創立10年を迎えた奈良学園登美ヶ丘中学校・高等学校。この10年で、常に新しいことにチャレンジする精神やあきらめない心、たくましく生きる力を持つ生徒を育む環境が作られてきました。中学校1期生として学校作りを支えた卒業生の露口さんと、小学校1期生として今も新たな取り組みを続ける森田くん。新旧の生徒会長である2人に、奈良学園登美ヶ丘の魅力や生徒会での活動、そして勉強との両立などについて話をうかがいました。
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- 露口さん
- 大阪大学 医学部 医学科 4年生
奈良学園登美ヶ丘中学校1期生
2期にわたり生徒会長[第2代・第3代]を務める。
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- 森田くん
- 奈良学園登美ヶ丘高等学校2年生(Y3)
奈良学園小学校1期生
生徒会長[第9代]を務める。
卒業生&在校生インタビュー
先輩がいなかった1期生生徒と教員が一緒に作り上げてきた「10年」
奈良学園登美ヶ丘を選んだ理由は何でしたか。
露口さん新しい学校なら良い設備がそろっているかなと思ったからです。徐々に環境は整っていくというイメージを持っていたので、新設校ですがこの学校を選びました。
森田くん僕はキレイだったからですね。学校の見学に来たときに、科学者たちの写真が並んでいるサイエンスホールを見て感動して、「ここがいい!」と思ったんです。
入学当時と比べると、変化を感じるところも多いでしょうね。
露口さん入学した当初はグラウンドも高校の校舎もなく、体育館もありませんでした。久しぶりに来ると、正門ができた時に植えた木がすごく成長していて、時間の経過を感じました。
森田くん小学生の頃にグラウンドができて、生徒全員で芝生を植えたことは覚えています。今、高校生で生徒会長になって、これを1から作ってきた先輩方はどれだけ大変だったのかと思いますね。
2人は小学校と中学校の1期生ですから、それぞれでずっと最上級生だったんですね。
露口さん2年目からは高校生が入ってきましたが、最初は先輩がいなかったので中学生がどんなものかもわからず、それが逆に楽しかったです。
森田くん小学校で後輩が入ってきたときは嬉しかったですね。縦割りで異学齢のグループで登下校をしたり掃除をしたり、休み時間は一緒に遊ぶことも多かったです。人数が少ないからこそ先輩と後輩のつながりは強いのかなと思います。それに、小学校の時に先輩がいなかった分、中学校では先輩ができてすごく憧れました。その背中を追いかけて、追い越すつもりで学校をよくしていこうと生徒会で頑張っています。
クラブ活動はどのように変化していますか。
露口さん普通はどのクラブに入ろうかなという相談をするかと思いますが、私たちの場合はどのクラブを作ろうかなというクラブの立ち上げからのスタートでした。中学1年生のときに各クラスでアンケートを取って、どんなクラブを作るのか、練習場所はどうするかなどを考えていきました。メジャーな部活は1年目にほぼ作って、人数が増えると同好会から部活に昇格という流れになっていきました。
森田くん10年経って数も増えましたし、各クラブの充実度も増していると思います。今では県大会や近畿大会、全国大会に出場するクラブもあります。
露口さんちゃんと部活が機能しているのを見ると、自分たちで頑張って作ったことが実感できてよかったです。
チャレンジを受け入れてくれる環境から生まれた生徒会の新たな取り組み
生徒会はどのように発足したのですか。
露口さん中学2年のときに奈良学園中学からこちらの高校に入学してきた先輩方と一緒に生徒会を立ち上げました。生徒会に入って自分たちで学校のいろんなことを作り上げてみたいという思いが大きくなっていきましたね。
森田くん僕が中学に入る頃には生徒会の形はできあがっていました。だからこそ今、生徒会長として何をプラスしていけるかを常に考えています。この学校には、生徒主体で任せてくれる自由な空気があるんです。
露口さん1年目や2年目の文化祭は人数も少なく、他校に比べても規模が小さかったので、みんながイメージする文化祭に近づけるためにどうすればいいのかと悩みました。
森田くん尚志祭(しょうしさい)(文化祭)の実行委員でもある特命委員は先輩方が作られたものですよね?
