大阪体育大学浪商中学校
校長インタビュー

大阪体育大学浪商中学校 発見!私学力 社会人基礎力の基礎を育む学校
文武両道の精神を大切にした6年一貫教育で、生徒の個性や可能性を伸ばしていく大阪体育大学浪商中学校。将来の礎となる充実した授業、整った環境で打ち込める部活動、豊富なメニューが揃う行事を通して、未来へつながる人間力の育成が同校の大きな魅力です。3年前より中高の校長として生徒を見守られている清水俊彦校長に、同校が目指す教育や今後の展望について、話をうかがいました。

挫折や逆境に耐える力、そこから抜け出して前に一歩進む力を

――清水先生が考えられる大体大浪商の教育の強みは何でしょうか。
清水先生 高校があと4年で100周年、中学校があと2年で50周年を迎える本校は、大阪体育大学と冠についていますので、中学校も高校もクラブ活動が盛んに行われています。部活動は挫折や逆境に耐える力、またそこから抜け出して前に一歩進む力を養い、そういう場面が何度か訪れる中で成長していけるという大きな強みもあります。今、よく言われている未来型の学力の三要素のうちの「主体的に学習する姿勢や恊働の精神」は、当然勉強面でも培われるものですが、本校の場合は部活動や行事を通しても自然と生徒たちに養われていくだろうと思います。
――部活動は学校によってさまざまな位置づけがあるかと思いますが、やはり貴校では重視されているんですね。
清水先生 そうですね。中学校には、「Ⅰ・Ⅱ類コース」と「標準コース」の2コースがあります。「Ⅰ・Ⅱ類コース」は国公立大学や有名私立大学を目指し、勉強にウェイトを置いていますが、7時間目の授業が終わってから部活動に参加できます。「標準コース」は、基礎学力の養成を大事にしつつ、放課後には部活動に専念できる体制を取っています。先輩・後輩の関係を作れることで生徒たちには大きな学びがありますね。

ハンドボール部
ハンドボール部

水泳部
水泳部

――大阪体育大学という冠があるので、運動が得意な生徒が集まっているイメージを持ちますが、そういう傾向はありますか。
清水先生 そういうことはないです。よく「体育の授業が高度なのではないか。うちの子供はついていけるのか」といったご相談を受けますが、体育の授業は運動神経の良さに関係なく、普通の一般的な授業です。部活動も「Ⅰ・Ⅱ類コース」の生徒が、「自分は勉強を頑張りたい」というなら、クラブ活動はしないで勉強に専念することも可能です。
部活動では初心者から全国上位を狙う者まで、それぞれのニーズに合わせた指導をしていて、春の全国大会で優勝したハンドボール部や、全国大会で上位を狙える部員がいる水泳部などトップレベルのクラブもあれば、初心者で陸上やテニスを始めたという部員もいます。

智・徳・体につながる様々な力を育成

――学校としては、6年間でどういう生徒を育てたいと考えられていますか。
清水先生 私学はどの学校も建学の精神を持って教育していると思いますが、本校には中高大共通して「不断の努力により、智・徳・体を修め、社会に奉仕する生徒を育てる」という考えがあり、それに合わせた教育目標として「自己を受容し、チャレンジ精神に満ちた生徒の育成」「メンバーシップを育み、社会貢献を目指す生徒の育成」「心身の成長を促し、生きていくエネルギーに満ちた生徒の育成」の3つを立てています。社会に出てからも、いろんなことがあると思いますが、へこたれずに前向きに生きていける人に育ってほしいと考えています。
――智・徳・体をバランス良く育てていくことを大事にされているのでしょうか。
清水先生 そうですね。説明会の時も、「体」と言うと「体」の「力」だと思いがちですが、勉強もしっかり頑張るためには「忍耐」が必要で、「耐力」にもつながります、とお話しています。生徒が将来社会で活躍するためには、智・徳・体につながる様々な力を養うことが必要です。

