雲雀丘学園中学校・高等学校
生徒主体で取り組む
「職業人インタビュー」の学び

「孝道」を建学の精神に、人間教育の充実と学力の向上を目指し、本物の学びを探究する雲雀丘学園中学校・高等学校。同校のライフデザイン教育の取り組みの大きな柱である「職業人インタビュー」について、中学3年生の2人と、進路指導部教諭の葛西先生に貴重な体験を通しての学びと成長について取材しました。

雲雀丘学園の
ライフデザイン教育のステップ

01

「身近な人に仕事のことを聞いてみよう」

家族や親戚、教員など身近な大人に職業についてインタビューをし、中学1年の冬休みの宿題として、レポートにまとめるファーストステップ。

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02

「身近な人の職業を意識してみよう」

中学2年の10月の校外学習では「姫路ものづくり館」を訪ね、より職業について知ることを意識する。まずは、興味のある仕事についてクラス内で発表し、独自に調べたことや「姫路ものづくり館」で学んだことについてディスカッションを重ねる。11月のホームルームの時間を4回使い、ホールで学年発表を行う。

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03

「職業人インタビュー」

中学3年の1学期から夏休みにかけて実施される、生徒主体の企業訪問の取り組み。

◎現実的分野
◎研究的分野
◎芸術的分野
◎社会的分野
◎企業的分野
◎習慣的分野

上記の分野から興味のある仕事の分野を選択し、現場で働く人にインタビューを行う。訪問企業は生徒の保護者の勤務先に協力をお願いし選定するが、訪問先へのアポイントおよび訪問はすべて生徒だけで行っている。レポートとして30歳の自分を想定し、どのように社会と関わっていきたいかをまとめる。

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04

「職業人レクチャー」

社会で活躍されている講師を複数名招いての講演を通して、仕事のやりがいや難しさなどを学ぶ高校1年での取り組み。普段の授業では聞くことのできない新鮮みのあるリアルな話をしてくれる講師陣は、会社経営者、テレビディレクター、医師などジャンルも幅広い。講演会の後半は、講師の先生にコメンテーターをお願いして、4名の生徒代表が壇上に上がり、「座談会」形式でディスカッションを行う。

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知って欲しいのは仕事の内容ではなく
仕事に対する向き合い方

葛西 圭司先生
[進路指導部教諭]

村上さん
[中学3年・一貫選抜コース]

西くん
[中学3年・一貫選抜コース]

Students & Teacher Interview

護者の協力のもと
生徒が主体となって事前準備

―雲雀丘学園のライフデザイン教育のひとつ「職業インタビュー」は、先に訪問企業リストがあるのではなく、知りたい職業の現場に行くのでもなく、分野を選択するところからスタートするのが面白いですね。
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葛西先生
基本的には保護者から協力者を募って訪問先企業を確保するので、必ずしも生徒がなりたい職業にぴったり当てはまる訪問先を用意できるわけではないのです。それならば、希望とはかけ離れすぎずに、もう少し生徒の視野を広げるきっかけづくりと位置づけてはどうかと考え、分野別に選択をするスタイルを採っています。
―2人が選んだのはどの分野ですか。また、実際はどんな企業人にインタビューをしたのでしょうか。
西くん
僕は教師を目指しているので、【社会的分野】を選択しました。実際に訪問した企業はMBS(毎日放送)で、著作権の管理をするメディアライツ部の方にインタビューをしました。
村上さん
私は医療系を目指しているので【現実的分野】を選択しました。訪問先は関西電力で、国際事業部の方にインタビューをしました。
―アポイントの電話も、実際の企業訪問も生徒だけで行動するのですね。大変だったことはありますか。
西くん
僕たち2人は放送部員なので、取材をする機会がこれまでもあり、なんとなく段取りをつかめている方かもしれません。やはり同じ班のメンバーは訪問のアポイントの電話を入れる時に、とても緊張していました。
葛西先生
この2人はこれまでの経験による慣れもあるのですが、他の生徒は初めてだらけですから、全体としてはマナー講座が必須です。アポイントを取る際の言い回しなど、言葉遣いだけでなく、貴重なお仕事の時間を割いていただいているという意識を常に持つよう、指導しています。

らないことだらけ!
だということを知る現場体験

―実際に現場を訪ねてみて気づいたことや、インタビューをしてみて印象に残ったのはどんなことですか。
村上さん
訪問をすることになるまで、私は関西電力に国際事業部があることを知りませんでした。まず、イメージだけで「この会社はこういうことをやっている会社だ」と思い込んでいることが多いのだと気づきました。印象的だったのは、学生時代にもっと英語をしっかり勉強しておけばよかったと仰っていたことです。いつどこで必要になるかわからないことを頑張るのはしんどい場合もあるけれど、きっと社会に出てからも役に立つと言われたような気がしました。
西くん
MBSでは「ちちんぷいぷい」の生放送の制作現場を見学させてもらった後にインタビューをしましたが、一つの番組を作るのに本当にたくさんの人が関わっているのだということに驚きました。また、もともと希望していた部署ではなかったけれど、働くうちに今の仕事にやりがいを感じるようになったというお話が印象的でした。著作権の管理をするという仕事の内容自体も新鮮でしたが、仕事を探究する姿勢というか、職業人として誇りを持って仕事をされていることが伝わってきました。
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―「職業人インタビュー」の取り組みを通して、将来のヴィジョンに何か変化はありましたか。
村上さん
第1に視野が広くなったと思います。それから人との関わりを意識するようになりました。勉強だけでなく、クラブ活動や学校行事の経験も社会に出てから活かせるのだと思い、より真摯に取り組むようになりました。
西くん
僕は未知の世界に触れて刺激を受けたのですが、より一層、自分は社会科の教師になりたいという思いを強くしました。

想だけではない
リアルな声を聞けるのが魅力

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―後輩へのアドバイスや次年度以降の取り組みについては、何かありますか。
西くん
自分たちで事前学習をしっかりやることが大切だと思います。調べた上で出てきた質問かどうかは相手にも伝わると思いました。
村上さん
「こんなことを聞いたらマズいかな?」と思うようなことも、思い切って聞いてみたらいいと思います。
西くん
実は僕の母と叔母は、インタビューをされる側だったのですが、それぞれ臨床心理士とピアニストという立場から、仕事のやりがいや魅力だけでなく、リアルな部分、シビアな部分についても隠さずに伝えたそうです。
葛西先生
保護者の方にご協力いただいているメリットとして、そういうリアルな声を聞くことができるというのは大きなポイントです。職業そのものについてもですが、職業を通して社会に対してどう関わっているのか、どう貢献しているのかということをお話いただくようにお願いしています。そういった内容は、なりたい職業と合致していなくても生徒の心に響きます。これまでも中学1年〜高校1年にかけてライフデザイン教育に関する取り組みを実施してきましたが、今後はそのステップをもう少し小刻みに設定していきたいですね。意見を出し合ったり、発表したりする場をさらに多く用意して、生徒が主体的に取り組む機会を増やして行く予定です。これらを経て、自主的に進路を選択できる生徒になっていってほしいと考えています。

 

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