column ココロの特集
小学生ママのお悩み「イライラが止まらない」対策を解説
小学生の子どもをもつ母親のお悩みランキングで、よく上位に挙がっている「イライラが止まらない」。育児をはじめ家事、仕事、介護などで忙しい日々の中、いつも穏やかな気持でいられればいいのですが、実際はなかなか難しいものです。では、「できるだけ、イライラしたくない!」という母親は、どうすればいいのでしょうか。今回はその原因や対策、つい子どもや家族にぶつけてしまった時のフォローなどについて、一緒に考えていきましょう。
1小学生ママのイライラの原因4つ
小学生の子どもをもつ母親は、どんなことが原因でいら立つのでしょうか。ここでは考えられる4つの原因について説明します。
①子どもがいうことを聞いてくれない
「早く寝なさい」と言ってもゲームを続けていたり、「部屋が散らかっているじゃない」と注意しても片付けようとしなかったり。子どもがそんな態度を取った時は、ついイラッとしますよね。
また子どもが自分の思った通りに動いてくれない時も、いら立ちを覚えやすいものです。例えば朝、「遅刻しないように」と準備を進める中で、子どもがのんびり支度をしていると「お願いだから早くして!」と言いたい気持ちになるのでは?一つひとつは小さなことでも、積み重なると大きなストレスになりかねません。
②家事が忙しい
毎日の家事、子どものしつけや宿題のチェック、家族の健康管理、仕事や介護と育児の両立など、日本では母親に多くを期待する風潮がまだ強いのではないでしょうか。母親がすべての家事を担当していると、心身に余裕がなくなり、気持ちも荒れがちに。毎日がマルチタスクという環境では、心の休まる暇がなく、イライラするのも無理はありません。
③夫が育児に非協力的
子育ては母親・父親が協力して行うべきなのに、夫に育児への参加を期待しても「仕事が忙しいから」とはぐらかされたり、「子どもと一緒にいる時間は母親の方が長いから、母親に任せるのが一番」と勝手な意見を押し付けられたり……。
また育児に参加はしているものの、それほど熱心なように見えない、いい加減にしているように思えるというケースも。例えば「私は夕食を作るから、パパは子どもの宿題を見てあげて」と頼んだのに、子どもの側に座ってスマホをいじっているだけという姿を見て、イライラするというケースもあるようです。
④家庭の外でのストレスが多い
職場で上司との折り合いが悪い、ママ友との付き合いに疲れた、義父母との折り合いが悪いなど、家庭の外で受けたストレスが理由でいら立ち、その気持ちを家で発散してしまうケースもあります。
続いて、イライラが原因で起こりがちな問題について考えてみましょう。
2イライラが及ぼす影響
イライラという感情は、自分はもちろん子どもにも影響を及ぼします。どのような影響があるのか、詳しくみていきましょう。
子どもにあたってしまう
いら立った時にやってしまいがちなのが、「子どもへの八つ当たり」です。例えば子どもにあたることが多いと、子どもは「お母さんに叱られたくない」と意識するあまり、気持ちが萎縮して発言や行動が消極的になったり、親の顔色をうかがって行動するようになったりする恐れがあります。子ども自身は悪くないのに叱られることで、自己肯定感が下がることも懸念されます。
また、子どもがたびたび親から八つ当たりをされると、「何も悪いことをしていないのに、親の機嫌次第で叱られる」と理不尽さを感じ、反抗的になるかもしれません。逆に「またか。いつものことだから、ちゃんと聞かなくてもいいや。聞いているふりをしておこう」など、悪い意味で慣れてしまうことも考えられます。
イライラをぶつけた後、罪悪感に悩まされる
子どもや夫にあたってしまった後で、自分を責めたり、落ち込んだりする母親がほとんどではないでしょうか。「こんな感情を子どもや夫にぶつけるのは良くない」と頭ではわかっていても、気持ちを抑えるのは難しいものです。子どもにあたらないよう努力するのは良いことですが、いら立ちを誰かにぶつけてしまうのは誰にでもあり得ること。あまり自分を責めすぎないようにしてください。
では、子どもに感情的になってしまった後はどうしたらいいのでしょうか?次はその対策について考えていきましょう。
3子どもにあたってしまった時は?
