【園田学園中学校・高等学校】
休校中も生徒の心に安心感
動画・課題配信 オンライン授業


教頭
繁 明彦 先生

中学主任
𠮷村 章 先生
\ 園田学園中学校・高等学校 /「ICT教育」実施の歩み
- 2015年
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ICT推進委員会を設置。
ICTを活用したPDCAサイクルを生徒自身で回す仕組み作りに着手
- 2016年
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中1・中2生から1人1台のタブレット所有による学習をスタート
- 2017年
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新校舎完成。
全教室ホワイトボード、天井プロジェクターなどを設置し、Wi-Fi環境を全館で完備
- 2018年
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部室棟、サブホール完成。
東側校地と西側校地が連絡橋でつながり、中高一貫教育環境がさらに充実
- 2020年
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コロナ禍の休校措置に伴い、動画・課題配信やオンライン授業を実施。
ICT教育のバックボーンが大きなアドバンテージに
動画・課題配信、プリント配付からスタート
― 休校に入った4月当初、どのような取り組みから始められましたか。
繁先生新学期のスタートに合わせ、4月8日から動画による授業解説と課題の配信、プリント配付を行いました。その頃は5月の大型連休明けには学校再開との声も世間にありましたから、4月はそうした取り組みを通じて生徒をサポートできればと考えていました。
𠮷村先生その際、配慮が必要だったのは中1生でした。入学式は無事に実施できましたので、同日中に保護者と新入生に4月の対応を説明しました。タブレットがまだ新入生に行き渡っていない時期でしたので保護者が所有するスマホなどの端末にロイロノートやClassiといったアプリケーションを入れていただき、そこから生徒に課題が届くようにしました。
― その後、オンライン授業に移行されたとお聞きしました。
繁先生緊急事態宣言の解除はさらに先になることが現実味を帯びてきました。そうなると生徒の学習理解のためにも、やはり直接的な授業が必要です。勉強面のみならず、長期の休校になれば学校側も自宅で過ごす生徒の様子が気になりますので、連休明けの5月11日からZoomによるオンライン授業を開始する決断をしました。
𠮷村先生たとえオンラインであっても生徒の表情を直接見ると私たち教員も安心できますし、それは生徒も同じだったようです。4月に実施していた課題のやり取りでは担任や友達の声は聞けませんでしたから、いざZoomによる授業が始まるとみんなとても嬉しそうでした。
― オンライン授業を実施するにあたって気をつけたことは?
𠮷村先生個々の体調管理や出欠は特に気を配りました。「朝のホームルームで元気な表情を見せてくれるだろうか」「授業に遅れず出席してくれるだろうか」という思いを胸に、その日その日の生徒たちの様子をしっかり把握することに努めました。
繁先生緊急下の授業対応ではありましたが、𠮷村先生が話したように生徒が嬉しそうな表情を見せてくれたのは何よりでした。学校や先生、友達とつながれる喜びを感じてくれているのだと実感できました。
オンライン授業は日々実践を重ねて進化
― オンライン授業実施時の1日の流れを教えてください。
繁先生朝のホームルームを8時30分から実施し、ここで生徒に熱がないかなど担任が体調管理をします。その後、9時から1コマ目の授業を開始し、通信が混雑し始める10時~正午の時間帯はあえて授業を行わず、生徒が課題に取り組む時間に充てました。そして昼食後、13時30分から2コマ目、14時30分から3コマ目という形で午後の授業を実施しました。
𠮷村先生休校中は他校も同様にオンライン授業を実施されていて、在宅勤務を勧める社会状況もあり通信の滞りは必然的に生じました。それを避ける時間帯を選び、1日3コマによる授業を実施したことで結果的にシステム障害などのトラブルを最小限に抑えられました。
― 生徒は自宅でも制服を着て授業を受けていたのでしょうか。
𠮷村先生自然な流れでみんな制服を着て授業を受けるようになりましたね(笑)。生徒もそのほうが落ち着くのかもしれません。勉強に向かう気持ちの切替えができるのでしょう。
繁先生学校としてはむしろ制服でなくてもよいというスタンスで、「パジャマはダメ」とだけ伝えていました。ただ毎日自宅にいるので、メリハリをつける意味で「明日は制服で」と声をかけることはありましたが、それが自然と毎回制服を着るようになりました。
― オンライン授業を行うにあたり、先生方が苦労された点は?
𠮷村先生タブレットを活用したICT教育は日頃から行っていましたので、今回のオンライン授業の実施にあたって特に苦労したことはなかったです。ただ初めての経験でしたからスタート当初と後半とでは授業のスタイルは変わっていきました。
繁先生最初の頃はタブレットとノートパソコンの2台を準備して授業をする教員もいましたね。
𠮷村先生はい。1台はZoom、もう1台はロイロノートを起動させたPCを準備し、2つの端末を行き来しながら授業を進める先生もいました。1日を終えると教員同士で必ずミーティングを行うのですが、「Zoomの画面共有機能を使えば1台の端末でもスムーズに授業ができる」などの情報を共有するうちに、翌日、また翌日と、より良い形で授業を展開できるようになりました。
― もし再び休校になった場合、貴校のオンライン授業はどのように進化するのでしょうか。
繁先生今回の実践を通じて、ある程度進化を遂げたと思っています。
𠮷村先生私も同感です。2017年の新校舎竣工を機に本校のICT環境は充実度を高めました。そうした中で日々ICT教育を実施できていたことは確かなアドバンテージになりましたし、そのおかげで今回の休校に伴う取り組みもスムーズに行えました。

繁先生6月から分散登校を経て学校再開に至っていますが、教室授業においても“3密”を避けるという点で本校の1クラス20人以下(中学)の少人数制も大きなアドバンテージです。1クラス30~35人の高校も、例えば理科の実習を行う際は2つの実験室を有効に活用し、半分の生徒が実験を行い、その動画を同時配信して残りの生徒が隣の実験室で視聴するなどの対応を適宜行っています。休校中のオンライン授業も通常授業でも、生徒が安心して学べる環境を常に整えることを大事にしています。

中2Sさん
休校が決まった時は「苦手教科がより苦手になってしまうかも」という不安を感じました。でも4月からすぐに動画授業や課題の配信が始まり、プリント配付も行われたので家でも安心して勉強に取り組むことができました。その後、5月からZoomのオンライン授業がスタートし、先生方や友達の顔を見ながら授業を受けられるようになったのでとても嬉しく思いました。

中3Nさん
中3という大事な学年が始まるにあたり、どの教科も良いスタートを切りたいと思っていました。動画授業はわからないところを何度も見直しながら勉強できて良かったけれど、多少の孤独感もありました。そんな中、クラスメイトと顔を合わせられるオンライン授業が始まったので、「また今日からみんなと頑張れる!」とモチベーションが上がりました。
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