注目!ステージ系クラブ 帝塚山中学校・高等学校
注目!ステージ系クラブ 帝塚山中学校・高等学校
帝塚山中学校・高等学校には、15の体育部、23の文化部が揃い、学業と両立しながら積極的に活動を行っています。今回は、感染症対策のためになかなか発表する機会がないステージ系のクラブから4クラブに注目。各部の活動内容や魅力、夢中になって取り組んでいること、自身の成長について代表部員に取材しました。
弦楽は音色が優しくて自然と心も穏やかに
部員は皆、思いやりがあって親切です
Kさん(高2 部長 / バイオリン)
中高一緒に活動している弦楽部は、主に1stバイオリン、2ndバイオリン、チェロ、ビオラ、コントラバスの5つのパートに分かれて演奏します。毎年4月にある定期演奏会がメインの発表の場で、パッへルベルの「カノン」という曲を必ず演奏しています。今年は録音審査になりましたが、初めて『日本学校合奏コンクール』に参加することになりました。 弦楽部の良さは、金管楽器や木管楽器がなく弦楽器だけなので、音色が優しくて自然と心も穏やかになることです。それもあるのか、部員も皆思いやりがあって親切です。 私は2年ほどバイオリンの経験があって中学から弦学部に入部しましたが、初心者から始める部員が多いです。帝塚山中にはバイオリンの授業があり、それに憧れて入学し、弦楽部にも興味を持ってくれるので最初はバイオリン希望者が多いのですが、全く触ったことのないチェロやビオラ、コントラバスに触れ、新しい世界が広がっていく人もたくさんいます。 高3が引退した弦楽部の部員数は90人弱。個性豊かな人が集まっていて人間関係も学べるし、礼儀も学べるし、人が多いからこそのメリットがたくさんあります。練習も和気あいあいとしているし、笑顔が絶えないクラブです。合奏練習がうまくいけば楽しいし、練習すればするほど担当楽器がうまくなっていきますから、さらに自主練習を頑張る、その繰り返しです。貴重な経験がたくさんでき、いろいろなことが学べる弦楽部。楽器を触ったことがない人もぜひ入ってほしいです。
合奏する楽しさを知って
より音楽が好きになりました
Yさん(高2 副部長 / チェロ)
弦楽部は、演奏する人が少ない楽器ばかりで新鮮です。他の学校にも弦楽部は少なく、誇りを持てるクラブですね。学校の中で一番人数が多く、いろんな人に出会えることも魅力です。 私は、もともと弦楽部に入りたいと思って帝塚山中に入学しました。チェロは触ったことがなく、入部してから先輩に教わって演奏できるようになりました。弦楽部には、楽器がうまい人もゼロから練習する人もいるので切磋琢磨していけるし、上手な子が教えてくれる環境があって、みんなで演奏を作り上げていきます。 私は、今までピアノなど1人で弾く楽器しか知らなかったのですが、弦楽部でみんなと合奏する楽しさを知って、より音楽が好きになりました。進路を考えるときも、音楽を続けたいからオーケストラがある大学が選択肢に入ってきますし、視野が広がったと思います。もともと音楽が好きな人だけではなく音楽に関わってこなかった人も入部してから楽しさを知ることができるクラブだと思います。
役で深く関わることで
部員同士の仲がとても良くなります
Oさん(高2 部長)
高校演劇部は3人です。テーマも、台本も、大道具や小道具の舞台セットも自分たちで作り、出演も3人です。演出は顧問の先生にお願いしています。 先程練習していたのは、昨年の奈良県高等学校演劇発表会参加作品だった「きみきみたらず」の一部です。この作品のテーマは「正義だけが正義じゃない」。作品は毎年その代の部員が台本を作りますが、「きみきみたらず」はすごく良い作品なので、その時に台本を書かれた先輩に潤色(アレンジ)してもらって、完全コピーではない現在形の脚本にしてもらいました。その意味では高校演劇部で受け継がれている作品ですね。 高校演劇部の良さは、部員同士が役で深く関わることで、とても仲が良くなることです。練習も練習の合間も楽しくて、部活があるから学校に行こうと思えます。それぞれに演技や舞台へのこだわりはあるのですが、「ここはこうした方がいいと思う」と遠慮しないで意見を言い合うことで作品が良くなるとわかっていますから、意見はしっかりと言います。仲が良いからこそ言える関係だと思います。人として成長できる部活なので、ぜひ入部してください。
役を演じ切ることによって
自分にも自信がつくようになりました
Yさん(高1)
私は中2から中学演劇部に入りました。中学は楽しく面白いテーマが多いのですが、高校はメッセージ性が強いテーマが多くてタイプが少し違うためか、私だけが高校演劇部に入部しました。コロナの影響でまだ高校の演劇部に入って数ヶ月。同じ学年の人がいないことは心細かったのですが、先輩たちが温かく迎えて声をよくかけてくださるので、とても居心地がいいです。 演劇部の良さは、練習を積み重ねてきたものをお客さまの前で見せて喜んでもらえたときの達成感です。人を幸せにできたと思えるところが素敵だなと思っています。私はもともと自己肯定力が低かったのですが、役を演じ切ることによって、自分にも自信がつくようになりました。役の考え方や行動に影響を受けてしまうんです。人は変われるし、いろいろな生き方や考え方があるということが演じながらよくわかり、自分にもプラスになっています。
演じることで人にはいろいろな感情があり
その割合も様々だと気づきました
Kさん(高2 副部長)
