追手門学院中学校・高等学校
新キャンパスが創出する、
「いつでも、どこでも学べる」空間

茨木市が開発を進める「茨木スマートコミュニティプロジェクト」に参画し、JR総持寺駅からほど近い、東部・文教エリアへのキャンパス移転を決めた追手門学院中学校・高等学校。2019年4月に開校する新たな学び舎ではどのような教育が行われるのか、また、今の時代に合った教育を実践するためにはどんな環境が必要なのか。設計構想に携わった3人の先生に話をお聞きしました。
建設委員長 教育推進部部長 田橋 知直先生
学習推進部長 進路指導部長 辻本 義広先生
入試委員長 谷川 譲二先生

生徒が常に刺激を受けられる、
つながりのある空間をめざした

――キャンパスの移転を決められた経緯をお聞かせいただけますか。

谷川先生 本学院は2018年で創立130周年を迎えます。キャンパスの移転はその記念事業の一環でもありますが、実は以前より、120周年を迎えた頃から私たちは教育改革を進めており、新たな学びのための環境が必要な時期に来ていると感じていました。
 
田橋先生 今、世の中の流れが大きく変わる過渡期であり、当然教育も変わるべきです。これまでの学校教育、例えば、黒板の前に教師が立ち、生徒がひたすら板書をして一日が終わってしまう閉鎖的な学びでは社会との接点も持てませんし、流動的な今の時代に合いません。
 
辻本先生 偏差値の序列に左右される旧来の教育は、10年後、20年後の子供たちのことを考えているのか。入試を終えて、詰め込んだ事を忘れた後に残るものは何なのか…、そうした疑問を私たちは日々抱いていました。これだけインターネットが普及すれば、正直、教師がいなくても知識のインプットは自ずとできる。そう考えると、これからは「学校の存在とは何か」が問われる時代です。そこでもう一度、教育が果たす役割を見つめ直す必要があると感じました。
生徒が学校で学ぶ意義とは何か。人の話を聞く傾聴力、仲間と協働する力、人を導くリーダシップ、そして振り返ることで自らも気づける力など、それらは学校という集団生活の場があるからこそ培えるものです。新校舎を構想する以前に、まず学校が、私たち教師が、本来あるべき教育の原点に戻ることから始めなければならない。そこからスタートしました。
 
谷川先生 そうした教育改革の、いわばソフトの面と、キャンパス移転というハードの面が、幸いなことに130周年を迎えるタイミングで合致しました。その過程で、「茨木スマートコミュニティプロジェクト」の事業を進める茨木市からお誘いを受けたことも移転を決める後押しになりました。JR総持寺駅から徒歩10分圏内ですので、これまで時間的な制約が多かったスクールバスでの通学もなくなることで、ますます私たちがしたい教育ができるようになると考えています。

仲間と自在に学ぶ、アクティブオープン教室・ラーニングスペース(仮称)

仲間と自在に学ぶ、アクティブオープン教室・ラーニングスペース(仮称)

――新キャンパスが謳う「いつでも、どこでも学べる空間」とはどんな空間でしょう。

田橋先生 一言でいえば“すべてがつながっている”空間です。まだ仮称ですが、キャンパス内の新校舎は、主に「エントランス」「メディアライブラリー」「ラーニングスペース」「アクティブオープン教室」の4つで構成されます。
 
辻本先生 それらがすべてシームレスでつながっているからこそ、生徒は「いつでも、どこでも」学ぶことができます。
 
田橋先生 理想は体育館のような一つの空間でした。学びのスタイルに応じて椅子と机を並べ、間仕切りを設けて空間を区切り、可動式のホワイトボードを使った授業であったり、放課後の生徒同士の学習会が展開されるイメージです。そういった授業や活動を当たり前に経験していけば自ずと順応性が養われますから、これから世の中がどう変わっても、生徒たちは社会で柔軟に対応していけると思います。

――完成予想のイラストなどを拝見し、エントランスはとても斬新だと感じました。

田橋先生 エントランスのお手本は大型書店です。書店に一歩足を踏み入れると、“今の時代性”を感じますよね。生徒たちにも、日常的にこういう体験をしてほしいと思いました。
ここでは最新の本を並べ、さらに、両側の大きな壁にはプロジェクターからの映像が流れます。世の中の動きがわかるニュース、本学院の歴史、生徒が取り組んだプレゼン授業の様子などを流すことで、常に刺激を受けられる場にします。
 
