
卓球部










朝7時10分に始まる卓球部の練習。早朝であることを忘れてしまうほど、練習場は生徒たちの活気で満ちている。部員は試合のレギュラーとなれる上級者とその他のメンバーに分かれ、それぞれの課題に取り組むが、月に一度の「部内戦」で、学年に関係なく実力を身につけた強者は上へ行ける。反対にレギュラー外になることもあるため、部員たちは試合はもちろん、この「部内戦」も励みに日々練習に励んでいる。顧問や全日本大会出場経験をもつコーチからの指導を受けながら、基礎を疎かにせず黙々と鍛錬を重ねる姿が印象的だった。
- Pick up! 卓球部
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40年以上の歴史がある清風学園の伝統的クラブ
- 部員数: 45名(中1:16名/中2:19名/中3:10名)
- 練習日・練習時間: 月曜~金曜 7時10分~8時10分/水曜・金曜 放課後~19時
- 最近の戦績・受賞歴:2025年 4ブロック大会・ルーキーズカップ(個人)優勝 2024年 4ブロック大会・ルーキーズカップ(個人)優勝 2024年 大阪私学大会(個人)2位・(団体)3位 2023年 大阪私学大会(団体)3位
- 目標: 私学大会で優勝すること
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卓球が好きな仲間と思い切りラリー!
僕は、小学生の頃から卓球が好きで、中2から卓球部に入りました。清風の卓球部は、みんなで協力して部活を進めていくので、先輩後輩、学年の違いも気になりません。同じ「卓球が好き」という気持ちでつながっていて、思い切りラリーできることがとても楽しいです!
試合ではチーム一丸となって、応援したり、励まし合ったりして、みんなの気持ちが一つになります。自分がミスをすると、「こうしたらいいよ」とアドバイスをくれる仲間もいて、とても心強いです。普段からの信頼もあって素直に話を聞けるし、「もっと頑張ろう!」とも思います。
基礎とメンタルを鍛える!
練習はレギュラーとそれ以外のメンバーに分かれて取り組んでいます。レギュラーはドライブなどの応用練習を中心に、レギュラー以外はサーブやレシーブといった基礎練習を中心に取り組みます。とにかく基礎が大事で、これができないと何もできないのが卓球なんです。
僕の目標は全国大会で優勝すること。まずは小さい大会から一つずつ勝ち上がっていきたいです。最近は筋トレも始めていますが、一番大切なのはメンタル。負けた時に落ち込んで次の試合に引きずらないように、心を鍛えたいです。
卓球部に入ってから、挨拶など基本的なことができるようになりました。朝練を続けることで身に付いた根性は、卓球にも勉強にも役立っています。清風の卓球部の良さは、勉強と部活の両方を頑張れて、仲間と協力して卓球を楽しめるところ。気がついたら、つい素振りしてしまうぐらいの卓球好きが集まっています!

素のままで活動できる楽しい卓球部
僕は中1から卓球部に入りました。卓球は、今まで親と遊ぶくらいしかやっていませんでしたが、やるのも見るのも好きでした。9月にあった新1年生だけの大会「ルーキーズカップ」で優勝できて、とても嬉しかったです!
卓球部の先輩たちはとても優しくて、素のままの自分を出しながら練習ができています。練習でボールを打ち合っているときの気持ちよさは最高で、試合もワクワクします。「ルーキーズカップ」以外の試合では緊張することもありましたが、あの大会だけは「自分からミスをしないように丁寧にプレーしよう」と意識しただけで、特に緊張はしませんでした。それが優勝できた理由かなと思っています。
苦手克服のため努力して、強くなりたい!
僕はバック(ハンド)が苦手なので、克服するために毎日努力しています。今までは趣味でやっていたせいかフォームがきれいではなかったのですが、意識し続けたことでかなり良くなってきました。また、クラブと勉強をきちんと分けて、上手に時間が使えるようになってきています。
今の目標は、先輩に勝つこと。これからも強い人とたくさん試合をして、もっと強くなりたいです!
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卓球を通して人として成長してほしい
卓球を通して人として成長してほしいと思っています。人としての成長がなければ技術の向上はありません。だからこそ、結果として強くなり、大きな成果を出せれば喜ばしいですが、一番の目的は「人間教育」です。
その基本として、まず挨拶を徹底しています。卓球は相手がいて初めて成立するスポーツで、自分一人では強くなれませんし、一人よがりでは行き詰まります。相手への敬意を示す意味でも、挨拶は欠かせないと考えています。また、時間を守ることも大切にしています。卓球部は週5日、朝7時10分から曼荼羅アリーナで練習をしていますが、部員たちがその時間に集まれるのは、保護者の方々が支えてくださっているからです。その感謝を忘れず、時間厳守の行動で応えてほしいと思っています。そうした積み重ねが、試合で「こんなところで負けてたまるか」と踏ん張る強い気持ちにつながると考えます。
技術を磨き、心を磨く
技術面については、「ボールから目を離さない」という基本をしっかり伝えています。人間はつい感覚に頼りがちですが、それでは上達しません。常に“見る”ことを意識し、基礎を丁寧に積み上げる姿勢は、勉強にも通じます。その姿勢を、卓球を通して学んでほしいです。
練習は、試合のレギュラーになれる上級者とその他の部員に分かれて行います。月に1回「部内戦」を行い、学年に関係なく強い者が上に行く仕組みです。明確な目標を持って取り組むことで、日々の練習に緊張感が生まれています。
部活動は、人間関係を学ぶ場
私が顧問として大切にしているのは、クラブ内の人間関係です。クラスでは、同学年同士の横のつながりが中心ですが、部活動では先輩、後輩、外部講師など幅広い立場の人と関わります。その中で、自然と礼儀や言葉遣いを学び、人として成長していってほしいと思っています。ただ、堅苦しいわけではなく、ほとんどの部員が中学から卓球を始める初心者ですから、楽しみながら上を目指すことが大切です。また、卓球部は他校と比べても愛校心が強いことが特徴。団体戦前には円陣を組んで「清風魂!」と叫び、ユニフォームの胸にも「清風魂」の文字が入っています。学校名に「魂」と入ったユニフォームは、清風ぐらいです(笑)。それを背負って試合に臨むことで、「恥ずかしいプレーはできない」という気持ちが自然と生まれ頑張れるのだと思います。
卓球が生徒を変えていく
また卓球部は、他の運動部が合わず、悩む生徒の受け皿にもなっています。朝練によって生活のリズムが整い、成績が向上する生徒も多く、国公立大学に進学する部員も少なくありません。途中入部も歓迎していて、それぞれのレベルに合わせて丁寧に指導しています。
顧問を続ける中で、卓球をきっかけに、生徒が大きく成長する姿を何度も見てきました。引っ込み思案だった生徒が委員会活動に挑戦したり、学校に来ることが難しかった生徒が卓球を通して登校できるようになったりすることもあります。卓球部がその生徒にとっての「リハビリの場」となり、自信を取り戻していく様子を見ると、本当に嬉しくなります。
今後の目標は、私学大会優勝です。「1位を目指さないと1位になれない」と常に言っています。ただ、試合前でも部の雰囲気は変わりません。清風卓球部らしさにあふれた良い空気感を大切にしながら、今後は練習の機会をもっと増やしていきたいと思います。
空手道部










