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豊かな未来を切り開くための能力を培う
“キャリアデザイン教育”

UPDATE:2015年8月24日
近畿大学附属高等学校・中学校「豊かな未来を切り開くための能力を培う“キャリアデザイン教育”」
1939年の創設以来、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人になろう」という校訓を掲げる近畿大学附属高等学校・中学校。その考えを体現するために、同校が力を入れているのがキャリアデザイン教育です。そして、その実現に向けての選択肢が、最先端のICT教育なのです。自分自身の将来を豊かなものするこの学びを通して生徒がどのように成長したのか? 校長先生と在校生に話を聞きました。

「考える」ことを意識

「考える」ことを意識
すべての教室に貼られた「考える」と書かれた色紙。生徒の目に付きやすい黒板の横に配置することで、子供たちは“考える”ことを常に意識するようになります。その細やかな指導も、キャリアデザイン教育の一環なのです。

理科の授業

理科の授業
理科の授業
図などを交えて解説する理科の授業にiPadは必須。先生が黒板に解説を、電子黒板に図を描くなど、デジタルとアナログの融合によって授業を展開していきます。

理科 Thinkingタイム

理科 Sinkingタイム
理科 Sinkingタイム
出題された質問が生徒のiPadに送信され、生徒が画面をなぞるようにして図を作成。その解答を先生に送信すると、全生徒の考えが電子黒板に映し出され、その場で生徒どうしがお互いの意見を共有し合うことができます。プリント配布や回収の手間が省かれるなど、授業の効率が驚くほどアップしています。

生徒間でディスカッション

生徒間でディスカッション
生徒間でディスカッション
生徒間でディスカッション
時間を効率化することで、ディスカッションの時間を長く持つように授業が編成されています。グループに分かれてディスカッションを行うことで、友達の意見にしっかりと耳を傾けられるように。自分の意見との相違を感じ、新たな価値観を発見してもらうのが狙いです。

英語の授業

英語の授業
英語の授業
iPadにはデジタル教科書がインストールされています。読みたい英単語や文章をタップすると、ネイティブの発音が流れます。読む・書くといった能力だけでなく、英語を話す力も自然と身につくようになります。
また、iPadを利用すると、発音やリーディングの提出を行うこともできます。今までにできなかった、新しい取り組みが可能になります。

国語の授業でのプレゼンテーション

国語の授業でのプレゼンテーション
国語の授業でのプレゼンテーション
プレゼンテーション能力は、21世紀型スキルの中で最も大切とされる能力です。生徒たちはiPadを使い、分かりやすく、インパクトのあるプレゼンを展開していきます。人前で話すのが苦手という生徒も、このような授業を習慣化させることによって、少しずつプレゼンテーションが上手になっていきます。

