奈良学園登美ヶ丘中学校のココが気になる!!

小学校から高校までを4年ごとに「Primary」「Middle」「Youth」というステージに分けられています。中学生が該当するステージについて教えてください。
古川 謙二 校長
古川 謙二 校長
現在、中学校は40名クラスが各学年3クラスですが、本校では幼稚園、小学校、高校も同じ敷地内にあり、それらの連携やつなぎ方を大事にしたいと思っていますので、小学4年生までを「Primary」(以下P)、小学5、6年生と中学1、2年生を「Middle」(以下M)、中学3年生と高校生を「Youth」(以下Y)とステージ分けしています。
中学1・2年生をM段階としているのは、小学校から中学校へという大きく環境が変わることに対して、できるだけ不適応がないように両者をスムーズにつなぐためです。中学校に入学すると、授業の内容も先生の指導態度も学校での生活の様子も大きく変わってしまい、子どもたちが戸惑ってしまいます。そこで本校のシステムでは、「中学生になったのだから、もう自分で何でもできるはずだ」といきなり手放すのではなく、小学校の延長であることを意識しながら一人ひとりをていねいに見るという教育を行っています。そして、その2年間で多くの授業日数と授業数を確保しながら、中学からの勉強方法や中学で学ぶべき内容、さらには本校の特徴である体験的な学習をしっかりとこなしていきます。
段階を経て中学生から高校生へ
段階を経て中学生から高校生へ
一方、中学3年生になると、かなり自覚も高まり、自立心も出てきます。しかし、中高の6年間の中では「中だるみ」が出てくる時期でもあります。そこで、彼らをY段階として、高校生と同じ棟(校舎)に移り、同じ制服を着、同じ時間枠の生活を送ることで、早めに高校生であることを意識させるようにしています。私たちが想像していた以上に、本校の中学3年生は、先輩たちと共に過ごすことで、高校からの勉強方法や大学進学に向けての意識が身についてきているように感じています。
建学の精神に「科学的な物事を見る力」とあり、理科設備やイベントも充実しています。「科学」に重点を置いて教育されているのですか?
経験こそが「身につく学習」
経験こそが「身につく学習」
本校での“科学的”とは、必ずしも「理科に特化している」ということではなく、“論理的に物事を考える”を大事にしているということです。“論理的に物事を考える”ためにはきちんとその実物を見て、「どうしてだろう?」と考えることが必要です。「昔、○○が実験したらこういう結果になった。だからこうだ。」と教科書を載っていることをそのまま覚えるのではなく、実際にどうなるのかをやってみて実証しようということです。
5部屋ある実験室
5部屋ある実験室
理科では、週に1時間は理科実験を行います。自分で実際にやってみると、教科書に書いてあることと一緒の場合もあれば、違うことが起こる場合もある。その時、「なぜ?」と考える。そして、答えを見つけるための努力や工夫をする。こうした経験こそが「身につく学習」であると考えています。
また、“論理的に物事を考える”ことは、理科だけに限りません。国語も同じで、文章を読んで、「この筆者は何が言いたいのか? 彼の説をこのまま信じていいのか?」と考える。社会も「どうしてこんな制度になったのだろう? どうして歴史はこう動いたのだろう?」と考えれば、その「どうして」から「○○ではないか?」「△△との関係は?」という疑問や議論が生まれ、それを研究し発表することによって社会や歴史の仕組みを理解することができる。つまり「科学的に物事を見る」というのは、すべての学問に対して実際に見て、触れて、考え、話し合い、堂々と自分の意見を述べてほしいということなんです。
学校内ある天体ドーム
学校内ある天体ドーム
本校があるけいはんな学研都市の周辺には、ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授がいらっしゃった先端大(奈良先端科学技術大学院大学)、NECやATRなどの企業・研究所、国立国会図書館など様々な施設があるのですが、そうした所に訪問させていただいて研究者の方から直接お話しをうかがう機会を設けています。この訪問は今までに3回実施しましたが、各企業や研究所の方々は、本校生の訪問をとても歓迎してくださいます。なぜなら、「そこでしか聞けないことは何だろう?」と事前に質問を考えて、かなり深まった本質を突く質問を持っていくようにと生徒たちに指導しているからだと思います。そうした指導も、本校の「科学的な物事を見る力」を養う一環になっています。
「英語レシテーションコンテスト」や「英語スピーチコンテスト」が行われていますが、英語教育にはどのような方針ですか?