定番の基礎練習後、試合に向けて、自分が出場する種目の練習メニューに取り組む部員たち。「形」か「組手」かの選択は、人数比や向き・不向きを踏まえた先生からの助言も入るが、最終的には本人の意思が優先される。マスクを着用しているのは肺活量の向上を含む体力づくりのため。放課後の短い時間と狭い練習場所ではあるが、集中して向き合う部員たちの気迫に圧倒された。
- Pick up! 空手道部
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- 創部: 2016年
- 部員数:中学12名(中1:2名/中2:3名/中3:7名)高校19名(高1:11名/高2:8名)
- 練習日・練習時間: 週5日
- 目標: 全国大会出場
Students’ Comments

空手の格好良さに一目惚れ、入らなあかん!
僕は、今年の6月にキャプテンになりました。中学ではバスケットボール部でしたが、昨年度の空手道部キャプテンだった先輩も同じバスケ部出身で、尊敬していた先輩を追いかけて僕も空手道部に入りました。空手は未経験でしたがが、体験に誘われて見学に行ったら最高に格好良くて(笑)。迫力と力強さと見たことのないような真剣な表情に一目惚れし、「これは入らなあかん!」と思って入部しました。今は「形」と「組手」の両方に取り組み、メインは団体の「形」ですが、「組手」もスタメンで出場させていただいています。
自分なりに努力してきたことは、コーチや先輩方に言われたことを重点的に練習し、自分でも工夫を重ねてきたことです。体が硬く柔軟が苦手だったため、毎日徹底的にストレッチを続けた結果、以前より足も上がるようになり、蹴り技にも活かせるようになりました。これは自分の頑張りの証拠として、誇りに思っています。
メリハリがある空手道部が自分を変えた!
空手道部の良さは、メリハリのある練習です。そこに強く共感しているからこそ、練習中にみんながメリハリを付けられていなかったら、キャプテンとして注意します。集中するときは全力で身体を動かし、練習後はみんなで楽しく仲良く過ごす。そんな空手道部の空気が好きです。気合い一つで気持ちが整い、身体の動きまで変わることを実感しています。
空手を始めてから、僕自身も大きく変わりました。高1までは勉強が苦手で、メリハリもつけられませんでしたが、空手道部での生活を通してメリハリをつけることが習慣化され、自然と勉強にも集中できるようになりました。親や周りの人にも驚かれ、自分でも成長を感じています。メリハリをつけるように伝える立場になったことで、自分自身も行動できるようになったと思います。空手道部に入って本当に良かったです。
人に指示を出すことが苦手でしたが、空手道部でキャプテンを始めて、「気づいたことをそのまま放置するのは優しさではない」と気づきました。相手のためを思うなら、勇気を持って伝えることが大切で、今はその責任を自覚し、逃げずに向き合うよう心がけています。
明るく元気で仲が良い空手道部が大好き!
今の目標は、団体の「形」と「組手」の両方で、全国選抜に出場すること。「今年こそ絶対に行く!」と決め、みんなで力を合わせて頑張っています。高校の部活は中学より伸び率が大きいと実感しているので、「高校からでは遅い」という言い訳は捨て、たとえ結果が出なかったとしても、必ず得られるものがあると信じて頑張っています。空手道部のメンバーは明るく元気で仲が良く、高校を卒業してもずっとつながっていられる仲間。試合中にミスがあっても負けていない雰囲気を作り出せる団結力もあります。そんな仲間と活動できる空手道部が、僕は大好きです。