イライラしている時、子どもがやったささいなミスに対し、怒るほどでもないのに声を荒げてしまった……。そんな風に「しまった!」と思った時に、やってみてほしいことを紹介します。
子どもに謝る
まずは子どもに謝りましょう。大切なのは、子どもが悪いことをしたかどうかに関わらず、「子どもにあたってしまった」という事実に対して謝ることです。「大声を出してごめんね。あなたのせいじゃないのよ」「お母さん、仕事で疲れてちょっとイライラしていたみたい。さっき大声を出したのは、お母さんが悪かったね」などの言い方をしてみてください。
親も人間ですから、失敗したり余裕がなくなったりして当然です。その際に自分のミスを認め、きちんと謝る姿を子どもに見せることも大切ではないでしょうか。
イライラの原因を探してみる
「小学生ママのイライラの原因4つ」でもご紹介しましたが、例えば家事や仕事で忙しく疲れが溜まっている、趣味や息抜きをする時間が取れていないなどが、いら立ちの原因になっているかもしれません。自分でも気づいていなかったり、「そんな小さなことが原因のわけがない」と軽く見ていたりするのでは?
いつ頃からイライラし始めたのか、自分の生活を振り返って原因を突き止めることが、改善への第一歩になるはずです。
自分を大らかに受け入れる
「子どもにイライラをぶつけてしまう自分は悪い親だ」「こんな親では子どもがかわいそうだ」。子育てに一所懸命な、真面目な方こそ、そんな風に自分を責めてしまうのではないでしょうか。
そういう場合、子どもにあたってしまった自分を「よくない」とジャッジせず、いったん受け入れてみましょう。いら立ったり、その感情を他にぶつけてしまったりすることは、特別なことではありません。むしろ誰もが悩まされるものだといっていいでしょう。
イライラする自分を嫌悪するのではなく、「ああ、今は気分が波立っているな」と気づいたら、「まあ、仕方ないよね。こんな日もある」とまず受け入れます。そして「頑張りすぎて疲れたのかも。ちょっと休もう」と、自分を労ってあげてください。
誰でも感じることではあるけれど、できればイライラしたくない……それが、ほとんどの人の本音かもしれません。続いては、できるだけイライラを避けるための対策について考えます。
4できるだけイライラしないための対策
イライラの頻度を減らしたり、上手に発散したりしたいと考える方も多いのではないでしょうか。そんな時に役立つ対策を紹介します。
物理的な負担を減らす
料理や掃除、洗濯など、家事の負担が大きいとイライラしがちなものです。自分に多くの負担がかかっていないか見直し、やらなくてもなんとかなりそうなもの、頻度を減らせそうなものについては省いてみましょう。具体的な例を挙げてみます。
家事を手抜きする日を作る
例えば食事作りが大変なら、毎週水曜日の夕食はお惣菜やテイクアウトを利用したり、フードデリバリーや冷凍おかずの宅配などのサービスを使ったりしてみては。全く調理しないことに抵抗があるなら、メインだけ作り副菜は買ってもいいでしょう。
掃除が負担になっているなら、土日は「10分以上、掃除をしてはいけない日」に設定してみましょう。どうしても気になる箇所だけサッと拭く、掃除機をかけるなどの対応を。ルール化してしまえば、「これは決まりだから」と罪悪感なく割り切れるのではないでしょうか。
少し費用はかかりますが、家事代行サービスを利用する方法もあります。全ての家事をしてもらう他に、苦手な家事だけをお願いすることもできますね。
少し費用はかかりますが、家事代行サービスを利用する方法もあります。全ての家事をしてもらう他に、苦手な家事だけをお願いすることもできますね。
抱えている負担を家族に伝え、話し合う
子どもが散らかしっぱなし、または家事をやろうとしない夫が掃除のやり方に口出ししてくるなどのケースは、母親がイラッとするのも無理はありません。そんな時は子どもや夫に、自分の気持ちやしてほしいことを伝えてみましょう。
例えば、自分が担当している家事の中で子どもや夫にできるものは、お願いして手伝ってもらうのはどうでしょうか。朝食の準備を担当しているなら、夫に「子どもを起こして、歯磨きや洗顔、持ち物の支度まで、できているか見守ってやってくれない?その間に食事を作ってしまうから」と、具体的に何をしてほしいか伝えてみてください。
