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NOLTYスコラ手帳導入 ICT教育推進センター長インタビュー

UPDATE:2016年02月22日

シャーペン1本から始められるICT教育で「書く」「まとめる」「表現する」力を育成

賢明学院中学高等学校ではICTを活用した従来の授業を拡張する取り組み『i3(アイキューブ)プロジェクト』を2014年から始動。よりInteresting(興味)にIntelligence(知的)にInteractive(相互)に授業を変革するため、「書くICT」「表現するICT」「操作するICT」の3つのテーマを掲げています。今回は「書くICT」の中心として「NOLTY(能率手帳)スコラ手帳」を導入し、学内で手帳を有効活用するためのオリジナル新聞「帳活」を発行する歌丸茂雄先生に、その取り組みについてうかがいながら、実際に手帳を有効活用している生徒さんの手帳の中身もみせてもらいました。
歌丸 茂雄先生 INTERVIEW

「書くICT」ってなんですか?

Q
【 ココロコミュ 】
「書くICT」とは、どう捉えたらよいのでしょうか。
A
【 歌丸先生 】
「ICT」というとパソコンやタブレット端末などを使った機械的なイメージが強いかもしれませんが、直訳は「情報・意思伝達技術」ですから、「書くICT」とは「情報・意思を伝達するための書く技術」と言い換えることができます。文科省が推進する2020年以降の大学入試改革でも、やはり書く力がないと点数が取れません。いきなり小論文の指導から始めると中学1年生にはハードルが高いのですが、手帳を導入部分にすることで「書く」ということ自体に慣れることができます。それが成績向上にもつながると思っています。
Q
【 ココロコミュ 】
手帳を書くことが、成績に影響するのですか。
A
「書くICT」ってなんですか?
シンプルに1色で書かれた手帳
【 歌丸先生 】私は英語の授業でもアルファベットをAからZまで15秒以内で大きく速く書かせるということをしていましたが、やはり「書く」ということは大切です。私は入試説明会でパワーポイントを使用しますが、その資料を作成する時も紙に大まかな流れを書いてから作り始めます。スピード以外に、伝えたいことを整理する上でも「書く」というのは有効なトレーニングになります。まず慣れることを優先にするために、手帳も時間をかけずに書けるよう、色分けもせず、線もフリーハンドで構わないと言っています。
Q
【 ココロコミュ 】
書くスピードが重要なのですか。
A
【 歌丸先生 】
限られた時間で指や腕の筋肉が痛くなるほど、一生懸命書くことを経験したことがある子とない子では、テストで頭の中の答えを書き出すスピードが違います。答えがわかっていても、書き出せなければ点数になりません。実際、アルファベットを15秒以内で書ける生徒とそうでない生徒では、きれいに英語のテストの点数が分かれます。
Q
【 ココロコミュ 】
でも、15秒で書けなかった生徒も答えはわかっているかもしれないわけですよね。
A
【 歌丸先生 】
そうです。だから15秒で書けるように何度も訓練すると、英語学習の初期段階の成績は勝手に上がります。単語を覚える時も、書きますよね? それが遅いと1個の単語を覚えるのに、5秒かかるのか10秒かかるのかが、後々大きな差を生みます。中にはだんだん小さい字で書くことで時間を稼ごうとする生徒もいるのですが、大きいまま、速く書くように練習させます。

大切にしたのは強制しないこと

Q
【 ココロコミュ 】
中学校で「書く」という作業は他にもありますが、なぜ手帳を選ばれたのでしょう?
A
【 歌丸先生 】
読書感想文などのレポート類や小論文は、「書き方」があります。「書き方」があるというのは「答え方」があるということです。手帳は毎日書けて、書き方も内容も自由で、自分自身の行動が答えですので、書く前に何も読まなくていい。取っ付きやすくて、答えのない感じがちょうどいいのです。答えがあるものには、提出と添削がつきものです。それでは生徒も教師も義務や作業となり、しんどいし続かない(笑)。だから1年目は強制しないと決めていました。
Q
【 ココロコミュ 】
強制しないまま浸透させるのは難しくなかったですか。
A
【 歌丸先生 】
あるアンケートによると、毎年、4月に手帳を買う人の中で、夏まで使っている人は全体の4割にまで落ち込むそうです。自分の意志で買っても4割しか続かないのですから、強制したらもっと続かないだろうと。先生は真面目な方が多いので、「どうせやるなら、しっかり書かせて提出させ、コメントも返したい」という意見が多かったのですが、強制しなくても、やり始めたら絶対に変わる生徒がいる。そして、生徒自身もその変化に気付き、更に細かく書くようになるので、先生には「待つこと」をお願いしました。結果として、本校では手帳をしっかり活用している生徒数は7割を超えています。
Q
【 ココロコミュ 】
続けている7割の生徒は最初から抵抗なく入っていけたのでしょうか。
A
【 歌丸先生 】
いいえ、4月末に配ったのですが、7月の終わりまで全く書いていないという男子生徒もいました。ただ、「帳活」を読んで、だまされたと思って始めてみようと、夏休み中にクラブの予定を書き始めたら、遠征スケジュールや集合時間や持ち物の管理が楽だと実感したようです。そこで夏休み明けから学校の時間割や勉強のことも書き始めたみたいですね。しばらくして、担任が手帳をチェックしたら、メモ欄に「これ、思ったよりエエわ」と書いてあったそうです。
Q
【 ココロコミュ 】
生徒が触発されたという新聞「帳活」は歌丸先生が作ってらっしゃるそうですね。
A
【 歌丸先生 】
純粋に手帳の為だけに新聞を出す学校はあまりないと言われましたが、半分は私の趣味でやっています。「帳活」を手帳甲子園で発表したところ、欲しいと言って下さった学校が3校ありました。メールで送る時に「こんなゆるい文章ですみません」と書いたら、「ほんとですよね」と返事がきました(笑)。
でも、強制しないと言った手前、上からのアドバイスではなく、できるだけ生徒に寄った文章で接するよう心がけています。あとは取り上げる話題や発行のタイミングもかなり意識していますね。
手帳甲子園プレゼンの様子
手帳甲子園プレゼンの様子

