- 1日目
- 新大阪 →静岡駅 →富士山二合目(昼食) →富士宮口新五合目(登山準備) →新七合目(赤池小屋)17:20着/女子泊 →八合目(池田小屋)19:20着/男子泊
- 2日目(女子)
- 新七合目4:00発 →富士山山頂【浅間神社参拝】9:30着 →新七合目 →富士宮口新五合目 →ホテル
- 2日目(男子)
- 八合目5:30発 →富士山山頂【浅間神社参拝】7:40着 →八合目 →富士宮口新五合目 →ホテル
- 3日目
- ホテル →東京大学【講演・昼食・見学】 →東京駅 →新大阪
- 1日目
- 新大阪 →静岡駅 →朝霧高原(昼食) →西湖コウモリ穴 →トレッキングスタート →西湖野鳥の森公園 →ホテル
- 2日目
- ホテル →東京大学【講演・昼食・見学】 →東京駅 →新大阪
意味や理由を幅広く考えられるようになった
樹海散策・東京大学見学参加
何でもできる!
富士登山・東京大学見学参加
再チャレンジしたい
富士登山・東京大学見学参加
― Aくんの樹海散策への参加理由と感想を聞かせてください。
Aくんもともとは『富士登山』へ行こうと思っていたのですが、清風南海出身の叔父が『富士登山』に行って高山病になり下山することになったことや、頂上までの宿泊も大変だと聞いたので、樹海散策を希望しました。僕は普段、鉄道での旅はするのですが山に行くことは無く樹海も初めてで、特に行ったことのない洞窟を楽しみにしていました。
― では、『富士登山』を選んだ2人の参加理由と感想をお願いします。
Fさんもともといろんな体験ができる学校行事にはなるべく参加したいと思っていて、特に『富士登山』は個人では経験できないだろうからこの機会に登ってみたいと考えました。それに中学受験のときに学校行事の一覧を見たら『富士登山』があって、そのときから「楽しそうだな」と思っていたんです。みんながやったことのないことにチャレンジしてみたいし、大変そうだけどやりがいも達成感もあるだろうなと思って富士登山を選びました。「富士山に登れるかのある程度の目安になる」と先生が言っていた体育の授業でのシャトルランが意外と走れたことも「いけるかも」と自信になりました(笑)。
当日は、ガイドさん「呼吸が整うから友達と話しながら登った方が楽だ」と教えてもらい、ずっと話しながら登っていたら意外とすぐに着いてしまいました。私の班では高山病の人も出なくて、とても楽しく登ることができました。7月なのに暑くも寒くもなく、雨も降らず雷も鳴らないお天気だったことも運が良かったです。標高が高くなって、雲の中を通ったときは霧が深くなり、とても涼しかったことが印象的でした。
Mさん最初は樹海に行きたいと思っていたのですが、母から「富士登山は一生に1回かもしれない」と勧められました。それに私は面倒くさがりで、自分から自主的に何かをやるのが苦手なため、学校行事でしかチャレンジできないかもしれないと思ったので富士登山を選びました。
本番はとにかくしんどかったです。私は普段もずっと歩いていたら疲れて座り込むくらい体力が無く、富士山にも特に体力をつけずに行ってしまったので九合目で下山しました。私の班は最後尾で、先生が3、4人とガイドさんが1人付いてきてくれて、同じ班になった3人で「一緒に頑張ろう」と励まし合いながら歩きましたが、八合目あたりからガイドさんに「顔色が悪い」と言われ、九合目までは死に物狂いで行きました。
でも、チャレンジしたことは良かったです。頂上まで行けなかった悔しさがあり、もう一回チャレンジしたいなとも思います。
― 今回の経験で、自分自身や周りに対して発見したことはありますか。
Mさん私は人見知りであまり友達がいないのですが、富士山に登っている間はいろんなところで班の人と励まし合え、行動食として持っていたお菓子を分け合えてとても楽しかったです。ただ、九合目で帰ってきた悔しさは自分の中で大きく、あと一歩で達成できないのは嫌だと思うようになって、定期テストの他のことも最後は渾身の力で頑張ろうと思うようになりました。
