「diversity(ダイバーシティ/多様性)」の認識が高まる社会で活躍するために、二宮尊徳の精神に基づく教育で「知・徳・体」を備えた21世紀型リーダーを育てる報徳学園中学校・高等学校。スポーツ強豪校であり進学校でもある同校は、国や文化の違いを越えて交流・協力できるたくましい男子の育成を目指し、長年にわたり国際教育に力を入れてきました。その学びを知るために国際教育室長の大谷彰先生を訪ね、同席してくれた在校生2人に海外語学研修をはじめとする様々な話をうかがいました。
報徳学園の国際教育
未来社会のキーワードとされる「diversity(ダイバーシティ/多様性)」の認識を高め、国や文化の違いを認め合って活躍できる人材を育成。語学力のみならず、コミュニケーション能力・表現力・異文化理解・問題解決力を養うために中1から段階的に国際感覚を身につける学びを実践。
報徳学園「国際教育」の魅力!
―― 報徳学園の国際教育は入学前から知っていましたか。
Sくん
はい。国際教育が充実している中学への進学を希望していたので、小学生の頃から知っていました。
Mくん
僕は中学受験前のオープンキャンパスで校長先生の話を聞き、報徳が国際教育に力を入れていることを知りました。
―― 入学後すぐに英会話の授業が始まります。当時の感想は?
Mくん
中1の「英会話実習Ⅰ」では、ネイティブの先生がゲームや映画鑑賞などを授業に取り入れて英語に興味を持たせてくれました。そのおかげで僕のように中学から本格的に英語学習を始める生徒でも楽しく学べました。
Sくん
中2でレベルアップする「英会話実習Ⅱ」では、9月に実施される「国際交流合宿」を見据えて自国の文化や歴史を英語で説明するスキルを身につけました。
Mくん
国際交流合宿」では国公立大学で学ぶ留学生と一緒に京都の寺院をまわります。自分たちに知識がないと正しく案内できないので、英会話以外のこともしっかり勉強しました。
国際交流合宿
―― そうした学びを経て中2の「アイルランド語学研修」に臨むのでしょうか。
Sくん
そうです。僕たちの時はイギリスでした。40人近くの生徒が参加し、ホームステイをしながら現地の語学学校で2週間学びました。ステイ先には15人の留学生がいて、僕以外は英語を母語としないEUの国々から来ていました。
Mくん
僕はフランスからの留学生と3人でホームステイしました。初めて異国の地に身を置き、最初の1週間はコミュニケーションが取れずに苦労したのを覚えています。
アイルランド語学研修
―― どのようにコミュニケーションを取ろうと努めましたか。
Sくん
とにかく“おじけずにしゃべる”ことです。そうするとまわりも受け入れてくれます。積極的に話し掛けることは本当に大事だと実感できました。
Mくん
僕も同じです。自分から話しかけることがコミュニケーションを取る1番の近道だと感じました。帰国後も実践するように努め、ネイティブの先生にどんどん質問するようになりました。
Sくん
僕もMくんも、中2の語学研修が今後の学校生活を充実させる上での大きな分岐点になりました。
中1から段階的に学びのレベルを高めていくのが本校の国際教育の特長です。初めての海外語学研修を中2で実施するのも良いタイミングだと考えています。文法知識などはまだまだ学習途上の学年ですから自分の英語が通じなくて当たり前。その一方で、これまでに習った単語で会話ができることも実感できます。生徒にとって挫折よりも、むしろ自信を持てる機会になります。
―― 身につけた積極姿勢はその後の学校生活でどのように活きましたか。
Sくん
僕たちのⅡ進コースは、高1で『兵庫県高校英語ディベートコンテスト』に出場します。その準備に熱が入りました。
Mくん
先輩たちが頑張る姿を間近に見てきましたし、中2の海外経験もあったのでなおさら気合いが入りました。
―― ディベートコンテストで印象に残った思い出などは?
Mくん
大会前に近隣の私立校と練習試合をしました。その学校も英語に力を入れていて、僕たち以上にレベルが高かったので「上には上がいる」と痛感させられました。
Sくん
ディベートコンテストは同学年の生徒の英語を見聞きできる貴重な場です。練習試合や大会を通じて自分たちの実力がわかるので、悔しい思いをしながらも、もっと上達したいという向上心を抱くことができました。
英語ディベートコンテスト
―― 高校進学後も海外語学研修に参加されましたか。
Mくん
高1の学年末にフィリピン語学研修に参加しました。この研修の良いところは現地の先生から直接レッスンを受けられるところです。1対1のレッスンが4時間、グループレッスンが3時間で、1日計7時間、2週間英語漬けです(笑)。
フィリピン研修
Sくん
僕は高2のアメリカ語学研修が最後で、現地の高校に通って授業を受けました。自己主張が当たり前の国なので最初は圧倒されました。先生が質問すると生徒全員がすぐに手を挙げ、意見を言うだけでなく相手の話を聞く傾聴力もあるのです。すごくレベルが高かったのですが、最後の3週目はみんなが話す内容を理解できるようになり、多くの刺激を受けました。
アメリカ アルバカーキ・アカデミー交換留学研修
―― 最後に今後の目標を教えてください。
Sくん
大学では英語を使って経済などを学ぶ学部に進み、在学中に長期留学もしたいです。もともと人と接することが好きで、報徳の国際教育でさらにコミュニケーション能力を高められたので、将来はそのスキルを活かして活躍したいです。
Mくん
僕は国際関係学を学べる大学に進学したいです。英語の本質を学ぶよりも、コミュニケーションのあり方を中心に社会や諸外国の情勢を勉強したいと思っています。履修する第二外国語も英語並みに究めたいです。
本校では“英語がしゃべれる”ようになること以上に、語学研修などを通じてコミュニケーション能力を育むことを重視しています。これからの社会は「多様性」がキーワードです。その中で、国や文化を越えてお互いを認め合い、協力・協働しながら様々な問題を解決することが求められます。そこで英語をツールにしてコミュニケーションを取ることができれば貢献できる幅も広がるでしょう。