大阪学芸中等教育校
先生に聞こう!平下心先生インタビュー

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先生に聞こう 大阪学芸中等教育校 平下 心先生

平下 心先生 Profile
大阪学芸中等教育校の体育主任と中学2年生の担任を受け持っている。幼少期から水泳を始め、競泳の選手として活動。現在は教職と並行してトライアスロンの選手として国内・世界を舞台に活躍中。毎日、片道約1時間をロードバイク(トライアスロン用の自転車)で通勤している。
Chapter1

先生になる=体育の先生になる

平下先生
ココロコミュ
先生になろうと思ったのはいつ頃ですか。
平下先生
中学2年生の頃、体育科のサバサバしている素敵な女の先生が担任だったのですが、この先生みたいになりたいなと思ったのがきっかけです。その時から一直線に体育の教師を目指してきて・・・と言うとカッコいいですが、私にはその時から色んな意味で体育しか選択肢がなくて(笑)、先生になるということは必然的に体育の先生を意味していましたね。
ココロコミュ
アスリートとしては、いつ頃からどんな活動をしているのですか。
平下先生
2歳から水泳を始めて、ずっと競泳をしていました。社会人2年目に、前任校の大阪学芸高校の体育の男の先生に、海で泳ぐオープンウォータースイムという競技に誘われました。海で泳ぐのは怖かったのですが、1回くらい出てみようかと参加したところ、男女一斉にスタートする中、1番でゴールしました。これは面白いぞと思い、それから真剣に競技に取り組んで、2008年の北京オリンピックを視野に入れた2006年の日本選手権で日本一になりました。でも、男子の優勝選手はその後、世界大会に行ったのに、私は連れていってもらえなかったんです。
ココロコミュ
えっ!どうしてですか?!
平下先生
そう、その「どうして」の理由が結局わからなくて…。たぶん私が無名だったからなのかなと思います。日本一になってもこれでは、いつまでたっても上には行けないぞと思い、オープンウォーターでオリンピック出場を目指すことはやめましたが、水泳は続けていました。それからしばらくして、大阪の舞洲にトライアスロンの大会を観に行く機会がありました。泳いで、自転車に乗って、走って…なんて過酷な競技だろうと驚きました。でも、同時にこれなら勝負出来るかもしれないとも感じ、次の日にはロードバイク(トライアスロン用の自転車)を買いに行き、始めてしまったんです。
ココロコミュ
では、その時から片道1時間のロードバイク通勤になったわけですね。
平下先生
そうです。5年前、29歳の時からですね。授業の準備や担任の仕事を考えると、練習に割ける時間はそこしかないと思い、通勤をロードバイクにしました。距離よりも暑さ・寒さが辛いですが、負けるものかと思って、雨の日以外はずっと継続しています。
Chapter2

どんなにしんどくてもリセット!

平下先生
ココロコミュ
教師としての自分とトライアスリートとしての自分は、常に共存しているのですか、それとも切り替えるのですか。
平下先生
切り替えますね。教師の立場は伝える、後ろから支えるという感じですけれど、競技者としては自分が前に出ていく感じなので完全に別物です。スーツと競技ウェアを着替えることや学校の敷地に入ることで完全にスイッチが切り替わりますね。どんなにしんどくても、不思議とリセット出来て、両方とも頑張れます。
ココロコミュ
なんだか1日を2回生きているみたいですね。
平下先生
確かに!それぐらい生きている感覚です。生活時間がとにかく足りないです(笑)。
ココロコミュ
教職とトライアスロンの両立は大変だと思いますが、それぞれの魅力はどういうところですか。
平下先生
本校で教師をやっていると6年間かけて生徒と向き合えるので、最初は10言って1やってくれるかどうかだったのが、最後は1つ言えば10やってくれるような成長や、生徒の喜ぶ姿を目の当たりにできるのが何よりの魅力ですね。トライアスロンの魅力は、ゴールをするだけで必ず何か得られるものがあるところです。満足感や達成感だけでなく、次へのステップが常に見つかると思います。教職とトライアスロンの共通部分は、根気強く取り組むことで得られる面白さかもしれません。
ココロコミュ
共通する面白さを見つけたターニングポイントがあったのですか。
平下先生
体育教師としてはギャップがあるかもしれませんが、かなり前に今と同じく中学2年の担任をしていたことがあります。コーラスコンクールのピアノ伴奏をする生徒がいなくて、「もし先生が弾けたら、みんな頑張るよね?」と伴奏をかってでました。私も生徒も必死で練習して、一緒に舞台に立ってやりきった時に、生徒との距離が少し近づいた気がしました。その時は惜しくも準優勝でしたが、もしかしたら優勝するかもというくらいまで、自分たちが満足のいく出来で、クラスが一体となる面白さを味わえたのが印象的でした。
Chapter3

