洛南高等学校附属中学校
数学研究部
“好き”を生かして思いきり自分を表現!
数学に夢中な生徒が集う数学研究部

男子部員が多い傾向のある理数系クラブには珍しく、部員の半数が女子という洛南高等学校附属中学校の数学研究部。主な活動内容は数学の大会への参加を目指した問題演習で、他にも自分たちで数学の問題を考えて模試を作ったり、数学オリンピック銀メダリストである洛南高校の先輩を招いてセミナーを開いたりと、様々な取り組みを行っています。数学研究会の魅力について、顧問の先生と活動の中心となっている中1、2の部員に話をうかがいました。

数学研究部のプロフィール

創部
1998年
部員数
10名(中学1年~3年)
男女比
1:1
活動日
週1回

  

洛南高校附属中学
数学研究部の魅力とは?

魅力1
魅力1
学年にとらわれず
興味のある分野を追求
面白い
魅力1
魅力1
部活では問題を解く、自分たちで模試の問題を作るなどの他に、中学3年生以下を対象とした「日本ジュニア数学オリンピック」(以下、数学オリンピック)、および広中杯(※1)への参加を目指した演習も。部員たちは自由にそれぞれ興味のあるテーマを掘り下げたり、学年を先取ってどんどん勉強を進めたり、奥深い数学の魅力を味わっている。
(※1)40歳以下の優れた数学者に与えられるフィールズ賞を、日本人で2人目に受賞した広中平祐京都大学名誉教授にちなんだ数学の能力を競う大会。

魅力2
魅力2
自分たちで考え、動く
楽しい
魅力2
魅力2
部でどんな活動をするか、内容を決めるのは部員次第という自由さ。それができるのは部員たちがきっちり自律できているからだ。自由と甘えの区別を正しくつけ、自分の意見もしっかり持っている。自ら考え、話し合い、納得して決めたことに取り組む姿は実に楽しそうだ。
魅力3
女子部員が元気いっぱい
明るい
もともと全部員の半数を女子が占めている数学研究部に、今年から中1の女子部員が3名、新しく入部した。活発に発言したり、わからない点を気軽に教え合ったりする彼女たちのパワーで、部内の雰囲気がますます明るくにぎやかになった。

「ゆえに」「したがって」を意味する、数学の証明問題などで用いられる記号。

Student Interview
部員インタビュー

部長インタビュー
数学研究部 部長 Iくん(中2)
やりたいことができて、
自分たちの可能性が拡がる
数学研究部は面白い!

数学研究部の特長は?

任せてもらえることが多く、自分たちで色々な問題や取り組みに挑戦できますが、きちんとすべきところはしっかり守るという、自由さと厳しさのバランスがちょうど良い部だと思います。数学が好きな人、自分で考えて物事に取り組みたい人、それから数学は好きだけど宿題は嫌いという人も大歓迎です。男女ともにもっと部員が増えてほしいです。

入部のきっかけは?

小学生の頃に通っていた塾で図形が楽しいと思って以来、数学が好きだったからです。

部活のどんなところが楽しい?

いろんな問題を解けるところです。僕は幾何分野が特に好きなのですが、幾何の中でも様々な問題にチャレンジできるのは楽しいです。

部長として大変なことは?

みんなが受け身でなく自主的に行動してくれるので、大変だと思うことはあまりないです。

部の目標は?

数学オリンピックに参加することです。部全体で少しでも良い成績を収めたいです。

Iくん自身の目標は?

大きな目標ですが、フィールズ賞を取ることです。日本人で受賞しているのは3人くらいなので、とても難しいと思いますが、受賞したいです。

憧れの数学者は?

インドの数学者、シュリニヴァーサ・ラマヌジャン()です。人種的な差別を受けたこともあったそうですが、そういった差別に負けず数学に没頭し、優れた業績を挙げたところがすごいと思います。
※直感的な閃きを元にした理論から天才と評され、「インドの魔術師」の異名を取った数学者

部を卒業した先輩の尊敬するところは?

きっぱり物を言えるところ。統率力がある先輩方だったので、僕もそんな風になりたいです。

Student Interview
女子部員インタビュー

女子部員インタビュー
女子部員(中1)
左から Maさん、Moさん、Wさん 
みんなで教え合いながら
取り組めるところが魅力。
息抜きのおしゃべりも
楽しい!

数学研究部の特長は?

全員 数学が好きだったことです。
Moさん 私とWさんが同じクラスで、さらに全員が同じ塾に通っていたので、自然な流れで、3人で「入ろうか」という感じで入部しました。

入部のきっかけは?

