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探究心をくすぐるテーマとの出会いが
僕らをフィールドワーカーにする!

UPDATE:2015年8月31日

;関西大学中等部・高等部 フィールドワーク部 インタビュー

中等部が開校するのと同時に発足し、6年目を迎えるフィールドワーク部。大きく4つの班に分かれて活動を行いますが、取り組むテーマは部員それぞれです。自らテーマを見つけ、情報や資料を収集・記録し、第三者に向けて発表する過程において、さまざまな制約のもと、どれだけ多角的なアプローチができるかが求められます。今回はクラブの中核を担う部員の皆さんと顧問の先生に、フィールドワーク部の魅力について取材しました。

関西大学中等部・高等部「フィールドワーク部」とは…

フィールドワークとは、ある調査対象について学術研究をする際に、対象に即した場所を実際に訪れ、直接観察や採取を行う現地調査活動のことで、地学や地理学では巡検(じゅんけん)ともいいます。フィールドワークは、学問的・客観的な成果を求める活動なので、体験だけで終わるような野外活動や、単なるコレクションとは一線を画すのが特徴です。
フィールドワークは、社会学や人類学、自然科学、建築学、経済学などさまざまな分野が実施対象となりますが、同クラブでは「自然観察」「歴史」「鉄道」「地理」の4班で構成されています。自然観察班では高槻市の昆虫の採取や、標本作製、周辺の自然の実態調査、歴史班は歴史や民俗をテーマにした現地調査を中心に行っています。鉄道班は模型の展示の他、写真撮影などの現地調査から地方鉄道の活性化の考察などを行い、地理班は地形や周辺施設の立地からコンビニエンスストア各社の出店状況を推察するユニークな研究が目立ちます。部員は4班のうち何か1つ以上に所属し、活動をしています。
自然観察班が作製した高槻市の昆虫標本。翅(はね)や足、触覚などを美しく整える「展翅(てんし)」や「展脚(てんきゃく)」の技法を先輩から教えてもらいます。「ドイツ箱」と呼ばれる標本を入れる密封性の高い標本箱も、博物館で展示するものと同じ高品質なものを使用。採集地、採集時期、採集者を記したラベルも添えて学術的価値のある標本に仕上げます。
自然観察班が作製した高槻市の昆虫標本。翅(はね)や足、触覚などを美しく整える「展翅(てんし)」や「展脚(てんきゃく)」の技法を先輩から教えてもらいます。「ドイツ箱」と呼ばれる標本を入れる密封性の高い標本箱も、博物館で展示するものと同じ高品質なものを使用。採集地、採集時期、採集者を記したラベルも添えて学術的価値のある標本に仕上げます。
自然観察班が作製した高槻市の昆虫標本。翅(はね)や足、触覚などを美しく整える「展翅(てんし)」や「展脚(てんきゃく)」の技法を先輩から教えてもらいます。「ドイツ箱」と呼ばれる標本を入れる密封性の高い標本箱も、博物館で展示するものと同じ高品質なものを使用。採集地、採集時期、採集者を記したラベルも添えて学術的価値のある標本に仕上げます。
先輩のレクチャーのもと、展翅版(てんしばん)にトンボを展翅します。もろい部分が壊れないように注意しながら、グラシン紙とまち針とピンセットを使った繊細で慎重な作業が続きます。展翅ができたら、このまま2週間~1か月ほど乾燥させます。
先輩のレクチャーのもと、展翅版(てんしばん)にトンボを展翅します。もろい部分が壊れないように注意しながら、グラシン紙とまち針とピンセットを使った繊細で慎重な作業が続きます。展翅ができたら、このまま2週間~1か月ほど乾燥させます。
先輩のレクチャーのもと、展翅版(てんしばん)にトンボを展翅します。もろい部分が壊れないように注意しながら、グラシン紙とまち針とピンセットを使った繊細で慎重な作業が続きます。展翅ができたら、このまま2週間~1か月ほど乾燥させます。
今回の取材のために、各班が研究発表会や文化祭の展示を再現してくれました。地理班の発表に他の班の部員たちも真剣な表情で聞き入っています。壁には個人研究のレポートがズラリ。
今回の取材のために、各班が研究発表会や文化祭の展示を再現してくれました。地理班の発表に他の班の部員たちも真剣な表情で聞き入っています。壁には個人研究のレポートがズラリ。
今回の取材のために、各班が研究発表会や文化祭の展示を再現してくれました。地理班の発表に他の班の部員たちも真剣な表情で聞き入っています。壁には個人研究のレポートがズラリ。
歴史すごろく、投扇興(とうせんきょう:枕と呼ばれる台に立てられた蝶と呼ばれる的に向かって扇を投げ、扇・枕・蝶によって作られる形で点数を競う、江戸時代にルーツを持つ日本の伝統的な対戦ゲーム)など、歴史班の体験型展示は文化祭でも人気です。
歴史すごろく、投扇興(とうせんきょう:枕と呼ばれる台に立てられた蝶と呼ばれる的に向かって扇を投げ、扇・枕・蝶によって作られる形で点数を競う、江戸時代にルーツを持つ日本の伝統的な対戦ゲーム)など、歴史班の体験型展示は文化祭でも人気です。
歴史すごろく、投扇興(とうせんきょう:枕と呼ばれる台に立てられた蝶と呼ばれる的に向かって扇を投げ、扇・枕・蝶によって作られる形で点数を競う、江戸時代にルーツを持つ日本の伝統的な対戦ゲーム)など、歴史班の体験型展示は文化祭でも人気です。
鉄道班は模型の展示を少しだけ再現してくれました。文化祭では私物の車両模型を持ってきた来場者から、一緒に走らせてほしいとお願いをされたこともあるのだとか。
鉄道班は模型の展示を少しだけ再現してくれました。文化祭では私物の車両模型を持ってきた来場者から、一緒に走らせてほしいとお願いをされたこともあるのだとか。
鉄道班は模型の展示を少しだけ再現してくれました。文化祭では私物の車両模型を持ってきた来場者から、一緒に走らせてほしいとお願いをされたこともあるのだとか。
長尾くん(高校3年生 2010~2014部長)
小林くん(高校1年生 部長)
岸本くん(高校1年生 副部長)

