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武庫川女子大学附属中学校・高等学校
ハンドボール部 インタビュー

武庫川女子大学附属中学校・高等学校 ハンドボール部 インタビュー

INTERVIEW
右)??本蒼史くん(高校3年Aコース・高校31代目・部長)中)長谷川卓也先生(太鼓部顧問)左)今村暁里さん(中学3年Vコース・中学5代目・部長)

武庫川流1点を取るためのフォーメーションプレー

中高合同で練習しているそうですが、メニューは違うのですか。
【上原先生】
部員は、高校生9人、中学生12人で、同じ練習メニューを中学生と高校生が一緒になってやっていますが、意識も狙いも全く違います。中学生は本校に入ってハンドボールに触れた部員が大半ですから、まずハンドボールを好きになってもらうことが大前提で、そのためには燃え尽きることなく、先輩たちを見習って「ああいうふうになりたいな」と思ってほしいという考えです。高校生は「簡単な基本プレーが試合で生きる」という事から、あえて中学生と同じメニューを中心に練習しています。
上原先生が大切にされているハンドボール部の指導方針を教えてください。
【上原先生】
部活も学校行事も目いっぱい参加するということです。部員たちには10月の体育大会の実行委員に全員手を挙げてもらっています。9月に新しいチームでの公式戦がありますので、忙しい時期に敢えて実行委員をやるということは練習時間も短くなるし、放課後に役員の集まりや運営の準備などがあって様々な制限が出てきます。しかし、それをやり切ることで限られた時間内での集中力をつけられます。
ハンドボール部の顧問になられてからずっとその方針ですか。
【上原先生】
そうですね。体育大会の実行委員長は10年近くハンドボール部員です。
練習が忙しい運動部でそのような方針を取られているのはめずらしいですね。

上原先生が考えたフォーメーションが武庫川ハンドボール部を支える。部員はフォーメーションを徹底的に記憶して試合で戦う。

上原先生が考えたフォーメーションが武庫川ハンドボール部を支える。部員はフォーメーションを徹底的に記憶して試合で戦う。

【上原先生】
本校の体育大会はなかなか他では味わえないものがあり、壮大な行事になっています。参加するにしても、縁の下力持ちになるにしても、とても良い経験ができると思いますから、クラブと同じぐらい熱が入ってくれたらいいなと思っています。そしてクラブでは、できれば成功体験をしてほしいと思いますので、“試合に勝つ”ことを目標にしています。

武庫川のハンドボール部は、決まったフォーメーションで攻めるそうですね。
【上原先生】
「記憶することができなければ考えることもできない」と言われます。それをスポーツにも当てはめて、まずは徹底的に形を覚えます。他校ではなかなかやっていないのですが、フォーメーションを使って確実にシュートチャンスを作ります。
そのフォーメーションは上原先生が考えられたのですか。
【上原先生】
かなり紆余曲折がありました。とにかく強くなりたいという一心だったんです。あちこち渡り歩き、大学生の試合を見に行ったり、全国大会にビデオを撮りに行ったりして、強くなるためにできることはないか、取り入れられものはないかと方法を探しました。行き着いたところが、経験が少なければ形(フォーメーション)を覚えることが一番だということでした。形なので相手に見破られることもありますが、見破られたら見破られたときの形を作って戦います。
武庫川ハンドボール部ならではの戦い方ですね。
【上原先生】
そうかもしれませんね。キャリアのなさをどうやって補うかを考えました。特に今の高3は高校から始めた生徒が多かったので、フォーメーションに落とし込むことは効果的だったと思います。

ハンドボールは起こしたい現象を起こすスポーツ

部員の皆さんからは、「勝つこと」への強い意識も感じられました。
【上原先生】
世の中には自分たちよりももっとすごい選手がいて、頑張ったつもりでも自分の至らなさを思い知り、さらに努力を積み重ねる大切さを実感することになるから、大きな世界を見た方がいい。そのために「全国大会に行きたいね」と常に言っています。あと、18時30分が完全下校ですので、その時間的制約の中で伸びるには、普段の生活の中で頑張りを練習に取り組もうと言っています。これは体を使ってトレーニングをするわけではなく、帰宅後もひと踏ん張りして、勉強を含め、「つらい」「厳しい」「苦しい」を頑張ることをハンドボールに応用できるという意識をもとう、つまり、生活も練習の一部とすることで、強いチームと戦える力になると言っています。
それを部員たちがやり遂げられるように指導されるわけですか。

ハンドボール部の次のステップを考え、進み続ける上原先生に、部員たちはついていく。

ハンドボール部の次のステップを考え、進み続ける上原先生に、部員たちはついていく。

【上原先生】
結果的にずるいのかなと思いますが、やるように仕向けているんです。生徒たちのやらされている感をいかになくすかが大切だと思うんですよ。休日練習も9時から12時で終了して僕は離れてしまうのですが、その後3時間ぐらいは自分たちで練習しています。「こういう時に上手くなるんだよね。」と工夫する事を促して任せています。

今後のハンドボール部の目標はありますか。
【上原先生】
勝つことだけが目標ではなく、そこへ至るまでのプロセスが大事だと思っています。今年、全国大会に出場したことで、部員たちは全国大会が身近に感じたと思うので、それは追い続けられるような、届きそうな雰囲気になるように指導していきたいですね。
そのためには、先ほど話した24時間が練習の意識です。1日の中でハンドボールをしている時間は2時間程度ですが、それに関連づくような項目を生活の中で増やす意識づけをしてあげることを大切にしたいです。そうすれば強豪チームと遜色のないことが本校のハンドボール部でもできると思っています。
ハンドボールはスピードも速く、かなり激しさを感じますが、球技の中でも難しいスポーツなのですか。
【上原先生】
僕は、試合では何が起きるかわからない、とは思っていないんです。何が起こるかわからないからいろんなことを練習しようではなく、起こしたい現象を起こす。そのために守り方や攻撃の方法を洗練させていくというだけです。武庫川のハンドボール部は楽しいと思いますよ。練習は簡単で、すぐに成功が味わえることばかりです。成功の連続の先に考えることになり、ハンドボールというものが何かを知るのは最後の最後になりますが、そこへ行くまでは楽しいことが連続で起きるんです(笑)。ぜひ、一緒に挑戦しましょう。新しい仲間になってくれる人を待っています。

武庫川女子大学附属中学校・高等学校

武庫川女子大学附属中学校・高等学校
上原先生が考案した徹底してフォーメーションで攻めるスタイルを繰り返し練習し、高校から始めた生徒が多数いたにもかかわらず全国大会への切符を手にした武庫川女子のハンドボール部。部活も学校行事に目いっぱい参加するという部の方針に従って、体育大会の実行委員としてもハンドボール部が活躍しているという話も含め、先生と生徒の強い絆を感じる取材になった。

 

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