全員 数学が好きだったことです。
Moさん 私とWさんが同じクラスで、さらに全員が同じ塾に通っていたので、自然な流れで、3人で「入ろうか」という感じで入部しました。

部活のどんなところが楽しい?

Wさん 1人で勉強するのと違って、わからない箇所を教え合えるところです。
Maさん 部活前に、みんなでワーッとしゃべるのが楽しいというところも少しあります(笑)。

数学オリンピックは挑戦する?

全員 数学オリンピックは高校の知識が必要なので、今年はジュニア数学オリンピックを受ける予定です。
Maさん 中1も参加できますが、予選を通るのがすごく難しいんです。

数学を嫌いだと思ったことは?

Moさん 嫌いというか、自宅で問題を解いていて、難しすぎてつまずくことがあります。そんなときは勉強する教科を変えて気分転換をします。ちょっと時間を置くと、また数学にチャレンジしたくなるんです。

部活に行きたくないと思うことは?

全員 ないです!

部活で印象的な出来事は?

Wさん 文化祭で洛南高校附属中学の模試の問題を作って、それを他の生徒に解いてもらったことです。

問題を作るコツは?

Moさん 洛南高校附属中学の校章は六角形ですが、この形を使って問題を作ったら面白いんじゃないかなと思って、実際にいろんな数値を当てはめて作っていきました。
Maさん 先輩が作った問題にも挑戦したんですけど、かなり難しかったです。

数学研究部に興味がある人たちにメッセージを!

Wさん 部員全員が協力して仲良く問題を解けるクラブなので、ぜひ来てください!
Moさん 数学に少しでも興味がある人はぜひ来てください!
Maさん 数学オリンピックなどに出てみたい人はぜひ来てください!

Teacher Interview
先生インタビュー

先生インタビュー
先生インタビュー
数学という共通のテーマを通じ、
部員が伸びやかに自己表現できる
場所でありたい
洛南高等学校附属中学校 数学研究部顧問
夫馬慶二先生(数学科教諭)