矢部先生(地歴・社会科担当 フィールドワーク部顧問歴6年)
中村先生(地歴・社会科担当 フィールドワーク部顧問歴3年)
左から岸本くん、小林くん、長尾くん

部室に足を運ばせた
心惹かれるクラブ名

皆さんの入部のきっかけを教えてください。
昆虫標本を見ている様子
【長尾くん】
僕は昔から昆虫や自然が好きで、自然観察班に所属しています。その類のクラブは無いだろうと思っていたら、当時の担任の先生が顧問をされていて、自然観察を出来る班があることを教えていただいたのがきっかけです。虫好きな子どもにとって、博物館にあるような標本を作るというのは、ある種の憧れだったのですごく嬉しかったですね。

【小林くん】
「日本拳法部」と「茶華道部」と「フィールドワーク部」が気になっていたのですが、クラブ紹介を聞いて、まず「フィールドワーク部」に行こうと思いました。パンフレットには載っていなかったのですが、僕が興味のあった鉄道についてもかなり詳しくやっていたので、入部を決めました。

【岸本くん】
僕も鉄道がきっかけです。「フィールドワーク」という名前に惹かれて見学に来たところ、鉄道班は文化祭でジオラマ展示もすると聞き、入ろうと思いました。
皆さんは、いくつの班に所属しているのですか。
【長尾くん】
僕は基本的に自然観察班一筋ですが、部長だった立場上、他の班にも関わっていました。

【岸本くん】
入部した時は鉄道班でしたが、2年目からは歴史班にも入り、班長をやっています。

【小林くん】
僕は鉄道班と自然観察班に入っていますが、歴史班主体の巡検にも参加しています。移動手段が主に鉄道なので、写真も撮れますから。どこに何分で着くかを調べるのが僕の役割になっています。
想像より女子率も高くて驚きました。
【長尾くん】
特に昆虫は男子の世界というイメージが強いと思うのですが、僕らの学年の自然観察班は、僕以外は全員女子でした。初心者でも興味があれば大丈夫です。

【矢部先生】
歴史が好きな女子も多いので、特に歴史班は多いかな?

【岸本くん】
はい。僕らが中等部の頃は、「歴女」が流行った影響もあると思います。先輩には筋金入りの歴女がいますよ。

【中村先生】
一度辞めた部員が戻ってくることも多いですね。

【岸本くん】
しかも、新規の入部希望者を連れて戻ってくるので、一時は吹奏楽部より人数が多かったこともあります。

「趣味の延長」から
本格的な「学術」へ

顧問の先生にも担当する班があるのですか。
中村先生
中村先生
【中村先生】
地理が専門なので地理班、そして個人的に鉄道が好きなので、鉄道班がメインになりますね。地理班は、その土地に何があるのか、なぜあるのかといった「空間」的なことに関心が深いので、マニアックな場所に巡検に行くことが多いです。また、学校のクラブ活動として行くことによって、神社の宮司(ぐうじ)さんなど、普段は話を聞けないような人から興味深い話を聞かせてもらえるのも巡検の魅力の一つです。

【矢部先生】
世界史が専門ですが、郷土史に興味があるので歴史班、さらに私は昆虫が好きなので自然観察班がメインです。勉強の要素ばかりではなく、巡検の時は息抜きもします。例えば自然観察班は山に行くので、みんなでキャンプをするとか、歴史班なら史跡に行ったついでに、おいしいものを食べようなどの要素も入れて、楽しみながら活動しています。
どの班も先輩が後輩を指導するスタイルなのですか。
【小林くん】
鉄道班は、元から鉄道が好きな人が多いのですが、一口に鉄道好きと言っても、写真は撮るけど模型は持っていないとか、その逆もあるので、新入部員に対しては、わかっていたとしても一通り教えるようにしています。技術的なこと以外だと、写真を撮る時に、周りの人へも気を配ることを忘れないように言いますし、現場でも目立てば注意するようにしています。

