ココロコミュ

【明星学園中学校】
真の自由を知った
明星の教育

明星学園中学校の教育理念は「個性尊重」「自由平等」「自主自立」。その理念を基に育った生徒たちは、卒業後に明星学園時代をどのように想い、どのように振り返るのでしょうか。好評を得た2018年の卒業生インタビューに続く第2弾も、4人の卒業生が集合。彼らが愛する明星学園について語ってもらいました。そこからは明星学園の教育と、そこで育った生徒の感性や強い意志が明確に伝わってきます。
卒業生プロフィール
辻田将貴さん 明治学院大学 経済学部経済学科2年
9年生(中学3年)から明星学園中へ転入

経済の基礎的な知識、歴史を学ぶことで自分の価値観をアップデートして、今後の生活に活かしたいと思って入学しました。この1年大学で学び、経済ニュースを見ていても「世間の認識とのズレ」がわかるようになってきて面白さを感じています。大学生活以外では、好きな読書において、無名作家の面白い本を探しています。名作に出会うのはなかなか難しいですが、注目の1冊が見つかった時の喜びがたまりません。将来の目標はまだ具体的に決められていないので、研究室を訪問するなどして自分に合った方向性を探していきます。

境野 萌さん 法政大学 グローバル教養学部(GIS)
グローバル教養学科2年生
7年生(中学1年)から明星学園に入学

GISはリベラルアーツを重んじていて、社会心理学、社会経済学、宗教学、言語学など幅広い分野が学べます。中でも言語学が特に面白く、今後は言語学のゼミを取りたいと思っています。日本の場合、グラマーはリーディングが主体ですが、それをスピーキングに変える教育の可否を問う卒業論文を書きたいです。大学では、早稲田大学のダンスサークルに入って、WAACKというジャンルを踊っています。他大学との交流もあり、ダンスを踊ることで発散もできて楽しいです。

川路友喜さん 国際基督教大学(ICU)
大学教養学部リベラルアーツ学科1年生
小学校から明星学園に入学

ICUには31のメジャー(専修分野)があり、各メジャーにジェネラルエデュケーションという一般教育科目があります。今はその中から興味あるものを受講しています。特に面白かったのは、MCC(メディアコミュニケーションカルチャー)で、文化の違いをどう捉えるかという授業です。今後、明星の9年生(中学3年)の卒業研究で取り組んだ平和研究とMCCをダブルメジャー(2つの主専攻を同時に組み合わせて履修)にするか、メジャーとマイナー(主専攻と副専攻を比率を変えて履修)にするかの選択で迷っています。
今、楽しいのは大学での勉強。特に「世界の言語と人々」の授業は、1時間ずつ全く違う言語に取り組み、日本との違いなど文化も混ぜて学びますから、本当に面白いです。

古川穂奈美さん 東京外国語大学 国際社会学部国際社会学科
西南ヨーロッパ地域専攻1年
小学校から明星学園に入学

東京外国語大学の1、2年生では、入学当初に決めた専攻語をメインにやっていきます。私はフランス語を選択し、フランスの歴史や世界的な状況を学びながら、国際関係や政治学を学んでいます。元から国際関係について学びたかったので、とても面白いですね。今、一番楽しいのはフランス語の授業です。対面で行われていてクラスの皆と一緒に受講できることは刺激があります。

-明星学園の思い出- 一匹オオカミがいっぱいいる学校
個性が混ざり合わずにどれも光っている
今日は明星学園中学校時代のことを中心にお話をうかがいます。
まずは明星学園での印象的な思い出を教えてください。

私の一番の思い出は、1年生から9年生(中学3年生)までが一堂に会して行う運動会です。1年生の時は憧れだった9年生に自分がなり、楽しさとともにプレッシャーを感じて背筋が伸びる思いをしました。中学生では作る側になり、運動会実行委員がすべての企画や運営を自分たちで行います。係の中に小学生も混ざってきて、9年生が下級生に教えながら一緒に作っていきますから、まさに自分たちが作った運動会でした。
また、中学3年で取り組んだ卒業研究も思い出に残っています。戦後70周年だったこともあり、太平洋戦争について調べました。日本側から見るだけでは不十分だと考え、海外にお住まいの元海兵隊の方にインタビューさせてもらい、ハワイのパールハーバーへも行きました。そして、広島と長崎で被爆された民間人の方にお話を聞きたいと思い、ピースボート開催の原爆証言会に行き、インタビューを交渉したんです。結果、快く引き受けてくださり、被爆者の方の意見も交えた卒業研究ができました。この卒業研究は、自分の中で大きな核になり、今、大学での学びにもつながっています。

