小林聖心女子学院には、体育系クラブが9クラブ、文科系クラブが13クラブあります。生徒たちがそれぞれ夢中になれる場所を得て、充実したかけがえのない時間を過ごす部活動。今回はその中から、学院祭でそれぞれのカタチで感動を与えている花文字クラブ、筝曲部、ENGLISH DRAMA CLUBに注目し、各部の活動の様子や魅力、個性を紹介します。
- 部員数
- 19名
- 13名
- 68名
- 活動日
- 金曜
- 月曜・金曜
- 月曜・金曜・土曜
- 部としての目標
- 様々な字体を習得して、学院祭で作品を披露すること。
- 学院祭に向けて演奏曲の完成度を上げ、成功させること。
- 全員で一つの舞台を作り上げ、入部してもらえるような最高の舞台にすること。
- 部活あるある
- 街で花文字を見つけると「あれは〇〇体」と書体 に反応。部員同士で帰っているときは特に盛り上がる。
- お琴を弾くというしっとりしたとイメージで入部 すると、予想外にお琴が重くて衝撃を受ける。
- 知っている曲が聴こえてくると、つい歌ったり、 踊ったりしてしまい、 収拾がつかなくなる。
小林聖心女子学院で最も古くからあるクラブの一つ(1965年創部)。文字を花などで飾ることが主だった当初の名残で、クラブ名に“花文字”とつくが、今は専用のペンを使ってイタリック体、ゴシック体、アンシャル体などの装飾したアルファベットを書く(カリグラフィー)。学院祭では、花文字を使った作品の発表や部員による制作のカードやノートのプレゼントも行っている。
花文字クラブ photos01
2016年の学院祭で発表された花文字クラブの作品。 小林聖心女子学院の歴史などを、美しく装飾された花文字で紹介。
花文字クラブ photos02
手本を見ながら学年ごとに課題の書体をマスターしていく。まっすぐ書けるペンだけではなく、二重に書けるペン、インクを使うペン先など、様々なペンを使いこなすことが必要。
花文字クラブ photos03
先輩たちの完成度が高い作品もたくさん残されていて、「いつかは自分も!」「もっと上達したい!」と部員たちが頑張る目標になっている。
入部のきっかけは?
小学生の時に学院祭で作品の展示を見て、こんな文字が書けたらいいなと思って入部しました。
花文字クラブの魅力は?
花文字は、結婚式の招待状やサンキューカードなどに書かれている文字で、友達への誕生日カードや年配の方にメッセージを送ったりするときに書くと、大変喜んでもらえて嬉しいです。文字をまっすぐ書くことが難しいですが、ひとつひとつの工程を集中して丁寧に心をこめて書くことを大切に、みんな頑張っています。
初心者でも大丈夫?
私も入部当初は花文字を全く知らなかったのですが、シスターや先生方に教えていただいて書けるようになりました。週1回集中してやっていると、1年経てば変わってきます。学年が上がると難しい書体になっていきますが、誰でも書けるようになると思います。
クラブの雰囲気は?
少人数で、アットホーム。だからこそ仲が良いです。普段は学年別で練習しますが、後期は学年をミックスして、学院祭に向けた大きな作品を作ります。先輩と後輩との関わりも深く、楽しく活動しています。
学院祭での発表
学院祭では毎年作品展示のほか、部員全員がノートの表紙などに花文字を書いて、抽選でプレゼントしています。部員がその場でカードにお名前やご希望の言葉を書いて、お渡しすることも行っています。それらは学内の人だけでなく、いらっしゃった子どもから大人の方まで喜んでいただけますね。その場で書くことは緊張もありますが、普段から枠が決まった紙に何度も練習して、サイズに合わせて書けるようにしていきますので、練習の甲斐がありますね。
花文字クラブからのメッセージ
「花文字クラブ」と聞くと難しいと思うかもしれませんが、全員が初心者から入部しています。誰でも入れるクラブで、しかも花文字はいろいろな場面で使える機会があります。すごくやりがいがあるクラブだと思います!
