【大阪女学院中学校・高等学校】
国際バカロレアコースのCAS活動

自主的に他者と関わる 国際バカロレアコースのCAS活動 大阪女学院中学校・高等学校
多様な文化を理解し、他者を尊重することを通じて、より平和な世界を創り出すことのできる若者の育成をめざす「国際バカロレア(IB)」の認定校であり英語科国際バカロレアコースがある大阪女学院高等学校。IBのコアプログラムのひとつ「CAS」の取り組みについて、同コースの生徒とCASコーディネーターを務める尾﨑先生に、その活動内容や、活動を通して感じる生徒たちの成長や変化をうかがいました。

CAS活動 とは?

国際バカロレアのディプロマプログラムは、3つのコア領域と6つの科目から成り立っています。CAS活動は3つのコアのうちの1つで、いわば必修単位。
CASとは

  • Creativity創造的思考を伴う文化的活動
  • Activity身体的な訓練を伴う体育活動
  • Service社会貢献を伴う奉仕活動

以上の略称で、3つの分野において、生徒自らが企画し、実践する体験的学習です。

– STUDENTS & TEACHER INTERVIEW –

Kさん 国際バカロレアコース高校2年

Lさん 国際バカロレアコース高校2年

Hさん 国際バカロレアコース高校2年

尾﨑 啓介先生
国際バカロレアCASコーディネーター

ニーズを汲み取ることが大切

ー CAS活動は生徒が自主的に企画をするそうですが、具体的にはどのようなことを実践するのでしょうか。

尾﨑先生
CAS活動では学内だけでなく、普段は接することのない社会の皆さんと関わることが多いです。個人やグループ単位での活動とクラス全体で取り組むプロジェクトがありますが、昨年は大阪の子ども食堂に自分たちで育てた野菜を納品するなどしました。今年は新型感染症拡大防止の観点から、どこへでも行けるわけではありませんが、休校中の年下の子どもたちにオンラインで勉強を教えたり、運動不足解消のために距離をとって楽しめる卓球教室を企画したりと、今だから必要とされていることに取り組む生徒が多いです。

Lさん
今年の春はオープンキャンパスがオンライン開催になったことを受け、私たちは動画を作成したりzoomで質疑応答に参加させてもらったりしました。

ー 動画はどのような内容にしたのですか。

Kさん
直接触れ合って伝えることができない中で、どうしたら大阪女学院らしさを知ってもらうことができるかを考えて、在校生が夢や目標を英語で話す動画を作成しました。動画を通じて、大阪女学院で学ぶことを近くに感じていただけたらと思いました。

Hさん
私は動画作成には参加していなかったのですが、動画を見て私も今後のオープンキャンパス企画に携わりたいと思い、参加を決めました。

Lさん
保護者の方のアンケートを後で読ませてもらったのですが、子どもたちが夢を持てる学校であることに勇気付けられたとコメントしていただきました。学校内外の多くの方から「あの動画、良かったね」と言ってもらえて、嬉しかったです。

尾﨑先生
CAS活動において、特にS(奉仕)の要素が強いものは、ニーズに寄り添った取り組みであることが重要です。押し付けや自己満足ではなく、きちんとニーズを把握して動いたからこそ、一定の評価をいただけたのだと思います。

オープンキャンパスの隠れたニーズに対応

ー 現在はどのような企画に取り組んでいますか。

Kさん
3日後に実際に来校していただく形でオープンキャンパスが行われるのですが、その中で昨年の一期生の先輩から受け継いだ「OJキッズ」という取り組みの準備をしています。

Lさん
受験生と保護者の他に、一緒に連れて来られた4歳〜11歳のお子さんのために遊び場を提供して、説明会や体験授業の間、退屈せず楽しく過ごしてもらえるようにします。

Hさん
もともと、この企画は先輩の実体験からスタートしたと聞いています。受験生であるお姉さんと一緒に連れて来られた学校説明会で長時間退屈だったことを思い出し、何かできることはないかと考え、企画したそうです。


ー 今年、新たに加えた試みはありますか。

Kさん
やはり今年は新型コロナの対策抜きには実施できないので、保護者の方に安心して利用していただけることを第一に考えています。検温や消毒などを徹底して臨みます。

Lさん
昨年のアンケート結果から、体を動かす要素も取り入れた方が良いと考え、オリジナルの輪投げゲームも作りました。また、お預かりする子どもたちに英語で自己紹介ができるようになるようなレクリエーションを用意しています。

