【松蔭中学校・高等学校】
本好きの小学生、Welcome!
新設「課題図書プレゼン入試」

松蔭中学校・高等学校 本好きの小学生、Welcome!新設「課題図書プレゼン入試」
「Open Heart, Open Mind」をスクールモットーに生徒の成長ストーリーを描き、世界に通用する国際感覚と社会対応力を育む松蔭中学校・高等学校。2022年に創立130周年を迎える同校は英語教育に注目が集まりがちですが、あらゆる学びの基本となる国語教育にも力を注いでいます。そのリソースを活かし、来年度の中学入試で新たに導入されるのが「課題図書プレゼン入試」です。入試の詳細、伝統ある読書活動、図書館の魅力を先生、在校生、司書のみなさんに語っていただきました。
「課題図書プレゼン入試」CLOSE-UP1
2022年度から中学入試で実施!

「課題図書プレゼン入試」とは

副校長/図書館長 芳田克巳先生

副校長/図書館長芳田克巳先生

本に対する熱い思いを
自分の言葉で表現してほしい

―「課題図書プレゼン入試」を新設する経緯を教えてください。

芳田先生私自身、国語科の教諭として、図書館長も務めながら長年生徒の国語力向上につながる様々な取り組みを行ってきました。土曜日に地元の小学生(男女)と中学生(女子)に本校の図書館を開放する「サタデーライブラリー」もその1つで、足を運んでくれる子どもたちを見ていて本好きの芽を伸ばしてあげられる入試があってもいいのではと感じたことが「課題図書プレゼン入試」を考えるきっかけになりました。

― この入試はどのような選考方法で行われるのでしょう?

芳田先生受験生には10冊の課題図書をすでに提示しています。その中から好きな本を1冊選んで読んでいただき、自らの手でポスターを作成してもらいます。入試当日はそれをもとに試験官の先生たちの前で5分間のプレゼンテーションを行い、その後、10分間の質疑応答を実施します。

― 「課題図書プレゼン入試」で見たい力、問いたい力とは?

芳田先生この入試にチャレンジする小6生はみんな本が大好きだと思います。もちろん、その熱意を知りたいのですが、自ら選んだ課題図書のお勧めポイントを自分の言葉でどう伝えるのか、私たちはその表現力に着目します。主観的な思いだけでなく客観的な視点を交えて相手に意思を伝えるコミュニケーション力を問いたいのです。

― 単に読書の感想を述べるだけの入試ではないのですね。

芳田先生これからの時代、知識のインプットだけでなく、身につけたものを自分で昇華してアウトプットすることが求められます。そうしたことを踏まえ、「課題図書プレゼン入試」では自分の言葉で表現できる素養があるかを問います。

― 課題図書の10冊はどのような基準で選ばれたのでしょう?

芳田先生普遍的な作品、子どもたちの間で人気のある作品、ぜひ読んでほしい古典の名作などから約20冊を本校の司書が選び、そこから検討を重ねて10冊の課題図書を精選しました。どの作品を読んでも面白いと感じられるものばかりです。

課題図書(10冊)
課題図書(10冊)表
※「ざんねんないきもの事典」、「不思議な駄菓子屋銭天堂」はシリーズになっています。どの巻を選んでもかまいません。

答えが1つではないからこそ
国語の学びは面白い

― 入学後、どのような教育で国語力を伸ばしていくのでしょう?

芳田先生中学入学後のカリキュラムは、通常の「国語」の授業とは別に「国語探求」が週に2時間あります。「国語」の授業ではインプットに基づく読解力や理解力の養成に力を入れますが、「国語探求」では表現力を培うアウトプットの学びを重視します。母語である日本語を使って他者とコミュニケーションを深める際、自己表現力は必ず必要ですし、同時に相手の話を理解する傾聴力も大切です。そうした力を身につけるために日本語のヒアリングなども行います。

― 授業とは別に「全校読書運動」の活動もあるとお聞きしました。

はと時計

芳田先生国語の教育は座学がすべてではありません。様々な活動を通じて本の魅力を知ることも国語教育の一環と考え、本校では50年以上にわたって「全校読書運動」の活動を行ってきました。毎年テーマを設定し、生徒たちが本の帯やポスターを作成したり、教員も「全校読書委員会」を構成して司書と一緒に図書新聞『はと時計』を発刊しています。国語教諭の立場で見ていると、例えば読書感想文を書くとなるとつい抵抗感をもってしまう生徒も少なからずいます。しかし、本が嫌いというわけではないので、「全校読書運動」を通じて何らかの形で本に関わる機会を提供できればと考えています。

― 最後に国語を勉強する楽しさとは?

