column ココロの特集
完璧な親じゃなくていい!小学生高学年の親にすすめたい「ほどほど子育て」
- 要約
- 小学校高学年はプレ思春期。親子関係や子どもの自立が大きく変化する時期 「ちゃんとさせなきゃ」と頑張る親ほどプレッシャーが強まり、子育てに疲れやすい SNSや教育情報が、理想の子育て像への不安や焦りを生みやすい 「ほどほど子育て」は、放任でも手抜きでもない無理をしない関わり方 本記事では、親が背負いすぎず、子どもの自立を支える具体的な実践方法を紹介
「子育て…正直、疲れるかも」。そんなふうに感じる日が、最近増えていませんか。低学年の頃は、声をかければ素直に動いてくれたのに、高学年になった今は注意すれば不機嫌になり、話しかけても返事がそっけなかったり、急に反発されたり。勉強に集中せずに、ゲームばかりしていることも…。そんな姿に、思わずため息が出ることもあるかもしれません。
親は「見守りたい」という気持ちと、「今、口を出さないといけないのでは」という焦りの間で揺れ続けます。つい大声で叱ってしまったり、自分のやるべきことが後回しになったりして、1日が終わる頃には、どっと疲れてしまう…そんな日もあるのではないでしょうか。
「親としての関わり方が悪いのかな」「もっと上手に振る舞える親もいるんだろうな」「私が完璧な子育てをしないと子どもの将来に影響するのでは?」。そんなふうに自分を責め、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。でも、その疲れや落ち込みは、あなたがダメな親だからではありません。むしろ、真剣に子どもと向き合い、責任を感じているからこそ生まれるものです。
今回は、思春期ならではの難しさを抱える小学校高学年の時期に、親としてどんな距離感で関わっていけばいいのか。親が疲れきってしまわないための「ほどほど子育て」について考えてみましょう。
親は「見守りたい」という気持ちと、「今、口を出さないといけないのでは」という焦りの間で揺れ続けます。つい大声で叱ってしまったり、自分のやるべきことが後回しになったりして、1日が終わる頃には、どっと疲れてしまう…そんな日もあるのではないでしょうか。
「親としての関わり方が悪いのかな」「もっと上手に振る舞える親もいるんだろうな」「私が完璧な子育てをしないと子どもの将来に影響するのでは?」。そんなふうに自分を責め、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。でも、その疲れや落ち込みは、あなたがダメな親だからではありません。むしろ、真剣に子どもと向き合い、責任を感じているからこそ生まれるものです。
今回は、思春期ならではの難しさを抱える小学校高学年の時期に、親としてどんな距離感で関わっていけばいいのか。親が疲れきってしまわないための「ほどほど子育て」について考えてみましょう。
監修:正木大貴[博士(医学)]
もくじ
1小学校高学年の親が子育てに疲れてしまう理由

- 要点まとめ
- 小学校高学年はプレ思春期。親の関わり方次第で反発が強まり、子育てに疲れやすい時期 自立したい子どもと支えたい親の“気持ちのズレ”が親子関係の悪循環を生む SNSや教育情報の影響で「理想の子育て」と比較し、不安や焦りが増大
プレ思春期と親子関係の変化
小学校高学年の子どもは、心が大きく変わり始める思春期の入口、いわゆるプレ思春期に当たります。親から少しずつ離れ、自立しようともがく時期であり、親が関わろうとすればするほど、子どもは「信頼されていないのでは?」と感じ、反発(反抗期)が強まることも少なくありません。その結果、親子関係が悪循環に陥りやすくなります。
一方で、この時期の子どもは、実際にはまだまだ親の支えが必要です。親としても、「より良く成長してほしい」「今できることはしてあげたい」と考え、関わろうとすればするほど悩み、もがいてしまう時期でもあります。こうした親子それぞれの気持ちや成長段階の微妙なズレが、親に焦りや疲れを感じさせる大きな要因のひとつになります。