Hさん
大阪女学院の英語教育は文法ばかりではなく、楽しんで学ぶということを大切にしています。受験学年の子たちと接するわけではありませんが、そこが伝わればいいと思います。

多面的な視点を持つことを意識

ー CAS活動を通して、自分なりに感じる成長や変化はありますか。

Kさん
私は今まで以上に先生や事務の方とコミュニケーションをとる機会が増えたので、メールの書き方ひとつとっても、忙しい中でも読んでもらえる文章を心がけるようになりました。物事をいい方向に持っていくために、必要なことの取捨選択や優先順で段取りをすることも意識するようになりました。

Lさん
これまで相手のニーズを意識的に考える機会が少なかったのですが、CASの活動ではなぜこの取り組みをやるのか、相手がどう受け取るかを深く考えるようになりました。普段の暮らしの中でも、なぜこのボランティアが行われているのか、その背景などにも目を向けるようになったと思います。

尾﨑先生
自主性を大切にする本校の気風や、クラス全体で取り組む行事が多い学校の特性はIBの理念とも相性が良かったのではないかと思います。CAS活動を通して身につけた役割分担と時間のマネジメント能力は、CAS活動以外の場面でも多岐にわたって生かされていると感じています。

ー 今後行われるオープンキャンパスに向けた意気込みを聞かせてください。

Hさん
自分が子どもたちに楽しんでもらえるのではと考えること、先生方が考えること、実際に子どもたちが楽しいと感じることは違うのかもしれないと感じています。せっかく直接子どもたちの反応を見る機会なので、本当に相手に喜んでもらえることは何かを汲み取って、今度は後輩たちに引き継いでいきたいです。

Kさん
CAS活動の魅力は、学生という立場を最大限に生かして、多くの人と関わりながら、新しいことにトライできることにあると思います。特にこのコロナ禍において、人と実際に関わることができるのは改めて貴重な機会だと感じています。

Lさん
後輩に引き継ぐことももちろんですが、今年度もまたOJ キッズの機会はあると思うので、自分たちが再び取り組む際にも今回の経験を反映してより良くしていきたいと思います。

ー あくまでも生徒の自主性を尊重した取り組みですが、学校側としてのサポートはどんなものがありますか。

尾﨑先生
CAS活動は最低3ヶ月以上の継続性を持つことをルールとしていますが、システマティックにならないように取り組めるようにしたいと考えています。途中報告などを挟みながら、長い目で見て促していくのがサポートの役割です。また、卒業時にバカロレア資格として認定される内容になっていなければなりません。ニーズ・頻度・継続性・難易度などが最終的にCASとして認められる活動かどうかを見定めるのがCASコーディネーターの役割です。

「ダメ」の一言では納得しないのが私たち

ー 大阪女学院生やIBコースでよかったと思うところを教えてください。

Lさん
動画でも話したことなのですが、この学校の好きなところは自分の意見を自由に言えて、周りがそれを受け入れてくれる環境があるところです。私たちは授業でもディスカッションがメインなので、自主的に学べるところも良いと思います。中学でもそういう部分はありましたが、特にIBに入ってから、みんないい意味で変わったと思います。

Hさん
確かに。私は、以前に比べて積極的になれた気がします。イベントや行事、奉仕活動など最初の一歩を踏み出す機会が多いのもありますが、人と関わることをプラスに考えられるようになったことは大きいです。

Kさん
縛られた感じがしない学校だと思います。自分が思ったことを交渉してみようと思える先生方が多いのも特徴です。

ー 交渉ですか?

Hさん
先生方の意見を聞いて行動するのではなく、自分の意見をしっかり伝えることを、私はこの学校に入って学びました。先生方も必ずその意見に向き合ってくれます。

Kさん
たとえ無理そうなことでも、無理そうだから諦めるのではなく、とにかく一回交渉してみようって思います。無理な場合には理由をちゃんと伝えてくれることも、信頼関係を築く上でも大切だと感じています。

Lさん
私たちは「ダメ」の一言だけでは納得しないよね(笑)。

Kさん・Hさん
しないね(笑)。

Hさん
じゃあどうすれば実現できるか、話し合ったり、別の方法を考えたりします。

Kさん
こうした人とのコミュケーションの重ね方は、社会に出てからも役に立つのではないかと思っています。

 

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