露口さんそうです。各学年から有志を募って、生徒会執行部だけでは回らないところをサポートしてもらっていました。
森田くん今年の新しい試みとしてはスタンプラリーを企画しています。すごく人が集まるところと人が少ないところの過疎・過密を改善したいと思っていて、全体的に人がまんべんなく回るように考えました。
文化祭以外で、森田くんの代から新しく作った取り組みはありますか。
森田くん今の代から生徒会の活動を発信しようと「生徒会ラジオ」を始めました。尚志祭の特命委員の人にもどんな仕事をしているのか話してもらったりしています。
露口さん私たちのときは生徒会の仕事を発信するために生徒会だよりを出していましたが、そこまで頻繁ではなかったですね。ラジオという形で音声を使って手軽に発信しているのはすごくいいと思います。実際にやりたいと思ったことを実現できているのがいいですね。
森田くんまた、高校を卒業される先輩方へ感謝を伝える予餞会(よせんかい)というものを作りました。後輩からのビデオレターを作ったり、有志の生徒たちで演奏をしたり、よくしていただいた先輩方を精いっぱいの気持ちを込めて送り出したいと思って企画しました。
露口さんは、生徒会の活動を通して成長したところはありましたか。
露口さんもともと前に出ていく性格ではなかったのですが、いろいろな活動をするうちに自分がやりたいと思ったことを積極的にやってみようと思えるようになりました。
生徒のチャレンジと勉強の両面を支える学校のサポート
生徒会などの活動と勉強を両立するコツを教えてください。
露口さん日々の課題や定期テストをきっちりこなすことを心がけていました。授業でわからないことがあれば、なるべく早めに解消しておくのもひとつのポイントです。余力があれば先生に聞いた問題集を休みの日に解いていました。
受験勉強に対しては、どのようなサポートがありましたか。
露口さん高校生のフロアに限られますが、遅い時間まで自習できる教室があったり、問題集を借りることができたり、とことん数学をやるセミナーやセンター試験を解くセミナーもありました。授業も細分化されて少人数での指導が受けられたり、先生方も一人ひとりに合わせて柔軟に対応してくれたりしましたね。受験期のサポートが充実していたからこそ、大学に合格できたと思っています。
森田くん僕も受験生ですが、過去の先輩方のデータをもとに、どの段階でどのレベルに達しておくべきかを教えてくれるなど、進路指導は手厚いです。受験までのルートをしっかりと示してくれて、あとは自分たちで実行する。サポートするべきところはサポートがあるけれど、やるのは自分自身だと、任せてくださるところもありがたいです。
露口さん3年生になると生徒会も終わって勉強に集中できる期間がくるので、そこに向けてどう勉強するのかイメージしておくことも大切です。大体のビジョンを作っておけば、スムーズに受験勉強に取り組めると思います。
2人が思う奈良学園登美ヶ丘の魅力を教えてください。
森田くん先生方や学校が、新しいことをしようとする生徒の意見に協力的という点だと思います。先生との距離も近く、勉強面の相談も雑談でも何でも言い合える関係は、この学校の雰囲気を作っているのかなと思います。
露口さん生徒主体でいろいろやりたいことができる環境はいいなと思います。学校行事も、特に私は「イングリッシュキャンプ」が特殊だったかなと思うのですが、ネイティブの先生に来ていただいてグループごとにコミュニケーションを取ったり、ゲームや観光をしたりすごく楽しかったんです。机の上での勉強だけでなく、いろんな体験ができる学校だと思います。
後輩たちに頑張ってほしいことはありますか。
露口さん私たちの時以上にイベントを増やしてくれていたりするんですね。私たちが作ったものをそのままにするのではなく、新しい取り組みを取り入れて盛り上げてくれているのが嬉しいです。プラスするばかりではなく、元のところもどんどん変えていってほしいです。
森田くん生徒会長としては尚志祭(文化祭)が一番大きな仕事になるので、今までにない最高のものを作って成功させること。そして先輩たちが作ってきたものと新しいもの、伝統としての部分を後輩に引き継いでいくことを目指しています。
露口さん当時は実感できていませんでしたが、こうして後輩である森田くんのお話を聞いて、私たちは学校を作ることができていたんだなと思えて少し自信がつきました(笑)。