一方で、この時期の子どもは、実際にはまだまだ親の支えが必要です。親としても、「より良く成長してほしい」「今できることはしてあげたい」と考え、関わろうとすればするほど悩み、もがいてしまう時期でもあります。こうした親子それぞれの気持ちや成長段階の微妙なズレが、親に焦りや疲れを感じさせる大きな要因のひとつになります。
子育てへのSNSやネットの影響
さらに近年では、理想的な子育てや家族像が、ママインフルエンサーなどによってSNS上で大量発信されています。「これはあくまで理想」「完璧な子育てなんてできるわけがない」と頭では理解していても、目に入るたびに自分の家庭と比べて落ち込み、不安や焦りを感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
加えて、ネットニュースや記事で見かける「小学生のうちに親が〇〇してあげないと将来に影響が出る」「親の関わり方次第で、子どもはこんなに伸びる」といった言葉の数々も、親にとっては大きなプレッシャーになります。特に、中学受験を視野に入れているご家庭では、「今が大事な時期」「親の関わり方ひとつで結果が変わる」「今が踏ん張りどころ!」といった意識が強くなりやすく、知らず知らずのうちに自分にも子どもにも厳しくなってしまいがち。そうした積み重ねが、子育てを疲れさせてしまうのです。
加えて、ネットニュースや記事で見かける「小学生のうちに親が〇〇してあげないと将来に影響が出る」「親の関わり方次第で、子どもはこんなに伸びる」といった言葉の数々も、親にとっては大きなプレッシャーになります。特に、中学受験を視野に入れているご家庭では、「今が大事な時期」「親の関わり方ひとつで結果が変わる」「今が踏ん張りどころ!」といった意識が強くなりやすく、知らず知らずのうちに自分にも子どもにも厳しくなってしまいがち。そうした積み重ねが、子育てを疲れさせてしまうのです。
2”ほどほど”は「手抜き」ではない!
無理をしすぎない「ほどほど子育て」とは?

- 要点まとめ
- 「完璧な親」を目指さず、無理をし過ぎない関わり方が親子関係を安定させる 教えすぎない・抱え込みすぎない・専門家に任せることで親の負担を軽減 SNSや理想の子育て情報に振り回されず、親子に合ったペースを大切に
そこで心がけたいのが、親が子育てに疲れきらずに続けられる「ほどほど子育て」です。
“ほどほど”とは、「頑張らなくていい」「手を抜く」「子どもへの関心を減らす」「責任放棄」といった意味ではありません。親自身を追い詰めすぎないための、気持ちの“ほどほど”です。完璧や理想ばかりを追い求めるのではなく、親も子も無理をしすぎない範囲で、日常の中で続けられる子育てを目指しましょう。
関わりすぎない距離感のコツ
1. 完璧を目指すより、「無理をし過ぎない」を大切に

親だってひとりの「人間」です。イライラしてしまう日があってもいいし、言い過ぎてしまったらあとで謝ればいい。忙しいときは、便利なものや周囲の力を借りてもいいのです。「ほどほど子育て」では、こんな“ほどほど”の関わり方を参考にしてください。
【“教える役”を手放す】
子ども:これってどういう意味?お母さん、大人なのに知らないの?
親:大人にもわからないことはあるよ。まずは自分で調べてみて。わかったら教えてね。
【全部できなくても大丈夫】
子ども:明日の塾は、昼も夜もお弁当がいると言ってたよ。
親:明日は時間がないから昼だけ作るね。夜は買っていってくれる?
【専門家に任せる】
子ども:塾で習ったところがよくわからないよ。お母さん教えて!
親:それは塾の先生に聞くのが一番だね。明日、早めに行って質問してみたら?
すべてに応えなければ、完璧にやり切らなければ、と気を張るのではなく、少し余白をもった“ほどほど”の対応を心がけるだけで、張りつめていた気持ちが少し軽くなるはずです。
また、こうした姿勢で親が接すると、子どももそれをお手本にして、自分なりに考えて行動するようになることがあります。たとえば、子どもからこんな反応が返ってくるようになるかもしれません。
また、こうした姿勢で親が接すると、子どももそれをお手本にして、自分なりに考えて行動するようになることがあります。たとえば、子どもからこんな反応が返ってくるようになるかもしれません。
【負担ではなく楽しみに】
親:今日は時間がないから、塾のお弁当は買っていってくれる?
