column ココロの特集
子どもの想像力はまだまだ伸びる!想像力を養うために親がしてあげたいことは?
他者とコミュニケーションを取る時や仕事をする時、相手の気持ちや求めていることを推し量る「想像力」は大きな役割を果たします。
想像力はまた、物事をスムーズに進める、これから起こりそうな問題やトラブルを避けるといった場合にも重要な力といえるでしょう。
だからこそ、早いうちから子どもの想像力を養い、伸ばしてあげたいものです。
今回は子どもの想像力を高めるために、親がしてあげたい取り組みや注意したいことについてご紹介します。
想像力はまた、物事をスムーズに進める、これから起こりそうな問題やトラブルを避けるといった場合にも重要な力といえるでしょう。
だからこそ、早いうちから子どもの想像力を養い、伸ばしてあげたいものです。
今回は子どもの想像力を高めるために、親がしてあげたい取り組みや注意したいことについてご紹介します。
1想像力とはどんな力?
「想像力」はよく使われる言葉ですが、わかりやすくいえばどんな意味でしょうか。
国語辞典で「想像」を調べると、次のように説明されています。
国語辞典で「想像」を調べると、次のように説明されています。
想像
[名] (スル)
実際には経験していない事柄などを推し量ること。また、現実には存在しない事柄を心の中に思い描くこと。
想像力は「想像する力」を表しますから、経験していない事柄を推し量れる力、現実には存在しないことを思い描く力ということになります。
2子どもの想像力はどんな時に養われる?
子どもの想像力が養われる場面について、例を挙げてみていきましょう。
その1コミュニケーションを取る時:他者への想像力
コミュニケーションを取る際には、相手の気持ちを想像することが欠かせません。
例えばずっと仲良く遊んでいた友だちから「今日は遊べない」と誘いを断られた時など、「いつも遊んでいるのに、どうして?」「何かに怒っているの?」と、つい相手を問い詰めたくなるかもしれません。
しかし、もし「今日は調子が悪いのかな?」「他にやりたいことがあるのかも」と相手の気持ちを想像できれば、無用な争いを避けることにつながります。
想像力に欠けていると、行動や発言が主観的になる恐れがありますから、人付き合いにおいてはぜひ身につけておきたいですね。
例えばずっと仲良く遊んでいた友だちから「今日は遊べない」と誘いを断られた時など、「いつも遊んでいるのに、どうして?」「何かに怒っているの?」と、つい相手を問い詰めたくなるかもしれません。
しかし、もし「今日は調子が悪いのかな?」「他にやりたいことがあるのかも」と相手の気持ちを想像できれば、無用な争いを避けることにつながります。
想像力に欠けていると、行動や発言が主観的になる恐れがありますから、人付き合いにおいてはぜひ身につけておきたいですね。
その2物事がうまく進まない時:突破への想像力
想像力が豊かな人は物事を多面的に見ることができます。
パズルやクイズを解く時に、ある1つの考えに固執するあまり解答できなかったという経験はありませんか?けれど「こうしてみたらどうだろう?」という想像ができれば、問題を抱えて行き詰ってしまう状態から抜け出すこともできます。
豊かな想像力があれば、「~ねばならない」という固定観念にとらわれず自由に発想することができるでしょう。物事がうまく進まないというとネガティブな印象になりますが、実はどう切り抜けようかと悩むことは想像力を養うことにつながります。
その3先を予想して動く必要がある時:未来への想像力
想像力は「もしも」の状況を考える際にも関わってきます。
家でテーブルの端にコップが置かれている時、「誰かがテーブルにぶつかったら、コップが倒れて落ちるかもしれない」と考える。
あるいは真夏の暑い日、出かける前に「すごく汗をかきそう」と考えて、水筒や着替えのシャツなどを用意する。
そんな風に、まだ起こってはいないことを予想するのも想像力といえるでしょう。
家でテーブルの端にコップが置かれている時、「誰かがテーブルにぶつかったら、コップが倒れて落ちるかもしれない」と考える。
あるいは真夏の暑い日、出かける前に「すごく汗をかきそう」と考えて、水筒や着替えのシャツなどを用意する。
そんな風に、まだ起こってはいないことを予想するのも想像力といえるでしょう。