私は沖縄修学旅行が印象に残っています。日程も長く、自分たちで行動できる自由な時間も多く、とても楽しかったです。特に2泊3日で民泊をして、地域の人とかかわれたことが貴重な体験だったと思います。

私の思い出の1つは、現代文の授業です。『「普通」と言われてどう感じるか?』という深い問いに、中学入学当初の私は「普通や標準とは、周りと大体一緒ということだから安心する」と答えました。でも、小学校からの内部生は「普通と言われたら嫌。言われたとしても普通=協調ではない」と言ったのです。「明星ってすごいな」と、その時に思ったことを今でも覚えています。
もう一つは部活です。中高は和太鼓部でした。自分たちだけで創り上げていくことやチームワークがカギになる部活で、周りと協調しながらも自分の意見をしっかりと持って進んでいく力がいつも必要でした。そこで身に付けた力で、高校時代の留学や今の大学生活を乗り越えられています。それに、今なら「普通」と言われない自分を出せていると思います。思えば明星生らしくなりました(笑)。

なぜ、そうなれたのだと思いますか。

明星学園は、一匹オオカミがいっぱいいる学校でした。個性に色があるとしたら、普通は協調したら混ざり合いますが、明星では混ざり合わずにどれも光っていて、それが明星らしさでした。その環境で学ぶ中で、私も自分の色を出していいのだと知ったのです。

境野さんの話で私も思い出したことがあります。小学校に入学した当初から、自由平等・自主自立・個性尊重という明星の学びについてのメッセージをたくさんもらってきました。小学生ながら心に残ったのは、「自由は自分勝手とは違う。友達の自由や個性を奪ってしまうようなことは自由にはならない」と言われたことです。それが「この人はこういう人だよね」とお互いの違いを良さとして共存していく明星らしさを作る考え方だったと思います。
それは小学校はもちろん、中学校でも言われていました。だから、「普通」の枠にはめられて「みんな一緒」とされることに抵抗があり、「この人はこの人らしくていい」と受け入れ合えるから、自分の個性も出しやすかったんだと思います。

辻田さんの明星学園での思い出は?

僕はもともと明星とは真逆で校則が多く勉強もかなり厳しい進学校に通っていて、校風になじめず中3で明星に転入しました。思い出されるのは、男女に関係なくみんなの仲が良かったことです。一匹オオカミの集まりですが学年で群れが形成されていて、気遣い合えるところがありました。自分が途中から入ってきても自然と和に入れてくれましたし、特に中学は学年全体での仲の良さがありました。
転入してきて思ったのは、先生も含めた生徒の一体感が他とは全く違ったことです。大人と子供の隔たりや、担任以外は生徒の個人的なことに関わらないということがありません。先生との距離が近く、担任でなくても目をかけてくれました。他ではあり得ないと思ったのが、先生をあだ名で呼んでいたことです。最初はカルチャーショックを受けました(笑)。

友達や先生との関係性に「明星らしさ」がありますね。

友達はお互いの個性を尊重しつつ、本音を伝えてくれる存在でした。だから、自分自身も素を出せます。私は友達に「ごめんね」とすぐに謝ってしまう性格だったのですが、「ごめんねは大事な時に言うものだから、簡単に言ってはだめだよ」と言ってくれた友達がいて、ハッとさせられました。それは今でも残っていますし、そう言える友達がいたことに感謝しています。
そして先生は、信頼できて尊敬できる相談相手でした。どの先生も個性が強いし、授業が面白いうえとても考えさせられる内容でした。私が特に印象に残っているのが、山口千絵先生という現代文の先生です。とても深いテーマでの作文で、書きながら私が泣いてしまい、人生相談も受けてくれました。先生は、友達とはまた違ういつでも側にいてくれるような存在でした。どの先生も大好きでした。

