松蔭中学校・高等学校
英検にも大学入試にも将来にも直結!
使える英語を身につける“英語指導”

1892(明治25)年の創立当初から英語教育に取り組み、「英語の松蔭」として評価を得てきた松蔭中学校・高等学校。現在、同校が英語教育において重視していることは「使える英語」。普段から英語を使う交流や授業が用意され、留学も活発で、生徒たちは自然と英語に親しむ環境で英語力を伸ばします。中学3年・高校1年に設けられている「英語特別クラス」では、将来使える英語力をつけるためのハイレベルな英語教育が行われ、他ではあまり見ることのない英語エッセイの授業を展開。英検で成果を発揮するなど、先へつながる英語力に磨きをかけます。同校の注目の英語教育を紹介するとともに、その成果や指導法について考案者の篠原先生を取材しました。
English Special Class Report
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高校1年の「英語特別クラス」は33名(2名留学中)。朝礼・終礼は、副担任のDavid先生が英語で行う。中学3年の頃は戸惑っていた生徒たちも、今では当たり前の毎日に。
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授業は篠原先生とDavid先生のチームティーチングで行われる。英語エッセイに取り組む授業は週1時間。始まると同時に英単語と構文の小テストがスタートした。
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エッセイライティングで活用できる構文の一覧を、David先生に続いて全員で発声。暗記と発声を繰り返すことで、ライティングの処理能力が大幅に向上するという。
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ライティングの前に、篠原先生から英語エッセイの中での単語の使い方について簡単な注意があった。この日の授業時間中、篠原先生が黒板を使ったのはこの時のみだった。
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今日は「1人で旅行するかパッケージ旅行するか」をテーマにした英語エッセイライティングの2回目。「同じ表現ばかり使わない」「自分の言葉を使って表現しよう」と先生に指導されながら、生徒たちは前回より良いものを目指してブラッシュアップしていく。
Teacher Interview
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篠原 弘樹先生(英語科)

「ちゃんと使える英語」「将来につながる英語」を教えたい

――2018年度からスタートする貴校の英語入試に対して、篠原先生はどういったことを期待されますか。
篠原先生 英語入試をきっかけにして、本校の特長的な英語教育を知っていただきたいですね。例えば、英語特別クラスで英語の塾に通っている生徒は数名くらいしかいませんが、英検の結果を見ると、高1の1学期の英検で準1級に3人、2級は1次試験を含めて17~18人、準2級は学年全体で50~60人は合格しています。準1級に合格した生徒の中には、中学から英語を始めた生徒もいました。英語特別クラスの生徒のほとんどが中1から英語の学習をスタートしています。
――結果の要因は何でしょうか。
篠原先生 生徒たちは普段から英語に触れることが多くて、英語が普段の生活のなかにあるという環境がとても影響していると思います。ネイティブ先生の朝礼から始まり、終礼後の掃除までもが英語でされています。また普段から留学生がやってくるなど、英語を使う機会がとにかく多いんです。それに、交換留学などに行った生徒が、一気に英語を話せるようになっていたりする姿を目の当たりにすることもあって、そうなると「私もあんな風になりたい」と本気で勉強したくなるんですね。いつでも英語が身近にあり、生徒が自分から「もっと英語を話したい」と思えて、英語を好きになっていく環境が整っていて、興味をもって英語に取り組めることが結果につながる理由のひとつだと思います。
――他にも理由はありますか。
篠原先生 英検の結果を見ると、英語特別クラスの多くの生徒が、ライティングのスコアが満点で合格してきています。英検3級以上の試験で、自身の考えをまとめる英作文が実施されますが、彼女たちは物事を分析して論理的に考えるクリティカルシンキングと、それを英文で表現するエッセイライティングを中学3年生の4月からひたすら練習しているので、簡単な英語を使える状況になっていて、英検2級のライティングの試験でさえ満点をとるんです。それで自信がつき、そしてさらに上の層を目指して頑張っています。
――篠原先生は英語指導において、そういう実践的な部分を大切にされているのですか。
篠原先生 私は英語特別クラスの担任でもありますが、単に英語を教えるだけではなく、「ちゃんと使える英語」「将来につながる英語」を教えたいと思っています。その一例が英語のエッセイライティングです。生徒たちは将来、就職活動のときに企業への志望理由が必要になりますが、そこでは会社を論理的に分析して、かつ自分の考えを伝える書き方が求められます。大学推薦入試の志望理由、小論文、そして大学のレポートも、英語エッセイと同じパターンもしくはその応用です。授業では、論理的に考えたことを論理的に表現する力を無意識に身につけさせるということを、意識的に取り組んでいます。

3つの観点から理由を考えて、
論理的に英語エッセイライティング

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まずは日本語で、頭の中で考え方の整理方法をトレーニング
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論理的に考えた日本語のエッセイが書けるようになる。
篠原先生 最初に、日本語での作文を論理的に書く方法を教えます。テーマに対して自分の考えを頭の中で整理して、主張や理由から結論までを書かせます。最初は分析の観点として「お金・時間・利便性」の3つを考えて書けば良いと教えると、「私は〇が好きです。その理由は2つあります。1つめは~、2つめは~。だからこう思います」というパターンで、論理的に文章を書けるようになります。
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論理的な考えと自分の表現で書かれた英語エッセイ
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何種類もあるエッセイ用の基本パターン集を暗記する
篠原先生 その後に英語でエッセイライティングをします。使う単語は中学3年で学ぶような簡単な英語ですが、やはり観点を考える練習を日本語でしただけでは英語エッセイは書けません。そこで英語エッセイを書くために必要な基本の構文や表現パターンを暗記させて2週間に1回エッセイ丸暗記のテストをします。生徒たちは悩んだら、暗記しているこの基本パターンを思い出して、それを応用しながら書いていきます。そしてこの方法を一貫して繰り返し行うと、基本パターンの「お金・時間・利便性」以外の観点でもどんどん考えられるようになり、英検の準1級くらいまでのライティングは対応できるようになりますね。