他のクラブだからわかる!花文字クラブ
練習の成果! きれいな花文字
学院祭のときに名前や自分の好きな言葉を、ペンのカラーまで選んで書いてもらえます。しかもそれがすごくきれいだし、コピーしたように見本と同じ文字を書いてくれます。よほどしっかりと練習しているんだろうなと思います。
学院祭でもらった花文字オリジナルノート
学院祭では花文字クラブの展示パネルがすごくきれいです。私は去年、かわいい花文字が描かれたノートをもらいました。自分が好きな言葉も書いてもらえます。どんな言葉でもオシャレに書いてもらえ、嬉しくなります。
小林聖心女子学院で当初からあるクラブの一つ。中学生と高校生で2部屋に分かれ、週2日活動。技術面は、外部からコーチを週1回招いて指導を受けている。発表は学院祭と宝塚市の「邦楽の集い」。メインの学院祭では曲の発表のほか、「お琴体験」と浴衣姿の部員がお客様に浴衣の着付けを行う。琴の楽しさを知り、華やかな琴の音色に親しんでもらえる工夫や努力を大切にしている。
筝曲部 photo01
1年間の練習の集大成である学院祭。「お琴体験」では童謡やディズニー曲を弾いてもらい、発表では古典的な曲だけでなく現代的な曲も披露して、筝曲に親近感を感じてもらう。
筝曲部 photo02
コーチ不在の日の中学生の練習は、高校生が指導。「音をよく聴いて、一つに合わせて!」と、先輩が手拍子を取りながら声をかける。正座をすることも大切な練習。
筝曲部 photo03
親指、人差し指、中指に爪をつけて弦を弾き、弦を左手で押すと高い音が出る。譜面を見ながら両手を使って皆で音色を合わせる難しさは、美しい1曲として完成し、聴衆に感動を与えられたとき喜びに変わる。
入部のきっかけは?
もともと音楽が好きで、それまでもピアノでクラシックをやっていたのですが、お琴の音色を学院祭で聴いて、クラシックとは対照的な日本の音楽に強く惹かれました。お琴に触れたのは中学1年が初めてです。
筝曲部の魅力は?
少人数ですが、そのぶんコーチに一人ひとりを見ていただけますし、全員一丸にもなれます。基本は学院祭で発表する曲の練習ですが、曲が良い仕上がりになったときには「楽しい!やっていて良かった!」と心から思います。筝曲は指揮者なしで合わせなくてはいけないところが難しいですが、周りの音をしっかりと聴く力や、合わせていく力がついていきます。私も部員同士を良く知りわかり合うことで、横を見なくても耳でお互いがわかる力がついたことが一番の成長だと思っています。
初心者でも大丈夫?
部員は全員初心者です。入学して約3ヶ月の中学1年生もすでに弾けていますし、週2回の練習でも不安はないと思います。
部の雰囲気は?
学年を越えて仲が良く、クラブ内だけでなくプライベートでも仲が良い人が多いです。お互いを深く知り合っているからこそ、いい曲ができるんだと思っています。練習中、先輩の指導は厳しく、いい緊張感の中で行われますが、練習が終わればまた和気あいあいとした雰囲気に戻ります。メリハリがありますね。
学院祭での発表
学院祭ではコーチに決めていただいた古典曲と、高校生で考えた現代曲を披露します。お琴に親しんでもらえるように、毎年現代曲を取り入れています。昨年は平原綾香さんの「Jupiter」や東日本震災プロジェクトの「花は咲く」を演奏しました。
筝曲部からのメッセージ
筝曲部に入部すると周りを見る力もつきますし、知らなかった音楽の楽しさも見つかります。私も入部前は日本の古典音楽を自分から聴くことはなかったのですが、筝曲をはじめて興味や趣味が広がりました。良いことがいっぱいあると思います!
他のクラブだからわかる!筝曲部
現代曲を聴かせてくれるから新鮮!
日本らしさが筝曲部の一番の良さだと思うのですが、浴衣を着てしとやかに演奏する姿を見ると感動します。それにお琴でよく演奏される古典曲だけでなく、私たちがよく知っている現代曲を日本の伝統楽器で弾いてくれるから新鮮で、「おっ!」となります。私も「お琴体験」をさせてもらい、全く弾いたことがなかったのに「さくら」が弾けるようになりました。
お琴体験が人気!