授業の様子
授業の様子

授業の様子

――将来、厳しい社会に出て行かなければいけない生徒たちだからこそ、学校としてきっちり鍛えるべきことがあるわけですね。
清水先生 今の中高生が社会で活躍する頃には、人口減少、超高齢化社会、経済の縮小、国際競争力の低下などが予想されています。AIの進化により仕事が半分なくなる、入れ替わるとも言われており、どんな時代になるかわからない不安の多い時代を彼らはこれから生きていかなければなりません。その中では、いろいろな能力を持っているに越したことはありませんが、逆境や悪条件の中でもしっかりと前を向いて生きていける大人に育ってほしい。そこが一番大切ではないかと思っています。
――生徒たちをご覧になっていて、大体大浪商の生徒らしい、ここは他校には負けないと思うところを教えてください。
清水先生 高校生の話になりますが、卒業後も学校に愛着を持ってくれる生徒が多いです。部活の絆も強いとは思いますがそれだけではなく、元担任のところに報告に来たり、結婚して子供ができたら顔を見せに来たりしている姿が多いことを嬉しく思います。
――在学中から先生と生徒の関係が近いのでしょうか。
清水先生 そうですね。思春期の中学生や高校生は扱いが難しい時期ですが、心根は優しい子が本校の生徒には多いと思います。先生とも良い関係を築いています。

主体的に行動できる芽を育てる行事での体験

――以前、中学のグローバル教育について取材させていただいたのですが、「英会話授業」だけでなく、「英語キャンプ」や「グアム修学旅行」といった行事での体験から、次の目標を見つけて頑張る前向きさを生徒たちから感じました。そうした体験の機会を学校では重んじられているのですか。
清水先生 できるだけそういう機会を設けて、生徒の主体性を引き出したいと思っています。行事を通して何かをやらなければならない環境に置くことで、引っ込み思案な生徒や消極的な生徒も主体的に動くようになっていきます。それを繰り返すことで、主体的に行動できる芽が育っていきます。中学生は1年生の2学期に、民泊を経験します。それは生徒たちに、小学生から中学生になったという自覚を持たせ、知らない人の家に行くことでコミュニケーション力を磨くきっかけにもなっています。
――いろいろな体験をしながら6年間を過ごすと、生徒たちは変わっていきますか。
清水先生 そうですね。中学校と高校は同じ敷地にありますから高校になっても生徒たちは同じ場所に通いますが、やはり高校生になったという意識を持って生活するのでしょう。どんどん変わっていきます。「中1の時のあの子が、高3でこんなふうになって卒業していくんだな」と、教員にとっては成長の度合いが見えて嬉しいですね。

民泊時のカヌー体験
民泊時のカヌー体験

グアム修学旅行
グアム修学旅行

――グローバル教育やICT教育など積極的に導入されていますが、今後挑戦していきたいことはありますか。
清水先生 スポーツで鍛えることも必要ですが、将来のためには知識や技能もしっかりとつけておかないと生徒自身がしんどい思いをします。その重要さをいかに伝えて、クラブ活動と同様に勉強にも主体的に本気で取り組めるか。そのための仕組み作りをもっと力を入れてやっていきたいと思っています。
グアム修学旅行
「東京2020オリンピック・パラリンピック教育実施校 ようい、ドン!スクール」の認定書
また、2020年に東京オリンピックが開かれるということで、オリンピックの組織委員会から“3つの学習”をする教育プログラム実施校として、本校が西日本で始めて認証を受けました。3つの学習とは、1つ目が中学・高校でオリンピックやパラリンピックの価値やスポーツの良さの学習。2つ目は、世界は広く多様な文化があって、それぞれにいろんな価値観があることを理解する学習。3つ目がスポーツに主体的に参加して、地域の中で貢献するというものです。部活を頑張ることもスポーツになじむことになりますし、オリンピックやパラリンピックについては、オリンピアンの方に話をうかがう機会を作りたいと思っています。
――大体大浪商らしい取り組みですね。
清水先生 他にも、本校で育みたいのが社会人基礎力の基礎です。2006年に厚生労働省から出された3つの能力と12の要素がありますが、その中の「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」は、今後の大学入試の新テストや新学習指導要領などで必要とされていることのベースになっているのではないかと思っています。記述式の答案に対する対策はできますが、社会人としての基礎力はよほど練ったプログラムを作るか、そういう風土を持ったところでしか育ちません。生徒が将来、社会で活躍するためにも、社会人基礎力の基礎を育める風土を本校で持ちたいですね。

 

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