【近畿大学附属中学校】
ICT教育先駆校のコロナ禍での遠隔授業

ICT教育先駆校のコロナ禍での遠隔授業 近畿大学附属中学校
2014年度より全教員・生徒へのタブレット端末導入を開始し、ICT(情報通信技術)を活用した教育を早々とスタートさせた近畿大学附属中学校。日々培われたそのノウハウはコロナ禍の休校期間に実施された遠隔授業においても確かなアドバンテージになったのは言うまでもありません。学校再開までのおよそ3カ月間、どのようなことを心掛けて在宅で学ぶ生徒たちと向き合ったのか。教務部のお二人の先生の話をもとに、4つのポイントとともに紹介します。

先生に聞いた!

休校中の近大附中の遠隔授業

中学校部長・教務部長 志船 八郎 先生

教務部長補佐 野田 由紀子 先生

1

強みになったICT教育の土台

Teacher’s Voice志船先生

日常的にICTを活用した授業を行っていましたので、遠隔授業の実施においては、どの教科も対応はスムーズでした。登校再開時に生徒が無理なく学校生活を行えるように、段階的に時間数を増やしながら通常カリキュラムへと近づけていくように努めました。

遠隔授業画面

zoomでの授業(理科)

サイバー句会(国語)

下半身のトレーニング(体育)

楽譜の書き方(音楽)

コロナ禍による一斉休校措置が決まった今春。そうした緊急下でも近畿大学附属中の教員は誰一人として慌てることはなかったそうです。志船先生が話す通り、同校が遠隔授業への対応をスムーズにできたのは、2014年度のタブレット端末導入以降、ICT教育を実践する確かな土台が着実に築かれていたからでしょう。

遠隔授業の内容はI C T教育に精通した各教科担当がそれぞれに工夫。どの教員も一方通行の講義で生徒が受け身にならないように心掛け、授業時間の半分は主体的に課題に取り組んだり発表したりする時間に充てたといいます。また保護者の在宅勤務などで十分なWi-Fi環境が確保できないため、リアルタイムの授業が受けられない生徒がいることも想定し、別途授業動画や資料の配信も行われました。

2

重視したのは生徒との「絆」

Teacher’s Voice野田先生

休校期間中、勉強以外の面で重視したのは教員と生徒の“絆”を深めることでした。特に中1生は入学してまだ1日しか登校できていませんでしたから、本校への帰属意識を少しでも高められるサポートはとても大事だと感じたのです。

オリエンテーション用
学校案内ムービー

オリエンテーション用の学校案内ムービー

zoom朝礼

その取り組みの1つが、教員が協力し合って作成したオリエンテーション動画。校内施設の紹介のみならず、校内でのマナーについても良いマナー・悪いマナーの例を教員がユーモアを交えて演じました。また規則正しい生活リズムを維持できるように、ウェブ会議システムのZOOMで朝のホームルームを定刻実施。さらに個別面談や保護者懇談なども行い、休校期間中であっても学校が常に身近に感じられる細やかな対応がなされました。

野田先生はあるクラスのホームルームに参加し、たとえオンラインであっても生徒たちの元気な姿を見ることができてひとまず安心したといいます。教員もあらためて一人ひとりと“つながっている”ことを実感でき、登校再開時まで自分たちも頑張らなければと再び気を引き締めました。

3

授業で全員が発表できるメリット

Teacher’s Voice野田先生

ICTを活用した授業では、「わかった!」という喜びを生徒がその場で感じ、自らの発表につなげられます。疑問を持てばタブレットですぐに調べられますし、答えを見つける楽しさも同時に実感できるので、教科を学ぶ関心もより深まります。

今回の遠隔授業

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例えば、生徒全員が自分の意見を発表できる授業を理想の1つとするなら、ICTの活用でその実行性は大きく向上したといえるのではないでしょうか。同校は早くからタブレットを使った授業を実践していますが、そのメリットは野田先生の言葉の通り。従来型の授業では手を挙げるのが苦手だった生徒も、タブレットを介することで積極的に自分の意見を発表できるようになり、自主性の育みにつながっているようです。

今回の遠隔授業でも、普段通りに授業支援ソフトの「ロイロノート」を使って生徒たちは意見を述べたり課題を提出したりしたといいます。それに目を通しながら教員は「この答えはみんなも参考にできる」「別の視点があることもわかったね」などと解説し、休校期間中のリモート下であってもいつもと変わらない授業を展開しました。

4

全日制学校の学びを今後も探求

Teacher’s Voice志船先生

今回の経験であらためてICTの可能性を実感しました。だからといって今後リモートに重きを置くかといえばそうではありません。全日制の学校でなければ実践できない学びとは何かを探求し続けることが大切であると本校では考えています。

平常時の授業の様子

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休校になった4月当初、保護者からは今後を不安に思う声も届いたといいます。しかし遠隔授業実施後のアンケートでは、約9割の家庭が同校の確かな対応を好意的に感じていました。実践してきたICT教育の有用性があらためて評価されたともいえるでしょう。ただ、志船先生が話すように、同校は全日制の学校ですから、今後の平常の学びがリモートの方向へ大きくシフトすることはないようです。

主役はあくまで生徒たち。一人ひとりが健全に“横のつながり”を持って学び合える最良の場は、リアルな学校空間であることを、教員たちは再認識したといいます。

タブレット学習がもたらす知識伝達の効率化。それによって生まれる時間的な余裕。その時間を有効に使い、生徒の知的好奇心を刺激する協働的な良質の学びを数多く提供すること。学園の建学精神にある「実学教育」は、最先端のICT教育を実践する中でも決してぶれることはありません。

 

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