Fさん私は頂上まで登れたことで大きな達成感がありました。貴重な経験ができてよかったし、自分がより強くなった気がしています。私だけの経験による私だけの学びがあって、それが私だけの自信につながっています。これからしんどいことがあっても、私は富士山を登り切ったのだからきっとできる!日本一の山を登り切ったのだから何でもできる!という前向きな思考につなげられるようになったと思います。
学校では、先日『文化芸術の日』があって、その時に有志で実行委員を務めさせてもらいました。運営は毎日会議に作業で大変でしたが、そこでも富士山を最後まで登りきったという経験が自分を強くしてくれていると感じたことがあったので、私の支えになっていると思います。
Aくん樹海散策で僕が驚いたのは「地形は単純なものではないんだな」ということです。樹海にはマグマが流れて溶岩石ができたそうで、中の空気が冷えて穴が開いていて、それが下からの空気を通すから気温が2℃くらい下がってとても涼しいんです。それを実際に見て触ったことで、意味や理由を幅広く考えられるようになりました。学校でも、自分が嫌なことも視点を変えて考えられるようになったと思います。
― FさんとMさんも自然のすごさを感じたところはありましたか。
Fさん標高が高くなると寒すぎて植物が生えないし、生き物もあまりいないと事前に聞いていましたが、意外と頂上近くなっても植物が生えていてそれにみんなで驚きました。
Mさん七合目で女子と一部の男子生徒が泊まったのですが、2日目にそこから頂上へ向かうときはまだ朝陽が昇っていなくて、登り始めたくらいから出てきたので、太陽の光を初めて間近で浴びました。山小屋体験も印象的で、七合目まで行くのがすごくしんどかったので、山小屋でのポカリスエットや水をとても美味しく感じました。カレーも美味しかったです。
― 翌日は合流して東大見学ですが、そこでの感想や得たものを教えてください。
Aくん 東大といえば赤門なので、「赤門はどれかな?」と思っていましたが、結局わかりませんでした(笑)。東大の先生の話を聞くという滅多にない経験ができ、内容にも感銘を受けました。その後、昼食のために東大の食堂に行ったのですが、清風南海の学食よりとても大きいのに席が全く空いていなくて、大学内の人の多さに驚きました。班行動でしたが、僕はそこではぐれてかなり焦ったので、その印象が何より強いです(笑)。
Fさん とにかく広くて、友達と「ここは東大の敷地内なのか、外なのか」とずっと話をしていました。「これほど広いと、勉強はどれだけ充実するのだろう」とか、「こんな場所で学ぶのはどんな感じなんだろう」と想像を膨らませました。残念ながら時間があまりなかったので、東大生にお話を聞くことはできなかったのですが、とにかく感じるだけで感じてきました(笑)。
Mさん東大に行く前に明治大学の横を通ったのですが、近代的な建物で驚いたんです。東大も同様かと思っていたところ、ロンドンの街並みのような作りで、全く印象は違いました。大学生だと思われる方々も楽しそうにショッピングモールを歩いているようで憧れました。
― 清風南海には生徒の皆さんを刺激する学校行事がたくさんありますが、いろんな経験ができる清風南海の良さを教えてください。
Mさん仏教の教えを大切にしている清風南海には修養行事があって、心が落ち着いてきれいになります。入学した頃の初心に戻れるので私は一番好きです。この学校の良さは先生がしっかりと寄り添ってくれるところ。放課後の職員室には全身全霊で質問に答えてくれる先生がいっぱいいて、理解できない私のような生徒にもわかるまで教えてくれます。
Fさん清風南海は進学校と言われていて、勉強もしっかり教えてくれますが、たくさんの知識をつけるだけではなくて、実際に試したり、もっと広げたりするためにいろんな場に連れ出してくれます。清風南海で学んでいると、知ることって楽しい、勉強は楽しいと思わせてくれます。勉強イコール嫌なものと考えがちですが、この学校に来たら勉強イコール楽しいものに置き換えられると思います。
Aくん入学前は勉強も規則も厳しいと思っていたのですが、『文化芸術の日』での皆の楽しみ方を見ていると、勉強するときは勉強、遊ぶときは遊ぶとメリハリをつけるのがうまいと感じます。行事では思い切り楽しんで、普段の生活に戻ったらそれを活かしてまた勉強を頑張れるのがこの学校です。
