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【巣鴨中学校・高等学校】
真の向学心に火をつける
学びの二重螺旋『Double Helix』とは?

真の向学心に火をつける学びの二重螺旋『Double Helix』とは?

巣鴨中学校・高等学校の充実した国際教育は、既成商品を利用するのではなく、生徒を知り尽くした先生が、生徒が学びの楽しさを知り、世界で通じる力を育むために創作したオリジナルプログラムを実施してきたことが注目される大きな理由。2021年より国際教育の最新形としてオンラインで実施されているのが『Double Helix(ダブル・ヒーリックス)』。巣鴨を含む参加8校から有志の生徒が集まり、基礎知識を身に付けて高次元の思考を育む過程を体験。各分野の第一線で活躍する講師のもと、ディベートやディスカッション、プレゼンテーションなどを行い、世界につながる学びを獲得していきます。
独自性を発揮するだけでなく、日本各地さらには世界中からの参加が期待されるプログラム『Double Helix』誕生を導いた巣鴨中高が考える国際教育への熱い想いを紹介します。
先生方の写真
巣鴨の国際教育についてお話していただいた
岡田英雅先生[国際教育部部長/英語科主任]
岡田先生と共に『Double Helix』を作り上げた
大山 聡先生[入試広報部部長]山崎大輔先生[ICT主任 国際教育担当]
Double Helix誕生まで 1
人による感動体験

イートン校サマースクール

イートン校サマースクール
イートン校サマースクール

対象:高校1・2年生の希望者約40名

期間:3週間

イギリスの名門イートン校で実施されるサマースクール。英語やイギリスの歴史・文化に関するイートン校のプログラムを受講する。巣鴨中高は2002年より参加。

巣鴨が惚れ込む世界一の学校イートン校

岡田先生 1440年に創設されたイートン校は、ハリーポッターの世界を地で行く男子の全寮制学校。世界屈指と評価される理由は、あらゆる分野で世界をリードする人材を輩出しているからでしょう。作家のジョージ・オーウェル、ケインズ経済学のジョン・メイナード・ケインズ、ロマン派の詩人のパーシー・ビッシュ・シェリーなど、とにかく幅広い。俳優のトム・ヒドルストン(アベンジャーズのロキ役)やエディ・レッドメイン(ファンタスティック・ビーストの主人公ニュート・スキャマンダー役)も出身者です。英国首相も、今のボリス・ジョンソンを含めて計20名がイートン校出身者。これだけいれば、世界一の学校と言って良いでしょう。
イートン校は規律と自由のバランスが優れている学校です。靴下の色や制服の着脱の時期さえ注意される厳しさもありますが、生徒を伸ばすことに重きを置き、自由を尊重しています。そんなイートン校が日本でサマースクールの対象校を探した中で、校風や雰囲気が似ているという理由で巣鴨が選ばれました。首都圏の男子校では本校だけがサマースクールに参加可能です。

イートン校の“人”による感動教育

岡田先生 『イートン校サマースクール』で生徒たちが最も感動するのは、出会う先生です。人格が優れていて、教養にあふれている人に触れ合うことで、「この人は凄い!」と感動して、「ああいう人になりたい!ああいう人と話してみたい!」と生徒は感じます。
日本の学校でも英語が苦手な子供たちに向けて様々な取り組みが取り入れられていますが、イートン校で出会う先生と同レベルの優秀な教育者に出会うことは困難を極めます。それでは、英語への意欲を高めることも興味を持つきっかけをつかむことも難しいでしょう。
我々は、『イートン校サマースクール』で“人”の重要性を学び、巣鴨でも“人”にこだわりたいと思いました。そして“人”にこだわるなら「イートン校サマースクールで出会うレベルの先生を巣鴨に連れてくるしかない」と考えて始まったのが『巣鴨サマースクール』です。
Double Helix誕生まで 2
現代社会を乗り切る
チャレンジ精神とメンタリティを

巣鴨サマースクール

巣鴨サマースクール
巣鴨サマースクール

対象:中学2・3年生、高校1年生の希望者約50名

期間:6日間

長野県白樺高原の校外施設で合宿。オックスフォード大学、ケンブリッジ大学を卒業した多種多様な経歴を持つ講師を招き、英語力だけでなく、創造力、協調性など、生きるために必要な人間力を習得する。