子ども:いいよ。コンビニで気になっていたパンを買ってもいい?
【自分で考えて決める】
親:宿題が終わったら、買い物を手伝ってくれると助かるな。
子ども:うーん…じゃあ、宿題をやってから行くよ。
親が完璧を手放し、「子どもを信じて待つ」「子どもに任せる」という余白を持つことで、子どもの自主性や、自分で考えて行動する力が育っていきます。「任せる」と「放っておく」は違うということを、親自身が意識することも大切です。
また、子育てに疲れてしまうのは、それだけ一生懸命向き合っている証拠です。SNSで目にする、明るく完璧に見える家庭の姿に心が揺れたときは、「こんな家庭もあるんだね」「こんなに完璧にしようとすると疲れそう。うちぐらいが気楽でちょうどいいかも」と一歩引いて眺めてみましょう。
子どもに関心を持ちながら、少し距離をとって見守ることが、無理をしない“ほどほど“子育てです。そうした関わり方は、子育てを頑張り続けるものから、子どもと一緒に成長していくものへと、少しずつ変えてくれるはずです。
子どもに関心を持ちながら、少し距離をとって見守ることが、無理をしない“ほどほど“子育てです。そうした関わり方は、子育てを頑張り続けるものから、子どもと一緒に成長していくものへと、少しずつ変えてくれるはずです。
3今日からできる「ほどほど子育て」実践編

- 要点まとめ
- 小学校高学年は「関わりすぎず、放置しない」親の距離感が重要 「困る前に助ける」から「困ったら相談できる親」へ関わり方を転換 親自身のセルフケアが、長く続く安定した子育てにつながる
環境や考え方を大きく変えなくても、今日からできる「ほどほど子育て」があります。
ここでは、高学年の親子関係が少し楽になる実践ポイントを紹介します。
子どもに責任を持たせる関わり方
1. “ほどほど”に関わる、“ほどほど”に距離を持つ
小学校高学年では、親が関わりすぎると子どもの反発を生みやすくなります。一方で、すべてを子どもに任せるには、親の不安が大きい時期です。だからこそ目指したいのは、「困る前に助ける」親ではなく、「困ったら相談できる」親。また、子どもの反抗的な態度や不機嫌を真正面から受け止め続けると、親の心が消耗してしまいます。対話や共感を大事にしつつも、子どもの感情に巻き込まれすぎない適度な距離感を意識しましょう。
“ほどほど”の関わり方・“ほどほど”の距離感のポイント
- 「宿題は終わったの?」「〇〇は用意した?」と逐一確認しない。
- → 「できたら教えてね」「終わったら声かけて」など結果だけを親が確認し、段取りや責任は子どもに任せましょう。
- 忘れ物や段取りミスは“失敗”ではなく“経験”と捉える。
- → 先回りして指摘することを控え、なるべく子どもが気づくチャンスを残します。
- 「ちゃんとできたの?」「入れたの?」と親の“不安”や“心配”を、子どもにぶつけるような言い方をしない。
- → 親の心配は心配として心に留め、子どもへの確認のための声かけは必要最小限、シンプルに。
- 子どもの感情的な言葉や態度に、機嫌を取ったり、感情的な態度や言葉で返したりしない。
- → 感情的な言動を正そうとせず、落ち着いた声で「そう感じているんだね」「そうしたいんだね」と事実だけを受け止めて返します。
- 親子で感情的なやり取りになったら一時中断。
- → 「今はお互い疲れているね。少し時間を置こう」と、その場で解決しようとせずに、まずは落ち着き、冷静さを取り戻すための声かけをしてみましょう。
2. “ほどほど”に責任を持たせる

高学年は「自分のことは自分で」の練習期です。子どもに丸投げをするのは危険ですが、親が背負いすぎることは、結果的に子どもの自立を妨げます。また、「親なんだから、全部受け止めなくては!」という思いが強い親ほど、疲れてしまいます。「ほどほど子育て」では、あえて子どもに任せる時間をつくることも、大切な関わり方のひとつです。