中2生の登頂率は92.3%の『富士登山』
自然に触れ合う中でさまざまな発見をした『樹海散策』
私は『富士登山』の女子チームと一緒に登ってきました。男女での体力差や高山病のことも配慮して、1日目は男子チームが8合目まで登ってそこで1泊、女子チームが新7合目まで登って1泊します。7合目や8合目で待機する教員もいて、生徒が途中で体調を崩せば様子を見て、難しそうならば下山させる体制です。『富士登山』と『樹海散策』は希望制で、中1の終わりに1回目の希望調査をして、中2になって最終確認をして多少変動はありましたが、最終的に『富士登山』が170名、『樹海散策』が101名。生徒の希望通りで実施しました。
当日、『富士登山』はたいへん天候に恵まれ、風も吹かず雨も降らず、途中で対応に困ることのない状況で登れ、ガイドの方にも助けていただいたので登頂率は92. 3%になりました。登れなかった生徒の多くは高山病です。2,3人は9合目や9. 5合目まで登って、あと少しで頂上が見えるなかで悔し涙を流しながら下山しました。
生徒の中には、最後まで登り切れるかと不安な気持ちをもっていた者もいましたが、実際に登ってみると多くの生徒は、それほどしんどい顔をせずに登り、下りてきた時もとても楽しそうでした。『樹海散策』の生徒については、Aくんが話してくれたような自然と触れ合う中での発見が大きかったようです。日常は人工物に囲まれているので、森の中や洞窟に触れて、何かしら感じることがあったのではないかと思います。
日本一を経験するための行事
達成感を仲間と共有して次へ向かう
今回の行事は、「日本一を経験してほしい」という思いがそもそもの原点です。日本一の山に登り、日本一の大学に触れることで、生徒が今後の学校生活を考える一つのきっかけとなる行事です。特に『富士登山』では、第一に「しんどかった」という言葉が出てくるのですが、後になるほど「行ってよかった」「達成感があった」という言葉が聞こえてきます。日常生活の中で目に見えて大きな変化があるわけではありませんが、やはり仲間とともに富士山に登った経験は大きく、その中で感じたことはたくさんあるようです。そもそも日常生活では感じられないものを感じ、触れ合いにくい生徒同士が混ざることでいろんなコミュニケーションが取れることが学校行事の一つの在り方。『富士登山』は苦しい思いや達成感を共有した仲間ができるといういつもとは違う行事で、得るものが大きく良い経験になっていると思います。また、『富士登山』も『樹海散策』もチームで一緒に動くことが好きな子も、自然が好きな子もそれぞれが頑張れる行事です。至るところにいろんな投げかけがあり、多くの生徒が体験によって自分の興味を深めたり、新たな発見ができたりしますから、その機会は貴重だと思います。
規模に圧倒され、刺激を受ける『東大見学』
『東大見学』では歴史と敷地等の大きさを感じたと思います。生徒たちにとって学校と言ったら、小学校や中学校規模。本校のように高校があっても、サイズ感としては大きく変わりません。東大の規模に圧倒される中で、「将来こうしたところで勉強してみたい」「こうしたところで実際に学んでいる人たちはどんな感じなのだろう」と思いながら見学し、充実した施設の中で楽しそうに学ぶ大学生を見て将来のビジョンが垣間見え、憧れを持ち、「自分もこんな風になれたら」と刺激を受けるのだと思います。
行事は自分の適性を見つけるヒントになる
清風南海には学校行事がたくさんありますが、何においても主体的に参加してほしいと願っています。まずは、自分たちがやりたいことをやってみて、さまざまな経験を通じて自分の適性がどこにあるかを見つける。行事はそのためのヒントにしてほしいです。
また、清風南海の魅力の一つが、生徒と先生の距離の近さ。職員室に生徒が入りやすく、今はコロナ前の状況に戻ったので、職員室の先生の席までいって質問をすることが可能です。職員室の外のホワイトボードで一緒にわからない箇所を考えたり、学習室で相談を聞いたりするなど、きめ細やかな指導もあります。そうした関係性も、普段の学校生活や行事において生きていると思います。