芳田先生国語は数学と違って答えが1つではない場合もあります。そのため、どう勉強すればよいのか迷う生徒もいますが、むしろそれを逆手にとり、想像する幅をどんどん広げれば楽しく感じられるでしょう。そして想像力を高めるには、興味・関心のアンテナを張ることが大切で、面白いと感じるものに対しては「活字」を通して知識を養ってほしいと思います。授業で使う教科書も、まずは文章自体の魅力を味わったり、物語であれば登場人物の背景を想像するなど、楽しみ方はいろいろあります。それが国語を楽しく勉強する原点です。

「課題図書プレゼン入試」CLOSE-UP2
小学生の時から通っていた!

在校生が語る松蔭「図書館」の魅力

Sさん

中1生Sさん
Oさん

高1生さん

― 小学校時代から松蔭の図書館をよく利用していたと聞きました。

Oさん土曜に図書館が開放される「サタデーライブラリー」に小4から通っていました。母が松蔭中学・高校の卒業生で、家が近かったこともあって気軽に足を運べました。

Sさん私も小4からです。オープンスクールで松蔭を訪れ、図書館で「サタデーライブラリー」が行われていることを知りました。

―「サタデーライブラリー」でもらえる“猫バッジ”とは?

猫バッジ

Oさん本を借りて感想を書けば特製の猫バッジを獲得できます。10冊で黄色、20冊で赤色、30冊で青色です。小学校時代に3つすべて手に入れ、中学入学時は嬉しくて制カバンに付けて通学していました(笑)。

Sさん私も早い段階で3つ獲得できました。本を読んだ時に提出する感想文は2~3行ほどのコメントでOKなのでそんなに大変ではなく、楽しみながら書いていました。

― 中学入学後も学校の図書館はよく利用されていますか。

図書利用カード

Sさん週に4日くらいの頻度で通っています。かなり利用しているほうかもしれません(笑)。

Oさん本の貸出期間が2週間なので、私はそのサイクルで来ています。図書利用カードは、中学時代、年間で50冊借りると「ゴールドカード」に昇格し、高校でさらに50冊借りると「プラチナカード」がもらえます。今年から高校生になったので今は「プラチナカード」を目指しています!

Sさん中学に入学して1学期を終えたばかりですが、頑張って50冊読み終えました。まだ手元に「ゴールドカード」が届いていないので、早く来ないか心待ちにしています。

― 本を読む楽しさや魅力はどんなところにあるのでしょう?

Oさん登場人物のキャラクターをイメージするのがとても楽しいです。母も読書好きで、同じ本を読んだ時は感想を言い合ったりするのですが、お互いの印象が違うのでそこでも新しい発見ができます。

Sさん私もO先輩と同じです。本を読みながら登場人物を想像する時はワクワクします。できる限り自分の頭でイメージしたいので、挿絵が入っていない文字ばかりの本を好んで読んでいます。

― 本好きが日々の勉強に役立ったことはありますか。

Oさんフィクションが好きなので、共通テストを受けた時、物語文の問題で結構点数を取ることができました。一方で、論説文はちょっと苦手です……。最近はノンフィクションも読み始めたので、ゆくゆくはテストにつながればと期待しています。

Sさん私は国語以外の教科で役立っていると感じます。数学の文章題で問題文をスムーズに理解できるのは、日頃からたくさんの本を読んでいるからかもしれません。

― 最後にお二人が感じる松蔭の図書館の魅力を教えてください。

Sさん松蔭の図書館にはいろんなジャンルの本がたくさんあります。スペースも広くてゆったり本を探せるところも魅力です。

Oさん洋書もかなり多いので、海外ならでは視点や文化の違いがわかります。書籍以外にもDVDやCDも貸出しているので、それが図書館を利用するきっかけにもなると思います。

「課題図書プレゼン入試」CLOSE-UP3
本のことなら何でもお任せ!