Interview to Teacher

校長 岡﨑忠秀先生
校長 岡﨑忠秀先生

キャリアデザイン教育を通して
何事にも積極的に取り組む姿勢を

近畿大学附属高等学校・中学校のキャリアデザイン教育は、どのような内容なのでしょうか。
【岡﨑先生】
キャリアデザインとは直訳すると「自分の経歴を創造する」という意味で、生徒自身が卒業後に素晴らしい人生を送るため、本校が数年前から導入した教育システムです。グローバル社会が加速し、より激動の世の中に入っていますよね。その中で生き残るためには、しっかりとした考え方を持つ足腰の強い人間に育つことが必須です。全教室に「考える」と書いた色紙を掲示している通り、生徒には常に考えることを習慣付けるように話しています。
特別な時間を設けるのではなく、各授業の中に盛り込まれているのですね?
【岡﨑校長】
一時のキャンペーンやイベントでは意味がありません。常に“考えること”を生徒たちに意識させないといけませんから、国語でも英語でも、自分の思ったことをどんどん発表してもらいます。本校がキャリアデザイン教育を実践してからは、授業スタイルがこれまで主流だった知識注入型からアクティブラーニング型に変わりました。クラスメイト同士でディスカッションを展開したり、グループに分かれてプレゼンを行ったり、生徒が先生に積極的に質問を投げかけたりと、常日頃から考える力が定着してきました。
どのようにキャリアデザイン教育を実施されているのですか。
3人の先生達
【岡﨑校長】
先ほども少し触れたのですが、クラスメイト同士がお互いの意見をぶつけ合うことですね。それをより効率的にしてくれたのがICT教育です。2013年度から導入しているシステムで、生徒全員に1台ずつiPadを配布しています。連絡事項をタブレット端末に配信したり、各教室に設置されたWi-Fi環境とデジタル黒板を利用した先進的な授業展開が可能です。
今まではプリントを配ったり、視聴覚室で映像を流したりと、断片的なことしかできなかったのですが、iPadを導入することでほぼすべての教材をデジタル化することができます。さらに、自分の回答がデジタル黒板に映し出されると、その場で生徒同士のディスカッションが始まり、「ここをもう少し追求しよう」という先生のアドバイスがリアルタイムに発信できます。また、生徒全員の解答を閲覧できるため、友達の考え方を知ることができ、より知識が深められるという利点もあります。生徒たちも自分の意見を恥ずかしがらずに発表できるようになりました。デジタルというとどうしても冷たいイメージがあるのですが、まったくその逆。バーチャルの世界ではなく、自分と友達、生徒と先生というように、常にみんなと繋がっているため、生徒の発想力も自然と豊かになるのです。
ICT教育がキャリアデザイン教育のベースになっているのですね。
【岡﨑校長】
その通りです。「自分自身で知的好奇心の意欲を持って調べる」ことがキャリアデザイン教育の本質なので、それを実現するためには最適のツールだと実感しています。疑問点があれば、その場で調べて解決できます。紙のノートとは違って、過去の問題もすべて1つの端末に残っているのも魅力です。復習しようと思ったときに、画面上ですぐに確認できるなど、勉強の効率もアップしています。現在は中学校、高等学校の生徒を含めて校内で4000台のiPadが稼働しているのですが、導入してからというもの、先生は教える喜び、生徒は学ぶ喜びを感じて、全員が前のめりになって授業を楽しんでいるように思われます。
その結果として能動的な思考力が育つわけですか。
【岡﨑校長】
生徒がそのように育っていってくれると嬉しいですね。日頃の授業に精一杯取り組めるよう、中学校では評価基準も変動しています。テストの点数だけでなく、授業中の活動に対する評価割合を大きくしているんですよ。途中過程を評価することで、生徒のモチベーションアップにも繋がりますから。音楽や体育の実技点に近いような採点で、テストへと臨むプロセスも重要視しています。ただ先生方は大変だと思います。評価基準をいっぱい持たなければいけませんから(笑)。ただ教員も生徒と同じように、これまでのマニュアルにとらわれずに教育を行うことで、生徒をクリエイティブな人間に育てられると考えています。
それにより、変革する大学入試システムにも対応できるのですね。
【岡﨑校長】
我々もそう考えています。受験も知識注入型から思考型にシフトしています。その最たる例が2020年の大学入試制度の改革ですよね。これまでのように受け身ではなく、自ら動いて創造するような21世紀型の能力が必要とされている証拠です。受け身だけではしっかりとした考え方ができる人間には育ちません。過去のマニュアルにとらわれず、常に考えることが身に付いた生徒こそが、世の中に貢献できる人材となり得ると考えています。
キャリアデザイン教育を実施して、目に見える実績はありますか。
3人の先生達
【岡﨑校長】
なかなか目に見える実績は少ないのですが、本校の特徴としてコツコツと勉強する生徒は確実に成績が伸びると自負しています。例えば本校の「英数コース アドバンスト」では、約半数の生徒が国公立大へと進学しています。実はその内の4分の1ほどの生徒は、入学時は「英数コース プログレス」でした。本校に入学してキャリアデザイン教育を受け、明確な目標を持って勉強を続ければ間違いなく成績はアップします。中学入試はあくまでも通過点でしかないということですね。
最後にキャリアデザイン教育に対する御校の思いをお願いします。
【岡﨑校長】
基礎学力を確実に定着させることは学校教育の現場としては当然です。その知識を正しく理解し、まとめ、自分の言葉として発信できることが重要なのです。21世紀型スキルとして「思考力・判断力・表現力」の育成がクローズアップされている現代において、本校が実践しているキャリアデザイン教育の充実は、ますます重要な取り組みとして位置づけられることでしょう。生徒たちが10年後、20年後に幸せな生活を送り、社会で活躍できるために、生徒・保護者・教員が三位一体となり、自信と信念を持ってキャリアデザイン教育を推進することが大切であると考えています。
<a href=http://cocorocom.com/labo/school/49.php>近畿大学附属中学校</a>
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