“ほどほど”に責任を持たせるポイント
- 習い事の継続ややめどき、休日の過ごし方など、決定権を少しずつ子どもに渡す。
- → いきなり任せるのではなく、親が選択肢を用意したうえで選ばせます。決めた後は、親から見て多少心配な点があっても子どもの決定を尊重することが大切。子どもも自分で決めたことには、責任を持ちやすくなります。
- 成績や友人関係を親がコントロールしようとしない。
- → 親として気になるのは自然なこと。そんな気持ちを抑え過ぎず見守ることを意識して、必要なときに相談できる立ち位置にいることを心掛けましょう。子どもから相談があったときも親の意見を押し付けず、「どうしたいと思っている?」とまず聞くことが大切です。
- うまくいかなかった時は責めずに、子どもに考えさせる。
- → 失敗直後は、評価や説教をしないことを心がけます。正解を急がず、「次はどうしたい?」「何が一番困った?」と聞いて、選択肢を提示すると、子どもが自分から考えます。
- 愚痴や文句は「聞く」に徹する。
- → 子どもの愚痴や文句は、「そう思ったんだね」とまずは気持ちを受け止めて安心感を与えることを第一に。「こうしたら?」といったアドバイスは求められてからで十分です。また、子どもが抱えている感情の処理を、親が背負い込まないことに気を付けましょう。
「ほどほど子育て」実践のための親のセルフケア
- イライラしたら子どもを正そうとせずに距離をとる
- 子どもと話したり、関わったりするなかでイライラが込み上げ、感情が高ぶってきたら、まずは深呼吸。肩の力を抜いて、「今は、うまくやらなくていい」と心の中でつぶやいて、自分に許可を出しましょう。その場を一度離れてトイレに行く、飲み物を取りに行くなど、物理的に距離を取って気分転換することも立派なセルフケアです。
- 一日の終わりは反省ではなく合格で終える
- 夜になると、「あれも注意しすぎた」「これもしてあげられなかった」と反省会が始まっていませんか。そんなときは、今日できたことを一つだけ思い出してください。「定時に子どもを起こせた」「子どもと一緒にごはんを食べた」など、簡単なことで十分合格です。完璧ではなく、最低限できたことを積み重ねるのが、「ほどほど子育て」です。
- 比較は手放して、同じ立場の声に触れる
- 理想の子育てばかりを見過ぎると、心が疲れてしまいます。「こんなふうで良いのかな」「これもできないけど大丈夫かな」と同じように悩む親同士で話しをして、「それはあるあるだよね」と共感し合うことが、子育てに疲れた心の回復や安心につながります。遠い憧れより、身近なリアルを大切にしましょう。
4頑張りすぎないことが、親子で成長する子育てへ

小学校高学年は、子どもが自立へと向かう一方で、親の関わり方が試される時期です。成績や友人関係、生活面まで「ちゃんとさせなければ」と力が入りすぎるほど、親は子育てに疲れやすくなってしまいます。
「ほどほど子育て」とは手抜きではなく、子どもに少しずつ任せ、親も背負いすぎないための選択です。子どもの先回りを控え、失敗を経験として見守り、子どもの感情は背負い込まずに寄り添う。そして親自身も立ち止まり、心を整える時間を持つことが大切です。
「ほどほど子育て」とは手抜きではなく、子どもに少しずつ任せ、親も背負いすぎないための選択です。子どもの先回りを控え、失敗を経験として見守り、子どもの感情は背負い込まずに寄り添う。そして親自身も立ち止まり、心を整える時間を持つことが大切です。
完璧を目指さなくても大丈夫。“ほどほど”な関わりが、親子双方の心を守り、次の成長へとつながっていきます。