例えば航空会社のANAでは、「常に5秒先の未来を想像する」ことを大切にしているそうです。
飲み物を飲み終わりそうなお客様がいたら、そのタイミングでおかわりを用意するか、紙コップを下げる準備をする。席で赤ちゃんが泣き出しそうであれば、おもちゃをお持ちする。たった5秒先を見通すだけで、できることはたくさんあります。
引用元:仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい/ANAビジネスソリューション(KADOKAWA)
このように想像力は、コミュニケーションを取る時や物事が行き詰った時、危機を察知する際など、様々なシーンで養うことが可能です。
では子どもの想像力を伸ばすために、親は何をしてあげればよいのでしょうか。
では子どもの想像力を伸ばすために、親は何をしてあげればよいのでしょうか。
3子どもの想像力を育むための取り組み
ここでは、子どもの想像力を伸ばすために親ができることについて考えます。
幅広い年代の人と話す
同世代の友だちだけでなく、中高生や親世代、祖父母と同じ世代の人たちとコミュニケーションを取ると、様々な視点や意見に触れることができます。話をすることによって徐々に他者の気持ちを想像し、感情を理解するようになっていきます。
例えば親が参加している地域のコミュニティに子どもを連れて行ってあげるのも、子どもの想像力を伸ばすための1つの取り組みになります。また自分と趣味や嗜好が異なる友人・知人と話すことも想像力を伸ばすために役立ちます。
いつも同じメンバーとしか遊ばないという子どもは、思い切って違うコミュニティの子どもや上級生、大人と話すことを勧めてみてもいいでしょう。
様々なジャンルの情報に触れる
全く知識をもたずに何かを想像するのはかなり難しく、限界もあります。想像を広げていくためには、あらかじめある程度の知識を持っておくとより理想的です。
例えば外国籍の生徒がクラスに転入してきた場合、その国の歴史や宗教、文化などを知っていると、相手がどんなことに期待しているのか、または疑問や不安を感じているのかを想像しやすくなるはずです。
子どもは大人に比べ、未知の分野に対して柔軟に受け入れる余地が大きいですから、有害なものは除きつつ、なるべく先入観を持たせずにいろいろな情報に触れさせてあげましょう。
例えば外国籍の生徒がクラスに転入してきた場合、その国の歴史や宗教、文化などを知っていると、相手がどんなことに期待しているのか、または疑問や不安を感じているのかを想像しやすくなるはずです。
子どもは大人に比べ、未知の分野に対して柔軟に受け入れる余地が大きいですから、有害なものは除きつつ、なるべく先入観を持たせずにいろいろな情報に触れさせてあげましょう。
中学・高校のイベントに参加する
小学生には中高のオープンキャンパスや文化祭など、よりレベルの高い勉強や取り組みに触れられる場を経験させてあげることも想像力を養うために役立ちます。
勉強の内容そのものが刺激となり「こうやってみたらどうなるだろう?」と想像力の幅を広げることにつながりますし、また「もし自分がこの学校に入ったら、将来はどんな感じになるのだろう?」という想像もできます。
勉強の内容そのものが刺激となり「こうやってみたらどうなるだろう?」と想像力の幅を広げることにつながりますし、また「もし自分がこの学校に入ったら、将来はどんな感じになるのだろう?」という想像もできます。
バランスよく考えさせる
子どもの個性によってはポジティブなこと、逆にネガティブなことばかり想像するということがあるかもしれません。
想像するという点では間違いではありませんが、どちらかに偏りすぎるのはある意味、想像力が欠けているともいえます。もし子どもの想像がどちらかに偏っていると感じたら、親が「こんな考え方もあるよ」「お母さん(お父さん)はこう思う」など、なるべくバランスよく想像できるよう助けてあげてください。
想像するという点では間違いではありませんが、どちらかに偏りすぎるのはある意味、想像力が欠けているともいえます。もし子どもの想像がどちらかに偏っていると感じたら、親が「こんな考え方もあるよ」「お母さん(お父さん)はこう思う」など、なるべくバランスよく想像できるよう助けてあげてください。
物事をバランスよく考える力を育てる取り組みとして、「ポジティブな意見を出す人」「ネガティブな意見を出す人」という役割を決め、一定時間をおいて互いの役割を交換するという遊びをやってみてもいいでしょう。