一匹オオカミの集まりなので、仲は良いけれど自分がやりたいことをやるために1人になっても、周りとの仲が崩れることはなかったです。1人になるときもあれば、友達の輪に戻るときもあって、また1人になる。それがやりやすいことも明星らしさでした。おかげで周りを気にせず、自分のやりたいことに没頭できました。

友達は、相手を攻撃して傷つけるようなことは言わないのですが、遠慮なくいろいろ本音で言い合います。普通の人間関係では隠しがちなことを言えたからこそ、深い部分で分かり合えたんだと思います。

友達に対して、自分の夢や素直な気持ちを話しても、絶対にバカにされないという確固たる自信がありました。そう思える友達関係は大きな財産です。何かを相談しようと思った時に「実は…」と本音が言えました。
それに、友達に対して「NO」が言いやすいんです。中学生の女子には「一緒に〇〇しよう」といったことが多々あると思いますが、「私、パス!」「私はやめておく」と言いやすいんです。「NO」を言っても壊れない関係性がありました。
それは先生も同じです。実は私は7年生(中学1年)の時に、学校に行きたくない時期があったんです。行事にも参加したくないと担任の先生に伝えたところ、何度か話をしたうえ最終的には「行かない」という私の選択を認めてくれました。「NO」も含めて自分の考え方を認めてもらえるのは安心できたし、それは先生も友達も同じでした。

-授業について- 自分で考えて意見を出すことが求められ、
反対の意見も否定にならない
明星の授業についてはどう思いますか。

国際教養学部では「少人数での対話型の授業」として必ずディスカッションや意見を言う時間があり積極性が求められますが、私はそれに抵抗感が全くないんです。それは明星の小学校や中学校の勉強で培われたと思います。明星では、先生は答えを教えてくれずに問いを出して、生徒に「考えてごらん」と言う授業でした。それまでの授業内容を組み合わせれば考えられるようになっていて、自分で考えて意見を出すことが求められたのです。
その時にわからない人の意見が一番大切にされて、みんなでわからない人をわかるようにしようと考えながら進んでいきます。間違ったことを言ったら直してもらえるし、わからなくても教えてもらえる。そういう授業の中で「そこは違う」「私はこう思う」と言えたことが、今につながっています。反対の意見が必ずしも否定にはならないし、自分の考えを伝えることを恐れない私の姿勢は、明星の授業のおかげです。

僕も大学のオンライン授業では、何人かで話し合う時がありますが、初対面の人とも抵抗なく議論できるのは明星の授業が影響していると思います。明星の授業は、先生の板書をノートに取る授業ではなく、生徒の発言の機会が多いのです。各科の先生の工夫もあって、英語で和訳する本も教科書ではなく僕らが面白いと思える本になっていて、生徒の興味を引き出してくれる授業でした。

中学では数学の中西先生が、毎回小テストやプリントを本当に細かく生徒に合わせて作ってくれて、「合格」などのハンコを押してくれました。自分が興味を持って深く調べたいことを先生に相談に行くと、「君は素晴らしいよ」と認めて応援してくれるんです。
他の先生も「優」とか「特優」と評価が増えていって、「特特特優」になると「素晴らしいノートです」と褒めてくれました。それらは自分の自信につながったし、先生との距離も縮まりました。何より勉強が嫌ではなかったです。

私は、歴史の授業が好きでした。先生は厳しかったのですが、教科書には載っていない「これはなぜなのか」という深い理由まで生徒が理解しているかを確認してくれるんです。授業中も生徒に発言を求めて、「それはなぜ?」と繰り返し問われました。そのおかげで日本史の理解は深まったし、原因や理由を追究する力がつきました。

明星の授業は、鈍感でいることを許してくれないところがあるのです。「なぜだと思う?」という問いに対する答えを自分で見つけて、それを自分の心がどう思うかまで考えるので、敏感にアンテナを張らないといけません。
社会科で「歴史はこうでした」と教えられたら「そうですか」で終わりますが、「今日やった授業は、この前のココにこうやってつながっていて、なぜ起きたのかというと…」まで教えてくれますから、自分の頭で考えるための道筋を立てる力を育んでくれたと思います。
実は私はその社会科の先生が苦手でした。最初の授業のノート返却時に「普通です」と書かれていて、普通が嫌だったので悔しかったのです。でも頑張れば認めてもらえるという絶対的な信頼はあったので、「どうやったら普通と言わせないノートが作れるだろう。どうすれば優がつくだろうか」と積極的に頑張れました。
今思うと、先生を大人としてすごく信頼していました。この先生なら話してみようかと思える先生が大勢いて、子供であっても1人の人として向き合い認めてもらえるからこそ、フランクな関係性が築けたんだと思います。