すごくまじめに練習している印象があります。夏休みに私たちが練習をしていると、きれいな音色が響いてきて聞き入ってしまうことがよくありました。学院祭では、私たちも同じ日が出番なので発表を聴くことができないのですが、お琴体験は人気です。
ESS部から、全編英語による劇(主にミュージカル)の制作・発表に特化した ENGLISH DRAMA CLUBへ2007年に進化。オーディションで決められるキャストだけでなく、脚本、衣装、照明、大道具など舞台に関わるすべてを部員たちで制作する。メインの公演は5月の学院祭で、内外から注目が高い。
ENGLISH DRAMA CLUB photo01
2016年学院祭での公演は「Beauty and the Beast」。 公演は、中学生が中心となる夏休みの研究公演と、部員全員で取り組む学院祭の公演がある。
ENGLISH DRAMA CLUB photo02
学年を越え、多くのキャストやスタッフが一丸となって、自分たちの手作業で舞台を作り上げる。そのやりがい、発表後の充実感がたまらない。
ENGLISH DRAMA CLUB photo03
普段は視聴覚教室で練習。この日はオーディションに向けた個別練習の日で、発声や発音、セリフなどを生徒同士でチェックしていた。部室は別にあり、過去の作品の衣装や大道具、画材などでいっぱい。
入部のきっかけは?
視聴覚室の前を通ったら、小学校の卒業式で歌った英語の歌を練習していて、興味を持って見に行ったら、とても楽しそうだったので入部しました。もともと歌とダンスが好きで、英語にも興味があったんです。
ENGLISH DRAMA CLUBの魅力は?
一つの舞台を作り上げるということは、全員の協力がないとできないものです。だからこそ、裏方もキャストも団結して頑張っていきますし、その一体感が苦しくてもつらくてもやめられない理由かなと思います。舞台を終えた後の満足感がとにかく大きいです。キャストも裏方もすごく大事な仕事で、やっていくうちにできるようになったことも多くありますね。私自身、ENGLISH DRAMA CLUBに入って以前は持てなかった自信を持てるようになりました。
初心者でも大丈夫?
全編英語のミュージカルですが、英語が得意な人より興味がある人が多いですね。英語ができなくても台本を覚えることは誰でもできるので、得意不得意は関係ないと思います。クラブを続けていく中では大変なこともありますが、特に同じ学年の部員が本当に大切な存在になり、悩みを打ち明けたり、みんなで相談し合ったりして支え合うことが多くなっていきます。
部の雰囲気は?
68人も部員がいるので、まとめるのが大変です。裏方も部員がすべてやっていて、大道具、衣装、サイドからのスポット、舞台照明、音響の5つ部署があります。脚本も衣装も曲の編集もすべて部員がやりますから、人数は多いですがやることはいっぱいあります。その中でお互い支え合い、協力し合って舞台を作っていきます。全員が欠かせない大切な存在です。1人でも欠けてしまうと舞台は成り立たなくなってしまいます。その意味では、練習の時は厳しさも大事かと思います。
学院祭での発表
キャストはオーディションで決めていて、最初に自分のやりたい役を決め、その役のオーディションを受けていきます。2次オーディションもあり、歌やダンスを見ますから、全員が真剣です。9月の初めからオーディションをして、10月の初めにはキャストも内容もすべてほぼ完ぺきに決まっています。その後翌年5月の本番まですっと練習です。脚本は部長を中心とした最高学年の仕事になります。最初から英語で映画を見ながら作ったりするのですが、日本語なら伝わることが英語だと伝わらないことが多く、できるだけ演技はわかりやすく大きくということを心掛けています。学院祭でのステージを見ていただいて、新入部員がたくさん入ってきてくれるのが一番の喜びですね。そのためにやっているところもあると思います。
ENGLISH DRAMA CLUBからのメッセージ
すごく大変なクラブではありますが、やっていくうちに達成感や責任感が身につけられます。歌やダンス、英語だけでなく、自分が何をしなければいけないかと考えられるようになりますから、人として大きく成長できるかなと思います。続けることでENGLISH DRAMA CLUBでやってきて良かったと思える日がきっと来ます!
他のクラブだからわかる!ENGLISH DRAMA CLUB
英語劇なのに わかりやすく楽しめる!
英語劇なのに、わかりやすく見ていてすごく楽しめる舞台でいつも感心しています。 舞台ではテンポや間が大切だと思うのですが、その「間」が絶妙です。 英語のセリフを必死で覚えて順番が来たから機械的に言うだけでなく、内容を理解して自然に英語のセリフが出てきていると思わせてくれる舞台は感動的です。
キャストと裏方が 一心同体でないと作れない舞台
普段一緒に学校生活をしているのに、舞台に立つと、とても輝いていてすごいなと思っています。衣装も自分たちで作るから大変そうですが、だからこそあの舞台なんだなと思います。舞台では真っ暗なところにスポットが当たってキャストが映し出されるわけですが、そのスポットが的確に当たって気持ちいいです。それを見ていると、キャストと裏方が一心同体でないと作れない舞台だなと思います。