その時に注意したいのは、「あなたが○○するから、私もイライラしてしまうのよ」という、相手を責めるような言い方はしないこと。例えば子どもには、「仕事から帰ってきて部屋が散らかっていると、お母さんはとてもつらいから、自分で出した物は自分で元に戻して」と、自分の感情を伝えるようにしましょう。
また夫に対しては、「私1人では手が回らないから、この場所の掃除は週3回、あなたにお願いしたいの。掃除用のシートで拭いてくれるだけでいいから」と、具体的に伝える工夫を。
ストレスを発散する
いら立ちの理由は、たまったストレスが関係しているかもしれません。ストレスを上手に発散することも意識してください。
自分のために時間とお金を使う
家族のために時間とお金を使うことが多い、母親というポジション。時には、自分で自分に時間やお金を使い、ケアしましょう。
例えば1人ゆっくりカフェでお茶を飲む、美容院やマッサージなどに行く、スポーツジムで汗を流す、サウナやヨガでリラックスする、好きな映画を観る、友達と思い切りおしゃべりするなどです。
外出が難しい場合は、1人になれるスペースを見つけ、家族には「本を読む(または音楽を聴く、インターネットで面白い動画を見るなど)から、ちょっと1人にしてね」と頼んでもいいでしょう。意識したいのは、自分が楽しく感じることをやってみる、自分をしっかり労ってあげることです。
栄養と睡眠をしっかりとる
ストレスは栄養・睡眠などの不足からきている場合も少なくありません。例えばタンパク質やビタミンB群、カルシウムなどが不足すると、ストレスの影響が出やすいといわれています。
これらの栄養素を摂取することは大切ですが、気にしすぎてはそれが新たなストレスになりかねません。足りない栄養素を頭の片隅に置きつつ、バランスの良い食事を摂ることを心がけましょう。
友人とおしゃべりする
子どもや夫の愚痴を言い合える友人はいませんか?同じイライラを共有できるママ友や、仲の良い友人と話すこともストレスを効果的に発散する方法です。愚痴や悩みを吐き出せる相手や場所があることが大切です。ストレス発散とともに、「私の家ではこうしているよ」など、有益な情報を交換する場所になるかもしれません。実際に会うのが難しいなら、オンライン(SNS)で同じ悩みを抱えるママたちとつながるのもいいでしょう。
5まとめ
子育てはイライラしがち、やっていられないと思うこともあるはず。とはいえ家族にイライラをぶつけると、家族も自分も嫌な気持ちになりがちなので、できれば避けたいですよね。家族に対して思いやりを持つことも大切ですが、まず自分をいたわる気持ちを忘れないでください。
自分で自分をいたわるのが難しい時は、他人の目になって「あなたは頑張っているよ」と声をかけてあげましょう。イライラが抑えられないほど強くなってきたら、吐き出すことも必要です。頑張り過ぎずにイライラをうまく受け流していきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
体内のさまざまな機能を調整しているホルモン。そのバランスの崩れが、イライラを引き起こしていることがあります。ホルモンバランスの乱れを起こす疾患には、以下のようなものがあります。
PMS(月経前症候群)
PMSは月経の3~10日ほど前から精神的・身体的に様々な不調が現れ、その症状の1つにイライラがあります。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの乱れが原因と考えられており、セロトニンという神経伝達物質の働きが低下して起こるとも考えられています。
更年期障害
更年期障害は男女ともに見られますが、女性の場合は閉経に伴い卵巣の働きが衰え、エストロゲンというホルモンの分泌が急激に減少することで起こります。よく知られているのはホットフラッシュ(ほてり)や発汗などの症状ですが、イライラが表れることもあります。
PMSや更年期障害の症状に思い当たる方や気になる方は、レディースクリニックや婦人科での受診をお勧めします。
PMSや更年期障害の症状に思い当たる方や気になる方は、レディースクリニックや婦人科での受診をお勧めします。
甲状腺機能亢進症
バセドウ病とも呼ばれ、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。新陳代謝が活発になり過ぎることで、脈拍数の増加や動悸・息切れ、落ち着かない、イライラなどの症状が現れます。20代~30代の女性に多いといわれています。気になる方は内科での受診をお勧めします。