-明星学園で身についたこと- 自主性と積極性、自分と周りを認める力、
自分の意志の明確化
こういう明星学園で育ったみなさんだからこそ、
身についたことは何でしょうか。

自分が一番身についたと思うのは、自主性と積極性です。それまでは誰かについていき、誰かのマネをすることが多かったけど、明星学園に入ってそれぞれが自主的に自分のやりたいことをやっているのを見て、自分もそのほうが面白いと気づかされ実行できるようになりました。今はかなりアグレッシブな行動をしていると思いますし、胸を張って積極的な人間だと言えるようになりました。

自分を表現する力や周りを認める力は、明星で育まれたと思います。私はもともと引っ込み思案で、自分の意見に自信を持てず、みんなについていくだけでした。でも、今なら言いたいことは言えるし、周りの意見も聞けます。かといって周りに流されることはありません。そこから自分の新しい意見も生まれてくるようになりました。

私は2つあります。1つは自分を認めて愛せて、自分と違う人たちも認めて一緒に生きていく力がついたことです。もう1つはさっき言った鈍感にならずに自分の心で感じて自分の頭で考えて、「では、どうしようか」と行動を起こす。そうしたいい意味でのクセのようなものが明星で身についたと思います。
それが活かせたのが、一番近いところでは大学受験時です。「この大学に絶対行きたい」と思ってICUを志望したのですが、現役では合格できませんでした。そのときに「どうしてもこの大学に行きたいから」と親にお願いして、自分の信念を貫き、1年間勉強して進学しました。そういう自分の思いや考えを信じて行動に移す力は、明星で自分の中に育ったんだと思います。

私も、自分で考えたことや自分の意志を明確にできるようになりました。先生に「こうしたい」と伝えたら尊重してくれ、悩んで相談したら「あなたはどうしたいの」と自分の意志を確認してくれたので、自分の考えや意志を明確にできるようになったんだと思います。今でも、悩み迷った時に、自分の考えや意志を確認しています。

-明星学園の自由とは- 自分の自由と相手の
自由を尊重すること
明星学園は「自由だ」と言われますが、
皆さんの話を聞いていると自分勝手な自由ではありませんね。

他人の自由も尊重しつつ、自分の目標を実現するという自由でしょうか。それがこの学校で学べたことです。

私は、何をしてもいいが自由ではなく、何をしたらいいのかを考えるのが自由なのではないかと思います。その意味で自由は怖いです。

私が思う明星学園の自由は、周りにいる人と共存していくために、相手を尊重して、その中で自分の思いや考えを実現していく自由です。

明星学園の自由は、自分の自由と相手の自由を尊重することです。その中で、自由の裏側には行動に対する責任が伴うということも学びました。特に中学では、一人ひとりを尊重しながらも自分もちゃんと責任を全うする大切さを強く感じさせられました。

最後に、皆さんの今後や夢について教えてください。

私は中学のときから変わらず外交官を目指しています。きっかけは、戦後70周年でアメリカのオバマ大統領が来日され、戦争の特集を見た時に「国際的な平和に貢献できれば」と思ったことです。ただ、私は日本にも貢献したいので、選択肢としては外交官だと考えました。今は国際関係をしっかりと学びたいので、留学が目標です。その後、外交官を目指して頑張ります。

具体的な将来の夢は決まっていませんが、漠然と「こういう世界だったらいいのに」という思いがあるので、そこに向けてどのような形だったら自分は貢献できるのかを見つけるために、とにかく今は大学で学ぶしかないと思っています。

私は将来、ホテルマンかキャビンアテンダントになって、日本のおもてなし文化を世界に広めたいです。今はそれに向けて英語をしっかり勉強して、ホスピタリティについて学んでいるところです。

僕も具体的なものはないのですが、大衆の1人ではなく、しっかり自分の人生を送れるように、見聞を広めいろんな経験をしたりしていきたいです。

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