「樹心(じゅしん)」という学校理念について教えて下さい
学校理念
「樹心」は「心を弘誓(ぐぜい)の仏地(ぶつじ)に樹(た)て」という親鸞聖人の言葉からとられています。私たち一人ひとりが大きないのちの働きかけによってこの世に生をうけ、生かされているという基盤に立って、自他のために精一杯生き切る人になろうという想いが込められた学校理念です。 大谷中学校の生徒には頂いた命の本源を傷つけることなく精一杯活かして、人間としての完成を目指してもらいたい。智慧と慈悲に満たされた明るくあたたかみのある人間となってもらいたいのです。
最近は「樹心」の願いを現代風に読み替えて「To Be Human(人となる)」という教育目標を掲げています。「To Be Human」は生徒にとってのスローガンであると同時に、教員にとっての教育目標でもあります。 大谷中学校で育つ生徒は仏の子であり、一生涯を終わったときに仏になる(成仏)わけです。つまり、私たちは仏様を育てさせていただいているのです。ですから、生徒一人ひとりの本質、人と成っていかれる部分をしっかり見て、育てさせていただかなくてはいけません。「人間成就」という意味では生徒も教員も同じです。生徒をお育てすることで教員も共に成長させていただいているという意識が大切です。
【太田清史校長】
「To Be Human(人となる)」のスローガンは
学校教育にどのように浸透していますか?
太田清史校長
「To Be Human」は大谷中学校のあらゆる面に浸透しています。
担任が国・数・英の授業を一緒に受け、生徒一人ひとりの学習状況を把握する「バタビアシステム」(※1)も生徒を育てさせていただいているという「To Be Human」の願いがあったからこそ生まれたものです。
また、大谷中学校ならではの様々な伝統にも繋がっています。
大谷中学校では授業が始まる前に「黙想」をします。姿勢をただし、心を整えて、内面に目を向けるのですが、これも「To Be Human」に繋がる行為ですね。ちなみに、卒業生にとっては体に染み込んだ習慣のようです。卒業生が集まる機会に騒がしくなっていても「黙想」という号令がかかると、スッと静かになって、そこに大谷の願いが息づいているなと感じます。
それから、「樹心集」という学校の冊子があります。
月火木金に行う「講堂礼拝」の内容をまとめた冊子で、今、46号まで発行されています。 「講堂礼拝」では教員が順番に演壇に上がり、自分の心に感じていることを話します。
教員も自分をさらけ出して、自分を剥いて本当の話をしますので、深い内容になります。自分を内省して、人前で表現することは「To Be Human」に繋がっています。
※1「バタビアシステム」・・・Q5を参照
【太田清史校長】
梅垣先生
「To Be Human」の浸透というと、私は切木醇(あつし)さんという方を思い浮かべます。 「To Be Human」を体現されている方です。
切木さんは昭和37年から約50年にわたり、大谷中学校の事務・用務・寮長を歴任されました。定年退職後も、20年間毎朝、大谷中学校にやって来て、誰に知られることもなく草木の水やりを続けて下さっていました。
私も大谷中学校が大好きで、好きな気持ちは誰にも負けないと自負していたのですが、切木さんの足元にも及ばないと感じました。
学校パンフレットに取材記事を掲載しています。 是非、読んでもらいたいですね。
【梅垣先生】
教育方針の一つである「認めて伸ばす」について教えて下さい
「認めて伸ばす」は生徒の存在や行動そのものを認めて伸ばしていこうという意味で、これも「樹心」に繋がるキーワードです。
例えば、根帶期(こんたいき)(※2)の生徒には「掃除は隣のクラスと競うぐらいでいいよ」と言っています。本来、掃除は人のために、相手の気持ちになってするものですが、その意味を理解するハードルは高いです。根帶期の生徒にそれをいきなり言っても、感覚がめばえていないので理解する事ができません。最初は「隣のクラスより綺麗にしよう」とか「トイレには女神様がいる」とか言って掃除習慣をつけさせればいいと考えています。
勉強も同じです。やらされる部分があってもいいのです。理屈の前にまず行動があって、それを乗り越えた生徒に本質を伝えていくようにしています。
バスで席を譲るのも同じです。「褒められるから席を譲る」という気持ちから始めてもいい。ちょっと心が歪んでいたとしても、行動を起こした子には次があります。その先に相手のために席を譲るという気持ちの芽生えがあります。
小さなハードルを越えたことを認めるのが生徒の主体性を生み出します。 「バタビアシステム」では根帶期にその感覚をつかませたいと考えています。 答えを先に言わないように教師は注意深く対応しています。
※2「根帶期(こんたいき)」・・・
大谷中学校・大谷高等学校では6年間を根帶期(中1・中2)、幹練期(かんれんき)(中3・高1・高2)、結実期(けつじつき)(高3)に分けている。
【梅垣先生】
バタビアシステムについて詳しく教えて下さい
「バタビアシステム」は1960年代にアメリカのニューヨーク州バタビア市で実施されていた教育を参考に開発した大谷中学校ならではのシステムです。
生徒一人ひとりを丁寧に見ていきながら、徐々に手放していくという思春期の子ども達にとってベストな仕組みです。
具体的には担任が授業を生徒と一緒に受け、生徒一人ひとりの学習状況をきめ細かに把握します。これを「バタ担」と呼びます。そして、担任指導の時間を使って「担試」という小テストを実施し、生徒にアドバイスをしていきます。
授業ごとに二人の教師がいるのであれば、生徒を分けて少人数クラスにすればいいのではないかという意見もありますが、担任が授業を受ける側から生徒を見ることは教壇からでは得られない多くの情報をもたらします。その情報を元に生徒一人ひとりのやる気を刺激し、勉強サイクルを作っていきます。
授業中に担任が後ろから見守る「バタ担」は「リビング学習」(※3)に近いものだと考えています。担任がついていることで安心して学習に取り組めるわけです。
※3「リビング学習」・・・
子どもを子供部屋ではなく、親の目のとどくリビングルームで勉強させる学習スタイル。
【梅垣先生】
バタビアコースの中の「マスターJrクラス」と
「コアJrクラス」の違いを教えて下さい
「マスターJrクラス」は国公立大学への進学を第一に希望する生徒のためのクラス。「コアJrクラス」は難関私立大学への進学を目指すクラスです。カリキュラムは違いますが、どちらのクラスも「バタビアシステム」を実施する「バタビアコース」です。
「コアJrクラス」では根帶期(中1・中2)の2年間「バタ担」を行いますが、「マスターJrクラス」は学習習慣が確立されている生徒のクラスですので「バタ担」は基本的に行いません。その代りに朝学習や終礼の時間を使っての「確認テスト」や夏・春の「学習合宿」を実施し、担任はここで一人ひとりの状況を把握します。
その後の幹練期(中3・高1・高2)、結実期(高3)では各クラスごとに様々なオプションがあり、生徒が主体性を持って選択することができます。
「マスタークラス」(高1から「マスターJrクラス」の名称が変わる)では「AIゼミ」という予備校講師による大谷の進路に合わせた授業があり、有料で実施しています。「赤本指導」というセンター試験から二次試験までの間の特別授業も行っていて、生徒達には好評です。
「コアクラス」(高1から「コアJrクラス」の名称が変わる)では「習熟度別授業」が始まり、2クラス3講座に分けて国・数・英を展開します。「夏・冬・春期講習」も行います。
「マスタークラス」「コアクラス」の関係はとてもよくて、連動して伸ばし合っている印象を持っています。
【梅垣先生】
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