4人の司書が生徒をサポート

4人の司書
司書歴28年眞鍋由比さん

図書館は古いギリシャ語で「魂を癒す場所」という意味があります。勉強に疲れたら、寄ってみてください。知りたいことや疑問があれば遠慮なく尋ねてください。4人とも司書資格を持った専門家。10万4千冊の蔵書と司書があなたをサポートします。笑える写真集、怖い絵本、恋愛小説、ペットの飼い方等、なんでも探しますよ!

オススメの1冊

『挑発する少女小説』著/斎藤美奈子 発行/河出書房新社

良妻賢母養成小説と見せかけて、実は辛口の女性応援歌となっている!鋭い少女小説論です。

偉人 名言迷言 事典
司書歴9年和田友利子さん

私の得意分野は動物の本です。図書館で仕事をしてきて、動物の本に親しみをもつ生徒が多いと知り、「もっと楽しく読める本を揃えたい!」という気持ちで常に情報を集めています。動物の本は環境と密接につながっているので、未来の地球のあり方を考えるきっかけにもなりますよ!

オススメの1冊

『パンダ写真集 コウコウとタンタン』文/中村翔子 写真・監修/神戸市王子動物園

神戸市立王子動物園のパンダ、コウコウとタンタンが一緒にいた頃の写真集。心が癒されます!

偉人 名言迷言 事典
司書歴7年高田亜弥さん

私は関西の本をよく推薦しています。松蔭中学がある地元・神戸はもちろん、大阪や京都に関する本も紹介しています。図書館は息抜きも兼ねて一人で気軽に来ていい場所ですし、私たち司書も本のことだけでなく生徒のみなさんと雑談できるのをいつも楽しみしています。どんどん足を運んでください!

オススメの1冊

『ごろごろ、神戸。』著/平民金子 発行/ぴあ

ベビーカーを押しながら街を歩くおじさんの日記。神戸の魅力を再発見できます!

偉人 名言迷言 事典
司書歴9年片山くるみさん

言葉に関する本が得意分野です。松蔭の図書館の素晴らしさは何といっても10万4千冊の蔵書数。絵本から高尚な大人の書籍までジャンルの豊富さは自慢できます。私は中高時代にあまり本を読まなかったので、ちょっと後悔しています。だからこそ、みなさんに1冊でも多く本の魅力を伝えたいと思っています。

オススメの1冊

『偉人 名言迷言 事典』著/真山知幸、発行/笠間書院

カタい印象になりがちな「名言」も、「迷言」のエピソードと一緒に読むと面白い!

偉人 名言迷言 事典

校長 浅井宣光 先生

個性と可能性を伸ばせる入試で
「自信」をつけてほしい

校長浅井宣光先生

本校では既に「3教科入試(国・算・理)」「1教科入試(国or算)」「英語入試」といった多様な中学入試を実施していますが、そこに来年度から「課題図書プレゼン入試」が加わります。そうしたバラエティーに富む入試を実施するのは、子どもたちが好きな教科、得意な教科を自ら選んで合格すれば自信につながるからです。そして得た自信は、中学入学以降、他の教科の学びにも良い影響をもたらします。この自己肯定感から導かれる効果に本校は大きな期待を寄せています。

自己肯定感や自尊感情は、女子の場合、小4頃まではその意識が高いものの、小学校高学年や中学以降になると、男子に比べて低下する傾向が見られるという調査結果があります。「頑張ってみてもどうせ……」といったネガティブな言葉を口にする生徒に出会うこともありますが、それはただの思い込みで、自信をつかむきっかけさえあれば“普通の女の子”でも自分を最大限に伸ばせる可能性に満ちています。

「課題図書プレゼン入試」は、その名の通り、個々のプレゼンテーション力を問う入試です。自分を表現することは、小6生にとって多少ハードルが高く感じられるかもしれません。それでも、好きな本を読み、心に感じたことを自分の言葉で表現できれば、「私はプレゼンをして合格した!」と自信をもてるでしょう。同時に、合格できた事実は6年間の中高生活を送る中で成長を遂げる確かな糧になります。本好きの小学生は臆することなく、ぜひチャレンジしてください。

 

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