辻本先生 登下校時に“マインドリセット”ができる。めざしたのは、そんなエントランスです。
 
田橋先生 エントランスから上階へ進むと、各フロアの中央にあるメディアライブラリー(仮称)に入ります。ここには学びを深めるための書籍類を常設しますが、いわゆる旧来の図書室にはしたくありませんでした。たとえ壁1枚でも隔たりがあると、生徒は「わざわざ行く」と感じてしまいます。事実、在学中に授業以外では図書室を利用しなかったという生徒も少なからずいますから。
 
谷川先生 ここからさらに、ラーニングスペース(仮称)、アクティブオープン教室(仮称)へとつながっていきますが、移動のための廊下も思い切ってなくし、いつでもどこでも学べる一つの空間に徹底してこだわりました。
 
辻本先生 席を決めずに、好きな場所で自由に仕事ができるフリーアドレスの会社が増えていますが、新校舎がめざしたのはそんな空間です。これまで学校にあったもの、あっても疑問に思わなかったものを一度取っ払い、新たな学びに必要な環境を一から構築しました。

生徒も教師も、共に学び、
一緒に高め合える環境であること

――先生方が在席する職員室はどこにあるのでしょう。

田橋先生 新校舎では各フロアに「教師コーナー」という小さなスペースを設けます。ナースステーションにヒントを得ましたが、病院が安心できる空間であるのは、何かあれば看護師がすぐに駆けつけてくれるからです。私たちも同じ立場で、垣根を設けずに生徒と接します。
 
辻本先生 最近、協働型の学習目的でラーニングコモンズの場を設ける学校が増えていますが、それらは生徒のために特化したものであることが多いようです。しかし私たちは、授業力の向上と教師のファシリテーション能力を高めるために、生徒と生徒、生徒と教師、教師と教師が共に学び合える空間にしたいと考えました。

――設計図が完成するまでに多くのミーティングを重ねられたと思います。

谷川先生 新校舎の構想に入る以前から、私たちは毎週定期的に「未来教育プロジェクト」という会議を行っていました。文字通り“未来の教育”について意見を交わす場ですが、そこで移転に向けた議論も幾度となく重ねました。
 
辻本先生 特に設計図が完成するまでの1年半は、会議と全国の学校・施設の見学を繰り返す日々が続きました。決して自己満足にならないように、建設会社や本学院の大学の方にも同席・同行をお願いし、意見を仰ぐこともありました。在校生、入学する生徒、さらには後輩教師のために、志を持った新校舎にしないといけない。その責務は今も心にあります。
 
谷川先生 冒頭でお話ししたように、経緯としては、取り組むべき教育というソフトと新校舎というハードが一体になったわけですが、両方が揃ったという意味において、私たちは本当に恵まれています。他校の校長先生から「追手門さんは本当に羨ましい」と言っていただいたこともありました。ソフトを実現できても、ハードを伴わせるのは容易ではありませんから。

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新キャンパス(イメージ)

――在校生も完成を心待ちにしているのではないでしょうか。

谷川先生 私が主任をしていた中学の生徒に話をすると、「これが僕らの学校になるんだ!」という驚きの声が上がります。さらに、「スクールバスはどうなるの?」「自転車置き場は?」といった現実的な声も出ます。とても素直でおもしろいですよ。いずれにしても彼らの表情は期待に満ちています。
 
田橋先生 高校の場合、今の高1生は2019年度の移転時に高3生になりますから、最高学年の自覚を持って後輩を引っ張ってほしいと思っています。ですから、私たちも既に新校舎を意識した、生徒の主体性を重視する授業や活動を始めています。今まで経験したことのない変わった授業と感じる生徒もいますが、同時に、それが新校舎での学びにつながることも彼らは実感しています。

――最後に在校生と入学を希望する方々にメッセージをお願いします。

谷川先生 本学院は、生徒の個性と可能性を伸ばす教育を行ってきました。「独立自彊」「社会有為」の教育理念は移転後も変わることはありません。そこに、今の時代にふさわしい学び、未来を切り拓く力を養う教育を新たに実践しますので、大いに期待してください。
 
田橋先生 私は全国に名前をとどろかせる学校にするつもりです。その一言に尽きますので、ぜひ一緒にすばらしい学校にしていきましょう。
 
辻本先生 新しい追手門学院には、生徒も教師も学び合いながら、高い志を持って共に成長できる環境が整っています。今までの学校教育から脱却する転換期になりますから、一緒に歴史を変える第一人者になりましょう。

 

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