巣鴨がやるべき英語の土台作りのレッスン

岡田先生 中高一貫の英語教育において、受験や就職のために英語を勉強させることは絶対にやってはいけない。将来、生徒が何に英語を使っても良いように、基本的な土台をきちんと作ることが大切なのです。だからこそ『巣鴨サマースクール』は、英語が使える楽しさを生徒たちに伝えて、英語を使ううえでの土台を作ろうという考えがありました。
“人”にこだわっただけに、当初は先生の確保が大きな課題でしたが、『イートン校サマースクール』で出会ったトリスタン先生をはじめ、学歴だけでなく多彩な才能を活かして活躍する講師が集まってくれました。
例えば、イギリスの戦没者追悼集会で国を代表して歌うアレクシー先生は、元はプロの歌手。生徒はその経歴を知っていますが、本物の歌声を目の前で聴くと、「何だ、これは!」と驚き、感動します。そして優しく秀でた彼の人格を知ると「もっと先生を知りたい、話したい」と思って英語を使えれば広がる可能性を実感するのです。
やはり生徒を動かすのは“人”。『巣鴨サマースクール』の講師は、イートン校卒業生が2名、オックスフォード大の卒業生が6名、ケンブリッジ大卒業生が1名ですが、人選は学歴ではなくその理念に共感して、『巣鴨サマースクール』のプログラムだから集まってくれた人たち。だからこそ、他のプログラムとは根本から違います。

失敗や教育を経て得る大事なものは何かを知る

岡田先生 大人でも先の読めない不確実な世の中で、大学入試をゴールとして一直線に歩かせる教育には疑問を感じます。そんな世の中だからこそ、いろいろなことに挑戦するチャレンジ精神、失敗を恐れないメンタリティを、生徒には持たせなくてはいけないのです。
その実現につながると考えたのが、『巣鴨サマースクール』の「モチベーション・カーブ・レッスン」です。素晴らしい経歴の7人の先生が、自身の失敗から得たものや貴重な教訓を話してもらう授業です。生徒は尊敬する先生たちでさえ失敗経験をしていることに驚きながらも、そこで大切なものは何かを知ります。結果、「もしかしたら失敗は成功の条件なのかもしれない」「失敗していいと聞いてほっとした」といった感想が出てきますから、生徒が得るものの大きさは計り知れないでしょう。
Double Helixの誕生
基礎知識と高次の思考力の関係を理解して
勉強への興味と好奇心に火をつける

Double Helix

Double Helix

対象:中学3年生、高校1・2年生(2022年度は30名、2021年度は50名)

期間:2022年度 1/6~3/20  2021年度 3/14~4/11

2022年度テーマ:試練の中の学び

参加校:市川中学校・高等学校、鷗友学園女子中学高等学校、駒場東邦中学校・高等学校、洗足学園中学高等学校、豊島岡女子学園中学校・高等学校、南山高等学校・中学校女子部、広尾学園中学校高等学校、巣鴨中学校・高等学校

日本の教育に巣鴨のプログラムを開放!

岡田先生 『Double Helix』は、『巣鴨サマースクール』の優秀な講師陣を1校で独占せずに日本の教育に開放してほしいという声があったことと、子供たちが多様な価値観を持った人と交流する機会を中高6年間で作りたいと考えたことがベースになっています。日本各地の生徒が参加するプログラムとしてスタートさせた『東京スプリングスクール』がコロナのために中止になり、その後オンライン化を求める声に応えるべく紆余曲折の末、2021年に『Double Helix』として実施するに至りました。
岡田先生の写真

世界へ発信するプログラムを多くの協力者と制作

岡田先生 『Double Helix』のプログラムを考案中の2020年当時、イギリスではアクティブラーニングの弊害が問題になっていました。生徒に基礎知識を教えていないため、幼稚な議論を繰り返すだけで、大学入学時点で学力不足になっていることが社会問題化していたのです。日本でも危惧されるその問題を解決するために、「日本から世界に発信できるようなプログラムを作りたい」と訴えたところ、イギリスの講師や日本の他校の先生など多くの方が賛同してくださり、一緒に『Double Helix』を作ることになりました。本校内でも学年主任などの要職を経験してきた大山先生からアドバイスやサポートを受け、複雑なプログラムをゼロから山崎先生がゼロから作ってくれました。ここでもいろいろな“人”の力が合わさって作りあげることができました。
Double Helix
 講師紹介
  • トリスタン・マクラウド先生【歴史】
    イートン校卒業後、ケンブリッジ大で歴史を学び学位を取得。現在はイギリスの名門校ウエリントン・カレッジの歴史科教員。『Double Helix』では、パンデミック時における感染症とワクチン開発の歴史についての講座を行う。
  • マガリ・マツミヤ先生【免疫】
    ケンブリッジ大で修士課程修了後にオックスフォード大で博士課程を修了。世界で初めてコロナワクチンを開発したジェンナー研究所で免疫を研究。『Double Helix』では、人体の免疫についての講座を担当。
  • ジェームズ・トーマス先生【医療】
    2021年まで慶應義塾大の医学部で教鞭を取る。日本とイギリスの医師免許を持ち、現在はオックスフォード大の博士課程に在籍。書籍、論文の執筆のほか、世界中で講演を行う。講座内容は、世界の医療システムはパンデミック(逆境)にどう対応したのか。
  • チャーリー・ジェンキンス先生
    元イートン校教諭で国際教育組織WLSA(World Leading Schools Association/ウルサ)の最高戦略責任者。『Double Helix』の理念に共感し、プログラム制作や進行をサポート。『Double Helix』で日本と世界の学校を繋ぐ役割を担う。