一生懸命は伝わる

ココロコミュ
教師としてのモットーを教えてください。
平下先生
担当教科ですと、「運動が苦手でも体育は好き」な生徒を増やしたいと思っています。例えば、いま、マラソンの授業をやっているのですが、生徒のモチベーションを上げるためにはどうしたらいいか、常に考えています。大会の成績だけでなく、毎授業の順位を掲示したり、順位に関わらず少しでもタイムが良くなったら声がかけられるようにしたりしています。そのためには誰よりも一人ひとりの生徒を見るように心がけています。
平下先生
廊下に張り出されている、各学年の毎授業の練習ランキング
ココロコミュ
では、競技者としてのモットーは何でしょうか。
平下先生
何事も続けるということです。続けてきたから今の自分があると思うので、すぐに諦めるのではなくて、とにかく出来る限り「続ける」ということですね。私が生徒たちに見せられることといったら、教師をしながら競技者としても頑張っている姿や、ピアノ伴奏のように一見できなさそうなことにも挑戦する姿なのかなと思います。「先生がやってるんやったら、やろうかな」「先生に負けてられへん」と言って勉強に取り組んでいるのを見ていると、口頭でやりなさいと言うよりも伝わることもあると感じます。
ココロコミュ
生徒の頑張る動機になっていると思うと、教師としても競技者としても張り合いがありますね。
平下先生
試合から帰ってくると「どうやった?」と訊いてくれるし、報告をしたら素直に喜んでくれます。保護者の方とお話をしていると、「自分の学校生活については話さないのに、先生が凄かったってことだけは教えてくれるんですよ」と言っていただけるので、それがコミュニケーションになるならばいいことだなと思って、私も喜んでいます。教師が一生懸命やっていると生徒たちも理解を示してくれます。そして自分たちもやる時はやらないといけないなということもわかっていくみたいですね。私は、やる前から「できない」と言うのが嫌いなのですが、そういう心意気も伝わればいいなと思います。
Chapter4

次なる課題は英語力?!

平下先生
シカゴで行われた世界トライアスロン選手権大会グランドファイナルでの勇姿!
ココロコミュ
昨年9月にシカゴで行われた世界トライアスロン選手権大会では日本人トップタイムでゴールするなど海外大会での活躍も目立ちますが、語学も堪能なのですか。
平下先生
シカゴの時は1週間くらいの大会だったのですが、ちょうどシルバーウィークで祝日が重なったので、あと数日だけお休みをいただいて、出場してきました。これも私立だからこそ両立できるありがたいことだと思います。語学については、英語だけでもちゃんとしたいと思っていて、もう本当に必要に迫られているのですが、その時間が費やせてなくて、9月の大会でも語学の重要性を痛感したところです。
ココロコミュ
何があったのですか。
平下先生
競技中に外国人の審判にすごい勢いの英語でまくし立てられ、ナンバーを控えられてしまったのですが、単なる注意なのか2分間待機のペナルティを受けなければいけないのかがわからなかったんです。実際は注意だけでペナルティではなかったので待機をしなくて良かったのに、海外まできて失格になるよりはマシだと思い、自分からペナルティエリアで2分間待機したというわけです。
ココロコミュ
れでも日本人トップタイム、世界10位のゴールでしたが、それを聞いた生徒の皆さんは「その2分のロスがなかったら先生は何位やったん?」となりませんでしたか。
平下先生
なりましたね。でも、競技のifは言い出したらキリがないので、自分自身はそこまで「あの2分がなければ…」とは思っていなかったですし、貴重な経験をしたという気持ちの方が強かったです。ですが、自分にとってはもちろん、生徒に語学の勉強の重要性を伝えるには十分すぎる出来事でした(笑)。
Chapter5

自分の背中で伝えられる存在

平下先生
ココロコミュ
現在取り組んでいることや、今後の目標を教えてください。
平下先生
トライアスロンに関しては、2016年の国体出場を目標にしているのですが、それと同時に、国体の大阪の代表の監督をしたくて、その監督の免許をとるための講習を受けています。監督兼競技者として、さらに今一緒に練習をしている本校の生徒も代表選手として出場するというのが目標です。学校では行事に関わることが多いので、いかに生徒が楽しめるように組めるか、それが今は全てです。また、そういった行事に一生懸命取り組んだらそれが何より楽しいということを教えたいですね。ふざけていてもそれなりに楽しいかもしれませんが、真剣にやったらどれだけ楽しいかということを知ってほしいと思います。
ココロコミュ
ココロコミュの読者に向けてメッセージをお願いします。
平下先生
本校は6年一貫校ということで、環境的には先輩から教わることが多いと思いますし、先輩の背中を見て育つ環境だと思います。何に対しても一生懸命取り組む姿勢というのは、先輩を見ながら学んでいくので、こうやったら楽しいんだとか、あそこまで成長するんだとか、そういうことを見ることができるのが特徴だと思います。本校の入学者はもともと素直な生徒が多いのですが、高校生になって外部から新しい生徒が来るわけでもないので、自分たちのコミュニティの中で成長しつつも、素直な良さは残したまま卒業していく生徒が多い印象です。そういう素直な生徒と向き合う教師として、私は、口で言うよりも自分がやって見せて、限界を決めずに頑張ったらここまでいけるよというのを自分の背中で伝えられる存在でありたいと思います。そして他にもそういう先生たちが大勢いる学校だと思います。

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