発見私学力! 大阪学芸高等学校附属中学校 水泳が好きだから何でもできる~『特技入試』で好きと学業を両立~
学業との両立をモットーに、さまざまなジャンルで生徒が活躍する大阪学芸高等学校附属中学校。芸術活動やスポーツ活動で実績があれば「特技入試」で受験することが可能で、毎年夢を追いかける生徒たちが入学してきます。
今回ココロコミュでは、幼稚園生から水泳を始め、今は世界を目指すスイマーである中学3年の椋本さんを取材しました。大好きな水泳の練習と学校生活で毎日を楽しく過ごす椋本さんの言葉からは、学校のサポートによって安心して学業と両立の日々を送っていることが伝わってきます。

Question 大阪学芸高等学校附属中学校『特技入試』とは?

スポーツや芸術活動に打ち込んできた小学生が、中学入学後もその活動と学業を両立させていくことを応援するために設けられた入試方式。この入試方式を活用して入学した生徒たちは、学内で必要な学力をしっかりつけると共に、自分のやりたいことにも夢中で打ち込み、両立させながら充実した毎日を送る。

Student Interview スタートはベビースイミング 小2から公式試合に出場

― 水泳はいつから始めたのですか。

椋本さん 0歳のころからお母さんと一緒に泳ぎ始めました。お母さんはマタニティスイミングもしていたそうで、続けてベビースイミングに通ったそうです。ただ、私自身は小さい時の記憶は全然なくて、幼稚園の年中の5歳のときに選手コースで泳がせてもらうことになって、その頃からはなんとなく覚えています。

― 幼稚園から選手コース?

椋本さん コーチが「泳ぎがいい。フォームがきれい」と褒めてくださって、選手コースに誘ってもらいました。最初は遅い時間だからと断っていたんです。でも、何回も誘ってもらって、最後は私が「やりたい!」となって、選手コースに入りました。その後、今も通うイトマンに入り、小学2年生から公式試合に出るようになりました。

― 椋本さんは平泳ぎがメイン種目のようですが、小さい頃からずっと平泳ぎを練習してきたのですか。

椋本さん いろんな種目をやってきて、大きくなってから自分の種目をある程度絞り込んで得意種目でたくさんの試合に出るんです。今は平泳ぎがメインですが、違う種目も泳いでいます。平泳ぎが好きとか得意というより、泳ぐことが好きです。

― 目標の選手はいますか。

椋本さん 同じ種目の今井月選手や渡部香生子選手が憧れです。日本選手権の水中で撮っている映像を何回も見て、自分とどこが違うのかを考えて、泳ぎを調整しています。

水泳も勉強も頑張れる学校 友だちとのおしゃべりが楽しみ

― 「特技入試」で大阪学芸高等学校附属中学校を選んだ理由は?

椋本さん 水泳と勉強と両立できることが一番です。水泳だけに集中していたら勉強についていけなくなくなりますが、大阪学芸では両立を基本として応援してくれるので入りたいと思いました。入試の面接でも、両立できるからこの学校に入りたいということを伝えたと思います。
家が近くて学校に15分くらいで着くので、小学生の時に比べて睡眠もしっかり取れるようになりました。たいてい帰宅後2時間くらい寝て、18時半から21時くらいまでスクールで練習です。眠ったぶん元気なので、たまに早く終わる時は家に帰ってから勉強します。水泳も勉強も頑張れるいい環境だなと思います。

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― 中学生になっても水泳を続けたいという思いは、強かったですか。

椋本さん やっぱり自分の中で水泳が楽しかったんです。スクールでみんなと泳ぐことも、支え合いながら応援し合うことも楽しくて、ずっと続けたいと思っていました。
泳いでいる時は、違うスクールの子も同じスクールの子も一緒になって応援してくれるんです。たとえ自分のライバルであっても応援してくれるし、反対のときは私も応援します。お互いに頑張ろうという気持ちになれるのも水泳の良さです。
タイムが伸びない時期は辛かったですが、コーチが優しく指導してくれたことでやる気がすごく出て、やっぱり自分には水泳が合うのかなと思いました。

― 学校生活はどのように楽しんでいますか。

椋本さん 学校では水泳のことを忘れています。休み時間は友達とずっとしゃべっていて、それを楽しみに学校に来ています。みんながすごく仲良くしてくれるし、授業もおもしろいです。帰りも友達としゃべりながら帰ります。水泳の応援もしてくれます。

― 水泳と学校生活を両立するための勉強法や工夫を教えてください。

椋本さん 最近は休み時間にわからないところを友だちに聞いて、わかるまで教えてもらうことが多いです。家に帰ったら復習しています。

自分を追い込んだら結果が出る しんどい練習が好き

― 周りからの応援が大きくなると、プレッシャーにはなりませんか。

椋本さん 中学校になってからは体が変わってきて苦労することもありました。でも、何かひとつ変えたらタイムも伸びてくると思って、筋トレを始めました。小学生の頃は、「成長期だからまだ早い」とお母さんに言われてやっていなかったのですが、中1でタイムが伸びなくなったときに「何かひとつ変えよう」と思って筋トレを始めてみたら変わってきました。

― 泳ぐだけでも筋肉はつくと思いますが、やっぱり筋トレで違うんですね。

椋本さん 水の中は軽いから、陸より筋肉が付きづらいそうなんです。それで、陸でしっかりトレーニングをすることにしました。今は、懸垂や体幹トレーニングを中心に取り組んでいます。

― そういった筋トレや練習メニューは自分で考えるのですか。

椋本さん 自分が足りないと思ったところを自分で見つけて、それをしっかりやっていきます。私、しんどい練習が好きなんです。自分を追い込んだら結果が出るから(笑)。

― しんどい練習とはどういう内容?

椋本さん 練習では200メートルとか400メートルとか長距離をショートサイクルで泳いで持久力をつける練習がしんどい練習です。練習は毎日違っていて、試合前は軽く50メートルとか25メートルを何回か泳ぐのですが、試合までまだまだ時間がある時は、持久力の練習やスピードを上げる練習をしています。
でも今は、練習の苦しさよりも、水泳をやめたら学校だけになってしまうことのほうが嫌です。プールの友達も仲良くて支え合っているし、何より泳ぐことが好きなんです。だから後悔をしないように練習を真面目にして、自分に足りないところを鍛えて、次につなげるようにしています。

目標は世界一 上達の秘訣は水泳を好きでいること

― そうやって努力することは、水泳だけではなく自分自身も成長させているのでは?

椋本さん 小さい時はライバルを応援もしたくないし、負けたくない気持ちが強くありましたが、今は応援してもらえることが嬉しいし、自分も応援しようと思います。
勉強面でも、中学に入って少し時間に余裕が持てているから、「今日は何時まで頑張ろう」と自分でしっかり決めてやれるようになりました。

― 水泳も学業も強い気持ちを持っていないといけませんね。

椋本さん 強い気持ちはそこまでありませんが、水泳が好きだから何でもできるという感じです。

― 今後の目標を教えてください。

椋本さん 目標は世界一になることです。そのためには練習も大事だけど、人間としてやるべきこととやってはいけないことをちゃんと見分けることが大切だと思っています。

― 水泳が上達する秘訣は何かありますか。

椋本さん やっぱり水泳を好きでいること。そして、自分が足りないことをしっかりやることだと思います。