学びの楽しさを理解するプログラム『Double Helix』

岡田先生 『Double Helix』とは二重螺旋。「基礎知識」と「高次元の思考力」(問題解決能力、創造性、批判的思考力など)を意味しています。『Double Helix』は、基礎知識の獲得は高次元の思考力の向上に強く結びつくことを生徒に気づかせるためのプログラムになっています。
講座では、Google Classsroomの各教室で講師から課題が出ます。生徒は講師からの指示や説明を読んだり、ビデオフィードバックを見ながら自分の課題に取り組みます。オンラインでQAセッションをする先生もいます。
授業は【歴史】【免疫】【医療】など専門性を持った講師にしかできない内容で、ドロップインセッション(*1)、リフレクションセッション(*2)、ファイナルセッション(*3)など、講師に直接質問や討論を行う機会を設けました。そこに出てくる英単語はかなりの難しさですが、『Double Helix』は数日間だけのプログラムでいきなり対話を求めるわけではありません。1週目、2週目、3週目と積み重ねて基礎知識をつけることで視点を増やし、ペアワークで討論に慣れ、語彙も増えていきます。そして、その中で大事なことは自分で思考できるかどうか。その思考の材料として基礎知識が必要なことを理解するためのプログラムが『Double Helix』なのです。
知識を蓄えて類似の形で再現させる傾向にあるのが大学入試ですが、子供たちはその学び方では触発されにくく、勉強が面白くならないのです。しかし、頭に入った知識が思考の役に立つと実感できたら、知識をどんどん頭に入れたくなります。さらに『Double Helix』のように、通常では質問できない専門性を極めた講師に直接質問できる機会を得ると、「この学びは面白いかも!」「こんな勉強がしたい!」と思えます。英語を使うことの意味も実感しやすいでしょう。
こうした学びの心に火をつける体験を、中学高校の期間にしてほしいのです。興味や好奇心は人間の本質。学ぶというのは楽しいこと。その学びの楽しさを生徒にわかってもらうのが『Double Helix』です。
Double Helix
Double Helix 2022年
全体テーマ
「試練の中の学び」
オリエンテーション
オープニングセッション
Google Classsroom内の講師からの課題に取り組む
ドロップインセッション
(課題に対する理解を深めるためにオンラインで講師に直接質問)
ペア/グループワーク
(*1 他校の生徒とオンラインで交流しながら課題を仕上げる)
リフレクションセッション
(*2 他校の生徒と意見交換しながら知識を繋げる。『ダブル・ヒーリックス』の根幹をなす「知識×高次の思考」を実践する)
ファイナルセッション
(*3 これまでの課題のまとめとなる講師とのオンラインセッション。生徒がプレゼン、ディベート、ディスカッションを行う)
クロージングセッション
講師から講評及び優秀者の発表
Double Helix
 ファイナルセッション

自分らしさを磨く勉強法を知ることがスタート

岡田先生 昨年の『Double Helix』終了後の感想で、「これが終わりではなく、学びの始まりだと思った」と書いてくれた生徒がいて、涙が出るほど嬉しかったです。生徒は知識が積み重なって自分で思考ができるようになる喜び、他の人と交流して補い合いながら刺激を受ける喜びを感じたことでしょう。
『Double Helix』では、既存の知識の上に新たな知識を吸収して新しい理解が生まれますが、既存の知識は人によって違い、新しい知識が吸収されたときの結び付け方も、その後の理解も異なります。ですから、『Double Helix』のような学び方をすればするほど、人間がユニークになり、自分が他の人と違うことがわかり、他人と比べる必要もなくなります。また、楽しい学びは周りの人を幸せにできる力を持っていますから、良い仲間が欲しくなり、その仲間に貢献したいと考えます。勉強とは本来、そうやってどんどん自分らしくなっていく手段にもなるのです。
今後、『Double Helix』はひとつの学び方として、世界に提示していきたいと思っています。皆が同じ方向を向く必要はありませんが、子供たちにこうした学び方を教える学校があってもいいし、これに賛同してくれる人が多くてもいい。ここから広げていくことで、日本の教育はもっと進化すると思っています。

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