イングリッシュキャンプ (高校1年生)
イングリッシュキャンプ (高校1年生)
「英語」ということだけではなく、本校は「コミュニケーション力の養成」を大切に考えています。その最初は「挨拶」です。人と人とが互いに理解し合うための基本にあるものだと教えています。そして、次には話を聴く力、質問をする力、自分の意見をきちんと伝える力が鍛えなさいと言っています。「英語」の授業においても、「日常の英会話ができるようになること」が目的ではありません。M段階では「レシテーション(暗唱)」に取り組みます。ストーリーのある英文をきちんと暗記し話せることだけではなく、人の発表をしっかり聴くことが大事だと教えます。Y段階になると、自分で意見を書き、それを発表する「スピーチ」に取り組みます。校内コンテストを行い、発表する力や聴く力を磨くと共に、上位者には校外のコンテストへの出場の機会を与え、体験を深め、自信をつけてほしいと考えています。
オーストラリア語学研修 (高校3年生)
オーストラリア語学研修 (高校2年生)
高校になると、1年生で「イングリッシュキャンプ」を実施します。多くの外国人指導者と共に2泊3日の英語だけの生活を体験します。高校2年生で行うオーストラリア語学研修前のシミュレーションとも言えますが、実際に海外へ行ってどうすればいいのかをそこで学ぶわけです。
高2での「オーストラリア語学研修」は、原則1人1家庭に10日間のホームステイをします。希望者となるとどうしても尻込みをする生徒が出てくるため、英語の好き嫌いに関わらず全員参加を原則にしています。日本語を話す人がいない家庭環境で過ごし、現地の学校に通学します。とにかく英語で自分の意志を伝えなければ何も解決しないという状況の中で、生徒たちは困ったり悩んだりしながらも解決策を見つけ、現地の方々と交流を深めていきます。この研修が済んだ後から、英語を猛烈に勉強し始める生徒もいます。実際に体験し、うまく行かなかったことで、かえってモチべーションが高まったようです。体験から学ぶことは、この英語だけでなく、どの教科においても共通した本校の考え方です。
中学2年生までは給食とのことですが、「食」の時間をどのように考えられていますか?
給食は中学2年生まで
給食は中学2年生まで
一つは、先ほどお話した小学生からのつながりを大切にするという部分で、中学生になってもしばらくは小学生と同じようにみんなで同じ給食を食べるということですね。自校調理で、栄養のバランスやメニューのバラエティを考えた給食を専門の業者に提供してもらっています。学校としては、食べる時間も教育の一環と考え、そこにも気配りや目配りができればいいなと思っています。
小学生と中学生が一緒に給食を食べる異学齢交流活動
小学生と中学生が一緒に給食を食べる
異学齢交流活動
もう一つは“食育”という部分です。開校当初より、近畿大学農学部の食品栄養学科の先生方と協力して、生徒たちの給食の食べ方や残し方、身体への影響などについて調べたり、食育の授業も行っていただいたりしています。食の基本的なことを教えられる最後の時期と思えるM段階で“食育”に取り組むことによって、今後も食の安全や自分自身の身体のことを考えてほしいと期待しています。
他にも「ランチフェスタ」と名付けて、ダイニングで小学生と中学生が一緒に話をしながら給食を食べるという試みも行っています。中学生は照れたり恥ずかしがったりしながらも、自分の弟や妹にあたる子どもたちの食事の様子に細かな気配りをしている姿をよく見かけます。表情や態度には直接表れないものの、きっと楽しいんだろうなと思います。今の子供たちは、大勢で楽しくコミュニケーションを取りながら食べることがなかなかできないので、マナーと共に食事の楽しさを学んでほしいと考えています。
「在校生エリアマップ」では、奈良だけでなく京都や大阪からも通っています。通学に負担はありませんか?
学齢を超えた交流空間サイエンスホール
学齢を超えた交流空間サイエンスホール
大阪から奈良に通学を考えられると遠いという感覚をお持ちになるかもしれませんが、意外と短い時間でこの恵まれた環境へ来ることができます。実際に来られた方は、「案外近い。時間の負担はない。駅からも近い」とおっしゃいます。京都方面の方も、JR学研都市線の祝園駅、近鉄京都線の高の原駅から、路線バスの料金に合わせたスクールバスを校内まで運行していますので、通学には便利だと思います。本校としては交通の便の良さを大いに活用してもらいたいと思っています。
生徒たちも、それほど負担に感じてはいないのではないでしょうか。登校時は通勤とは逆のコースで空いた電車に乗れますし、下校の際も少々遅くなっても駅までは近い距離ですので、安全に帰ることができます。
広大な天然芝の多目的グラウンド
広大な天然芝の多目的グラウンド
私たちは、兵庫、大阪、京都に本校と同タイプの学校はないと考えています。こうした4-4-4制の12年一貫教育システムという考え方は東京の学校ではありますが、それを同じ敷地内で校舎が続いたまま行っているのは、本校独特のものです。その意味でも、ぜひ本校に興味を持ち、実際に見に来ていただきたいと考えています。

開校からの5年間、私たちは生徒たちと一緒に学校を作ってきました。最初は想定外のことがいろいろとあり、1期生や2期生にはしんどかった部分もあったと思いますが、「いろんな学校でやりたいと思われていることを全部やろう」「この学校に必要だと思うことを全部やろう」という思いでやってきました。卒業したあとに「あの学校で良かった」と思ってもらえるような学校作りに、これからも生徒と共に意欲的に挑んでいきたいと思います。
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