二宮尊徳の行動と精神を模範とし、「知・徳・体」のバランスのとれた21世紀型リーダーを育成する報徳学園中学校・高等学校。全国レベルの実績が輝くスポーツの強豪校として、また難関国公立・私立大学に毎年合格者を出す進学校として知られる同校は、2018年度から放課後学習システム「金次郎STUDEO」「金次郎SEMINAR」をスタートしました。文武両道を目指す生徒を勉強面でバックアップするその取り組みについて、教育推進部長を務める西條裕朗先生のお話とともにご紹介します。
「クラブを終えて家に帰ると、疲れてしまって勉強できない…」
「授業でわからなかったことを、ついそのままにしがち…」
「塾に通っているけど、学校との両立が大変で中途半端に…」
西條先生
「本校には毎年、勉強もクラブも頑張りたいという生徒がたくさん入学してくれます。私たち教員も大変嬉しく思っていますし、学園の教育理念に基づいて文武両道に励む中高生を全力でバックアップするのは当然のことです。新しくスタートした放課後学習システムは、そんな生徒たちのために、勉強面において“やる気”のスイッチを入れてあげることを目指して誕生しました」。
2018年度から始まった同校の2つの放課後学習システム。その1つが生徒の自学自習を支える「金次郎STUDEO」です。中学生と高校生が垣根なく利用できるこの学習システムの良さを西條先生におたずねすると、「授業の予習や復習も、定期テスト対策も、家庭学習も、すべて放課後に“学校内完結”できるところです」と答えられました。
西條先生
「放課後、『金次郎STUDEO』で勉強に取り組む場所は、普段生徒が過ごしている教室ではありません。実はここがポイントで、自学自習の雰囲気をつくるために、あえて環境を変えてあげることは大切だと考えました。ですから1日の授業が終わると、『金次郎STUDEO』で勉強する生徒たちは別棟にある専用教室に移動して机に向かいます。そして、その教室には専属のチューターが数名在席しています」。
もちろん「金次郎STUDEO」への参加は、生徒の自由な意思によるもの。放課後を有効に活用して勉強したいという中学生と高校生が自ずと集まるのですが、そこに専属のチューターも在席することで、プラス効果として“勉強モード”の空気が教室内に醸成されるといいます。そして他にも、「自学自習だけではない『金次郎STUDEO』ならではの取り組みも行っています」と話す西條先生。
西條先生
「中には、もう少し踏み込んで自分の学習課題を解決したいという生徒たちも少なからずいます。『金次郎STUDEO』にはそんな生徒をサポートするために、専属チューターが一人ひとりの質問を受けて対応する『質問型自習室』を月額料金制で用意しています。さらに、もっと深く個別でじっくり教わりたいという生徒には、講師との完全1:1によるマンツーマン指導が受けられる『個別指導授業』を1コマ単位の料金制で実施しています」。
「質問型自習室」と「個別指導授業」を希望する生徒には学習状況を把握する同校の教員とチューターが面談を行い、学習カルテを作成した上で個々の学習コースを決めるといいます。自学自習の習慣づけのみならず、生徒の「もっと深く学びたい!」というニーズにも細かく対応する「金次郎STUDEO」。放課後、同校にいながら通える塾としての側面も備えることで、生徒は安心して毎日の勉強を“学校内完結”することができるのでしょう。
「金次郎STUDEO」の取り組み例
中学生
- 授業
- クラブ活動
- 金次郎STUDEO
- 帰宅
高校生
- 授業
- 金次郎SEMINAR (受講する高校生のみ)
- クラブ活動
- 金次郎STUDEO
- 帰宅
「高校の早い時期から大学入試を意識した勉強を始めたい!」
「志望校合格に向けて苦手を克服し、得意はさらに伸ばしたい!」
「より発展的な演習を通して、難関大合格への実力をつけたい!」
西條先生
「この『金次郎SEMINAR』も新しくスタートした放課後学習システムです。対象は高校生。大学受験を見据えた選択制の有料特別講座として実施し、大手予備校や塾で実績のある経験豊富な精鋭講師が各講座を担当します。いわば“大学受験のプロフェッショナル”が放課後本校にやって来て、難関大合格に向けた熱い授業を繰り広げるのです」。
難関大合格を目指す高校生たちの学習ニーズに応えるために誕生した「金次郎SEMINAR」。西條先生が話された通り、高校生を対象にした大学受験対応の有料特別講座として2018年度から実施されています。「授業で習ったことを復習しながら確実に理解したい」「志望する難関大学合格に向けてもっと実力を高めたい」など、個々の目的やレベルに応じた学習を実践できるところが大きな特長といえるでしょう。
西條先生
「講座は、英語・数学・物理・化学・国語・英会話の6つを用意しています。その中で英語を例に挙げますと、基礎と応用に分けて講座が展開され、土台をしっかり固めることから始めたいという高1生と、より発展的な演習を求める高2生や高3生がそれぞれ自分の目的に合わせて学習できるようにしています」。
さらに英語は、先の新大学入試を見据えて英会話の講座を設け、スピーキングの強化にも力を入れているとのこと。また、同校は男子校であることから理系の進路を志望する生徒が多く、それを踏まえて数学以外に物理と化学の講座も用意されています。そうした“生徒目線”の講座だからこそ、受講生一人ひとりが感じる満足度は高いという西條先生。
西條先生
「実際に講座を受講している高校生にアンケートを取ったことがあるのですが、大半の生徒が好意的な印象を持ってくれていることがわかりました。やはり多くの生徒が受験勉強の面でも“学校内完結”できることを望んでいたのでしょう。今後、『金次郎SEMINAR』をさらに充実させるために、難関大学を目指す生徒のニーズをより細かく把握しながら、講座の内容や時間なども適宜改善していくつもりです」。
「金次郎SEMINAR」を有料の選択講座制にしたことで、生徒たちのモチベーションは確実に高まったと話す西條先生。受験のプロフェッショナルである講師陣の特別授業は、難関大学を目指す一人ひとりの“やる気”を大いに刺激しているといいます。そして、そうした講座を放課後に学校内で受けられること自体、クラブ活動などで忙しい生徒にとっては嬉しいこと。今後、同校の放課後学習システムがどのように進化していくのかとても楽しみです。
「金次郎SEMINAR」の取り組み例
高校生
- 授業
- 金次郎SEMINAR (受講する高校生のみ)
- クラブ活動
- 金次郎STUDEO
- 帰宅