みんなで同じ目標を持って試合に出るのが楽しい!
僕は、中学に入学してすぐに空手道部に入りました。顧問の西本先生が理科の担当でとても面白く、「この先生が顧問ならきっと部活も楽しいだろう」と思ったのがきっかけです。空手は全くの初心者で、最初は体力がなく、練習についていくのが大変でした。それでも練習を積み重ねることで体力もつき、徐々に空手道部に馴染めたと思います。マスクを着けて練習するのも体力を上げるためで、気合をしっかり出すことも大切だと教わりました。
空手道部の楽しさは、みんなで「勝つ」という同じ目標を持って、試合に出ることです。年に3回ほど大会に出場しますが、今年は阿倍野区の大会と個人の「形」と「組手」の両方でベストナインに入ることができました。先輩方も質問すると優しく教えてくれるので、とても練習しやすいです。
体幹が強くなり、身体を動かす喜びを知った!
中学生は「形」と「組手」の両方を練習しますが、僕は「形」が好きです。技の決めがとても格好良く、プロの演舞を見ても憧れます。僕自身、小学生のころはほとんど運動をしていなかったせいで、最初は体幹が弱くて止まるべきところで止められなかったり、体勢が崩れたりしました。でも、基礎練習を重ねたことで体幹が強くなり、身体を動かす喜びを知ることができたのは大きな収穫です。鍛えたおかげで、つまずきそうになっても踏ん張れるようになりました。今の目標は、高校生になっても勉強と部活を両立すること。どちらも良い成績を残せるように頑張っていきたいです。
Teachers’ Comments

部員1人顧問1人からリスタート!
空手道部は、もともと名前だけが残っていたクラブでした。しかし、9年前に「高校で部活動として空手をやりたい」という生徒が入学してきたのです。顧問もいない状態で活動ができずに困っていましたので、空手の経験はありませんでしたが私が顧問になり、その生徒と2人で空手道部を立ち上げ直し再スタートさせました。最初は練習スペースも練習用のマットもなく、用具を一から揃えるところから始めましたが、部員が少しずつ増え、今では高校生30名、中学生12名が所属しています。創部当初から教えてくださる保護者の方は、今もボランティアとして指導に関わってくださっています。近畿圏の学校の空手道部は経験者が多い中、本校の部員はほとんどが初心者。それでも挑戦を続け、4年前には「形」、翌年には「組手」で近畿大会に出場し、以降は連続出場を果たしています。今年は全国大会を目標に、日々努力を重ねています。
経験よりも「空手に真摯に向き合う姿勢」を大切に
本校の空手道部の最大の魅力は、初心者が中心であることです。経験の有無よりも、「空手に真摯に向き合う姿勢」を大切にしていて、キャプテンもその姿勢を重視して選びます。「上手いから」ではなく、「真摯だから」キャプテンを任される、そして全員で「とにかく楽しくやろう」が清風空手道部のスタイルです。さらに文武両道を重視し、歴代キャプテンはほとんどが国公立大学に進学しています。日々の努力を惜しまない姿勢が、学びにも良い影響を与えているのだと思います。
笑顔が絶えないクラブであることが誇り
空手道部では、「楽しむ時もしんどい時も一緒に」を実践していて、夏・冬の長期休暇には、朝夕の練習に加え、昼はみんなで集まって自習し、食事もできるだけ共にします。少し“やりすぎ”かもしれませんが、笑顔が絶えないクラブであることが誇りです。個人戦で勝つことも大切ですが、私たちは「仲間のために戦う」姿勢を重視。自分の試合より、仲間の試合で涙し、勝っても負けても、全員で喜びと悔しさを分かち合う、そんなチームです。
「全国大会で、全員が笑顔で終われるチーム」を目指す
指導で心がけているのは、「強くなるだけではなく、人として成長させること」です。礼儀や思いやりを大切にし、誰もが役割を持ってクラブを支える仕組みにしています。特定の上手な生徒が引っ張るのではなく、全員がそれぞれの持ち場で責任を果たすことで、空手道部全体の強さにつながると考えています。また、途中入部や他クラブからの転部も歓迎していて、一度挫折を経験した生徒たちが、自分のペースで力を伸ばし、「もう一度頑張りたい」と思える場所であることも、空手道部の大切な役割です。
今後としては「全国大会で、全員が笑顔で終われるチーム」を目指しています。出場が一部のメンバーでも、全員で勝ち取ったと胸を張れるチームでありたいのです。勝ち負け以上に、支え合い、笑顔で戦い抜く空手道部のまま、全国大会の舞台に立つことを目指しています。
