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関西大倉中学校のキャリア教育

 平成15年(2003年) 文部科学大臣らが取りまとめた「若者自立・挑戦プラン」をもとにして将来を担う若者たちが「勤労観、職業観」を育み、自立していくことを目指して、学校教育の現場でキャリア教育が取り入れられつつあります。
 この度、既存の学校教育に「勤労観・職業観」を取り入れ、独自のキャリア教育をすすめている関西大倉中学校へ取材にうかがいました。
【徳育】を土台にしたキャリア教育
キャリア教育ガイダンス   関西大倉には、教育理念の大きな柱である「徳育」を土台として、社会の一員として自主性や自立心を育み、豊かな人間性を養う環境があります。その環境を活かしつつ、生徒の成長・発達に応じて段階的に学べるようにカリキュラムを工夫することで、無理なく浸透させています。生徒のモチベーションを高めるためにも有効で、中高6年間の学びのなかで継続していくことができます。
  社会見学、人権学習といった学校行事に取り込むことに加えて、キャリア教育に特化したガイダンスの実施、地域との関わりを深める体験学習、さらに社会の第一線で活躍している先輩に夢を実現するまでのメッセージを語っていただくなど多岐に渡る内容に触れることで生徒の学びの幅を広げ、深めていきます。
松村先生が語るポイント
「中学の段階では興味・関心を刺激することでモチベーションを高めつつ、将来の土台となる基礎の部分を形成するところに力を注いでいます。同時に、関西大倉中学校・高等学校という高い進学率を誇る学校として、単なる進学目標を設定するのではなく、6年間の学びの過程で進学につながっていく目標を意識づけることをねらいとしています。」
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段階的に学ぶカリキュラム
米づくり体験実習   中学1年生では、主に仕事を見る、感じるところに焦点を当てています。また、学校生活を通じて社会に貢献する意識・勤労観を持たせ、他人への思いやりの心を育みます。
  6月に行われる「米づくり体験実習」では、実際に米づくりをすることで、一粒の米ができるまでにどんな苦労があるのかを知ることができます。そういった体験がきっかけとなり、おのずと「食」に対する関心や興味が高められればと考えています。小学生のときに米作りを体験した生徒もなかにはいるようですが、中学生になると単なる体験実習にとどまらず、地域との交流を持ちながら食文化や食の大切さといった背景まで、幅広い視点で学んでもらいたいと考えています。
松村先生が語るポイント
「中学1年生では『働くこと』について大きな意味合いを学ぶ段階です。仕事とはどういったことなのか?を知り、社会人として必要とされるルールやマナーを学校生活(授業、委員会活動、クラブ活動など)を通じて学びます。米作り体験をした後には、食品はスーパーで簡単に買えるという意識が変わり、ものを育てる大切さを学べるのではないかと思います。」
地域清掃活動   中学2年生では、職業に対する知識を深めて、仕事についてより深く考えます。地域清掃活動など地域の一員として、社会や集団における自分の役割を考え、社会に貢献します。地域の人々とのふれあいを通じて、一般社会で必要とされるマナーや自覚ある行動についても学ぶことができます。
松村先生が語るポイント
「最初は生徒が学校外で活動することについては、心配や不安も感じていました。地域清掃活動とは普段自分たちが利用している駅のバスターミナル付近や学校周辺道路を一斉清掃するのですが、それなりにやりがいを感じてくれたようで、生徒は非常に積極的に取り組んでいたので安心しました。この取り組みを通じて、周りの人々とどのようにコミュニケーションを取るのかということも学べたようです。」
職業体験(JAL)   中学3年生になると職場を訪問し、実際の業務を体験します。高校進学後を視野に入れて、具体的な進路・進学を見据えた自分の可能性を探っていきます。 昨年は旅行会社や航空会社といった大手企業の協力があり、職業体験を実施しました。旅行会社では新幹線や飛行機の時刻表の見方を学び、そこからグループに分かれて企画書を作り、発表しました。航空会社では「キャビンアテンダント体験」として接客サービスに取り組みました。実際に新人研修で行われていることを体験するなかで、中学生ならではのものの見方や感じ方を活かして生徒は主体的に取り組むことができました。また、大企業ならではの施設・設備を利用することもできたので生徒にとっては有意義な体験になりました。
松村先生が語るポイント
「企業の担当者の方より、驚くような視点やアイデアを積極的に発言し参加していたと報告を受けました。しかしながら、企業中心の職業体験になってしまうと、職業観だけにとらわれてしまうのでは、という懸念が課題として残りました。そこで、改めて検討した結果、生徒がもっと根本的なところから仕事に触れられるように方向の転換を図ることにしたのです。」
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関倉キャリア教育のこれから
松村先生 中学2年生ディベート大会   企業での職業体験を実施した結果、現在は個人商店なども含めた地域の店舗などの「現場」で仕事について学ぶ機会も増やしていくことになりました。一見華やかに見える仕事でも、その陰には苦労や大変さがあるということも体験してもらいたいという願いもあり、カリキュラムを再編しています。
  苦しい経験から学ぶことを自分の成長の糧にして、「仕事とは何か」「働くとはどういうことか」を知ってもらうことで、生徒がより深く自分のことを見つめて未来につなげていける内容になりました。

  今後は、高校とも連携して「キャリア教育」の取り組みを更なる高みへステップアップさせていくことが課題となっていて、事前・事後学習へとつながるようなカリキュラムを作ることも重要と考えています。事前学習は、教材を活用し情報収集することで、学習に対する意欲を高めたり、自分の適性について考えたりする導入部分となります。
  事後学習においては、他の生徒が感じたことを自分の体験に重ね合わせることで、体験学習の意味をより深めてもらうために、体験したことを振り返って感じたことを一人ひとりが文章にまとめて、クラスで発表し生徒同士の意見交換ができる機会を設けています。そこから、クラスや学年の枠を越えて保護者や卒業生へとつなげていけるように柔軟な体制を整えていこうと考えています。さらなる学校生活の充実に向けて教員と生徒が時間をかけて信頼関係を築いていき、その上で、質の高さにこだわった教育を展開させていきたいです。
松村先生が語るポイント
「今の時代は『良い大学に行きなさい』『良い会社に就職しなさい』『良い給料をもらいなさい』と社会全体が終わりのある目標を掲げてしまう傾向があるように感じています。我々はそこにどうしても限界があるように思っているんです。そうではなくて、中学生の時期だから感じられる『○○が好きだ』『○○になって世の中の役に立ちたい』といった大きな夢や目標について考えてもらえる学校生活を過ごしてほしいと願っています。始動して間もない関倉キャリア教育ですが、そういったことを日頃の学校生活のなかでも伝え、訴えていくことで一人ひとりを育てていきたいです。」
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