2017年4月から数学研究部の顧問に就任。学生時代は生徒会に参加していたが、数学に関わる活動はしていなかったため、顧問として部員たちを指導しながら日々、良い刺激を受けている。
好きなことができる環境を創り上げているのは
部員たちの「自治意識」
―部員の皆さんが生き生きと意見交換をしたり、一心に問題を解いたりする姿から、数学を楽しんでいる気持ちが伝わってきました。
夫馬先生 もともと数学の成績がかなり良い子たちなのですが、数学ができる、できないということ以前に「とにかく数学が好きなんだ」という気持ちが強いですね。僕が顧問になったのと同時期に中1の新入部員を迎えたので、初めにルートトランプ(※)を使ったレクリエーションを考えたんです。洛南ではルートを中1か中2で学習するのですが、新入生は4月の時点ではまだ知らないかもしれないと思い資料を用意したところ、新入部員も含め全員が既にルートについて知っていたんです。さすがにみんなすごいなと感心しました。
※「平方根」の学習の一環で使用される教材
―新入部員を含む全員が、かなり先取って勉強していたということですね。
夫馬先生 そうですね。数学オリンピックで出題される問題は、学校のカリキュラムとは関係ないので、興味があればどんどん先に進んで勉強できるんです。新入部員たちはおそらく自習していたのだと思いますが、他の部員は部活を通してルートを知っていたのだと思います。例えば部長のIくんは現在中2ですが、既に「青チャート」(問題集)を高3まで一通り終わらせています。まだ習っていない項目は先輩に教わったり、すでにそこを学習した同級生に聞いたりします。そういった点は授業とは少し違う、数学の新しい魅力を知ることができる部分だと思います。
―数学研究部の特長について教えてください。
夫馬先生 部員が非常に自治的なことです。自分たちがやるべきことを正しく理解・実行すると同時に、やりたいことも積極的に決めていきます。やるべきことの例として挨拶や掃除などがありますが、人として重要なそういった部分をおろそかにする部員がいません。もし「数学は好きだからやるけれど、それ以外の嫌いなことはやらない」という部員がいたら、しっかり指導しなければと覚悟していたのですが、例えば僕が部室にいなくても、やるべきだと思ったら自主的に掃除を始める部員たちなんです。数学さえ楽しければ後は適当でいいやという部員は皆無なので、本当に恵まれていると感じます。
―皆さん、やるべきことを正しく認識しているということですね。やりたいことというのは、部活で取り組む内容ということですか。
夫馬先生 そうです。例えば僕がよさそうだなと思う参考書や問題集、外部で行われる数学のイベント参加などを提案しても、部員たちが「これはやりたいことじゃない」と思ったら反応はものすごく薄いですね(笑)。でも、それは彼らが自分の意見や主張をしっかりともっているからです。何事も責任感と自覚をもって取り組む彼らの姿を見てきたので、顧問として何の心配もなく「君たちがやりたいことをやっていいよ」と選択を任せています。
―そういった部員の皆さんを指導される際に、どんなことを意識されますか。
夫馬先生 部員たちが自治できている限りは活動内容だけでなく、運営などもこれからどんどん任せていきたいと思っています。ただ、やりたいことはあるのに彼らが言葉にしにくい場合もあるので、そんなときは具体案を示すようにしています。例えば他校の数学研究部の活動内容や、数学オリンピック以外の数学の大会やコンテストなどを見せて、「こんなものもあるよ」と伝えています。また「ヨーロッパ女子数学オリンピック」に参加して銅メダルを獲得した洛南高校の生徒を招いて、部員にセミナーをしてもらうということも過去にやりましたね。これも良い刺激になったのではないかと思います。
学校のカリキュラムとはまた違う、
数学の面白さに触れられる
―入部後、部員の皆さんはどのように成長や変化をされましたか。
夫馬先生 みんな入部前から数学が得意なので、入部によって成長したというよりも、部員たちがもっている素質や才能を十分に発揮できる場、数学を通じて自己表現ができる場を提供していると言った方が良いかもしれません。もし変わったことを挙げるなら、より広く数学に関する情報に触れられるようになったことでしょうか。
―例えば、どのような情報ですか。
夫馬先生 学校の教科書にプラスして、数学オリンピックや広中杯の問題など触れる問題の幅が広がりましたし、各種イベントや大学数学の分野についても紹介しています。今は興味がなくても、いろいろ経験して知識をつけてから「面白そう!」と思える日が来るかもしれません。そういう意味でも、様々な情報に中学生という早い時期から触れておくのはいいことだと思います。それと、これは特に中1の部員に当てはまると思うのですが、自分たちがやってみたいと思ったことをのびのびと主張し、実現できているんですね。だから楽しく活動できていると思います。
―確かに皆さんが良い表情をしていましたが、なぜそれが可能なのでしょうか。
夫馬先生 クラスであまり自己主張するとクラスメートとの関係に影響があるのではないか、「変わった子」と思われるのではないかと気になって、ちょっと腰が引けてしまう子もいると思います。でも数学という共通のテーマで繋がれる仲間がいて、さらに少人数のこの場だから、気おくれせずに思っていることを話せるのではないでしょうか。そうやって自分たちが主体的に活動しているという意識をもつことは、後々、彼らに良い影響を与えるだろうと期待しているんです。
―どのような良い影響があるのでしょうか。
夫馬先生 僕は学生のときに生徒会活動に携わっていたのですが、そういう主体的に関わる活動をやっていて良かったと思っています。なぜならリーダーというポジションを経験すると、フォローする側にまわったときに、主体的に引っ張る人たちの気持ちが何となくわかるんです。つまりリーダーとしての視点だけでなく、リーダーを支えるフォロワーに求められるものもわかるということです。そういう経験はいずれ社会に出たときにきっと役に立つので、一度は体験しておいた方が良いと思うんです。

先生インタビュー
先生インタビュー

先輩・後輩の繋がりを強くし、
より自由な活動ができる数研部へ
―新入部員が入ってさらに活気づいた数学研究部ですが、新しい取り組みの予定は?
夫馬先生 今後は他の部員の前で問題の解法を板書で説明していくスタイルを、もっと取り入れていきたいと考えています。現在、みんなの前で問題を解きながら解説するのはだいたい部長のIくんにお願いしているのですが、そういうことができる部員をもっと増やしたいです。
―数学の力はもちろん、プレゼンテーション力も鍛えられそうで楽しみですね。
では今後、部員の皆さんにどんなことを期待されますか。
夫馬先生 先輩・後輩の関係や結びつきをもっと強化することです。同学年のヨコの繋がりはうまくいっているので、先輩と後輩のタテの関係もそれくらいしっかりさせたいです。来年からは現中1が先輩になりますから、上級生とも相談しながら、現在は僕が準備している問題集などの資料も選んで新入生に教えていってほしいと思います。
数学研究部は模試の問題を独自に作って、文化祭で発表するという取り組みもしているので、そういうことも上級生が率先して仕切っていってくれれば理想的ですね。それらが実現すれば部の運営はほぼ彼らに任せて、僕は喜んで雑用係になります(笑)。そして、ずっと今のような自由な活動ができる数学研究部であってほしい。今の雰囲気を来年以降も保てるかどうかはこれから部を担っていく彼らにかかっているので、とても期待しています。

 

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