私は高1から高校演劇部に入部しました。テーマも台本も自分たちでやるのは大変ですが、人数が少ない分コミュニケーションが取りやすく、想像力を膨らませながら思い切り楽しんでいます。実は中学のとき入部したかったのに習い事があってあきらめたので、高校から入部して本当によかったです。 私はもともとテレビドラマを見て、部活でなら自分も演じることができるかなと思って入部しました。今までは、ドラマを見てもその物語の内容を知るだけだったのですが、演劇部に入ってからは感情ひとつにしてもいろいろな演じ方があるんだなと気づきました。「泣く」「笑う」「怒る」など人にはさまざまな感情がありますが、その中にも激しさや濃さの割合があって、すべてが同じではないんです。この高校演劇部で、そういう細かな表現が自分もできればと思って頑張っています。
悩みながら進めていく厳しさはあるけれど
音楽に力に癒され成長できます
Oさん(高2 部長 / マンドリン2ndパート)
ギターマンドリン部は、マンドリンの1st、2nd、マンドラ、マンドロンチェロ、ギター、コントラバスの6パートに分かれています。部員は約70人。55周年を迎えた伝統あるクラブです。 主な大会は、全国中学校高等学校ギターマンドリン音楽祭と全国高等学校ギター・マンドリンコンクール。ギターマンドリン部の演奏曲は、定期演奏会に向けて、7〜8曲を1年かけて準備します。18〜19世紀に作られたマンドリンオリジナルの曲が多いです。低音をしっかりと聞かせて、がっしりとした分厚さ、力強さ、勢いを出すのが帝塚山のギターマンドリン部の持ち味。そのために基礎をしっかり固めることを大切にしています。 縦の関係がしっかりしているクラブで楽器も先輩が1から教えて下さいます。私もマンドリンという楽器があることさえ知らない状態でしたが、先輩に教えていただきながら、まず楽器を知ることから始めました。部員のほとんどが初心者ですが、活動に問題はありません。 ギターマンドリン部は、生徒主体のクラブで、何かを決めるときも学年で話し合って決めていきます。思ったことを言い合って「こうしたらいいんじゃないか」と考え続けることは精神力が鍛えられる厳しさもありますが、その大変さは音楽の力で癒やされていますね。 私自身は、部長になってから一番成長しました。大人数の部員を引っ張っていくうえでは、行動力はもちろん、「こうなるかもしれない」と先の状況を考えながらより良い指示を出していくことが大切だと思うんです。先を読む想像力がすごく鍛えられたことが、私にとっての部活での成長です。 ギターマンドリン部は1年を通して大会がたくさんあり、合宿もあります。一度しかない中高生活が楽しく濃密な時間になるすごく充実した部活なので、入部して新しい思い出を作ってほしいです。
練習すればするほど上達
やった時間が全部自分の力になっていきます
Yさん(高2 部長 / 担当楽器:チューバ)
吹奏楽部は部員が約50人。中高一緒に活動して高校生が中学生の練習を見て、しっかりサポートする形ができています。私自身も初心者で、吹奏楽部の合奏を見て、楽器の大きさと低音で全体を支えているところに惹かれてチューバを選び、先輩に教えてもらってここまで来ました。楽器が大きいので毎日は持ち歩けませんが、長期休暇のときは家に持って帰って公園で練習しています。練習すればするほど上達するし、やった時間が全部自分の力になっていくと実感できるので、やりがいがあります。みんなで合奏してうまくいったときの達成感はたまりません。 合奏の完成度を上げるためには、部員みんなで意見を出し合います。他校との合同演奏会では、私達がやっていない練習法を教えてもらえたりして、得るものが多いです。上手い人と一緒に演奏することで自分たちのレベルも上がります。 吹奏楽部はとにかくにぎやかで、アットホーム。先輩と楽しく話せるし、私も低学年のときから、「先輩みたいになりたい」と憧れてずっとやってきました。今、一番上の学年になったので、後輩たちが同じように思いながら育ってくれるように努力したいです。吹奏楽部は、先輩が優しく教えますので楽器経験がなくても大丈夫です。少しでも興味があればぜひ入部してください。
曲を完成させるまでは試行錯誤
でも、自分が練習を頑張ってこそ感動が生まれます
Sさん(高2 副部長 / 担当楽器:ホルン)
吹奏楽部の代表的な発表の場は、4月の定期演奏会と8月の吹奏楽コンクール、9月の校内サマーコンサートです。みんなが燃えるのはコンクールですね。今年はなかったので残念です。 吹奏楽部の良さは、学年を交えてみんなで演奏することでの一体感です。人数が多く、それぞれでレベルも違うので曲を完成させるまでは試行錯誤しますが、練習をしないといつまでもできなくて周りと差がついてしまうこともわかってくるので、自分が頑張るしかないんです。その厳しさを乗り越えての感動です。 吹奏楽部の最近の演奏曲は、「ルパン三世のテーマ」、「名探偵コナンのテーマ」、「Make Her Mine」、「よしもと新喜劇のテーマ」、「マーチ ブルースカイ」などです。選曲は普段の定期演奏会ではポップス、クラシックの編曲などさまざまなジャンルを偏りが無いように演奏しています。 吹奏楽部は部員数も多く、集団で演奏するので周りの様子を把握することはできるようになったかなと思います。普段も常に周りを見て動くようになりました。音楽を通して人としても成長できたので、楽器は違っても音楽はずっと続けたいです。