例えば「海外旅行について」というテーマなら、ポジティブ役は「今まで見たことのない場所や物を見られる」「日本では珍しい、美味しいご飯を食べられる」などの意見を出します。一方、ネガティブ役なら「交通費や宿泊費など多額のお金が必要になる」「危険な地域に行ってしまったら、事件や事故に巻き込まれるかもしれない」などの意見を出していきます。
2つの立場になってみることで、バランスの良い考え方をする訓練になります。親子で楽しみながらやってみてください。
架空の旅行の計画を立てる
非日常な場所を訪れたり、そこで何かを体験したりする機会は想像力を高めるチャンスです。コロナ禍の現在、旅行は難しいかもしれませんが、旅の計画を立てるだけでも想像力を育む役に立ちます。
行ってみたい地域についてインターネットで調べ、訪れたい名所や現地でやってみたいこと、1日のスケジュールなどを自由に想像してみましょう。
本を読む
例えば自分と同年代の登場人物が活躍したり、友情を育んだりするフィクションは入り込みやすくお勧めです。
もちろん科学や歴史など未知の世界を見せてくれるノンフィクションも、子どもの想像力を高めてくれます。
もちろん科学や歴史など未知の世界を見せてくれるノンフィクションも、子どもの想像力を高めてくれます。
テレビドラマや映画の展開を予想してみる
ドラマなら次回の展開を、映画なら予告から本編を、親子で想像してみましょう。
お互いの想像を比較してみるのも面白いですね。
お互いの想像を比較してみるのも面白いですね。
既に終わっているドラマや映画なら、「もしこの続きがあったら?」という設定で内容を想像するのもいいです。
4子どもの想像力を伸ばすために注意したいこと
子どもの想像力は大きく伸びる余地がありますが、大人の言動によってその可能性が狭まる恐れがあります。子どもの想像力の成長を邪魔する親の言動とは、例えば子どもの自発的な言動に対して、頭ごなしに「それはダメ」「こうしなさい」と指図してしまうことです。
親にそんなつもりがなくても、細かく口出しをされると子どもは親の考えとは異なる想像や考え、行動をしてはいけないと感じ、自ら想像しなくなってしまうかもしれません。
もちろん、子どもが倫理的に望ましくない意見を言ったり行動したりした時は、叱ることも大切です。しかしそんな時でも禁止するだけではなく「なぜいけないのか」を想像させてみてください。
もちろん、子どもが倫理的に望ましくない意見を言ったり行動したりした時は、叱ることも大切です。しかしそんな時でも禁止するだけではなく「なぜいけないのか」を想像させてみてください。
例えば「人をいじめてはいけない」と教えるなら、「いじめられた人はどんな気持ちになると思う?」と、他者の気持ちを想像するよう促してみましょう。さらに「誰かがいじめられていたらどうする?」と質問してもいいかもしれません。
これは他者の気持ちに対する想像に加え、自分の行動が周囲に与える影響について想像するための良い機会になるはずです。
5子どもの想像力は親の心がけで伸ばせる!
ここまで子どもの想像力の大切さ、養う取り組みなどについてご紹介してきました。
「2. 子どもの想像力はどんな時に養われる?」でお伝えした通り、「他者への想像力」は他者とのつながりの中で自分を俯瞰する視点を与えてくれます。
「2. 子どもの想像力はどんな時に養われる?」でお伝えした通り、「他者への想像力」は他者とのつながりの中で自分を俯瞰する視点を与えてくれます。
「突破への想像力」は自由な着想や柔軟な発想を導いてくれ、「未来への想像力」はより良い行動への選択肢を示してくれるものです。
子どもの想像力は親の協力や与える環境によって大きく左右されるといえますが、最も大切なのは親が“子どもの想像力には無限の伸びしろがある”としっかり認識しておくことです。
その上で意識したいのは、子どもが想像したことに対して、親が答え合わせをする必要はないという点です。想像力はいわゆる“勉強”とは違い正解を求めるものではありませんし、善悪の判断も保留していいのではないでしょうか。
これもあり、それもありという感覚を楽しむことが、次なる想像の原動力になります。
子どもはもちろん、大人でも想像力を伸ばすことが可能です。子どもに寄り添い、ともに想像力を育んでいきましょう。