【長尾くん】
自然観察班では昆虫の標本の作り方などを、先輩から後輩に教えています。

中村先生
矢部先生
【矢部先生】
クラブの構想段階から、中等部と高等部の生徒を一緒に活動させ、リーダー性を養いたいという想いがありました。最初の頃は私が教えていたのですが、今では彼らが後輩の指南役になっています。
活動の成果を発表する場はどのくらいありますか。
文化祭の展示発表に一番重きを置いて、そこに向けて毎年活動していきます。
【長尾くん】
文化祭の展示発表に一番重きを置いて、そこに向けて毎年活動していきます。

【小林くん】
文化祭は個人研究や各班の発表がメインになります。他には部内の研究発表会が1~2月に行われます。

【矢部先生】
これは生徒から自発的に持ち上がった企画です。全員が発表をし、VTRにも記録をします。我々顧問が審査員を務め、優秀賞を決める、かなり本格的な発表会です。

【岸本くん】
外部への発表では、歴史班は堺市主催の中高生のための研究発表会に今年から参加する予定です。

鍛えられた観察力で
目指すは学年代表!

勉強との両立はどのようにしていますか。
活動の様子
【小林くん】
ある程度自分たちで時間がコントロールできるので難しくはないと思います。活動日も、基本的には自主的に決めています。

【矢部先生】
試験1週間前になると、部活は一旦停止になりますし、巡検はなるべく連休などの無理のないところに入れているので、負担になるということはあまりないと思います。どちらかというと、クラブ活動の内容を勉強に繋げていっている部員の方が多いかもしれません。
クラブでの経験が勉強や進路に影響している部分はありますか。
【長尾くん】
自然観察班の巡検では、昆虫以外のものも目に入ってくるので、自ずと周辺の生態系にも興味がわき、大学は農学部や自然に関わる学部を目指したいと思うようになりました。

【岸本くん】
僕は城が好きなのですが、歴史や学問と絡めて、大学の進路も選んでいきたいです。

【小林くん】
初めは鉄道関係で進路を考えていたのですが、最近は歴史の分野を深く掘り下げていくうちに、大学もその方面で選んでいこうかと考えています。
校内の卒業研究発表会で、長尾くんは学年代表に選ばれたそうですね。
【矢部先生】
今年度は学年で4人が選ばれたのですが、その中でも「自然」をテーマにして選ばれたのは彼だけですね。

【長尾くん】
近年、問題になってきている里山のナラ枯れについての論文を書いています。フィールドワーク部で積み上げてきたことを基に書いている部分が大きいです。プレゼンテーションの作り方や、調査のスキルもそうですが、「見る目がつく」というか、何かを見てそこからどれだけ多くのことを読み取れるかという観察力が鍛えられたと思います。

【矢部先生】
彼の他にも、鉄道をテーマにした先輩が選ばれたこともありました。クラブから、毎年誰かを学年代表として送り出せたらいいですね。

探究心が物事を
もっと面白くする

全国的にも珍しい「フィールドワーク部」の魅力をアピールしてください。
【小林くん】
よくわからないけど名前が気になるから、とりあえず行ってみようという人も歓迎です。勉強の要素はもちろん、遊びの部分も多いです。学外への発表等も予定をしていますので、やりがいや成果も感じられると思います。

【長尾くん】
最初は先生や先輩からお題をもらいますが、そのうち好きなお題を自分で見つけられるようになりますよ。自分が興味を持ったことについて、知識が深まるのが一番の魅力かなと思います。僕自身、他の部員から刺激を受けているところもあります。
先生はこのクラブ活動を通して、部員たちのどんな成長を期待しますか。
【矢部先生】
好きなことから入ってきて、深いところはもっと面白いということを知ってもらいたいです。本校が目指している探究型の学習と、自分たちが趣味でやってきたことが「な~んだ、一緒じゃないか」と重なって、それが最終的に卒論や進路へ繋がっていったら、僕らとしては嬉しいですね。

【中村先生】
自分で問題点や課題を見つけていく力を身につけて、互いに刺激を与え合っていってほしいです。フィールドワーク部で切磋琢磨することで、大学では当たり前のように研究テーマを見つけられるのではないかなと思います。

【矢部先生】
ここで身につけたことが、彼らの日常になってくれたら一番いいですね。
具体的には何をしているクラブなんだろう?と新入生の気分で取材に伺うと、4つの班がそれぞれ自分たちの班のカラーを出そうと文化祭の展示や研究発表会を再現してくれていました。部員の皆さんからは、「好き」が根底にあるからこそのエネルギーの大きさが感じられ、マニアックな分野においてもオープンな雰囲気があるのは、さすが客観性を重んじるフィールドワーク部の皆さん!といった感じで、今後の更なる発展が確信できる活気のあるクラブでした。
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