本当に成績が上がってきた!

Q
【 ココロコミュ 】
強制せずに、ゆるっと始まった手帳活用ですが、1年目で(株)NOLTYプランナーズ主催「手帳甲子園」の学校取り組み部門で最優秀賞を獲得されましたね。
A
付箋で注釈がついたエントリー用紙
付箋で注釈がついたエントリー用紙
【 歌丸先生 】
私は初めから「あの賞を獲る!」と宣言していましたが、手帳甲子園への参加・入賞は生徒にとっても良い影響を与えることができると思っています。生徒の手帳をエントリーする際には生徒自身に手帳の見開きに付箋を貼って注釈を書き込んでもらいます。どう見せたら伝わるかというのは、大人がパワーポイントで資料を作るときと同じ思考です。手帳甲子園は、「書く」「まとめる」「表現する」という、2020年以降の大学入試改革につながる要素が全て詰まっている場だと思います。
Q
【 ココロコミュ 】
どういった部分が評価されたと思われますか。
A
【 歌丸先生 】
ひとつは、書く強制はしませんでしたが、「その日の終わりに、時間割を思いだして、どんな授業だったかを書いてほしい」とお願いしました。それがいわゆる、振り返り・復習活動になり、知の定着につながるのです。そして、手帳採用前後の5教科の成績変化のグラフで生徒の変化を視覚化したことでしょうか。ああいうものを出したのは本校が初めてだそうです。なんとなく生徒の成長を感じたので、試しに集計してみただけなのですが、数字的にも、はっきりと結果が表れました。例えば、上位層だけが伸びるのは、ありがちですが、きれいに全体がゴソッと上がっていますよね。これはもちろん各教科の先生の授業への取り組みが大きいのは間違いないですが、この伸びは振り返り活動、つまり手帳の効果があったと思います。
もうひとつは、アナログ活動の「書く」とICTを融合し、それを「表現する」活動まで手帳を意識しているということだと思います。手帳活用にはそれだけの力があることを発表したのが評価されたのかなと思っています。
『スコラ』手帳 採用前・後の1学期考査成績(素点)の変化【2013 中学全体 / 2015 中学全体】
『スコラ』手帳 採用前・後の1学期考査成績(素点)の変化
【2013 中学全体 / 2015 中学全体】
『スコラ』手帳 採用前・後の1学期考査成績(素点)の変化【2013 高2 / 2015 高2】
『スコラ』手帳 採用前・後の1学期考査成績(素点)の変化
【2013 高2 / 2015 高2】
Q
【 ココロコミュ 】
今後の「書くICT」の展開としては、どのようなことを考えておられますか。
A
【 歌丸先生 】
私は既に自分でやってみたのですが、手帳を英語で書くことを生徒にもやってもらいたいですね。また、手帳を活用した「書くICT」の大きな流れでは、4段階で進化させていきたいと考えています。1年目は強制せずにまったり進め、2年目はPDCA(plan-do-check-act)の中でDとCの部分を管理してもらう取り組みをしようと思っています。いわゆる「DC度」を設定し、それが上がっている生徒の成績との関連もまとめていきたいですね。3年目はPとAですね。これで社会人にも必要なスキル、PDCAサイクルの活用できる人材が育成されていきます。そこまでいけば4年目は各自フリースタイルで使ってもらえればいいかなと思っています。4年というスパンで成長目標を設定できるのは中高一貫の学校だからこそ。4年目以降に自由に使ってもらった時、生徒達からどんな工夫された使い方が生まれるかが楽しみです。
次のページでは実際の手帳の中身を大公開!
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