将来につながる英語とは
英語だけではなく、プラスアルファの力をつけていくこと

――英語特別クラスは中3からですが、中1、中2から英語力を鍛えていくのですか。
篠原先生 いえ、中1、中2はあくまで英語は簡単というイメージで楽しんで学べるようにしています。例えば中1の最初のテストは平均点を80点程度にして、英語を嫌いになる子をできるだけ作らないようにしています。だからテストは嫌いだけど、英語そのものには興味があるという子がとても多いと感じますね。
今は中2から、スカイプ英会話をやっていて、ネイティブの人とパソコン上で25分間話をすることで、本当の意味でのコミュニケーション力をも養えるようになっています。初対面のネイティブ先生と25分間もマンツーマンで話すことになるので、生徒にとってはかなりのストレスがかかります。正直、英語で交流するのには、英語を使っていくという点での度胸がとても大切になってきます。英語が分かって書けても話すのが恥ずかしいと思っていてはダメで、そこに慣れて乗り越えていかなければ対人で使える英語をものにはできません。そこに慣れて自分の英語が伝わることがわかると「もっと英語を学びたい」ということにもつながっていくんです。スカイプ英会話で英語を使う度胸とコミュニケーション力を磨き、クリティカルシンキング力をつけて資格を取得する。その2つが軸になっています。高校の授業では、英語を教えるというよりは英語のトレーニングをしているという感覚が強いですね。
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――篠原先生自身、こうした授業を通して生徒たちの成長にどのような手ごたえを感じられていますか。
篠原先生 生徒たちはこのエッセイが将来につながるということは、そこまで実感できていないと思います。生徒たちが一番実感するのは、大学入試や大学でレポートを書くときだろうなと思います。その時になって、中学3年生からトレーニングしてきたことがこんな風に活きるんだと実感するんだと思います。
――それが将来使える力ですね。
篠原先生 将来につながる英語とはいろいろな学校で言われていますが、それはいったい何なのかと思っていたんです。それに対する私の定義は、使える英語だけではなく、プラスアルファの見えない部分の力さえもつけて、将来につなげていくということです。
――こういう状況になってくると、留学や海外交流にも影響が出ているのでしょうか。
篠原先生 そうですね。留学も学校支給の奨学金だけではなく、国や地方自治体といった外部から支給される奨学金にどんどんチャレンジしなさいという話をしています。例えばニュージーランドへ留学した生徒たちは、国からの助成金を受けて行きました。1年の長期留学の生徒も外部の奨学金を勝ち取ってきました。その生徒たちは「〇〇年度 奨学生」という経歴を書けるわけですが、なぜそういった奨学金を取れたかというと、結局はこの英語エッセイライティングが中学3年や高校1年としてはよくできていると評価される部分があったからだと思います。練習して身に付けたスキルで結果を出せるのは、やはり嬉しいものです。留学に関しては、そういう部分にも結びつけています。
――まさにすべてが将来に活かせるわけですね。
篠原先生 そうですね。将来に活かせて本当に使える英語を学ぶとは、それらが全部組み合わさったものじゃないかと私は思うんです。意味が通じない英語を話すのではなく、シンプルな言葉でもちゃんと内容を伝えられる『使える英語』がまず大切で、それを使ってさらに何を身につけるかです。将来につながることを考えながら英語を指導していきたいですし、そこまで指導すべきだと思っています。
Students Message
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慈幸さん 英語特別クラス 高1
多々内さん 英語特別クラス 高1

英検の結果などを通して、
やったことが確実に身についていると実感

慈幸さん英語特別クラスは、英検の結果などを通して、授業でやったことが確実に身についていると実感でき、自分のためになるクラスだなと思っています。英検は、準1級を最近とりました。中学3年の頃は慣れなくて、難しいなとか大変だなと思っていました。今は慣れてきましたが、しっかり話を聞かないと次に進めないという不安はあるので毎回、授業は集中して聞くように努力しています。
英語エッセイは、わからない単語を自ら調べて書いたりするので、知らない間に語彙が増えていきます。書くときは、読む人に私の思っていることが明確に伝わるように、はっきりした表現を使うようにしています。将来は、英語を教える仕事か、海外で日本語を教える仕事につきたいと思っています。

英語で朝礼
朝から英語に触れる英語特別クラスは楽しい

多々内さん毎日、英語で朝礼をして、朝からたくさんの英語に触れられる英語特別クラスは楽しいです。授業スピードは速いですが、先生の説明がわかりやすいのでついていけます。英語エッセイを書くときは、難しい単語を無理に使うのではなくて、誰にでもわかってもらえるように書くことを意識しています。現代文で作文を書くときも、英語エッセイの日本語版みたいな感じで全体から考える力が役立っています。英検の点数もしっかりとれますから、英語力が身についているなと実感しますね。
受験にも英語で論文を書くことは必要なので、今から練習しているとすごく役立つし、大学でやるようなことを今からやっている気がします。将来は、国際関係の仕事につきたいので、今、英語をしっかり勉強していくことはその目標につながっていくと思います。
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生徒による英字新聞
「SHOIN TIMES」
英語に親しむ取り組みが活発な松蔭中学校。ESS部編集による英字新聞「SHOIN TIMES」では、校内の様子や制服や、先輩、神戸についての記事が掲載されています。

 

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