気づいてあげたい!
ストレスからくる子どものSOSサイン

勉強・進学などへの不安や親・先生・友達との人間関係、さらに最近は新型コロナウイルスへの恐怖、環境や習慣の変化など、さまざまなストレスに直面していく子どもたち。
強いストレスにさらされると、気持ちが落ち込んだり体調を崩したりするなど、一見わかりづらい症状も出てきます。
そんな子どものSOSサインに親が気づき、気持ちを楽にしてあげるにはどうすればよいのでしょうか。
子どもの具体的なSOSのサインや、その対策について考えていきましょう。
特に、悩みや不安について言葉でうまく伝えるのが難しい低学年~中学年に、その傾向が強くなります。
どんな症状が現れるのか、具体例を見てみましょう。

- 見てわかるほど食欲が減った、または増えた
- 頭やお腹の痛み、吐き気やめまいがある
- なかなか起きられない、または寝られない
- おねしょやおもらしをする
- チック(不規則で突発的な体の動きや発声が、本人の意思とは関係なく繰り返し起きてしまう症状)が見られる
- いつもより甘えてくる
- いつもよりおしゃべりになる
- 態度が乱暴になる
- 口数が少なくなる
- 学校や友達の話をしたがらなくなる
- 自分を否定するような発言をする
- よく泣く
- 爪を噛む
- 落ち着きがなくなる
- イライラしやすくなる
- 怒りっぽくなる
- 落ち込みやすくなる
- 感情の起伏が激しくなる
子どもが具体的な言葉でSOSを発してくれれば親もわかりやすいのですが、高学年になると反抗期にさしかかり、子どもが親との触れ合いを避ける場合もあります。またお腹が痛いといっても、ストレスが原因なのか、身体の病気によるものなのかを判断するのは難しいものがあるでしょう。
しかし、子どものストレスやSOSはわかりづらいものと親が自覚し、少し注意するだけでも発見の度合いは違ってくるはずです。親としてはできる限り早めに、子どものSOSサインを見つけてあげられるよう、普段から子どもの様子にアンテナを張ってあげてください。
国立成育医療センターの「コロナ×こども本部」グループが、2020年4月からコロナ禍での子どもたちの状況や感じていることについて調査を行っています。
6月15日~7月26日にかけてインターネットで行われた第2回アンケート調査(対象:0~17歳の子どもとその保護者6,772人)によると、子ども全体の72%がコロナによって何らかのストレスを感じていることがわかりました。
小学生では「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」が最も多い回答ですが、その他にも「イライラする」「集中できない」「なかなか寝付けない、夜中に目が覚める」などの回答も目立ちます。

またコロナに関する様々な情報が出回る現状では、正誤を見分けるのは難しい面もありますが、子どもの年齢や理解度に合わせて、できるだけ正しい情報を教えてあげることも大切です。

- 「元気がないけれど、何かイヤなことがあるの?」
- 「夜はちゃんと寝られている?」
- 「最近、ちょっとイライラしているみたいだけれど、どうかした?」
例えば腹痛を訴える子どもなら、いつ、どんな時に腹痛が起こるのかを見ておき、「朝、起きる時にお腹が痛くなるみたいだけど、どうしたのかな?」と具体的に聞いてみるのがおすすめです。
- 子どもが話しやすい環境づくりを意識する
- 親は聞き役に徹して、先回りや決めつけをしないよう心がける
話の途中で口をはさみたくなるかもしれませんが、親の感情や意見はいったん脇に置いて、最後まで聞いてあげてください。
子どもの意見全てに同意する必要はありませんが、「そうなんだね」と受け止めたり、「よく
話してくれたね」といたわったり、「そんなに辛いのに、頑張っていたんだね」と認めてあ
げたりしましょう。そうすれば子どもも親が聞いてくれることに安心し、話しやすくなるでしょう。
また子どもが経験した出来事と、そこで感じているであろう気持ちを親が言葉にしてあげるとさらによいです。言い換えれば、子どもの心の中で起こっているけれど、子ども自身で表現するのが難しい感情に、親がしっくりくる言葉を当ててあげるようなイメージです。
例えば「学校に行くことを考えると、何となくイヤな気持ちになるし、じっとできなくなる」
と子どもに言われたら、「きっと不安を感じているんだね。例えば、学校の何について考え た時にそうなるの?」、「こないだ○○ちゃんとケンカしてたけど、それが気になって不安になってるのかもね?」などと聞いてみては。
親が子どもの話に耳を傾け、真剣に向き合う姿勢は子どもにとって大きな支えになるはずです。「あなたのことを心配している」という気持ちを伝えた上で、子どもがSOSを発してストレスを解消しやすいように考えてあげてください。
そのためには子どもが夢中になれることや、そういう時間を作ることが大事です。
一例として、具体的な解消法をご紹介します。






コロナ禍という非常事態で子どもを思いやるには、受け止める親が気持ちに余裕を持つことが大切です。そのためには自身のつらさや不安にも目を向け、自分をケアしてあげてください。
いろいろなことを取り入れてリフレッシュしたり、「よく頑張っている」と自分をねぎらったりして、親もコロナ禍によるストレスとうまく付き合っていきましょう。
~大人のセルフケア~
- ヨガやストレッチ、筋トレなど自宅で体を動かす
- 好きな本や映画、お笑い番組などを見てリラックスする
- 音楽を聴く
- アロマを楽しむ
- 瞑想をする
- 友人や知人とオンラインでおしゃべりする

ストレスの原因を取り除けるなら問題ありませんが、それが難しい場合がほとんどでしょう。
しかし最も大切なのは、ストレスに悩む子どもの気持ちを明るくしてあげることではないでしょうか。
子どものストレスの原因を見つけなければいけない、解決しなければいけないと思い詰めず、好きなことに打ち込ませてあげたり、いろいろな体験をさせてあげたりして、子どもの気分が良くなることを最優先するのは、親だからできることです。
またストレスの原因を見つけられなくても、親がサポートしてあげることそのものが、子どもなりに自分で考えたり折り合いをつけたりして乗り越えていく力がつく後押しになるはずです。
親子で一緒に気分転換をしながら、ストレスを乗り切ることが大切です。まずは子どものSOSに気づいてあげることから心がけてください。
強い悲しみや気分の落ち込みといった“抑うつ気分”や意欲や喜びの低下といった症状が特徴的な疾患で、子どもの場合は抑うつ気分の代わりにイライラを示すことがあります。また食欲や睡眠の異常のほか、頭痛や倦怠感といった身体症状も伴うこともあります。
●不安障害
パニック障害(理由もなく激しい不安に襲われ鼓動が激しくなる、めまいがする、呼吸が苦しくなるなど)や社交不安障害(人との触れ合いや人が多く集まる場に強い苦痛を感じる)、
強迫性障害(手洗いや火の元の確認など特定の行為を止められず、日常生活に支障をきたす)などがあります。
●摂食障害
食事をとらなくなる「拒食症」や、極端に大量に食べ過ぎてしまう「過食症」があります。拒食症から過食症になることもあります。
国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/CxC2_finrepo_20200817_3MH.pdf
https://www.ncchd.go.jp/news/2020/d87c94efa75dede6e54ef2faf38c0b916a05a24d.pdf
https://www.ncchd.go.jp/news/2020/a3a812f385f7a4d77fa4f8c0bb30d77ec846d36f.pdf
厚生労働省
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