
キャリア教育の目的は
「少し先にある広い世界」を見せること


具体的な企画として、2015年12月に行った「京都大学講演会」があります。これは洛南から京都大学に進学した先輩、および京都大学で教鞭を取っている先輩に講演をしてもらい、現場で彼らの「ナマ」の声に触れる取り組みです。附属中学の3年生と「空パラダイム」(内部進学生)の高校1年生を対象に、京都大学の時計台百周年記念ホールを借りて行いました。まさにオール洛南の京大イベントです。京都大学の全学部生に参加してもらうことを目標に、卒業生名簿はもちろんFacebookなどSNSも利用して多くの卒業生に協力を依頼しました。たくさんのOB・OGが「後輩たちのためなら」と賛同してくれたおかげで実現した企画です。




この講演会がなければ卒業生と間近で接する機会をもてなかったと思うので、本当に参加してよかったと思いました。私は志望する学部が決まっており、その学部の話だけ聞けばいいかなと思っていましたが、全学部の話を聞いてそれぞれの学部の魅力がわかりました。さらに他学部と比べたことで、志望学部に入りたいという想いがより強くなりました。そういった意味でも有意義でした。


キャリア教育のねらいと
共通する海外語学研修


はい。イギリスでの語学研修は厳密にはキャリア教育ではありませんが、より広い学びの世界を見せる、生徒たちに刺激を与えるという意図はキャリア教育と同じですね。2016年3月に行ったこの語学研修は、内部進学を希望する中学3年生を対象にしました。内部進学ならではのゆとりを生かし、受験勉強の先を見据えた進路に生かせる経験をさせたいと考えたからです。




第一に、希望者が全員参加できることです。人数を限定したり、英語力で選抜したりという条件は設けていません。希望する生徒全員に海外で生きた英語に触れる経験をしてもらいたいからです。
次に、プログラムが非常に盛り沢山であることです。観光やホームステイはもちろん、英語でプレゼンテーションを行ったり、地元の学生とスポーツをしたり、ショッピングをしたりなど、いろいろな体験ができます。せっかく学校で企画するのだから、個人ではできない経験を提供したいと考えています。



与えられた課題をこなすだけの受け身の研修になるのは避けたかったので、生徒が能動的に取り組めるプレゼンテーションを考えました。日英文化の比較をテーマに出発前に概要を考え、画像など必要なデータを準備していき、現地で内容を精査したり、わかりやすい伝え方を検討したりしました。発表当日はホームステイ先のファミリーも見学に来て、総勢50名ほどのイギリス人の前でプレゼンをしました。ほとんどの生徒が非常に緊張していましたが、内容に合わせて衣装を用意したり、英語で漫才をしたり、面白いジェスチャーをしたり、全員が本当に頑張りました。現地の人たちにもとても好評でした。



日本とイギリスの文化の違いです。例えば日本では食事も団らんもリビングで楽しむ家庭が多いと思いますが、イギリスでは食事はキッチンでとり、団らんはラウンジですると明確に分かれています。そういった文化の違いを知り、お互いに理解し合えたことがよかったです。




より知的好奇心を刺激する
キャリア教育をめざして



実現したい取り組みは本当にたくさんあります。その1つとして、大学内の施設見学や卒業生の研究室訪問など、学問や仕事の現場を生徒たちに見せたいという企画を考えています。セキュリティの問題があるので難しいかもしれませんが、これはぜひ実現させたいですね。本校は、生徒の進級と共に担任も持ち上がる仕組みです。そのため年を追うごとに生徒たちへの愛情が自然と深まって、「生徒たちによりよい経験をさせてあげたい」という想いが強くなり、それが新しい取り組みにつながっているのだと思います。これからも生徒により面白い学びの世界を見せられるよう、頑張っていきたいと思います。
洛南高等学校附属中学校
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