




教育部長 城戸 直和 先生
至誠勤労: | 感謝と真心をこめて、地道に努力すること |
分度推譲: | 適度な度合いを設けて、計画的な暮らしをし、未来の自分と他者のために還元していくこと |
これは、二宮尊徳先生の【考え方】と【教え】をもとに教育を進めていきたいという活動です。その流れから100年前に大江市松先生が作った学校が報徳学園となります。本校はもともと兵庫県の御影に位置していて、大正時代には青谷に移り、昭和22年に現在の武庫川に移りました。学校名も時代の流れとともに報徳実業、報徳商業、報徳工業、戦後に報徳学園と名称を変えてきました。
我々は報徳の精神をもって、子どもの特徴を見出し、引き出し、大切に社会に貢献する人物を育てることに力を注いでいます。
二宮尊徳先生は「報徳」には、公益という考え方があり、社会に還元することを述べられており、非常に重視されていました。
徳=人間が持っている長所、つまり取り柄、持ち味という意味
報=徳を活かして社会に還元するという意味
心の教育というのは、思いのある子どもを育てるということだと感じています。自分が周りの人に支えられて生きているんだということを常に忘れることなく、周りの人に対する感謝・ありがたみを持てる以徳報徳の気持ちを持った青年に育ってほしいと願っています。
報=徳を活かして社会に還元するという意味
【城戸先生】


二宮尊徳 先生

月1回、報徳講話の授業では、本校の理事長が中学生にも読めるようにまとめた「報徳の風が吹くとき」という本をテキストとして使用しています。また、各クラスの担任の教員や校長も折に触れて報徳講話の話をし、教室には生徒の目に触れるように尊徳先生のことばが載っている暦をかけていますので、普段の学校生活のなかで見聞きすることも多いです。

1年生から6年生まで、毎日5分程度、尊徳先生の言葉や詩を集めた本を読んでいます。最初は意味がわからなくても、何度も繰り返し読みことで、何かの折にその意味に気づくことがあると思っています。それは、もしかすると卒業後かもしれません。ふとした瞬間に本校での学びが活きてくる時期が必ず来ると我々教員は信じて、素読の学習を実施しています。
【城戸先生】

生徒が近隣の清掃活動などに取り組み、地域・社会に貢献することの意味について学ぶ日です。日頃学んだ報徳の精神を他者のために実践する日なのですが、生徒は非常に熱心に取り組んでくれてます。もっと希望を言えば、こういった特定の日がなくとも、自ら高い志をもって報徳で学んだことを活かしてほしいと思います。
また、生徒だけでなく、教員でも有志を募って、報徳実践DAYに取り組んでいます。我々も指導するだけでなく、各個人が自らの学びを日々高めていかなければなりません。そういう意味では、報徳の想いを生徒とともに共有できていることは幸せなことであり、しかも、100年続いてきたこの報徳の教えの核になるものがあることは非常にありがたいことだと感じています。
我々はそれを教育実践できるかどうか、ということを問われているので、今後も生徒としっかりと歩んでいきたいと思っています。
また、生徒だけでなく、教員でも有志を募って、報徳実践DAYに取り組んでいます。我々も指導するだけでなく、各個人が自らの学びを日々高めていかなければなりません。そういう意味では、報徳の想いを生徒とともに共有できていることは幸せなことであり、しかも、100年続いてきたこの報徳の教えの核になるものがあることは非常にありがたいことだと感じています。
我々はそれを教育実践できるかどうか、ということを問われているので、今後も生徒としっかりと歩んでいきたいと思っています。
【城戸先生】


