リード壁、ボルダリング壁、スピード壁の3つが一体になった全国初のクライミングウォールが、2017年5月常翔啓光学園中学校・高等学校に誕生しました。活躍する同校のワンダーフォーゲル部以外にも、2020年東京オリンピックに向けたスポーツクライミングの貴重な練習施設として注目が集まる国際基準のクライミングウォール。ココロコミュでは、その雄姿を同校ワンダーフォーゲル部の顧問の先生方の高まる意欲と共に紹介します。
リード壁【 DATE:高さ15.0m、幅8.0m、登攀距離17.0m 】
ワールドカップ(フランスシャモニー大会)をイメージしてウォールの角度を設定。
壁を見ると、登りたくなるのは、人の本能かもしれない。近づくと高鳴るものがある。
壁を見ると、登りたくなるのは、人の本能かもしれない。近づくと高鳴るものがある。
スピード壁【 DATE:高さ15.7m、幅6.0m、登攀距離15.0m 】
2レーンあり、大会開催が可能。国際スポーツクライミング連盟認定の機材をそろえている。
スピード壁は国内に数が少なく、リード、ボルダリングに比べて強化が遅れている。ここが貴重な練習施設になる。
スピード壁は国内に数が少なく、リード、ボルダリングに比べて強化が遅れている。ここが貴重な練習施設になる。
ボルダリング壁【 DATE:高さ4.8m、幅7.5m 】
2種類の角度のウォールがあり、体育の授業でも活用している。
ちなみに、ボルダリングの語源であるボルダーは大きな岩のこと。
ちなみに、ボルダリングの語源であるボルダーは大きな岩のこと。
常翔啓光学園中学校・高等学校
ワンダーフォーゲル部からの声
完成したクライミングウォールを使ってボルダリングの練習に励む常翔啓光学院ワンダーフォーゲル部の部員たち。本格的な練習施設を駆使して、目標達成を目指す。
部長 森 昌範先生
ワンダーフォーゲル部の活動で何より優先されるのは安全です。事故が起きれば命にかかわることもある活動です。その中でスポーツクライミングという活動は中学生、高校生にとって2つの点で大きな教育効果があります。1つはクライマーとしての精神面。それは自分の心の持ちようがはっきりと行動に出ますし、気持ちがないと壁を越えられないからです。もう1つはビレイヤー(確保者)として安全への意識と信頼です。クライマーが安全に気を遣うのは当然ですが、ロープを持ち、他人の命を預かり、登らせるビレイヤーには何が安全で、何が危険かといった知識、技術、判断力が求められます。その上でクライマーが安心して登れるよう信頼関係も築かなければなりません。10代の多感な時期にこうした他者に対して責任をもって関わることは人間として非常に大きく成長する要素となると考えます。
顧問 北田 広明先生
本校のワンダーフォーゲル部は、クライミングと登山の両方の活動に重きを置いています。中でもクライミングは、OBの方々の力をお借りして、旧校舎の屋上へ繋がる階段横にボルダー壁を設置し、約20年前から取り組んできました。今回スポーツクライミングが2020年東京オリンピックの正式競技に決定したことを受け、また学園本部の大きなサポートもあり、リード・スピード・ボルダリングの3競技の揃った日本に類を見ないウォールが完成しました。本校の部員を活躍させることは当然のことながら、関西においてここ枚方市がクライミングの拠点となるように、大会誘致や普及活動にも力を入れていきます。今後の常翔啓光学園ワンゲル部にご期待下さい。
顧問 小林 由人先生
4月からワンダーフォーゲル部の顧問をさせていただいています。今日スポーツクライミングは、オリンピック種目に選出され、注目を集めています。中でも大阪府では、若い選手がめきめきと力を付けてきており、全国的にも高い水準のクライマーがいます。部活動の指導は、私自身の経験をもとに生徒にクライミングの面白さ・奥深さを伝えていくとともに、スポーツパーソンとして、人間形成を目指していきたいと思っています。まずは国体出場を掲げ、さらには全国区に進出できるだけのクライマーの育成を目標とし、2020年の東京オリンピックなど、世界に通用するクライマーを育成していくことができればと考えています。私自身も一人のクライマーとしてさらなる向上を目指し、身に付けたものを指導力として生徒に還元することを目標に精進していきます。