の原点を貫いていくべきだと思っています。
具体的にその教育とは?
【辻村校長】本校ではどんな行事がある日も、1日は礼拝からスタートします。礼拝はクリスチャンになってほしいから行うわけではなく、クリスチャンではない教員も生徒も含め、聖書の教えを通して人間の生き方を考える場なのです。そういった場が学校にあることこそ、一番大事なのだと思います。
生徒たちはどのように成長していきますか。
【辻村校長】本校の生徒たちは、進路を決めていく中でも、自分が幸せになること、自分に利益があることより、こういう仕事について世の中の役に立ちたいというような考え方をします。その発想は、本校の心の教育と繋がっているのかなと思うんですね。毎日の礼拝を通して、そのときはわからなかったけれど、後になって気づかされたことがある。それが大切なのです。そういう心を持った人が、誰かの支えや力になって生きていくことが大きいのです。例えば、立派な職業に就いていたとしても、その人には何の魅力もないという人がいますよね。これも私自身が教頭としてまだまだ若かった頃、礼拝での話で気づかされたことですが、人は職業で評価されるわけではなく、そのままの自分が評価されるのです。着せられているものは関係がなく、結局その人自身の魅力や人柄、人間として質が大事なんですよ。だから私は、生徒たちがどんな職業に就いても構いません。ただ、人間としての質の良さを身につけてほしいと思うんです。
それが御校で教育を受ける意味ですね。
【辻村校長】そうです。最近、学校が商業化してしまって、○○万円の授業料だったら○○万円分のものを形にして返してくださいと求められている気がするんですね。しかし教育の結果というものは、人生のずいぶん後で見えてくるものであって、3年後にどこの大学に入ったから30万円分の結果が出ましたというわけではない。理想論かもしれませんが、校長があまりにも現実主義ではいけませんから、あえて理想を言うとそうなります。もちろん私たちも同志社大学や同志社女子大学に推薦で何人入れた、外部の大学には何人行ったというデータも作ります。しかし、学校として見てもらいたいものは数字だけではないのです。キリスト教の精神に沿った良心を持った人が世の中に種となってばらまかれていって、芽を出して、花を咲かせていく。最終的には自分の利益があるという理由で道を選ぶわけではなく、こういうふうに役立ちたいからこの道を選ぶ。そういう生徒を世に送り出していくことが、同志社の教育の目指しているところだとは思いますね。

中学入学当初はキリスト教教育を受けていない生徒が大半だと思いますが、最初に気遣われるところはあるのですか。
【辻村校長】特に何かがあるというわけではないですね。子どもたちは、チャペルに入って厳粛な雰囲気やその空間が持つ“祈りの場”というものを体で自然に味わいます。もちろん力ずくでの指導はしません。
礼拝の中で生徒の成長や変化が見えるわけですか。
【辻村校長】私自身、10代の頃にこんな話を聞けていたらとよく思いますが、まだ経験が少ない子どもたちは礼拝での話が今の自分にピタっと来るわけではないんですね。けれど、いつか大人になったときに「あの話はこういうことだったのか」「そういえばこういう話があった」と思いだせるときが来るんです。そういうものが自分の中にあることが重要なんですね。先日、医師になった卒業生が来てくれたときに、「お医者さんとはどういう仕事?」と聞いたら、「生きる人より死ぬ人に寄り添うほうが多い仕事です。本当に大変です」と言っていました。いろいろ話しているうちに、校内を見たいということになり、中でも「チャペルが見たい」と言うんです。チャペルに入ったら「ここで毎日讃美歌を歌ってお話を聞いていたけど、あのときはわからなかった。今だからわかる。あの日があったから、今の自分はいろんなことを乗り越えていける」と言ってくれました。一人の人間が生きていくことは山あり谷ありだけど、そのときに自分がどうやって生きていくかの原点がこの学校にあったということなのだと思います。とてもうれしかったですね。
母校が生きていく原点だと思えるとは、素晴らしいですね。
【辻村校長】私、いつかパンフレットのキャッチコピーにしたいんです(笑)。「学校は通過点ではない。学校は人生の原点だ」と。中学・高校が、大学に行くためや何かの職業に就くための通過点であってはいけない。世の中が求めている学校はそうかもしれませんが、本校は、生きていく原点となる学校でありたい、そして卒業生が原点を思い出すために帰ってきてくれる学校でありたいと思います。
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/17.php>同志社女子中学校</a>
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