六年制統括部長 川口 直彦 先生
II進コースは、1期生は11名、2期生は13名から始まりました
。 1期生の生徒が東京大学、一橋大学、神戸大学医学部などに進学した実績を残してくれたことで、今はいかに東京大学などに代表される大学に進学させるかを教員も学び、指導しています。
正直、我々教員も驚くような展開で、生徒が頑張ってくれているので、実績を残した素晴らしい先輩を目の当たりにしている在校生にも良い刺激となっています。
II進コースのユニークな取り組みとして、土曜日の4時間連続授業を実施しています。「中学3年間の貴重な時期に何か新しいものを取り入れられないか」、「授業中にはできない学びの機会を与えられないか」などと考えた結果、土曜日の時間を利用することになりました。内容は各教科の学習の延長なんですが、普段の授業とは少し角度を変えて、生徒参加型の授業となるような取り組みをしています。
英語科では英語劇の練習をしたり、ちょっとしたロールプレイゲームなどを取り入れたりしています。数学科では1時間の授業では取り組みにくいより発展的な問題を解く時間として、また、国語科では3分間スピーチなどの取り組みをしており、生徒の学力の底上げと学びたい気持ちを刺激するような内容を展開しています。
夏季休暇と春季休暇には学習合宿を実施しています。このときは、ホテルにこもって丸1日勉強ばかりしますが、勉強の合間の時間にマナー講習を取り入れるなどして、食事や生活面でのマナーについて学べるようになっていて、幅広い学習カリキュラムを組んでいます。
卒業生はチューター兼アドバイザーとして学習合宿にも積極的に参加してくれて、後輩生徒にとっては良い刺激となっているようです。
I進コースについては、以前は高校からの入学者との混合クラスを展開していましたが、2009年度から6年一貫制として、II進コースで確立されたノウハウを活かす形で再始動しました。
I進コースでは、毎週土曜日は3時間の学習DAYを設けていて、月1回のうち、1時間は職業観を養うため学校行事と絡めたCDEというキャリア発達教育を実施しています。
NPOの指導をもとに取り組んでいて、どちらかというとホームルームの延長という形です。
現在1年生では整理整頓というテーマで取り組んでいます。企業の方に学校に来ていただき、企業や工場の現場ではどのように整理整頓をするのか話していただきました。それを学校に応用させるとどうなるのかを生徒が中心となってディスカッションし、それを元に生徒が実践しています。社会人の方からのアドバイスをいただけることで、学校の授業とは異なる意見を聞くことができるので、生徒にとっても良い刺激になって、ものの見方に幅が出るようです。
他にも、文化祭で販売する商品選びのプレゼンテーションなどを取り込んで、実際の行事と連動させながら学びます。国際教育、平和 教育、環境学習などさまざまな取り組みを通じて、興味や関心を引き出し、生徒のモチベーションを上昇させていけるように工夫しています。
まずは、自主自立をもって自分がどういった目標を定めて、将来の進路を見据えていくのかを第一に考え、カリキュラムを組んでいます。
英語、数学、国語の3教科に関しては、習熟度別でクラス分けをしていて、英語と数学は4クラス、国語は3クラスで展開しています。
I進コースでは放課後2時間という時間を定めて、II進のコースの土曜学習DAYの平日版として取り入れていて、普段の授業とは違う取り組みをしています。
学習の日、クラブ活動の日を分け、メリハリのある学校生活を送ってもらえるようにカリキュラムを組むことで、家庭学習の時間も確保し、生徒自身が自主性をもって計画立てて学べる環境となっています。今はまだI進コースは発展的段階にあるので、生徒と教員両方の意識を高めるための一時的な選択と考えていて、将来的にはII進コースのようにクラブの取り組みの制限をなくす方向に進んでいくことになるでしょう。
II進コース、I進コースそれぞれの生徒の意識が変わっていくのに伴って、教員の意識も確実に上昇傾向にあります。定期テストでは、各教科の平均点と各教科担当者名が記入された用紙を教員間が見る機会を意図的に作っています。各教科で研修会を開き、教師個人として必要とされることについて議論し、学び、互いを刺激しあうことができています。そういう意味ではお互いを見る目は厳しいです。簡単なことではありませんが、生徒の存在があるからこそ、各教員がいろんな意味で力を付けていける試練であると前向きに捉えています。ここからさらに結果につなげていけるように、進んでいくのみです。
【川口先生】


国際交流合宿
どの研修でもホストファミリーの家に滞在し、そこから研修先の学校に通います。初めは不安の方が大きいでしょうが、信頼関係を築いていくなかで、文化の違いを超えた人間同士の結びつきやそのための礼儀・作法について深く考える良い機会となるようです。
学校の授業以外のさまざまな活動を通して生きた英語を学べるまたとない機会を大いに楽しめるプログラムとなっています。
近年では、特にイギリス語学研修の人気が高く、学年の半数の生徒が参加しています。やはり、費用の問題もあるので、現時点では希望制になるのですが、将来的にはこういった国際交流カリキュラムをよりさらに充実させ、より多くの生徒が参加できるような基礎作りができれば、と考えています。
2年の学年行事としては、全員参加の2泊3日の国際交流合宿を行っています。
2011年度は大阪大学の留学生と嬉野台生涯教育センターでキャンプをしました。参加してくれた留学生はアジア出身者が多かったのですが、話す言葉は英語です。留学生の出身国について知ったり、生徒は日本の文化を紹介したりします。飯ごう炊さんやキャンプファイヤーという取り組みを通じて留学生と仲を深め、互を知り文化を深めていきます。
実は、これまでは、イギリス語学研修に行く生徒を対象に実施していた国際交流合宿でしたが、地域社会に貢献できる人材から国際社会へ貢献できる人材を育成するためにも、全員参加型の合宿になりました。
【川口先生】