【同志社女子中学校・高等学校】
花の日礼拝~花のように豊かな心で“届ける人”になる~

発見!私学力 同志社女子中学校・高等学校 花の日礼拝~花のように豊かな心で“届ける人”になる~
1856年にアメリカのマサチューセッツ州の教会で、牧師のC.H.レオナルドが6月の第二日曜日に行った特別礼拝に由来する「花の日」。同志社女子中学校・高等学校では6月の第二金曜日に一人一人が持ち寄った花や、献金で購入した花を愛でながら礼拝を守ってきました。また、2003年からは礼拝後に高校1年生が教会や病院、社会福祉施設など24か所の施設に花束を持って訪問し、「花の日」の喜びを分かちあっています。同校の花の日礼拝の様子と宗教部主任として生徒を見守る聖書科教諭の生田先生を取材しました。

花の日礼拝の1日

花の日礼拝・奨励

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豊かな花々が咲きそろい、緑がいよいよ萌えたつ6月。色とりどりの花が放つ瑞々しい香りに包まれて特別礼拝が行われました。
壇上を彩る花々は、前日から宗教部の生徒や教員が中心となって準備。パイプオルガンの伴奏で賛美歌を歌い、聖書を朗読し祈りを捧げた後に、講師の方の奨励(お話)があります。今回の講師は日本基督教団牧師で日本バプテスト連盟医療団牧師・チャプレンの宮川裕美子先生でした。

花束準備

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礼拝の際に壇上に飾られていた花々は、在校生・卒業生の父母の方による「花の会」の協力も得て、高校1年生の手でたくさんの花束へと生まれ変わります。簡単な手順や保水の説明は生田先生からありますが、特別に花束を作る練習をしたわけではありません。午後からの訪問施設ごとに班分けされた生徒たちが、受け取ってくれる方を想い、花を選び、ラッピングまでていねいに手がけていきます。花だけでなく大ぶりなグリーンも上手に生かすことができるか、美的センスも試されながら、たくさんの花束ができていました。

施設訪問

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昼食を済ませたら、各班で訪問先へと出発します。訪問先は、病院や養護施設、老人ホーム、障がい者施設、保育園、保育所、児童館など全部で24か所。どこを訪問するかは生徒自身の興味や住んでいる地域などに合わせて希望選択制となっています。班長は訪問先への代表挨拶、副班長は班の点呼、会計は移動時の交通費管理を担当。生徒たちは、それぞれの想いを胸に出かけていきました。

Teacher Interview 花は美しく、 花を届ける人は もっと美しく

生田 香緒里先生
宗教部主任/聖書科

相手を想い
自分たちも楽しく

― 入学してから初めて「花の日」を知る生徒も多いのではないでしょうか。

生田先生 そうですね。花の日はアメリカのある教会で始まりました。この日を「子供の日」「シャロンのばらの日」と呼ぶ教会もあります。一人ひとりの子どもに聖書と美しい花束を贈って祝福したそうです。日本でも明治時代の中頃から礼拝が守られるようになり、本校でも古くからこの行事をとても大切にしていることを伝えています。

― 礼拝では毎回、奨励があるのでしょうか。

生田先生 講師は、礼拝の後に高校1年生が訪問する教会や病院、社会福祉施設の関係者の方にお願いをすることが多いです。社会や他者のためにできることを考え、気づくきっかけになるのではないでしょうか。また、自分の訪問先以外を深く知る機会でもあります。

― 花束をつくる姿が、皆さんとても生き生きと楽しそうでした。

生田先生 生徒たちには「もらった人が嬉しくなるものをつくってね」と伝えていますが、つくっている本人も楽しめるところがいいですよね。また用意した切り花は全て使い切るということも徹底しています。命あるものを粗末にしない、全てを生かすということにもつながりますから。自分本位に花を選んでしまうと、うまく使い切ることができなくなると思いますが、コミュニケーションを取りながら、自分よりその花を必要としている友達に「これも良いんじゃない?」と譲ることができる生徒たちの優しさが嬉しいですね。

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― 校外で活動をするのが高校1年生というのは、何か理由がありますか。

生田先生 20年ほど前までは、有志で8施設を訪問していました。どこかの学年全員で取り組みたいと考えた時に、各訪問先までの移動や、訪問先での自主的な行動を任せることができ、生徒自身の興味や成長のタイミングに最も適しているのが高校1年生だと判断しました。必ず1班に1~2名、引率の教員が付きますが、徒歩圏内もあれば、公共交通機関や車に分乗して遠くまで赴く班もあります。本校では中学生でも現地集合の校外活動があるので、そうした積み重ねも役立っているように思います。

― 高校1年生以外はその時間どんなことをしていますか。

生田先生 中学生は全学年揃って人権福祉の講演を拝聴しますし、高校2年生は高齢者福祉についての講演を拝聴します。高校3年生は車いすバスケットボールの選手との交流を体育館で行うなど、学校全体で貴重な経験をさせてもらっています。

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花よりもなお喜ばれる
訪問先のふれあいで学ぶこと

― 訪問先ではどのような交流が行われるのでしょうか。

生田先生 班長が代表して挨拶をし、皆が持参した花束を贈呈します。そのあとは訪問先によって全く違うのですが、老人ホームで合唱の披露、保育所では小さな子どもたちと一緒に遊ぶこともあります。また、施設の職員の方の案内で施設内を見学させていただいたりします。何らかのお手伝いをさせていただくこともあるのですが、それがきっかけで秋の収穫感謝の日に施設再訪を有志で希望する生徒も少なくありません。

― 訪問後も交流が続くのですね。学内でのフィードバックは何かありますか。

生田先生 生徒たちが一生懸命かわいく、素敵に仕上げた花束を訪問先の人たちが喜んでくれたこと、そしてそれ以上に自分たちの訪問を心待ちにしていてくれたことに感動するようです。また、各施設で逆に歓迎の出し物を披露してもらうこともあるようで、それも嬉しかったといいます。後日、代表者6名が報告礼拝で全生徒の前で話をするので、訪問先の人との触れ合いで学んだことや得たものを全体で共有できるのも大きな特徴です。

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― 花の日礼拝を通して、学ぶことはとても多そうですね。

生田先生 実際に福祉や保育の現場で働きたいと考えている生徒もいるので、単に宗教行事としてだけでなく、学びの場と捉えている生徒もいるかもしれません。そういった意味では、人とどう出会い、何が自分にできるのかを体験する機会でもあります。本校の花の日礼拝は「広い心を持った生徒たちが、そのままの美しい心で信仰に導かれるように」との願いが込められた行事ですので、誰かを想い、花を束ねたこの日の楽しく幸せな気持ちを忘れずに、社会や他者の心に花束を届けられる女性になってくれればと思います。

 

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