京都橘中学校・高等学校
私学図書館ツアーズ

読書を身近にする自由で楽しい図書館 私学図書館ツアーズ 京都橘中学校・高等学校

入口前には自習ができるブラウジングコーナーが広がり、学習と情報収集がフラットにつながる京都橘中学校・高等学校図書館。蔵書数は約4万冊。グラウンドが見下ろせる明るい館内には、常に多くの生徒たちが集まり、読書を楽しんだり、勉強をしたりとそれぞれの時間を過ごしています。英語の多読用のリーダー本が豊富に揃い、授業の課題対策も万全。また、幅広いジャンルの特集コーナーが設置され、生徒たちに読書のきっかけを提供しています。誰もが気軽に本に手を伸ばせる、親しみやすさにあふれた図書館を紹介します。

STUDENTS INTERVIEW 本は自分のペースで読むことができる!本は自分のペースで読むことができる!

写真右より Tくん [高校2年 Sコース 図書部副部長] Mさん[高校2年 Vコース 図書部部長] Hさん[中学2年 Vコース] Yくん[中学2年 Vコース]

高校生の二人は図書部とのことですが、図書部は図書委員とは違うんですよね。
どのような活動をしているのですか。

【 Mさん 】
図書部は生徒会の執行部の中の図書担当です。図書委員会は各クラスから2人選ばれて、クラスに図書館の活動などを広めてもらったりします。
【 Tくん 】
活動としては、図書委員会を開きます。普段は、図書館のカウンター当番の割り振りなどいろいろな決めごとをしています。
【 Mさん 】
ほかにも7月に「ブックバイキング」といって図書部員と希望した図書委員で、新しい本を自分たちで選んで学校に買ってもらいます。

図書部の面白さややりがいはどんなことですか。

【 Tくん 】
企画をやるときですね。
【 Mさん 】
去年は、クラス別で「読書競争」という企画をやったんです。やはり高校生になるにつれて本を読まないので、頑張って参加してもらうために景品もつけました。中学生はすごく盛り上がってくれました。
【 Hさん 】
去年の中1のクラスでは、いつもより2~3倍の本を読むようになっていたと思います。中1で図書館にも慣れていなかったし、あまり行かない人も多かったのですが、そういう企画があったから思い切って図書館に行けた人が大勢いました。
【 Yくん 】
僕もいつもより読書量が増えました。

Tくん
Tくん

Mさん
Mさん

では、京都橘の図書館のおすすめできるところを教えてください。

【 Tくん 】
学校には自習できるスペースが多いのですが、図書館だと大きな机のほかに個人で勉強できる一つずつ囲われたキャレルデスクがあって1人で集中したいときには役立ちます。自由席なのでテスト前は取り合いになるほど人気ですが、追い込みたいときは、たいてい使いますね。
【 Mさん 】
本がとにかく多いので、自分が今まで好きだった作者以外にもいろいろな作品と出会えるところがいいです。自分が興味のなかったジャンルを読んでみて、意外な面白さを発見したりすることも多いですね。あちこちにある特集コーナーは特にそういう機会を与えてくれるので、たくさんの本が読めています。
【 Hさん 】
私は社会の地理の勉強で、よく図書館を利用するのですが、勉強に役立つ本がたくさんあります。パソコンも使いますが、インターネットでは出てこないような細かい情報も本にはいろいろ載っているし、それが何冊もあるので、そこから情報を厳選する力も付きます。あと、クラスの一部ではやる本があったりすると、たいてい図書館で借りることができ、読む機会が増えるところがいいです。
【 Yくん 】
たくさん種類があるので本もよく借りますが、DVDで映画を見られるところも図書館の良さです。

今日は本が好きな人が集まってくれていると思うのですが、
読書の魅力は何だと思いますか。

【 Hさん 】
やっぱり国語力が少しずつ付いてきます。国語の先生が、自分の好きなジャンルを読むのもいいけど、自分が好きなもの以外のジャンルも読めば、もっと国語力がつくとおっしゃっていました。いろんな本を読むようになって、知らなかった漢字や知らない表現が少しずつわかって国語力につながっている気がします。それに最近はアニメや漫画のノベライズ版が増えているので、マンガしか読まなかった人が長文を読むきっかけにもなります。私も小学生のときは漫画ばかり読んでいたので、そういう読み方も楽しいかなと思います。
【 Yくん 】
ネットより深くわかりやすく情報を知られるところが読書の良さだと思います。調べ物をしているときにすごく実感します。社会の授業で中部地方について調べているんですが、自分が調べている以外にもプラスして情報を得られたりするんです。本の方がどんどん世界が広がっていきます。
【 Tくん 】
本は自分のペースで読むことができます。今はゆっくり読むようにしていますが、中学生のときはいっぱい本を読むことがいいと思い込んでいて、1日2冊とか読んでいたんです。でも、それでは全然頭に入って来ませんでした。テレビは時間が決まっていて画面に流れているものを見ているだけですが、本は自分が早く先に進みたいと思えばどんどん読み進めていくことができるし、「あれって何だったんだろう?」と思えば読み返すことができます。自分でそういうことが簡単にできるところが、本の良さだと思います。
【 Mさん 】
小説を読むことが多いのですが、そうすると国語の教科書の物語を読んでもすごく想像ができるんです。いつも本を読んでいてよかったと思うことです。

Yくん
Yくん

Hさん
Hさん

それぞれのおすすめの本とポイントを教えてください。

【 Tくん 】
最近読んだ中で特に面白かったのが、森見登美彦さんの「四畳半神話大系」です。選んだ部活が分岐点になって人生が変わってしまうという内容で、同じ人の4つの話が描かれています。4つの話は登場人物が同じで、同じ文章が出てくるのですが、その文章をどの時間帯に持ってくるかということがすごく考えられています。「ここに持ってくるのか!」と思いながら楽しく読みました。
【 Hさん 】
私は、同じ、森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」です。映画化されたので映画を見終わってから読んでみたのですが、映画とは話の進み方がだいぶ違いました。原作は春夏秋冬で構成されていて、映画は一夜でまとめられているんです。だから同じ話ですが、本は全然違う世界を楽しめました。
【 Yくん 】
池上彰さんの「知らないと恥をかく世界の大問題」です。テレビを見ていてわからないこともその本ではわかりやすく書かれていて、疑問もなくなります。池上彰さんの本はわかりやすいのでよく読みます。
【 Mさん 】
山田悠介さんの「アバター」がずっと好きです。初めて携帯電話を持った子が、キャラクターを1から育てていくことにはまり、たまたまレアアイテムが当たったことで、最後は自分の顔を整形してまで頂点に上り詰めていく話です。そこに行くまでの女同士のギスギスした感じや、どっぷりはまってしまうところに共感できます。

京都橘中学校・高等学校 生徒のおすすめ本

四畳半神話大系 (角川文庫)
森見登美彦
角川文庫

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見登美彦
角川文庫

アバター (角川文庫)
山田悠介
角川書店

壁を取り払って、読書を身近に

写真左より 重村京子先生[図書主任・英語科教諭] 阿部美紀さん[司書]

京都橘中学校・高等学校の図書館の特長を教えてください。

【 重村先生 】
総合学習や国語の授業などで、パソコンと本の両方で調べるなど、生徒は図書館をよく活用しています。入口に雑誌があるため、空き時間に利用する生徒も多いですね。自習スペースはテスト前にはほぼ埋まりますから、落ち着いて勉強できるスペースでもあるんだと思います。生徒にとっては身近で入りやすい場所ですね。図書館と職員室が近いので、教員が来て本を借りていくことも多いです。
【 阿部さん 】
図書館内ではいろいろなところに特集コーナーを作って、生徒の目に止まるようにしています。来れば何かひっかかるものがあり、情報が得られる場所だったらいいなと思いますね。高校生は本を読まない生徒が多いのですが、ちょっとでも興味を持つ本が目につけば、そこから図書館を利用して、読書に興味を持つこともあると思うんです。たとえ今読まなくても記憶に残っていて、「そういえば図書館でこんな本見た!」「そういえば特集していた!」と思ってもらえたらいいなと思います。

図書館の利用は増えていますか。

【 阿部さん 】
英語科で多読を推進していて、毎週読んだ本と簡単な感想を提出する課題があるので、その利用者は増えています。そういったことがきっかけで英語の本だけでなく、他にプラス1冊借りる人もいて、やっぱり来てもらうことが大切だなと思います。課題はいい刺激ですね。

学校としては、読書教育として何か取り組まれていますか。

【 重村先生 】
朝のショートホームルームの時間に、朝読書として自分の好きな本を読んでいます。学年ごとに取り組み方には違いがありますが、朝の10~15分に生徒も教員も本を開きます。理想は学校中が静かに本を読んでいる時間を作って、落ち着いた1日をスタートさせることですね。これに取り組むと、1時間目の生徒の雰囲気が違います。

中高時代に読書をすることの良さは何だと思われますか。

【 重村先生 】
自分の興味があるものを読んで、自分の可能性を広げるという意味では、読書はとてもいいことだと思います。図書館に来れば、「こんな本があるんだ」という発見もあると思いますし、どうやって本を選んだらいいかわからない生徒も多いようですが、難しく考えないでまずは読んでみることが大切だと思います。
中1では、それぞれが選んだ本を2分ずつぐらい読んで、自分の好き嫌いを5段階で評価して隣の人に回すという時間を、総合学習の授業でとるんですね。ちょっとずつ読むだけで「自分はこんなことに興味があったんだな」と発見しますし、何でも手にとってみて「あ、おもしろい」と思えることを自由にやる楽しさを知ってくれたらいいなと思います。読書に対する固い考えの壁を取り払って、読書が身近になってくれるといいですね。

京都橘中学校・高等学校 先生の書評

陰翳礼讃・文章読本 (新潮文庫)
評者名:足立祐子先生
所属:中学2年担任
担当教科:国語
書籍名「陰翳礼讃・文章読本」
著者名:谷崎潤一郎
出版社:新潮社

私は小さい時から本が大好きでした。4歳上の兄も本好きだったので、家にはさまざまなジャンルの本がたくさんありました。小学3年生の時に母に薦められて読んだヴィクトル・ユゴーの「ああ無情」。主人公のジャン・バルジャンがマリウス神父と出会い、正しい道を歩む姿にとても感動し、何度も繰り返し読んだことを覚えています。
そんな私が高校生の頃に読み、心惹かれた本を今回はおススメします。それは谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」です。この随想文の最後には「既に日本が西洋文化の線に沿うて歩み出した以上、老人などは置き去りにして勇往邁進するより外に仕方がないが、でもわれわれの皮膚の色が変らない限り、われわれにだけ課せられた損は永久に背負って行くものと覚悟しなければならぬ。(中略)私は、われわれが既に失いつつある陰翳の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。」とあります。これを読んだときに、自分が日本人であることを再認識するとともに日本の伝統美の本質とは何かを考えさせられました。谷崎が語る伝統美の世界をぜひ楽しんでみてください。

 

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